« 6年生、テレビ出演(岩手のみ) | Main | 筑波大附小からの学び »

2004.06.19

NHK学校放送番組のホームページがおもしろい 

小学MMの連載を転載する。

連載 私の教材開発物語 第38回

   NHK学校放送番組のホームページがおもしろい 

             佐藤 正寿(岩手県・水沢市立水沢小学校)

■ NHK教育の学校放送番組

 皆さんにまずお聞きしたい。NHK教育の学校放送番組についてである。
・学校放送番組を皆さんはいくら知っていますか。
・学校放送番組をどれぐらい授業で視聴させていますか。
・学校放送番組にどのようなイメージを持っていますか。
 私の場合、周囲の教師よりは活用頻度は多い方であった。しかし、その活用
方法は「学習のまとめとして見せるもの」「実際に見学に行けないものを見せる
もの」といったように学習の補完的な形が中心であった。自習時間に、学習し
ている単元と関係ない内容の番組を見せる場合もあった。(これはこれで助かっ
たが)
 この意識は、自分がNHK学校放送番組の番組協力員になってから変わった。
2001年は「体験!メディアのABC」の、2003年は「おこめ」の番組
協力員になった。今年は6年社会「にんげん日本史」理科「3つのとびら」の
プロジェクトチームに入っている。

■ 番組「にんげん日本史」とホームページの豊富なコンテンツ

 まずは番組そのものから紹介をしよう。ここでは頻繁に利用している「にん
げん日本史」を例とする。
 この番組は毎回一人の人物を取り上げ、その人物に関するエピソードを中心
に話が流れている。6月の放送では第5回が雪舟、第6回では織田信長が主人
公である。いっこく堂が出演し、腹話術でクイズ等を組み入れながら話を進め
ている。金曜日の11時15分~30分の放送である。
 しかし、その時刻まで待つ必要はない。今はデジタル化の時代。「にんげん日
本史」のホームページで、番組そのものを見ることができるのである。

★「にんげん日本史」HP http://www.nhk.or.jp/nihonshi/ja/frame.html
 
 今までは一斉にしか見ることができなかったが、このデジタル教材により、
子どもたちが興味のある部分・調査に必要な部分を個別的に視聴できるように
なったのである。
 しかもホームページのコンテンツは豊富である。私がよく活用しているもの
を紹介する。

★クリップ教材・・・1~3分の動画がたくさん入った映像百科事典である。「雪
舟」の回では、「水墨画(雪舟の『四季山水図』)」「書院造り」「狂言」とい
ったようなクリップ教材が用意されている。もちろん説明も一緒である。動画の
視覚的効果は言うまでもない。しかも子ども向けで短い点も授業活用にはぴった
りである。

★先生のページ・・・番組を活用した指導案とワークシートが特色である。番
組を授業の中でどのように位置づけるか、どのような授業展開が番組利用にふ
さわしいのかがわかる。
 また、この「先生のページ」とは別に番組の掲示板がある。ここではプロジ
ェクトチームのメンバーが中心になって、番組活用の新たな方法について意見
交流をしている。新しい指導案検討も行われている。掲示板は誰でも見ること
ができるが、書き込みには登録が必要である。

★役立ちリンク集・・・テーマの人物に関係のあるリンク集。検索の手間が省
けるし、良質なサイトを選んでいる。

 このように番組の他にホームページには実に多様なコンテンツが準備されて
いる。まさに「一大教材」のようである。これらを活用しない手はない。

■ 活用あれこれ

 ではこれらの「一大教材」をどのように活用していったらいいのか。私自身
活用し始めてまだ1ヶ月半程度であるが、次のように活用することができた。

★人物を取り上げる学習では番組をメインに
 今まで学習した中では聖武天皇と藤原道長がこの例にあたる。番組自体が導
入・展開・まとめというようになっているので、2つか3つに分割をして子ど
もたちに考えさせたり、調べたりする場面を作っている。ただ、15分間の番
組なのであらかじめ60分の授業展開として設定する。

★クリップ教材を導入で提示し興味を高める
 動画クリップの迫力ある映像は子どもたちの興味を大いに高める。そこで、
導入段階で子どもたちに見せて、感想や疑問を話し合わせる。たとえば、「巨大
な王の墓・古墳」の動画を見せ、「なぜこのような古墳を作ったのか」という課
題を導き出す。「大仏はこんなに大きい」を見せ、「どのようして作ったのか」
という課題に意識づけさせるといった具合である。

★発展学習としてリンク集を活用する
 子どもたちに発展学習をさせる場合がある。このような時に便利なのがリン
ク集である。「貴族の生活大発見」をテーマにした子たちは、リンク集の中にあ
った「いつきのみや歴史体験館」http://www2.mint.or.jp/~itukino/taiken.html
のホームページから深く調べ学習をしていた。時間が限られている場合、この
リンク集は発展学習の大きな味方となる。

★まとめにクリップ教材を使う
 「吉野ヶ里の人々はどのような生活をしていたのか」という課題を調べた後
に、その調べた内容のまとめとしてクリップ教材「吉野ヶ里のくらし」を使っ
た。調べたことが正しいか確かめられただけではなく、映像として印象に残っ
た。

 このような番組・クリップ教材・リンク集の活用で気をつけていることは、
「明確な目的をもった活用」ということである。良質なコンテンツでも活用目
的があいまいだと、そのよさは十分に発揮されない。目的意識が希薄なまま番
組を見せたかつての私がそうだった。その分、意図が明確であれば番組やホー
ムページ内のコンテンツは授業での大きな助っ人になる。

■ 他の番組にも注目

 このようなコンテンツは「にんげん日本史」だけではない。理科の「3つの
とびら」でも豊富な内容が収められている。特に理科の場合には、発展的な教
材は参考になる。また、他学年のホームページも充実している。
 また、今年度から「学校放送番組を教師がどのように活用したらいいか」と
いうことを教える番組も始まった。「学校デジタル羅針盤」である。

★「学校デジタル羅針盤」HP http://www.nhk.or.jp/rashinban/

 実際に番組を活用している全国の教師の実践例が紹介されており、授業作り
に大いに役立つ。
 また学校放送番組ではないものの、「わくわく授業」では全国のユニークな授
業例が紹介をされている。

★「わくわく授業」HP http://www.nhk.or.jp/wakuwaku/

 今、NHK学校放送番組のホームページがおもしろい。

|

« 6年生、テレビ出演(岩手のみ) | Main | 筑波大附小からの学び »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference NHK学校放送番組のホームページがおもしろい :

« 6年生、テレビ出演(岩手のみ) | Main | 筑波大附小からの学び »