2017.09.25

プロから学ぶ(H22)

 平成22年の原稿です。

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 「教師になってよかった」と思うことの一つに「プロから学ぶ機会がある」ということがある。
 昨年十一月にプロの朗読家・俳優である樹原ゆりさんを本校に招いて、大人対象の朗読会を開いた。地域の教育振興会の活動の一環で、事務局である自分が企画、実行したものである。
 夜六時半からの会に二十数名が集まった。そこで「やはりプロ」と感じたことがいくつもあった。

1 読む時の表情
 朗読がすばらしいのは言うまでもない。それ以上に感心したのは、その表情だ。浅田次郎氏の「角筈にて」を読んだのであるが、会話文の時には本から目を離し、実際に会話をしている表情をする。特に感情が高ぶった時には、その気持ちがはっきりと伝わってきた。

2 音楽と光の効果
 音楽も朗読会の雰囲気作りに大きな影響を与えていた。その選曲ぶりは見事だった。スポットライトのみの光は、映画と同じ環境で集中して聴くことができた。

3 臨機応変の見事さ
 子ども連れでいらした方がいた。その子たちを見て、樹原さんはすぐに控え室に戻り、幼児向けの本をもってきて、最初に朗読を行った。その子たちは夢中になって聞いていた。その臨機応変さに感心すると共に、レパートリーが豊富だからこその技なのだと感心した。

4 努力が一番
 朗読会終了後に情報交換会をした。一番印象に残ったのは「朗読の練習を努力して続けることによって、女優としての幅を広げることができた」という話だった。当たり前のことであるが素質だけでなく努力することの尊さも改めて感じた。

 参加した皆さんの「感動した」という言葉を聞き、主催した甲斐があったと思った。同時に私自身がプロからたくさん学んだ貴重な会であった。

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2017.09.24

「いじめがある」という保護者の訴えにどう対応するか

Q:同じ学級の子の名前を出して、「あの子たちのせいで我が子がいじめられる」と訴えられました。調べても明確ないじめがあったわけではなかったのですが、その事実を告げても信用されません。保護者にどう対応したらいいでしょうか。

A:担任からすれば、「しっかりと学級経営をしているのに」という気持ちでしょうが、火のないところに煙は立ちません。まずは「学級経営に隙があったのでは?」と振り返ってみましょう。「いじめを受けたと感じた子」がいるのは事実です。その子自身が「いじめを感じない」状態となり、友だちとも仲良く交わるような学級の取り組みを考えていきます。

 まずは保護者の言い分を十分に受け入れます。保護者は「我が子がいじめを受けた」と感じています。言い分をしっかりと聞き、誇張と思われる部分があっても、「それは違います」と言いたい気持ちを抑え、まずは受容します。

 次に明確な指導方針を立て、それを伝えます。保護者の願いは、「我が子がいじめられずにみんな仲良くしてほしい」ということです。それは子どもも同様です。その願いをもとに、たとえば次のような指導方針を決めます。

・その子と周囲の子どもたちの交友の様子について特に目配りする
・訴えのあった子には「困ったことがあったらすぐに教えて」と話しておく
・「学級全員で遊ぶ日」「友だちのよさを発見する会」等の取り組みを行い、子ども同士の交わりを深めるようにする

 これらの取り組みの様子について、保護者に連絡帳、電話、学級通信でこまめに伝えます。また時々子どもが家庭でどのように話しているか様子を聞き、「気づかれたことはすぐにご連絡ください」と情報提供もお願いしておきます。取り組みの結果、我が子がいろいろな友だちと仲良く遊ぶようになった事実を知れば、保護者の見方も変わってくることでしょう。

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2017.09.18

「鍛える遠足」は価値がある(H21)

H21の原稿です。

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 本校の校歌は「久慈平岳の峰遠く・・・」という始まりである。久慈平岳は洋野町と軽米町の境に位置する標高七百六mの山である。校歌にも歌われるぐらいであるから、周辺はまさに風光明媚である。

 この久慈平岳を「遠足登山」という行事で、二年に一回本校児童全員が登る。
 もっとも、「登山」といっても、山道は車が通ることができ、登山道入口からも一時間半ほどで山頂につく。
 自然豊かな学区の本校児童もふだん登山することはあまりない。それだけに子どもたちはこの登山を楽しみしている。今年は十月二日に行った。

 登りやすい山であっても、登りは厳しい坂道が続く。大人でも「これは少しきついなあ」と思うほどである。初め登山をする一・二年の子たちも必死に上学年の子たちについて行った。
 かつては、このような体力を使う遠足は多くの学校で行われていたが、最近では珍しくなった。今回、この「鍛える遠足」のよさをいくつも感じた。

 一つ目は達成感があることである。苦しんで登った後の達成感は何にも代え難い。山頂から見えた美しい太平洋の景色に子どもたちは歓声をあげた。がんばったからこその絶景という「ご褒美」である。
 二つ目は上級生と下級生への関わりが深まるということである。一・二年生が大変そうな時には高学年がリュックを持ってあげていた。「大丈夫?」といったやさしい声がけも多かった。実に微笑ましい光景だった。
 三つ目は自然の中で過ごす気持ちよさを体験させられるということである。汗をかき、涼しい山風にあたる心地よさを子どもたちも感じることができた。

 今回の遠足は、間違いなく子どもたちの記憶に強く残るものであろう。「鍛える遠足」もいいものである。

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2017.09.17

悪質ないたずらが発生したら

Q:「机に『バカ』と書いた紙が入っていました」と担任している子に訴えられました。子どもたちに何度も問い詰めたり、一人一人に聞いたりしても書いた子は見つかりませんでした。どう対応したらよかったのでしょうか。

A:このようなトラブルでは、厳しく問い詰めても自ら「ぼくがしました」と名乗られることは稀です。しかし、不十分な対応では、いたずらされた子は不満になりますし、いたずらした子が再度行うことも考えられます。両者の内面に響く対応を行う点が大切です。

 最初にすべきことは正確な実態把握と情報収集です。本人から、いつ発見したか、思い当たることがないかといった情報を聞き取ります。もちろん実物の紙も見せてもらいます。その上で「学級全体で話し合っていいか」を本人に確認します。「名前を出してほしくない」という場合にはその気持ちを尊重します。

 続いて学級での指導です。教師から事実を告げ、いたずらの被害にあった子の気持ちを考えさせます。教師はその子の味方であり、このようないたずらは許されないことを強いメッセージで発します。この時に注意すべきことは、犯人捜しの行動をしつこく行わないことです。学級全体が「先生は自分たちを信じていない」「犯人扱いをされた」といった不信感が芽生えてはマイナスです。

 教師の呼びかけやいたずらを許さない学級の雰囲気に、いたずらをした子も反省の気持ちが強くなります。しかし、学級全員の前で名乗り出るのは強い抵抗があるのが普通です。そこで、その子たちの反省が行動化できる余地を残すようにします。直接担任に話してもいいし、紙に書いて教師に手渡すのでもいいから告げてほしいことを伝えます。「見捨てない」という一言も添えます。

 実際には、いたずらした人がわからないまま終わるかもしれません。しかし、このような対応をすることが今後の悪質ないたずらへの抑止力になります。なお保護者には経緯と対応をその日のうちに伝えます。遅れてはいけません。

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2017.09.15

第4回あすの社会科を考える会in仙台

第4回あすの社会科を考える会in仙台が11月18日(土)に開催されます。
くわしくはこちらです。申込みも同じです。
以下紹介文です。

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今回は「学習問題・発問で授業がここまで変わる!」をテーマにします。学習問題・発問は授業の根幹を成すもの。とても重要なものです。これによって,子どもが深く考えたり,追究したりもするし,また,逆のこともあります。この大事な学習問題・発問について,みんなで学んでいきましょう。いつもの二人の講座,それから中堅の先生の模擬授業もあります。今回も充実した会になることでしょう。初任層の方,歓迎します!社会科が苦手な人,大歓迎です!!今さら聞けないような話も,全然問題なくOKです!


日時 平成29年11月18日(土)
    13:00~17:00
会場 仙台市戦災復興記念館第一会議室
定員 30名
テーマ「学習問題・発問で授業がここまで変わる!」
プログラム
13:00 開会 セミナーの趣旨説明
13:05 講座1(ミニ講座15分×2)
      三浦大栄(岩手県)「地図帳活用と発問づくり」
      赤瀬光雄(岩手県)「     」
      
13:35 休憩
13:40 講座2(佐々木潤)
      「この発問の型で深く考える!」
       ※模擬授業も入れながら,お話します。
14:20 休憩
14:25 講座3(佐藤正寿)
      「キー発問を生かした授業づくり」
15:05 休憩
15:15 あすの社会科授業を作るワークショップ
      ・グループを作って,学習問題・発問を中心にした授業プランを作ります。
      ※担当学年の社会科教科書をご持参ください。
16:30 社会科授業,学習問題に関するQ&A
16:50 閉会行事

※ 懇親会も企画しております。仙台駅周辺を予定しています。

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2017.09.11

教え子との絆は歳月を越えて(H21)

平成21年の原稿です。

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 今年のお盆に初任校で担任した子どもたちとの同窓会があった。
 小学校3年生だった子たちも33歳。自分が青年教師時代だった時の様々なエピソードを思い出した。教師としては力が不足していた時代だったが、子どもたちは「あの頃は本当に楽しかった」と話していた。私にとって宝のような言葉である。若かったからこそ子どもたちに与えた影響もあったのだと感じた。

 さて、同窓会は担任した子どもたちが企画したものであるが、私自身が卒業後の繋がりを意識した「実践」がある。
 赴任2校目の奥州市立岩谷堂小学校で卒業する子どもたちに「20歳の自分への手紙」を書かせたことがあった。「あなたは今、何をしていますか。『自分の店がほしい』という夢はかなっているかしら。今は、どこで暮らしているの?」といった自分へのメッセージを書いていた。その手紙を私が8年間保管し、約束通り子どもたちが20歳になった時に送付したのである。
 発送後、「8年前の自分からの手紙」に子どもたちから次々と連絡が来た。「小学校時代を思い出しました」「自慢の手紙です」というように嬉しい声が続いた。

 3校目の宮古市立高浜小学校では、卒業式の日の学級通信に「みんなが20歳になる8年後の8月15日に校庭で会おう」と記した。
 その当日。「果たして本当に子どもたちは来るのか」とドキドキしながら私は校庭に早めに向かった。そうしたら、1人、2人と来始めた。最後には同じ思いをもった教え子が揃った。
楽しかった時代の話に花が咲いたのは言うまでもない。

 卒業して教え子たちとの絆は歳月を越えて続いている。このような繋がりをもてる教職という仕事は何と有り難いことだとつくづく感じた。

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2017.09.10

帰りの会の運営で大切なことは?

Q:帰りの会がどうしてもワンパターンになって新鮮味がなかったり、時には「さとしくんが悪口を言ってきます」といったトラブルの言い合いになったりします。
連絡事項が長引いて予定の時間をオーバーすることもしばしばです。

A:学校や学級の事情によって帰りの会の時間設定や位置づけは異なります。
  私自身、「帰りの会で十分に時間をとって指導できた学級」もありましたが、「連絡事項中心の学級」の時もありました。
 後者は6年担任の時で、帰りの会の後に課外クラブ等の練習があり、5分ほどで終わっていました。
 ただ、どのような帰りの会でも「その日を評価し次につなげる」という点がポイントです。

 まずは翌日の連絡事項をきちんとします。
 必要があったら連絡帳に書かせます。
 書かせっぱなしだといいかげんになる子もいるので、教師が点検したり、隣同士で見合ったりします。
 連絡事項が多い時などは子どもたちからの質問も多いものです。
 質問はあとでまとめてとるようにして効率的に連絡をします。
 机・椅子の整理整頓や教室の美化も短時間で行います。
 毎日継続していれば、1分もあれば十分にきれいになります。
 連絡事項を徹底することや学習環境を整えることは翌日の学級経営のためには必須のことです。

 また、「次につながるその日の評価」をします。
 「楽しかったこと」「友達への感謝の一言」等を発表させます。
 時間が限られているのなら教師からの短いメッセージでも構いません。

 「全員にしっかりと振り返らせたい」というのなら、高学年では「3分間日記」がお勧めです。
 気軽にその日印象に残ったことを専用ノートに書かせます。
 数人発表させ「いい一日だったね」と締めくくります。

 むろんその学級独自の工夫はどんどんしましょう。
 私は学級通信に「今日のヒーロー・ヒロイン」コーナーを作り、配付時に読み上げていました。
 学級全体から大きな拍手が送られるハッピータイムになりました。

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