事件だ!ハムスターの脱走
学級通信 6年1組物語 第47号より
先週の金曜日、昼休みに生き物係の子が突然叫びました。
あれ!テケテケ(ハムスターの名前)がいないよ!
その声にもう一匹のハムスターをお世話していた子どもたちも、すぐに近寄ります。「あっ、開いているじゃ」「逃げちゃったんだよ!」
これは一大事です。実はハムスターの脱走は1週間前もありました。ちょうど私が出張の時で、給食時間に全校に捜索の放送を流して、一生懸命に探しました。この時は無事教室で発見されました。
その一週間後の出来事です。「また教室にいるんじゃないか・・・」と生き物係の子どもたちは考え、ストーブの周り、教室の隅等、ハムスターが潜んでいそうな場所を必死に探します。
しかし、今回は見つかりません。「どうしようか・・・」と言っているうちに掃除時間になりました。
掃除時間はハムスターを探すわけにはいきません。掃除は掃除で手際よく終わらせ、生き物係がみんなそろった時点で呼びかけをしました。
「みなさん、聞いてください。今日テケテケが逃げ出しました。(「えっ」「また」という反応)みなさん知りませんか?」
「いつからいなくなったのですか?」
「昨日まではいたけど、今日の昼にお世話しようとしたら、いなくなっていたのです。」
通常であれば2時間目終了後の中休みに見るのですが、その日はスポーツ集会があり、見ることができなかったのです。
ここから臨時の話し合いです。
「何か知りませんか」
「このごろ1年や他の学年も見にきているから、聞いた方がいいよ」
「でも、もう授業は始まっているし・・・」
「すぐに探したらいい」
「ポスターを作ったらいい」
「ポスターを作る時間で探した方がいいよ」
「また、放送したら全校のみんなに手伝ってもらえるかもしれない・・・」
話し合いは10分ほど。結局、「5時間目終了後から委員会までの間、みんなで必死に探す」「各学級に帰りの会の最中におじゃまをして、見つかったら6-1に教えてほしいことを伝える」「えさのしかけを置いておく」ということにしました。
5時間目終了後の短い時間であちこち探す子どもたち。廊下の隅も中庭も、トイレも探しました。また、全学級にも分担をしてお願いをしました。
結局は見つかりませんでした。
子どもたちには明らかに落胆の表情が広がりました。考えてみたら、金曜日に見つからなかったら、土曜日・日曜日と食料のないところをすごすわけですからー。私自身も「見つからない可能性が高い。でもこれだけみんなが一生懸命に力を合わせて考えて、探したのだから、それはそれで価値のあることだ」と考えました。
そんな思いで来た今日、何と無事ハムスターが発見されたのです(女子トイレに隠れていました)。これには子どもたちも大喜びでした。みんなの願いが通じたのだと思いました。神様はいるんだなあとも思いました。
一つの事件でしたが、みんなが団結・協力するいい機会になりました。
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Comments
学級内の事件は、「ピンチ」ではなく、「チャンス」。
常に前向きに考えることが大事なんですね。先生の本の「敬遠するもの」から「歓迎するもの」へと同じ発想ですよね。明日もがんばります。
Posted by: ika-nao-chan | 2004.07.05 20:44
そうなんですよね。だから学級内の事件は「ピンチ」ではなく「チャンス」と思っています。(常にそう思える事件ばかりではないけど・・・)
Posted by: サトマサ | 2004.07.05 04:46
すごくどきどきしながら読みました。
・・・ちょっとしたドラマを見ている感じでした。
テケテケが無事見つかって、本当によかったですね。
こういう事件が子供たちをたくましく成長させるのだなって
思いました。
Posted by: ika-nao-chan | 2004.07.04 23:35