先生のお勧めの一冊
今月から「先生のお勧めの一冊」の紹介を授業の中、10分程度で紹介することにした。
本校は図書館司書が配置され(岩手県ではそれほど多くはない)、図書館利用・読書指導も盛んである。しかしながら、担任として学級の中で読書指導ができなかった。(時間的制約が大きい)
しかし、今回教室が簡単に本の写真がスクリーンに映すできるようになったということをきっかけに、積極的に紹介しようと考えた。
私費で購入した本で子どもたちに読ませたいものの紹介である。もちろん子どもたちに貸し出しをする。
今回紹介したのは「ジロジロ見ないで」(扶桑社)である。(自分が購入したのは小学生も読める普及版)
病気、やけど等の理由で「普通の顔」を喪った9人の物語である。中には自分が小学生時代夢中になった仮面ライダー2号の俳優佐々木剛さんもいる。一人一人の写真が大きく掲載されており、ぐっと引き付けられる。
教室でさっそく紹介したのはまずこの写真である。スクリーンに大きく映し出される顔。最初は「何か変だ」「(やけどの顔を見て)泥パックをしているの?」と暢気なことを子どもたちは言っていた。しかし、次々に映し出される写真を見て、表情が真剣に変わってきた。
今回写したのは4人の顔だが、最後の毛がない女性の写真では「病気で毛がないんだ」「白血病はどうなるって聞いたことがある」(実際の理由は別だが)と見る目も変わってきた。
これまでは私はずっと無言。
写真の持つ威力を十分に生かしてから、子どもたちに4人の顔の理由を説明をする。一人一人の説明、そして今までの人生のエピソードを真剣に聞いていた。
簡単に子どもたちに感想も発表させる。
「この4人の皆さんは、どう思っているでしょうか。また、みんなにどうしてほしいと思っているでしょうか。」と問い、しばし間をおいてから、「それはこの本の中に書かれています」と言って改めて紹介をして10分間の紹介を終えた。
基本的には「本の紹介」なのであるが、それ以上の学びができる10分間になるのではないかと思っている。
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