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2004.05.31

メールマガジン「kyositu.comニュース」

昨日メールマガジン「kyositu.comニュース」にひまわり社ホームページに書いた「6月のめあて」の原稿が掲載されていた。転載である。著書のPRもあり、ホームページのアクセス数も増えていた。
自分の実践がこのような形で広がっていくことには感謝するのみ。

ところでこの「kyositu.comニュース」であるが、教育実践関係のメールマガジンでは読者数がもっとも多いと思われる。内容も実に幅広い。自分自身がこれだけの情報を集めようとすると大変だが、編集長さん(複数制のようだ)が幅広い情報網から読者のニーズに合ったものを選んでくれているので、自分の興味を高める上でお勧めのマガジンである。まだ購読されていない方はぜひご覧ください。

また、そのニュース源は「転載許諾一覧」として公開されている。こちらのホームページをときどきじっくりと拝見し、学んでいる。

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2004.05.26

6年生のコラム

現在、ネット上で2つの連載を担当している。
一つは小学マールマガジンの「私の教材開発物語」。3年以上前から連載を続けており、今月号で37回だ。
もう一つは今回紹介するひまわり社ホームページ「6年生・今月のめあて」だ。

内容はその月に合わせたことを書く。
1は学級づくり、2は授業、3はフリーだ。これを1年間、今年度は連載をしている。今月号では「読書活動大作戦」「目指せ!敬語の達人」「クリップ教材の活用」について書いた。自分自身が翌月実践しようと構想していることを書くので、実践に直結できる原稿である。
なお、私だけではなく、小学校1年から高校まで、その他家本先生の「教育実践史を読む」、「時評」「授業のわざ」「父母からの通信」等、このホームページは読みごたえのある内容である。
ぜひご覧いただきたい。

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2004.05.25

あると使いたくなるツール

IT日常化プロジェクトについては、以前に書いた。
教室にプロジェクタと書画カメラが入り、今週から活用させていただいている。
不思議なものだが、教室にプロジェクタが常備されているのといないのでは、「使ってみよう」という気持ちに違いがある。今までもプロジェクタはいつでも借りられる状態で独占しようと思えば、独占できるものだった(これはこれで校内活用率が低いということで問題なのだが)。しかし、持ち出し・返却がやはり面倒で頻繁に活用・・・というようにはいかなかった。
しかし教室に常備されていると別である。あるだけで「使ってみよう」と思ってしまう。
何かの本で「必要があったらタキシードを購入しようという気持ちではいけない。タキシードを購入したからこそ、使う場面が出てくるのだ」という話を読んだことがあった。それと似ているなあと思う。

さて実際の活用。
昨日は国語。「問い合わせの手紙」といって、新聞社への質問という実用的な手紙を書く内容。
活用したのは次の3段階である。
①教科書の例文で、自分たちがどの部分を変えて書いたらいいか検討をする時に、スクリーンに実際に書き込んだ。
②一通り書き込みを終えれば、スクリーンに映し出された内容は「手本」となる。子どもたちが作文の間はそのまま提示。
③子どもたちの作文の中で紹介したいものを拡大してスクリーンに提示。(読み込みをして拡大提示。同時にノートも保存となる。)

今日は図工。ポスターの導入場面。
①教師がグーグルのイメージ検索で交通安全と選挙ポスター(今回取り組むもの)で参考作品をチェック。指導の意図に合う画像をプレゼンソフトに貼り付け。
②事前に子どもたちに、「ポスター作りのコツ」を話し合わせたあとに、作品の画像を提示。「このポスターのいい点を発表しなさい」と指示をする。事前の話し合いより、具体的でしかも深みのあるものが出てきた。

この他にNHK社会「にんげん日本史」のクリップ教材を子どもたちに見せる。

以前だったら、「いい参考作品はないか」と探し回ったこともあったが、インターネット時代になって便利になった。迫力のある画像で、子どもたちはポスターに必要な視点を考えるには、好都合だった。

活用といっても本当に「ツールの一つ」としての活用である。さっと準備をして必要な時だけ提示をする。
逆に言えば、実物提示の方がよい時ももちろんある。たとえば、ポスターの画像は導入段階でポスターに必要な視点を考えさせる点ではいいが、色彩を検討するには不向きである。当然実物の方がいい。
このように、このツールでしかできないことは何か。また、このツールでもできることは何か。この点を今回のプロジェクト実践の中で明らかにしていければと思っている。

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2004.05.23

「カリスマ体育教師の常勝教育」

実践に裏づけされた重みのある一冊である。
著者は原田隆史氏。私と同世代。大阪市で中学校教諭を20年間勤めたのち、現在は天理大学の講師である。陸上部の指導者として全国大会で13回優勝する等、大いなる成果をあげる。
以前テレビで「教師塾」の紹介がされたことがあった。未知のことだったので、「このような研修もあったのか」と印象に残っていた。それが原田氏の主宰だったことをこの著書を通じて知った。

この本の魅力は、教師自身の自己啓発書にも、そして子どもの指導のための書でもあるということだ。(もっとも、ビジネス書としても相当売れているようだ。発行は日経BP社。)
教師である私にズシンと響いた言葉。

・徹底したのが「静」と「動」の態度教育(静→靴をそろえる、椅子を入れる等、動→返事、相手よりはやい挨拶等。似たことを自分も要求していることに共感)
・目標設定用紙は周りの人に見せてコミット(宣言)して自分を追い込む。(ここまで自分はしていない)
・仕事と思うな、人生と思え。(こう思うと給料をいただきながら人生勉強をさせていただいているという気持ちになる)
・教師としてゆるぎない理念がなければ心に響きません。(いつか書き出してみたい)
・教師がやるべきことは、目標、役割に対する「やり切り、やらせ切り」指導です。(自分はここまで徹底していない)

途中まで書いたがこのような言葉がいくつも出てくる。これをどう自分の仕事、いや人生に生かすか。それを考えてさせてくれる書である。

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2004.05.22

資料から古代史の戦争を考える

■ 古代を想像する知的な楽しみ

 日本における戦争は弥生時代に始まったとされている。現在担任している6年生で使っている教科書(教育出版)にも、弥生時代の学習で、戦争を推測させる遺跡や出土品の資料や戦った旨の記述がある。
 ただ、それらはあくまでも「推測」である。今後新たな発見によって真実が変わる可能性もある。(事実、縄文時代末に戦争があったという説もある。)
 そして同時にこのことは、歴史学習を進めていく場合の重要なヒントとなる。
 それは、「子どもたちが資料から真実を推測していく活動を学習に組み入れるとよい」ということである。
 「今日はみんなが考古学者になって、大昔の生活について推理してみよう」と投げかければ、子どもたちものってくる。いわば「古代を想像する知的な楽しみ」を授業の中で味わわせるのである。
むろん、学習活動として単に想像にとどまらせず、その説の正誤について調べることは大切である。同時に戦争の理由を考えさせて、「歴史的なものの見方」を育てたいと考えた。

■ 授業「遺跡から戦争の跡をさがせ」

 吉野ヶ里遺跡には、戦争の始まりを考える素材がいくつもある。
・頭のない人骨
・打ち込まれたやじり
・遺跡の周りにめぐらされた壕
・見張りのための物見櫓・・・等
 これらの写真や想像図は教科書や資料集にも掲載されている。
 これらの資料をベースに次の3段階で授業を構成する。
1 出土品の写真や想像図から、当時の戦争の様子を考える。
2 その説が正しいかどうか文書資料で調べる。
3 戦争の理由を考え、自分なりの考えを持つ。

■ 古代の戦争を想像する

最初に子どもたちに次のように指示する。

「弥生時代から戦争が始まったと言われています。その証拠を写真や図から見つけなさい。戦いの様子でわかる場合には、自分の想像も加えなさい」

 子どもたちからは次のようなものが出てきた。
・銅剣を使って攻撃をした。その頃は、おそらく強力な武器だった。
・人骨に矢がささったあとがある。弓矢を使っていたと思われる。
・首から上のない人骨が発見された。戦いではリーダーの頭をとっていったのではないか。
・物見やぐらがある。ここに登り、敵が来るのを見張っていた。
・壕を作っていた。敵が襲ってきても相手に攻め込まれないようにしていた。
・柵を村の周りに張っていた。敵に備えていた。

 一通り子どもたちの考えが出たところで、それらが正しいかどうか確かめる。子どもたちは、さっそく教科書や資料集・百科事典等の文書資料にあたり、自分たちの説が正しいかどうか調べ発表した。その過程を通じて子どもたちは、その頃の戦争についてイメージ化することができた。

■ 戦争の理由を考え、自分なりの考えを持つ

 次に「縄文時代になかった戦いが、弥生時代になってなぜ行われるようになったのでしょう」と問い、戦争の理由を考えさせる。
 この発問により、子どもたちは縄文時代と弥生時代を今までの知識をもとに比較して考える。

・くにを広くするために、川や土地をもっと必要としたから。
・川を自分たちのものにすると米作りがしやすくなるから。
・自分たちの生活をもっと豊かにしたいから。
・憎しみがあった。
・身分の争いもあったのではないか・・・等。

 縄文時代との対比で考えると、子どもたちが考えたように「お米作り」がその一番の理由である。より豊かな安定した生活のためには、耕地を広げたり水を確保したりする必要性がある。
 この発表過程である子が、「大昔の戦争も同じだ・・・」とつぶやいた。詳しく聞くと、「本で読んだ20世紀の戦争の理由と似ているから」ということである。これは子どもたちの視野を広げる大切な視点となった。
 また、教師からも次のエピソードを伝える。
吉野ヶ里の集落は、弥生時代の終わりには内部に環濠をもつ集落中心部が二か所存在し、いずれにも城柵や設けられ、厳重な防御がされるようになった。いわば「要塞」のようなものである。
 この話から本格的な戦略的な戦いがあったことを子どもたちは感じ取った。
 最後に子どもたちに今日の学習で思ったことを書かせた。

・昔の人々も今の人々も豊かになろうとして争っています。そんなことをするなら、協力して国を高めあっていった方がいいと思います。
・弥生時代から戦争をしていることがわかってびっくりしました。人間は同じ理由で戦争を繰り返しているんだなあと思いました。物見やぐらなども作っていて、弥生時代の人はすごいなあと思います。でもやはり協力することが大切
だと思いました。
・今も昔も戦争の理由は変わらないなんて、今もすごい争いが行われているのではないかなあと思いました。平和な暮らしになっていけばいいなあと思いました。

 資料から歴史の事実を推測し、歴史に対する自分なりの考えを持つ・・・このことが歴史学習に対する興味を高めると感じた授業であった。

MM『日刊・小学教師用ニュースマガジン』連載 私の教材開発物語 第37回より

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2004.05.19

運動会余話

 運動会のことを書いた学級通信である。

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★ 本当にいい運動会でした

 修学旅行後、すぐに本格的な練習に入って3週間。子どもたちにとって小学校生活最後の運動会が終わりました。
 本当にいい運動会でした。天気にも恵まれましたし、子どもたちも一生懸命がんばりました。閉会式後、後片付けをして教室に入ると子どもたちが本当に満足をした表情で待っていました。
 白組が勝ったから・・・ということもあると思いますが、それ以上に「一致団結をして一つのことをやり遂げた喜び」がそこにあったからと思います。

★ 子どもたちにとって喜びの舞台・・・組体操

 今回の運動会で一番時間を注いだのは組体操です。
 簡単な一人技からスタートしたものの、最初はブリッジすらなかなか高くはできなかったです。それが何度も練習をしているうちに、見事な技に仕上がってきました。まさに「集団の美」です。
 この組体操で子どもたちが学んだのは技だけではありません。一番の学びは「協力」や「責任」だと思います。一人でも気を抜いたら技が成功しないという中で、しっかりとがんばりました。

 その練習の中で私が感心したことがありました。二人技の「とんぼ」の時に、肩車がどうしてもできないチームがありました。その隣のチームが、自分たちが肩車をしたあと、そのままできないチームのそばにより肩車のまま補助していたのです。もちろん、どちらも成功。「自分たちにできる協力をする」というその姿に感動し、組体操の成功を確信しました。子どもたちの「見てほしい種目NO1」だったのには、このような努力の跡があるからだと思います。

★ 真剣な表情!騎馬戦・100m徒競走・リレー

 その他の種目も本番は見ごたえのあるものでした。真っ向勝負の騎馬戦。最後まで全力投球の100m徒競走。そしてドラマのあった紅白リレー。一コマ一コマが目に焼きついています。
 私が特に印象的だったのは騎馬戦です。審判補助として子どもたちの間近で見ていました。対決する子どもたちの表情の真剣さ!ふだん見たことのない表情でした。勝ったチームの満面の笑み、負けたチームの悔しさいっぱいの顔。どちらもいい表情だと思いました。
 騎馬戦といえば脚光を浴びるのが乗馬をする子どもたちですが、それを支える子どもたちのすばらしさも今回は感じました。まさにチームワークです。

★ 応援・係活動・後片付けで学んだ

 競技だけではなく、応援・係活動・後片付けでも子どもたちは大活躍でした。「運動会は勝ち負けや技を高めるだけの場ではない」と常に言っていました。その通り、子どもたちは実に多くのことを学んだと思います。
昨日の学年集会でもついた力をみんなで話し合いました。「団結力」「協力」等、いいまとめができました。いずれ、最高の運動会になったと思います。

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2004.05.18

IT授業実践ナビ・リニューアル

文部科学省のIT授業実践ナビがリニューアルした。
実に多くの授業実践例が掲載されている。ITと言えば、総合の実践を連想される方も多いかもしれないが、小学校の場合、ほとんどの事例が教科の内容のもの。社会科も事例が多く、また動画もついているのでIT活用の参考にしたいと思う。

昨年度取り組んだ実践「日本一のりんごと日本一のみかん、その秘密は?」も掲載。1分ほどの動画も3本ついている。

このIT授業実践ナビでは単なる実践の紹介だけではなく、お勧めのもの・初心者対象のものというような紹介があったり、これから「ちょっとしたコツ」のサイトもできるようだ。
情報教育を広めるという仕事が自分にはある。このIT授業実践ナビはその推進に役立ちそうだ。

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2004.05.17

「週末起業」という発想を生かす

藤井孝一著「週末起業チュートリアル」(ちくま新書)を読む。本屋で「週末起業」という言葉はよく目に入っていた。たまたま昨日見たテレビに藤井さんが出ていて、買ってみようと思ったわけである。

といっても別に新たに仕事をするわけではない。今まで自分がやってきていることを、この「週末起業」という形に置き換えるとずいぶんわかりやすいなあと感じたのである。
学校での仕事とは別に、様々な原稿を書いたり、いくつかのプロジェクトに参加したりしている。ホームページの更新もだ。それらは本業をより生かす「週末起業」と言える(「週末」にはこだわらない。「早朝」でも同じ。)。もちろんお金が目的ではない。より充実した本業のためにしていることであり、また、かっこよく言えば「人生の充実」「社会貢献」と思っている。

この本で自分の中で「起業」にするには次の2点が必要と感じた。
1 「起業」の時間を固定する
 今は本業と起業の時間を区別をしていない。平日の夜に原稿を書くこともあれば、朝学級事務をすることもある。要するに締切ぎりぎりの仕事の仕方なので目の前のものを片付けるのが優先なのだ。そうではなく、朝は起業のみとしたらよい。おのずと学校の仕事はその日の夜までという限定。
2 「コンサルタント」がキーワード
 この本の中で一番読み応えがあったのは「週末コンサルタント」の部分である。週末起業をするためのお勧めはコンサルタントになるということである。「元手がいらない」「会社の理解が得やすい」「即オンリーワン」「満足度が高い」といったことがその理由。
 自分も「〇〇教育コンサルト」と名乗ってみたいと思った。もちろん夢だが。そのようなゴールを持つことによって本業も起業の部分も相乗効果で高まる。

藤井氏は「週末起業フォーラム」というwebを運営している。この中にもヒントが様々ありそうだ。

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IT活用日常化プロジェクト

今月から新しいプロジェクトに参加している。
「IT活用日常化プロジェクト」というものである。目的は教室にプロジェクタが入った環境の中で、IT活用が日常化されるための実践を積み重ねていくものである。堀田研究室とCASIOとの共同プロジェクトであり、今回も堀田先生から有難いお誘いを受けた。(堀田先生の15日の記事にこのプロジェクトのことが書かれている)

このようなプロジェクトに参加する場合のメリットはとてつもなく大きい。たとえば・・・

1 仕事のしかたを学ぶ
 会議はスタートとゴールのわずか2回。他の連絡はMLで。しかし、その中で成果が出るための「しかけ」がある。そこから仕事のしかたを学ぶことができる。また、企業とのプロジェクトなので「民間はこのようにして仕事をしているんだ」という学びの場になる。
2 ネットワークが広がる
 プロジェクトメンバーは全国各地から。実力ある皆さんとご一緒でき、確実にネットワークが広がる。そして、メンバーのそれぞれの仕事の方法から学べる点も大きい。
3 プロジェクト対象領域を学ぶ
 当たり前だが、プロジェクトの対象は先進的な内容で価値があるもの。それについて自分が刺激を受けながら専門的に学ぶことができるチャンスである。

このようなことを考えたら、プロジェクトへの参加は本当に「有難いチャンス」である。

ただ肝心の一回目の会議は、運動会と重なり参加できなかった。しかし、そこはネットの世界。MLでの皆さんの発言、そしてメンバーのホームページ(その日深夜のうちに「仕事日記」として会議の様子をアップしている人が多かった!)から、かなりの部分を学ぶことができた。
このプロジェクトのゴールはミニ冊子の開発だ。短期間での勝負なだけに気合も入る。
実際にミニ冊子ができた段階でまたお知らせをしたい。

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2004.05.12

他己紹介ゲーム

 今日、久しぶりに学習ゲームを行った。学習ゲームといっても、その場で楽しむだけのものではない。子どもたちに意図的に力をつけさせるものである。
 行ったのは「他己紹介ゲーム」。教員対象の県レク研究会の講師に招かれた時に、好評だったゲームである。詳しい説明は学習ゲーム研究会のこのサイトが参考になるし、阿部さん@福島の追試も参考になる。
 今回は国語の「上手に質問をしよう」に絡めた内容だったので、次のように行った。

①隣同士(男女)で二人一組になる。
②質問者はたとえば次の質問からスタートする。
 「○○は好きですか?(例:テレビは好きですか?)」「好きなものは何ですか?」
 その話題からどんどん質問を深めていく。
③質問する時間は3分間。
④質問内容を材料に「他己紹介」を作文にまとめる。
⑤4人組になって発表しあう。ベスト作品を一つ選び、全体で発表。

 この中で一番時間を注いだのは②である。授業内容から考えたら当然なのであるが、ここをスッと流してしまうと「深まり」がなくなってしまう。そこで、質問の深め方のモデルを私が行った。子どもたちは「深める質問」といえば、「どうして」「なぜ」といった理由を問うものも多いが、それだけではないことを示した。子どもたちの質問の様子を聞いていると、このモデリングは効果的だったようだ。
 この学習効果はそれだけではなかった。子どもたち同士がお互いを深く知っているわけではない。男女なので、なおさらである。それが、この質問タイムの時や実際の他己紹介の時にはとてもいい笑顔で学習しあっていた。今まで知らなかったお互いのことがわかるのだから、楽しいはずである。コミュニケーションを深めるのにもいい学習ゲームである。
 持ち上がりの学級であるが、これから席替えのたびに定期的に行ってみようと考えている。

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2004.05.09

挨拶状への返信

 新年度に入り、退職・転勤の挨拶状がポツポツと届いている。ご退職された方々からは4月上旬、そしてご転勤された皆様からはGWの前後頃が多い。どの方も添え書きがしてあり、新天地でもご活躍の様子が伺える。

 お一人お一人のことを思い浮かべながら、こちらもようやく返信を書き始めている。ふだんの連絡はほとんどメールなので、日常的には「葉書を書く」ということは億劫である。しかし、この挨拶状への返信は別である(ただし、今年はとても遅い。反省!)。
 初任校時代は転勤の挨拶状をいただいても、返信はしなかった。2校目に勤務したときにも同様だった。自分が初めての転勤で隣の学校に移った時に、挨拶状を出して返信がわずかだったからである。いつの間にか「挨拶状は一方的なもの。返信する必要なし」と思うようになっていた。

 しかし、その考えが変わったのは、3校目に転勤してからだった。初任以来13年いた江刺市から、車で2時間半かかる宮古市への異動。築5年の我が家を空き家にして、家族一緒の県北勤務(岩手では義務付けられている)ということで、挨拶状を出した後、多くの方々から励ましの返信や電話をいただいた。未知の地に行った者としてこれほどの励ましはなかった。同時に今まで挨拶状への返信をほとんど書かなかった自分の鈍感さを恥じた。
 これがきっかけで可能な限り返信は書くようにしている。考えてみれば挨拶状であるから、返信を出さないということは、向こうから挨拶されたのにこちらが無視しているのと同じようなものである。

 返信ということであれば、その速さで驚くのは有田先生である。何かの機会に葉書を出すと、4,5日後には返信がもう返ってくる。つまり、届いた時点ですぐに返信を書くのである。これはどの先生方に対しても同様だ。超多忙な時代もそれは変わらなかった。コツは「常に返信できる用意をしている」ということにあるらしい。たとえば、講演会を行ったあと、帰りの飛行機の中で事務局に葉書を出すといった具合である。
 多忙だからこそ、返信をマメにしてためないようにしている・・・・たいして忙しくもないのに返信をためてしまった自分への戒めとしたい。さあ、今日残っている分を一気に書こう。

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2004.05.06

児童総会からの学び

 先週の30日は児童総会だった。
 前任校での児童総会はおもしろかった。人数が少ない学校だったので委員会の数が6つしかない。それだけに一つの委員会の話し合いの時間が十分にあった。簡単な質問、活動への注文がどんどん出てきて時には激しい論戦も行われたものだった。
 本校は委員会が14。質問・意見の数も制限せざるを得ない。すると大多数は傍聴するのみ。参加意識も高くならないのは仕方がない・・・と思っていた。
 ところが総会後の「成長ノート」を読むと、子どもたちが児童総会からしっかりと学んでいたことがよくわかった。

・自分が言った意見をもとに、さらにいい委員会になればいいなあと思います。他の委員会の活動について意見を言う人もそれぞれなるほどなあと思う意見を言っていて、質問することがたくさんあるなあと感じました。自分の委員会にされた意見や質問を委員会で話し合うと思うので、しっかり意見を発表していきたいです。
・(長時間座っていて)とてもこしがいたかったけど、委員会のいろいろな意見が聞けて、なるほど!と思いました。
・今よりすごい委員会活動ができるのでいいと思います。
・わたしの委員会は掲示委員会です。掲示委員会に質問されたことを早く話し合いです。
・児童総会のよい点は意見を言い合って学んだり、これからの活動に生かしたりすることができる点です。その委員会で何をやるのかなどもわかります。
・今日の総会のおかげでどの委員会ももっとよくなるのではと思います。これから自分の委員会で今日もらった意見や質問を生かしていければいいと思います。

 児童総会で自分の委員会に向けられた質問や意見を、他人事とせず自分たちの課題としてとらえている。また、児童総会の意義についても考えている。他の人の意見から学んでいる・・・一人一人の内容は違っていても、各自の視点でしっかりと学んだことは確かである。
 改めて「聞くことの大切さ」を感じた児童総会だった。

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2004.05.05

この6ヶ条でスタート!1単元の交流学習

 自分の実践の中で、今年度実践を蓄積したいと思っているのが情報教育の分野である。特に「ちょっとしたIT活用」がキーポイント。校内でも「情報教育通信を発行します」と宣言した。どちらも、これからこのblogで発信していきたいと思っている。
 さて、1月に2005年の教室を考える会 in みちのく第2回研究会が行われた。その時の発表資料を紹介する。

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1 「『日本一』のりんご・みかん」の交流学習
 昨年度、担任する5年1組と静岡県細江町立中川小学校5年1組が交流学習をした。テーマは「『日本一』のりんご・みかん」。社会科の農業学習の発展として7時間で行った交流学習である。このレポートは、この学習を通して学んだ「交流学習・スタートのポイント」を6ヶ条にまとめたものである。

2 ここがポイント6ヶ条

第1条 教師同士がつながろう
 交流学習前に担当の教師同士で直接会って話し合った。テーマ、仕掛け、教師の思い等を話し合うことにより、1単元のイメージが明確になる。「りんご作り・みかん作りが盛ん」いうことから、テーマを決め、掲示板とビデオ作りをメインに交流することにした。教師同士がつながり、話し合うことがよりよい交流学習への第一歩である。

第2条 交流の動機付けに力を注ごう
 導入では子どもたちに、「交流したい」という願いを持たせることがポイントである。そのために交流の動機付けには最大限の工夫をする必要がある。今回は、「江刺りんごの味は日本一」ということを学ばせた上で、「伝えたい」という思いを引き出した。

第3条 便利なITツールを積極的に使おう
 様々な交流方法のうち、今回は「はじめての共同学習」というサイトを活用した。掲示板を使い、物を交換した時のお礼、学習の進行状況、ビデオレターの感想の交流等を書き込んだ。画像添付もでき、実に便利なツールである。

第4条 実物の効果も生かそう
 実物の効果も大きい。交流が始まってすぐにお互いの自慢であるりんごとみかんを交換した。それぞれりんごとみかんのビデオ作りをすることにしていたが、この実物交換で交流への意欲は加速した。

第5条 「刺激し合う関係」を目指そう
 お互いが交流で仲良くなると共に、刺激し合う関係になろうと教師同士で打ち合わせをしていた。その手立てはビデオ作りである。「農家の喜び」「選果場」「歴史」等の6つの同じテーマを決め、班ごとに交流するようにした。班同士ということでより身近な存在になり、また制作途中で情報交換する過程で「自分たちもがんばろう」という意識になっていった。

第6条 教師も交流学習を楽しもう
 子どもたちは交流学習を大いに楽しみ、記憶に残る学習となった。同時に私自身も「人と人がつながる交流学習の楽しさ」「子どもたちが燃える学習のすばらしさ」を感じることができた。私自身が一番交流学習を楽しんだと言える。

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2004.05.04

初任者へのメッセージ

 blogに移行して、やはりアップが楽だなあと感じている。4月までの記録でアップしていなかったものも、これなら陽の目を見る。
 3月に同学年を組んでいた初任者へのメッセージを冊子原稿として寄稿した。その原稿である。

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 密度の濃い一年。充実した一年。
 先生にとってこの一年間はこのような感じでしょう。きっと一生忘れられない年になると思います。

 もう20年近く前のことになりますが、私自身初任時代の出来事は鮮明に覚えています。初めての授業参観で居眠りをしてしまった子どもがいたこと、保護者から「もっと宿題を出してください」と抗議を受けたこと、子どもたちがなかなか授業に集中しないのを自分の責任とせず子どもたちに怒鳴っていたこと・・・。毎日が反省の連続で、放課後の教室で「あ~あ」とため息をついたことが何度もありました。それでも、子どもたちと一緒に遊んだり、話したりするのはとても楽しいものでした。当時の子どもたちとは今も付き合いが続いています。

 そのような初任時代の私に比べたら、先生はしっかりと努力したと思います。数多くの指導案を書き、授業をしたこと。諸先生方からご指導を受けたこと。校外研修で同じ初任者仲間と研修に励んだこと。そして、学年の先生方と日常的に話し合ったこと。全てが先生にとって財産になったと思います。研修を受けている途中は大変だったことが多かったことでしょうが、それも全て先生のためになったと思います。壁が高いほど、乗り越えた時の喜びは大きいですから。

 同学年で一緒に過ごして、先生を「すばらしい」と思うことがいくつもありました。印象的だったのは保護者からの信頼です。トラブルがいくつかありましたが、一緒に家庭訪問をすると保護者が先生に「先生が頼りです」と話していましたね。子どもたちから信頼されていなければ保護者にも信頼されません。その点で日々の先生の努力ぶりを想像したものでした。

 来年度は「初任者」ではありませんね。むろん、これは終わりではなく新たなスタートです。その意味ではこれからが勝負です。私なりに今まで取り組もうとしてきたこと(なかなかできないものもあります)のうちの5つを、来年度のメッセージとして贈ります。自戒の意味を込めて。

・決めた目標を継続すること・・・「読書・身銭を切る研修・授業記録を残す」等
・子どもたちの前でずっと輝いていること・・・「Stay Gold」・・・いろいろな意味で
・自分なりの「仕事のしかた」を確立すること・・・「依頼された仕事は断らない」
・新たな出会いを求めること・・・人が一番影響を受けるのはやはり「人から」です
・教師という仕事の社会的意義を考えること・・・広い意味で社会貢献をする仕事

 共にがんばりましょう。

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2004.05.03

何が何でも時間を確保する

 連休だが原稿に追われている。時間に余裕があるのに・・・。その今、ふと思ったこと。
 このごろの原稿はすっかり締切ぎりぎりになってしまった。当日というのがほとんどで、場合によっては12時直前にぎりぎりセーフというのも珍しくない(まあ常識ではその日の締め切りは勤務時刻終了時だけど)。情けないが時間の使い方が下手ということだ。

 原稿の時間の使い方で思い出すのは隣町の中学校の美術の先生のことである。この先生は、数年前にSF小説で著名な賞を受賞した。知り合いではないが、その頃「時の人」になってマスコミに登場したので、こちらは覚えている。
 昨年、版画展の展示作業にZホールに行った時のこと。ロビーで分厚い紙をチェックしている先生がいた。その小説家先生であった。待ち時間を利用しての校正だったのであろう。私が知リ合いの先生と談笑している間もずっとチェックをしていた。

 作業に入る前、その先生から事務局の先生に質問があった。「明日の土曜日、展示会の当番が1時間となっている。移動の時間を考えれば、2時間ぐらいの拘束と思われる。その代休は?」。各学校から1人ずつ、版画展の間の受け付け当番があるのだ。
 これは組合的な発想からではないと思う。想像するに、自分の執筆時間の確保のための正当な主張である。
 家に帰ってから、その先生の「応援HP」(著名人になるとHPを作ってもらえるんだ!)を見てみた。賞をもらったあと、立て続けに本を発刊していた。年間3冊のペース。教師という仕事をしながらであるから、これは凄いことである。

 足元にも及ばないが私も執筆活動を行っている。そして、この時に感じたことが、「何が何でも固定執筆時間を確保する」ということである。自分の余裕がある時間に執筆をするのではない。固定時間で執筆をしないと、いつも原稿に追われてしまう。そして当たり前のことであるが、「学校の仕事は学校で終わらせる」ということ。今の自分の大きな課題である。

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2004.05.02

 NHK教育番組&東北大会

 5月8日に渋谷のNHKで会議がある。高学年のデジタル教材活用のプロジェクトである。
 NHKのプロジェクトに初めて関わったのは3年前の「体験!メディアのABC」である。この番組は小学校高学年を対象としてた本格的なメディアリテラシー学習番組である。この番組の特番で「コマーシャル制作に挑戦」に佐藤学級が出演させてもらい、自分の中でのメモリアル実践になった。
 昨年度は「おこめ」、そして今年度は「にんげん日本史」「3つのとびら」に関わることになった。

 一般の教師の中には教育番組といえば、「工夫して教えるべきところをテレビで代用している」というイメージがあるかもしれない。しかし、今はそのようなことは全くあてはまらない。豊富なデジタルコンテンツをどう使うか、逆に工夫が必要になってくる。その点を今度の会議をきっかけに考え、学年に広げていければ・・・と考えている。

 なお、今年度は第46回放送教育研究会東北大会が岩手・盛岡で開かれる。この大会で一つの役を依頼されている。これも岩手で放送教育を広めるチャンスである。それまで語ることのできる実践を蓄積するつもりである。なお大会は10月1日(金)。くわしい案内はこちら

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「生徒指導おもしろチャレンジ20」

 家本芳郎氏「生徒指導おもしろチャレンジ20」(学事出版)を読む。つくづくやわらかい発想ばかりだと感心する。
 前任校では生徒指導のことなど考える必要もあまりなかったが、今の学校はやはり別。どう指導していくは重要な課題である。しかしながら、どうも今の自分はストレートすぎるなあと思いこの本を購入したのである。
 いくつも自分のためのヒントがあった。

 「流行にはアバウトな指導」「危機を乗り越える力を育てる」「優先順位をくみかえよう」「子供たちと雑談しよう」「自慢大会で吹き飛ばせ」「もっと楽しようとと考えよう」「生徒指導に校長の出番を」等々・・・・。
 子供たちへの直接的な指導は確かにもっともっと工夫があってよい。そして、ゆとりもだ。今の自分は結果を求めているので性急すぎる気がする。「子供と雑談」だって短い時間でしかできない。「教師が楽をして子供に力がつ」・・・・
表立ってこのようなことを主張するのは気がひけるが、そうやって浮いた時間でさらにいい教育ができるのだから、心の中ではそうしていくべきである。
 家本氏の「知恵」から学ぶものは多い。

 この本で感心することは子供たちへの指導だけではない。
 「職場作り」と「日常の教育学」という発想である。職場作りの話などなかなか読むことはできない。サッカーやお笑いから学ぶ「日常の教育学」はこのサイト作りに共通する部分である。嬉しくなった。

 考えてみれば自分は生徒指導で頼りとしているものはない。しかし、今まで家本氏の考えに学んできたものも多かったはずと考える。今はそれを忘れていたのである。
 教科の授業と異なり、生徒指導は毎日が実践である。「おもしろく」実践していきたいなあ。

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 エピソードあれこれ、修学旅行(学級通信)

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★ 二日間の修学旅行に行ってきました。心配された雨も当日はあがり(しかも暑くなく)、ちょうどいい天気でした。3月から張り切って子どもたちも準備してきただけに、思い出多い二日間の修学旅行になりました。

★ お見事、自主学習
 修学旅行の事前学習で一番に力を注いだのが一日目の仙台での自主学習です。今まで何回もお知らせしたように、かなり詳しく調べました。でも、それはあくまでも机上のプラン。「きっと失敗もあるだろう」と思っていました。降りる駅を間違えたり、忘れ物をしたり、ハプニングがあったり・・・・。
 ところが、ところがどのチームも何事もなくスムーズに行ったようです。
地下鉄でもバスも大丈夫でした。無事成功したということで、子どもたちも自信を持ったようです。

★ 食事とお風呂で大満足!
 ホテルは子どもたちにとって魅力がいっぱいでした。まずは食事。「おやつなし」の修学旅行なので、お腹がペコペコ。食べきれないお料理に大満足。
 さらにお風呂は広く、しかも一般客もいない状態(男子)。裸で友達とお風呂に入るのはおそらく初めてなので、恥ずかしがるのでは・・・と思っていたら全然違っていました。のびのびと入っていました。特に露天風呂は大人気。湯上りの顔は本当に幸せそうでした。

★ 9時半には静かに・・・
 修学旅行と言えば夜は眠られないもの(眠らないもの?)という記憶が自分にはあります。小学生の時には遅くまで話をしていて、担任の先生に思いっきり怒られたものでした。
 さて、今回の子どもたち。9時15分の見回りでは、ちゃんと布団に入っていました。ある部屋では3人分の布団に5人の子がぴったりとくっつき合って寝ていました。「〇〇君の話が怖くてくっついて寝ることにした」とのこと。大柄の子たちなのに、かわいいお話です。ちなみに、9時半には、もうどの部屋も静かでした。自主学習の疲れは相当だったようです。

★おみやげの定番は・・・
 2日目の子どもたちの楽しみの一つはおみやげです。家の人から頼まれたものもあったようで、計画的に買っていました。女の子はやはりお菓子が多かったようです。男の子で目についたのは「木刀」。短いもの、長いものを問わずにどの学級でも買っている子がけっこういました。さっそく松島公園で対決(?)。時代が変わってもおみやげの定番は変わらないようです。

★貸し切り状態
 二日目の最大の楽しみは、やはりベニーランド。思う存分、楽しみました。平日ということで、他にいるお客さんはほとんど同じ小学生(しかも岩手県)。
 途中から他校の子どもたちも帰り、ほとんど貸し切り状態でジェットコースター、ゴーカートと乗っていきました。メガネが吹っ飛ぶハプニングもありましたが、奇跡的に大丈夫でした(私もホッとしました)。

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 えりも岬に春を呼べ(5年・社会)

■ 「プロジェクトX・えりも岬に春を呼べ」

 NHK「プロジェクトX」を授業に活用したという教師は珍しくないと思う。題材そのものが魅力的なものが多いし、映像も教材としての価値がある。「えりも岬に春を呼べ」もその一つである。
 内容は北海道えりも岬の砂漠と化した大地に、ゼロから木を植え、森を作る物語である。半世紀にわたって繰り広げられた、世界でも例のない壮大な砂漠緑化プロジェクト。さまざまな困難とぶつかりながらも、漁師たちとその家族
は、少しずつ砂漠を森に変えていく。そして、森が広がるにつれ、海は豊かさを取り戻していく。
 この番組を最初に見た時に、5年生社会の森林の学習で、「人の力で緑を取り戻した例」としてぜひ取り上げたいと思った。それぐらいこの番組に共感したのである。

■ 罠に陥らないために

 このような番組を取り上げる場合、自分自身の中で注意をしていることがある。それは「教師の思い入れが強すぎて、子どもたちの学習と離れた一方的な教え込みになってしまう」ということである。自分が得た感動を子どもたちに
も伝えたい。しかし子どもたちに投げかけるものの、教師ほどは共感している様子がない・・・このパターンがそうである。私は何度もこの罠に陥った。
 なぜか。それは授業の組み立てそのものに問題があった。番組で共感する部分が多くたくさん伝えようとする。いきおい、番組を長い時間見せることになる。ところが、小学生を対象としていない番組であるから子どもたちにはわか
りにくい部分も多い。当然子どもたちは理解できない。
 これはゲストティーチャーを教室に招いた場合も同様である。教師が授業をどう組み立てるかという部分を無視して、「番組の垂れ流し」「ゲストティーチャーへの丸投げ」をしたら、子どもたちの学習は効果のないものになってし
まうのである。

■ 授業の組み立て

 そこで今回の授業では次の点を基本として授業の組み立てを考えた。

・番組は主役ではなく、あくまでも脇役としての使い方をする。ただし「名脇役」である。子どもたちにインパクトを与える部分で2ヶ所、理解補助の部分で1ヶ所。合計視聴時間は4分にとどめる。
・北海道森林管理局ホームページに効果的な写真・グラフがあるので、それをもとに「えりも砂漠の様子」「取り組んだ結果」について考えさせる。
・「えりも岬の例から言えることは何か」という発問をし、授業のねらいに迫っていく。

 授業全体は次のような流れとなった。

★「えりも岬に緑を呼べ」(内容に合うように番組名とは違ったタイトルにした)
1 2枚の写真を見比べてえりも岬の緑化の変化について知る
  ・「えりも砂漠」と「緑化された土地」を比較させる。
2 第一課題をつかむ
  「えりも岬ではどのようにして緑を増やしたのか」
3 えりも岬の緑化運動への取り組みを知る
  ・強い風による苦労(番組ビデオ)・海草を取り入れる工夫(番組ビデオ)
  ・実際に取り組んだ人々の声
4 取り組んだ結果、どのようになったか考える
  ・緑化面積と水産物の水揚高のグラフから現在の様子を読み取らせる
  ・番組ビデオで変化を紹介する
5 第二課題をつかむ
  「えりも岬の例から言えることは何か」
  ・社会的なものの見方を深めさせたい。
6 課題についてまとめる
  例「えりも岬では人の手で環境をよみがえらせた。環境を守り育てていくのは自分たち人間である。」
7 自己評価を行い、感想を発表する

■ 番組のよさを感じ、資料から考えた

 実際の授業の様子で特徴的な部分を記す。

・最初にホームページのえりも砂漠の様子をプレゼン・ソフトで子どもたちに提示をした。「どこの様子でしょう?」と聞くと、「アフリカ」「外国の砂漠」という声が出てくる。「これは日本の様子です」と言うと、皆驚いていた。
 もう一枚緑化された写真を提示し、「これはこの砂漠が変化した様子です」と言うと、さらに驚いていた。インパクトのある写真で、子どもたちは、「どうやって緑を増やしたのだろう」という本時の課題をすぐに意識化することがで
きた。

・これは教科書にも資料集にもない内容である。課題をつかんでも、それを調べることは無理である。教師が資料を使ってどんどん教えるべきことである。そのような教師主導のスタイルの授業があってもよい。ここで子どもたちがイ
メージにしくい部分で番組を活用した。「想像を絶する強風→立っていても人が吹き飛ばされそうにしているシーン」、「ゴタと呼ぶ雑海藻を敷き詰める方法で緑を増やす→実際にゴタを敷き詰めているシーン」というように。この部分で映像は説明よりも何倍も明快だった。

・取り組んだ結果については、グラフを読み取らせることによって子どもたちは理解をした。同じグラフでも多様な見方ができるグラフである。友達のグラフの見方から、様々なことを子どもたちは学んだ。集団で学ぶよさである。

・グラフで「緑が増えた」という読み取りはしたものの、その事実はぜひ映像で見せたいと考えていた。番組では大地一面に広がる緑と豊かな昆布が海に広がる様子が美しいBGMと共に映し出されていた。子どもたちの目は釘付けである。映像の効果である。

・「えりも岬の例から言えることは何か」という投げかけは、本時の学習を焦点化させる。「人が失った緑は、人が取り戻すことができる」「緑を増やすには時間がかかる。もっと緑を人間は大切にしなければいけない」といったことが出てきた。このまとめにより、子どもたちは社会的なものの見方を深めることとなる。

■ 改めて感じたこと

 この授業から改めて価値あるテレビ番組を授業で活用することのよさを感じた。やはりプロの作った映像である。迫力がある。これからもどんどん積極的に使っていきたいと感じた。
 ただ、その活用方法は吟味しなければいけないし、授業の組み立てもポイントとなる。その点では、「どう活用するか」という教師自身の考えを明確にしなければいけないと改めて感じた。

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プレゼンを意識させる(5年・国語)

■ 定着しつつある言葉「プレゼンテーション」

 教育現場で「プレゼンテーション(略してプレゼン)」という言い方が定着しつつあると感じている。私の周辺でも、「この学習は、子どもたちのプレゼンさせましょう」という会話が行われるときがあるし、教育雑誌でも「プレゼン力を高めるには」といった特集が組まれる場合もある。
 といっても取り立てて全く新しいことを指導するというものではない。「プレゼン」という言葉は使わないまでも、今まで工夫した発表の実践は数多く行われてきたはずである。それらを改めて学習として価値づける言葉が「プレゼンテーション」だと私自身はとらえている。
 そして、担任する5年生でも「子どもたちのプレゼン力を高めるにはどうしたらいいか」と考えている。

■ 授業参観日にプレゼンの授業

 5年生の国語で、「5-1ニュースをプレゼンしよう」という学習を行った。国語の教科書の教材をベースにしたものである。一年間の学級のニュースを、一人一人が写真をプロジェクターで写しながらプレゼンするという内容である。
 この学習を行う理由は「プレゼン力を高める」他にもある。このプレゼンを行う日は今年度最後の授業参観日。つまり保護者に、この5年1組の一年間の学習ぶりを子どもたち自らが伝えることになるわけである。
 私自身は参観日の後の懇談会で、一年間の子どもたちの様子を簡単にプレゼンしようと考えていた。しかし、保護者の中には都合があって懇談会に残ることができない方もいる。また複数の学級懇談会に参加するために、教師のプレゼンを見ることができない方もいる。そこで、授業参観の時にプレゼンをすることによって、子どもたちの学習の様子も伝わると考えたのである。
 
■ まずは違いを意識させる

 今回の授業。最初の時間に子どもたちに、学習の目的を話した。次のような内容である。

・今回行う「5-1ニュースをプレゼンしよう」の学習活動の概略。
・授業参観日にプレゼンをすること。
・「発表」と「プレゼン」は違うこと。
・「プレゼン」のために、いろいろなスキルを身につけるのが今回の学習の大切なめあてであること。

 このように単元の最初に学習の目的を意識化されることにより、子どもたちの心構えも違ってくる。
 この時のポイントは、やはり「発表とプレゼンは違う」ということを意識化させることである。「プレゼンは聞き手に情報をプレゼントすること。相手が喜ぶような工夫が必要です。」というように子どもたちには話した。子どもたちは「書いていることを普通に話すだけではダメ」と理解をした。

■ プロセスで大切なこと

 プレゼンに至るまではいくつかプロセスがある。たとえば、「ニュースの素材を見つける」「ニュースに見出しをつける」「ニュース原稿を書く」「プレゼンの練習をする」といったことである。
 そのプロセスで子どもたちには、「プレゼンの原則」を強く意識化させた。いくつかの例を示す。

・伝える目的を明確にする。(この場合は「5年1組のニュースを知ってもらう」)
・伝える相手を考えて原稿を書く。(今回は友達+授業参観に来られた保護者)
・印象に残る見出しを考える。(例「雪もとける熱きラグビーバトル」・体育
のラグビー授業、「水沢小と中川小の意外な関係」・本校と交流校との話)
・一番伝えたいことは何か考える。
 
 これら一つ一つの吟味がよりよい内容のニュース原稿につながった。

■ プレゼンスキルを高める

 さて、実際のプレゼンのしかたにはいくつものスキルがある。表情、ジェスチャー、アイコンタクト、話し方、声の大きさといったことである。それらを一気に子どもたちに全部教えようとしても学習のねらいが散漫してしまう。
 今回はアイコンタクトと表情を中心に行うことにした。日々のスピーチ等の積み重ねで子どもたちは、下を見ずに顔をあげて話すことができるようになっている。しかし、視線が定まらない子、聞き手ではなく遠くを見ている子も見られる。そこで、「ターゲットを絞って視線を決めなさい。ターゲットは熱心に聞いている人です。うなずいている人を見ると気持ちもよくなるでしょう。すると表情も変わります。」と子どもたちに話した。むろん、これは事前に聞き手への指導があってのことである。
 このようなプレゼンスキルの基本をおさえて練習し、ペア学習で相互批評をして高め合い、いざ本番である。

■ 参観日当日

 さて、実際の参観日。「発表」と「プレゼン」の違いを意識し、子どもたちはベストのプレゼンをした・・・と書きたいところであるが、そうは簡単にいかなかった。
 前日の練習では、アイコンタクト・スマイルを意識し、話し方も分かりやすかった。しかし、友達の前で話すことと家の人の前で話すことはやはり違う。子どもたちにはふだんの授業と違う多くの視線が集まり、子どもたちはかなり緊張をしていた。その結果は、子どもたちの自己評価の感想から紹介する。

・最初少しきん張していて、いい表情があんまりよくできなくて残念でした。でもちゃんと大きな声とアイコンタクトはできたので良かったです。改めてニュースを伝えることは大変なんだなあと感じました。
・うまくいくと思っていたのに、きんちょうして話し方を失敗してしまいました。けれど、ニュースを聞いてみんなはあの時こう思ったんだなあとよくわかりました。みんなのニュースを聞くことができてよかったです。
・あまりきん張はしなかったけど、アイコンタクトができなかったです。今度プレゼンをする時にはアイコンタクトを意識してやりたいと思いました。友達からの感想カードはとてもうれしかったです。

 自己評価で「ばっちり、うまくいった」という子もいたが、多くの子は自分の課題点を書いていた。これはこれで子どもたちが次のステップのためにいいことではないかと考えている。次回の目標になる。
 考えてみれば大人のプレゼンにしても同様である。研究発表で、「聞き手の反応を意識せず、原稿を棒読みする」「アイコンタクトをせずパソコン画面に向かって話している」といった人を見たことがあった。
 まして子どもたちである。少々の失敗はあっても、まずはプレゼンへの一歩を踏み出したということで拍手を送りたい。なお、参観した保護者からは、子どもたちへの大きな励ましの声と一人一人への温かい拍手が送られたことを付
け加えておく。

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自著紹介「授業のアイデア3・4年 授業を楽しむコツ70」

このたび単著を発行しました。

「授業のアイデア 授業を楽しむコツ70 3・4年」
(佐藤正寿著 家本芳郎監修 ひまわり社)

というものです。昨年1月に家本先生から声をかけていただき、ひまわり社の松本社長とイラストレーターの斉木さんのご協力でできた本です。
 今までの教師生活で学んだことをこの本に詰め込みました。わかりやすく、しかも実践にすぐに使えるように書いたものです。
 ひまわり社ホームページamazonから購入できます。
ご感想をメールでいただけると嬉しいです。
 「3・4年」とありますが、どの学年でも役立つ内容が多いです。なお、私のホームページでより深く書いたページがいくつかあります。リンクをしていますので、ぜひご覧ください。

★この本の一言感想

・内容が具体的で即実践できるものばかり。しかも,イラストが楽しくて,明日すぐ
に教室で取り組みたくなるものがてんこ盛りですね。

・早速、読ませていただきました。イラストが多用されていて見やすいだけでなく、
授業実践のミニミニ事典として活用できそうですね。この一冊に、正寿さんの実践
のエキスが詰まれているように感じました。

・佐藤さんらしい、キレのある一冊だなあと思いました。

・読ませていただきました。副題にある通り、授業を楽しむコツが満載です。
私は、教師なって20年近くになりますが、ああそうか、なるほどという情報
がたくさん書いてありました。
 例えば、授業での教師の話し方4つのコツの「言い始めを工夫する」は、な
るほどと思いました。「知っている人は、パッと手をあげてね」と言って、多
くの子どもたちが知っていることを話すと子どもたちは集中するというのです。
「うるさい」「しずかに」と注意して始めるより、ずっと簡単に早く子どもた
ちが集中するでしょうね。早速月曜日の学年集会で使ってみるつもりです。
 ゲストティーチャーを招いての授業についてもポイントがわかりやすくまと
められています。講演会形式ではない授業例が紹介されています。ぼくはよく
教師とゲストの対談形式で話をお聞きするのですが、佐藤さんのアイデアいい
なあと感心しました。
 私が感じたこの本の魅力を三つ紹介します。
 一つは、大切なことが何かすぐに把握できます。コツ70のそれぞれについ
て、箇条書きで大切なことが説明してあるからです。またイラストのページも
挿絵ではなく、独立した情報を具体的に紹介しているので、細かいことまでよ
くわかります。(これは、ひまわり社の出版物全体に通じるものなので、出版
社の方針なのだと思われます)
 一つは、教師生活を充実させるための提案が多数含まれています。教師とし
て充実した仕事をすることが、人生を充実させることにつながるのだというこ
とを感じさせてくれます。
 一つは、この本は担当学年を問わないといってもいい内容になっています。
ぜひ書店で手にとってお確かめください。おすすめの一冊です。

・学校で一気読み。帰宅して、もう一度、じっくり拝読させていただきした。
 見開きで一つテーマ。教育書としては画期的な大胆なイラスト。素晴らしいです。
 盗みたい技をたくさん発見!・・・周囲の先生方にも宣伝したいと思います。

・数々の教育書を読んできましたが、「見やすい」「分かりやすい」ことももちろん、
「私でもできるかも」という気にさせる本NO1でした。
正寿先生の実践で好きなところは、「日々の授業」をとても大切にされていることです。
だから、この本はどの先生方も読んだときに、共感できたり、納得できる説得力がある
と思いました。

・とても感激しました。自分の教育観を一冊に詰め込めるっていうのは本当に万感の思
いでしょうね。正寿先生の集大成(まだまだたくさんあるのでしょうが・・・)という感じがし
て、心して読ませていただきます。
実践はそのとおりなのですが、私は正寿先生の「授業」に対する姿勢をこの本から教え
ていただきました。

・ さっそくパラぱらっとめくって読みました。見開き2ページで書いてあって
とっても読みやすいです。少しの時間があればちょこちょこと読めそうです。

今日読んだ中では、・得意技を作っておく(県名暗記とかして)・衣装を変えて
登場する ・鉛筆で黒板に下書きの線を書いておく ・元気が出る本を持つ
・キャッチフレーズを作る ・ノートの点検は授業の中で
などに「うんうん。なるほど、なるほど」って思いました。
とにかくこの本は、これからわたしのバイブルにしちゃいます!

・授業のアイデアについて、エキスが濃縮されています。しかも、文章が簡潔に
まとめられており、イラストを使って大切なことが脳裏に刻まれていく感じがします。
夢中になって本を読むことができます。そして、本を読んだ後で、イメージが「いつ
までも残る、今日から実践ができる、そんなすばらしい本ですね。

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2004.05.01

テスト

ココログ、始動します。

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