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2004.07.26

NHKの皆さんへの手紙

学級通信「6年1組物語」62号より

 子どもたちに家庭学習でNHKスタッフの皆さんへ手紙を書きました。一人一人の思いが表れています。抜粋して紹介しましょう。

NHKの皆さんが来ますと先生に言われた時には,少しきんちょうしま
した。でも,実際にやってみるとあまりきんちょうしませんでした。たぶんNHKの皆さんが,そんなにきんちょうしなくてもだいじょうぶだよといろいろ声などをかけてくれたからだと思います。
→ディレクターさんからは,本当にいろいろと声をかけていただきましたね。今までもいろいろな学校を訪問して慣れているからですね。

まさとし先生は,ぼく達以上にきん張したのではないかと思います。実はぼくはアナウンサーになる夢を持っています。この貴重な体験を忘れずにいっぱい勉強をしてがんばりたいと思います。
→私は大丈夫でしたよ。それにしてもアナウンサーになるという夢がふくらんだことがうれしいですね。

NHKの人たちが授業中にカメラを先生やぼくたちにむけてとっていた
のを見て,テレビはこんなふうに作られ,ぼくたちに情報を送っているんだなあと思い,テレビ放送は大変だなあと感じました。
→ふだん見られないロケの様子を見られた(体験できた)のですから,貴重な体験でしたね。

私は,最初のころは,ちょっときん張していたけど,だんだんなれてきました。写っているかはわからないけど,テレビに出ると思うだけで,少しドキドキしていました。
→確かにディレクターさんも話していた通り,全員が写っているわけではありません(全員チラッと写るとは思いますが)が,放送ではドキドキすることでしょうね。

発表の時やインタビューされたときはすごくきんちょうしたけど,その答えが授業に役立てることができました。最後のロールプレイの演技の時,
ちゃんとできるか心配だったけど,きちんとできたので良かったです。
→ロールプレイのできは,みんな満足していましたね。その後の深まりもあって本当によかったです。

あれからまた来る時,今か今かと待っていました。カメラマンのお二人
はいろいろな珍しい動物を写していたんですね。すごいなあと思いました。音声の人は持つのは大変そうですね。みなさんのおかげでぼくたちは楽しく学習できました。みなさんは,本当にプロですね。
→プロから直接学ぶことができたこと,本当によかったですね。いろいろな人から子どもたちは学んでほしいと思います。

 子どもたちの手紙を読むと改めて貴重な学びの場だったことがわかります。いい学びを1学期の締めくくりとしてできたと思います。

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2004.07.24

見方・考え方が深まる発展的な学習を 2

■ いざ体験・・・「不思議な『力』がかくされている」

 実際の水墨画体験。場所は広い方がいいと考え2教室分がある視聴覚室で行った。もちろん、室町文化に浸るわけですから、子どもたちは正座である。
 用意するのは習字道具、一人2枚のプラスチックの皿、試し紙、ペットボトルに水を入れる。B4版の画用紙に描かせた。子どもたちに事前に次の点を指示した。

・雪舟の「四季山水図」をお手本にすること
・「四季山水図」にあるのは山、岩、木、家、人といったものである。それらの風景画を描くこと
・濃淡については水の加減でできる

 正座して落ち着いてさっそくスタート。前の時間に水墨画と禅宗との関わりを学んでいただけに、子どもたちも集中して描いていた。
 音という音はほとんど聞こえない。子どもたちはどんどんと画用紙を墨の絵で埋めていく。
 子どもたちにとって難しいのはやはり濃淡である。試し紙を渡して、一回墨を試す子が多かったが、なかなか淡い色が出ず苦労していた。
 それでも30分ぐらいしたら、次々と作品ができてくる。初めての体験だが、上手である。中には濃淡を本格的に使い分けて、「上手」「雪舟みたい」と言われている作品もあったほどである。
 終了後に感想を書かせる。ほとんどの子が「難しかった」「雪舟はすごい」「またやってみたい」と感想を述べていた。この体験は子どもたちにとって強烈だったらしい。「静かな空間で正座し、心を落ち着かせて取り組む」ことが魅力ある時間になった。ある子は日記に次のように書いている。

 今日は本当にいい体験をしたと思いました。
 「いつかまたやってみたい!」・・・そう思っていてもなかなかやることができなくて、ずーっとやらないことが多く、今回の水墨画もそんな感じになるかもしれません。だから、一生の思い出にし、またかいた絵も大切にしまっておきたいです。
 (今日は)雪舟になりきったと思います。心を落ち着かせることができる水墨画には、何かそのようなことを起こす不思議な「力」がかくされているのなあと思いました。
 先生、いい体験をありがとうございました!

■ 体験後深まった「水墨画の見方」

 体験だけでも子どもたちは価値のある学習をできた。さらに、その体験活動を効果的に生かそうと考えた。「水墨画の体験から水墨画の見方を深め、そのすばらしさを感じ取り、伝えたいことをまとめる」ことがねらいである。次のような流れで授業を行った。

1 本時の課題の確認(水墨画で学んだことと伝えたいことをまとめよう)
2 水墨画体験の感想の発表
3 もう一度雪舟の「四季山水図」を見て、体験により見方が変わったことを自覚する。
4 雪舟の生き方について理解を深める。
5 「学んだことと伝えたいこと」をまとめる。

 この中で感心したのが3の水墨画の見方である。「四季山水図」を改めて見て、1回目は気づかなかった次のような見方ができていた。

 ・雪舟は実に細かいところまでかいている ・立体的だ
 ・かげもきれいにぬっている ・石や岩もうすくぬっている 
 ・濃さで遠近もわかる  ・家の中のところまで細かくかいている

 これらは実際に体験をしたから見えてきた部分である。模写をするためには、作品をくわしく見なければいけない。雪舟の作品のすばらしさをその過程で子どもたちは感じることができたのである。
 これに加えて、子どもたちに「四季山水図」の実際の長さを教えた。子どもたちは掛け軸程度の大きさと思っていたようだったが、実際には16m分あるのだ。廊下で16m分、巻尺をのばす。何と2教室分にもなる。
 その作品16m分をパソコンで見せた。(NHK「にんげん日本史」のクリップ教材)次々と変化していく四季の様子。教科書で示された水墨画はそのほんの一部である。その迫力に子どもたちからは、「すごい!」「芸術だ!」と
いう声が自然に出てきた。
 最終的には次のように「学んだことと伝えたいこと」をまとめた。

(例1)水墨画はとても集中しなければ書けない。実際にやろうとしてもむずかしい。水墨画で有名なのは雪舟である。雪舟は中国にわたり、いろいろなことを学んだ。雪舟のかいた四季山水図は16mもあり、よほど集中しないとか
けない。
 水墨画という大事な文化をぼくたちが守り続けることが大切だ。

(例2)水墨画は一度かくと見方が変わるし、心を静めることもできるのである。水墨画が今も伝わっているのは、水墨画は他の絵とちがうようなことを味わえるからだ。雪舟は中国まで行って水墨画のよさを知ったのである。水墨
画のよさを知り、これからも受け継がれてほしいと感じた。

■ 学期に1単元は、発展的な学習を

 私は、「歴史を学ぶ目的の一つは、自分の国の歴史について語れるようになること、日本のよさについて語れるようになること」と考えている。
 今回の「水墨画に挑戦しよう!」の学習で子どもたちは、水墨画の知識やよさを語れるようになったと考える。これは体験学習の「ビフォー・アフター」が充実した結果だと思う。
 ただ、このような学習は時間的には厳しい。ただ、子どもたちの意欲的な学習ぶりから、学期に1単元は発展的な学習を行いたいものだと感じた。

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2004.07.23

見方・考え方が深まる発展的な学習を 1

■ 社会科での発展的な学習

 6年生の社会科の発展的な学習は魅力的である。
 本校で使っている教育出版の教科書には、「家康・秀吉・信長の共同記者会見を開こう」「人物事典を作ろう」「世界の文化に挑戦しよう」といったように、日常での学習と違う活動が紹介されている。
 これらは、「よりくわしく調べる活動」「体験を目的とする活動」「工夫した表現活動」の3つに大別される。この中で、子どもたちが一番興味を示すと思われるのが「体験を目的とする活動」であろう。未知の体験への魅力はやはり大きい。

■ ポイントは「活動のビフォー・アフター」

 ただ魅力的だからと言って「発展的な学習は、体験させればそれでいい」というものでもない。
 かつて「大仏作りに挑戦」という学習をしたことがあった。奈良の大仏の大きさと同じ大きさで目、鼻、口、手のひらを画用紙や模造紙で作るのである。
できた顔を壁に掲示しみんなで万歳。手のひらにも何人乗れるが試してみた。子どもたちは大喜びで取り組んだ。
 ところが、次の時間に奈良の大仏について深く追究する段階では子どもたちは大仏作りほどの意欲は示さず、苦労した記憶がある。単元全体の中での体験活動の位置づけが明確でなかったから、このような結果になったのである。
 それ以来、歴史学習で体験活動を学習に組み入れる時には、活動の前後(ビフォー・アフター)がポイントと心得ている。

 今回行う体験活動は「水墨画に挑戦しよう!」というものである。
 教科書では「室町文化に挑戦しよう」となっているが、生け花・茶の湯は経費や準備の手間がかかる。その点、水墨画は習字道具と画用紙があれば本格的とはいかないものの、体験自体なら簡単にできる。
 ポイントとなる「ビフォー」は水墨画体験への興味づけを、「アフター」は、体験後に変わったものの見方・考え方を深めるということをねらいとした。
 時間は水墨画体験が60分。事前も事後も1単位時間(45分)ずつの指導である。

■ 授業「水墨画に挑戦しよう!」

 「水墨画に挑戦しよう!」の最初の時間は、水墨画についての知識を深めることと「かきたい!」という意欲を持つのがねらいである。
 最初に「水墨画について知っていること、書かれていることを発表しなさい」と指示した。子どもたちは予備知識がほとんどない。そこで、教科書と資料集から探させた。

・絵の具を使わず、墨をといて描いた絵である。
・雪舟が画家として活躍した  
・中国から伝わった
・応仁の乱のころにはやった
・「四季山水図」といった作品がある等

 これらに加えて、雪舟の子どもの頃のエピソード(お寺で、柱にしばられて涙でねずみを描いた)を知り、子どもたちは雪舟という人物にも興味を持った。
 ある程度基礎知識が身についた後、子どもたちに教科書にある四季山水図(雪舟作)を見せる。拡大カラーコピーをしたものである。
 第一印象を聞く。

・細かい  ・すごい  ・難しい  ・人の心が表れている
・立体的  ・その時代の様子がわかる・・・等

 さらに、「何がかかれていますか」「季節はいつですか」といった発問で、四季山水図について理解を深めた。
 最後に「なぜ室町時代に、このような水墨画がはやったと思いますか?」と聞く。さすがにこれは難しく、子どもたちの反応も芳しくない。水墨画が禅宗の影響を受け、「心を静めて集中する効果」もあることを伝えると、子どもたちはその視点に新鮮さを感じていた。
 まとめとして、「水墨画の特徴についてまとめなさい」と指示した。

(例)「水墨画は墨だけを使い、風景をかいた絵であり、中国から伝わった。心をしずめる特徴を持ち、集中して描くことができる。水墨画は大切な文化である。」

 まとめを発表させた後、「君たちも水墨画をしてみたいですか?」と聞くと、「うん!」「やってみたい!」「おもしろそう!」と好感触。水墨画の基礎的な内容の検討が子どもたちの興味を高めたのである。

(つづく)

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2004.07.22

わくわく授業最終日

 学級通信「6年1組物語」61号より
 
 昨日がわくわく授業の取材最終日でした。メインの日です。
 子どもたちの学習は次の二つです。

 ・歴史に基づいたロールプレイをする
 ・ロールプレイからわかったことをまとめ、歴史の見方を深める

 ロールプレイ(役割演技)の準備もOKです。
 実際のロールプレイでは前号のようにそれぞれ特色を出して発表することができました。
 歴史に基づきながらも、言い回しを工夫していたり、時には笑わせる内容を組み入れたりしてわかりやすい歴史を再現してくれました。子どもたちにとっては「歴史の追体験」とでも言うのでしょうか。

 他の班のロールプレイによって子どもたちは、「ザビエルが来た時のいろいろな人の立場」というのがわかりました。たとえば、「民衆は迷っていたが信者はどんどん増えていった」「僧は絶対反対し、ザビエルたちを憎んだ」「大名の中には貿易目的で信者になるものもいた」というようにです。
 これらは、単に調べるだけでは印象に残りませんが、ロールプレイによって演じられると実によく立場がわかります。

 その後子どもたちに「ザビエルは日本をどう変えたのでしょう」と聞くと、次のような答えが返ってきました。

・日本を幸せにした ・すみやすい国にした  ・便利にした
・いろいろな考えが残る世の中にした ・新しい文化をもたらした・・等

 子どもたちは、これらについて具体的に発表しました。
「いろいろな立場から考える」「新しい視点で考える」ということを子どもたちはこの学習を通じて学びました。そして、「戦いばかりだった」という戦国時代のイメージも変わりました。
 学習の最後に1時間目に書かせたイメージマップを再度書かせました。子どもたち1時間目とは比べものにならないほど、どんどん書いていきました。書いた分だけ子どもたちの学びが大きかったと言えます。

 4日間にわたったNHKの取材。授業をする側からすれば、あれこれ考えてあっという間でした。子どもたちも何度も壁にぶつかり、それを乗り越えました。授業終了後は満足した笑顔(上の写真のように)でした。
 放送は10月ということなのでまたお知らせします。

★ ロケ裏話 ⑤ 「同じネクタイ」
 わくわく授業の取材日はずっと同じネクタイでした。というのも初日にディレクターさんから、「編集で、後の日の授業が前にくる場合もあるので、同じネクタイにしてください」と言われたからです。つまり同じ服装で・・・ということです。(スラックスも同様です。ワイシャツは白だったので、複数あり事なきを得ましたが)
 「でも職場で毎日同じネクタイというのも・・・」ということで、翌日からは朝は別のネクタイ。授業直前に取材用のネクタイに変え、終了後また戻すという日々でした。子どもたちの前で変えますから、興味深げに私が結ぶのを見ていたのが印象的でした。

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2004.07.21

『問題をかかえる子 100事例』

昨年出した本が2刷になったということで、改めて紹介します。

『どの子も伸びる 小学校 どう指導する 問題をかかえる子 100事例』(家本芳郎編 ひまわり社)です。

どの学級にも問題をかかえた子がいると思います。そしてその子への対応は頻繁だと思います。
どう対応するかということについてズバリ書かれている本です。もちろん100の例ということですから、一つ一つの項目は短いです。百科事典的な感じです。

この本のうち10項目を私が執筆しました。
「悪事を認めない子ども」「元気がない子ども」「蚊の泣くような声の子ども」「自分のことしか考えられない子」等です。「こんな子いるなあ・・・」と思いながら読むことでしょう。
私が職場で購入を呼びかけたら10冊、たちまち希望者が来ました。ニーズに合っている本です。


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2004.07.20

わくわく授業 3日目

 わくわく授業の3時間目です。
 昨日は、明日の発表に備えて「シナリオの修正」と「ロールプレイの練習」の時間です。各チームの様子をお伝えします。

■1班・民衆グループ
 シナリオで民衆がキリスト教を受け入れたかどうかの結論を悩んでいました。資料集から、キリスト教の信者のグラフを見つけて、ナレーションに挿入しました。演技は達者で迫力があります。

■2班・僧グループ
 キリスト教を受け入れない僧のロールプレイをします。キリスト教に対する反発をどう表現するかを吟味していました。なかなか反発する演技というのは難しいものです。分かりやすい立場という点がいいです。

■3班・ザビエルグループ
 ザビエルがキリスト教の日本布教の様子をロールプレイをします。ザビエルの法衣にこだわって準備をしました。(学校の暗幕を利用しています)
なかなかいい雰囲気です。

■4班・大名グループ
 キリスト教の許可を言い渡す大名の様子を演じます。大名の目的の一つ
として「南蛮貿易」があります。その点を強調するために何度もシナリオを書き直しました。苦労が報われる内容です。

■5班・持ち込んだものグループ
 ザビエルが持ち込んだと言われているものは「タバコ」「メガネ」「コショウ」といろいろあります。それらを実物を用いて演技する点がポイントです。印象深い演技となりそうです。

■6班・ザビエル後グループ
 ザビエルは日本を去った後、すぐに亡くなります。その後はどうなったのかということを演じます。いかに教えが広まったかということを具体的なエピソードで語ります。小道具も熱心に作りました。

 実際に練習をしてみての子どもたちの感想です。

・今日ロールプレイの練習をして、だんぶうまくなったので良かったです。私はナレーターで言うことが多いので、がんばりたいです。明日が本番なのでまちがいのないように大きな声を出してみんなにちゃんと伝わるようにがんばりたいです。
・私は最初「ロールプレイ」なんてかんたんだ!と思っていたけど、やってみると、感情をこめたり、演技したりするのが難しくて、内容の伝えたいことを3分以内にやるのが難しいなあと思いました。

 本番の様子は次号でお伝えします。

★ ロケ裏話 ④ 「サウナ風呂です」
 昨日は蒸し暑い日でした。梅雨特有の「じとっ~」とする暑さです。
 NHKスタッフの皆さんは、3日間の休みをとってから昨日岩手に来ました。私が「いやー、今日は暑くて・・・」と言ったら、「いや、岩手はいいです。東京はサウナ風呂ですよ。」とのこと。
 確かに昨日の都心では39度まで気温が上がったとか。ちょっと想像できません。その点ではスタッフにとっては「岩手は涼しい」のでしょうね。気候の違いを感じました。

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わくわく授業2時間目

(「学級通信 6年1組物語」 59号より
 なお佐藤正寿の日記にも取材授業の様子を書いています)

 わくわく授業の2時間目です。
 前日まで子どもたちは「キリストが受け入れられたかどうか、いろんな立場でロールプレイ(役割演技)をすればいい」と話し合いました。
 それを受けて実際にロールプレイのシナリオ作りの時間です。おおよそ次のような流れです。

1 本時のねらいと学習方法の確認
  調べたことをもとにシナリオを作ろう
 ・作り方
  ①調べる
  ②タイトル・役割分担を決める
  ③ロールプレイのシナリオを作る
2 シナリオを書く
 ・どのチームも苦戦をしていましたが完成しました。
3 実際のロールプレイの準備をする
 ・小道具が必要な班は作り始める

 シナリオを作るといっても歴史上のロールプレイです。大切なことは「歴史上の事実に基づいている」ということです。勝手に空想的な内容を演ずるのではないので、その点ではちゃんとした調べ学習が必要です。
 同時にセリフを考えることも必要です。この点では参考文献の中に歴史

マンガがあり、それらがずいぶん参考になったようでした。
 ただ、子どもたちからすれば難しかったようです。たとえば民衆の立場にたった班では「ザビエルのキリスト教に賛成の人もいたし、反対の人もいた」という結論になりました。それをシナリオにするわけです。これはけっこうたいへんです。
 それでも2時間かけで子どもたちは何とかシナリオを作りました。子どもたちの声です。

・最初は(シナリオ)が難しいんじゃないかと思っていたけど、まとめていくうちに分かることがたくさんでてきて、やってみておもしろかったです。
・農民の気持ちを反対と賛成の意見でまとめていくのが大変でした。シナリオ作りがこんなに大変とは思いませんでした。みんなで力を合わせ、戦国時代の農民の気持ちになってシナリオを作ったのでよかったです。
・なかなか意見がまとまらなくて、困った点もあったけど、ぶじシナリオを作ることができて良かったです。本番が楽しみです。

 20日がこのロールプレイのシナリオ修正日。そして練習。そして、明日21日が発表とその内容を深める学習です。どのような展開になっていくのか楽しみです。

★ ロケ裏話 ③ 「いい表情」
 初日の取材授業が終わってから、収録した授業を見せてもらいました。今回はカメラが2台入っていて、1台は教師がメイン、もう1台は子どもたちを中心に撮影をしています。後者の映像を見て新鮮でした。というのもの、実に子どもたちの表情がいいからです。(これは「ふだんが悪い」という意味ではもちろんありません。念のため。)
 やはりプロのカメラマンです。子どもたちの表情を見逃さないのです。ディレクターさんも「よく先生方から『ふだん見せない表情だ』と番組を見て言われます」と話していました。まさに私も同感です。

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2004.07.15

わくわく授業1時間目

学級通信 6年1組物語 第58号より

 いよいよ「わくわく授業」のスタートです。
 今回行うのは「ザビエル」です。キリスト教を日本に布教させた人物です。教科書にも資料集にも掲載されている人物の一人です。このザビエルについて6時間、子どもたちは追究をします。
 昨日は「ザビエルについて知る」「これからの学習に見通しを持つ」ということです。おおよその流れは次の通りです。

1 キリスト教について知っていることを発表する。
 ・イエスキリストが始めた ・聖書 ・日本ではザビエルが広めた・・・
  
2 ザビエルの絵をみて思ったこと、わかることを話し合う
 ・十字架を持っている ・持っているのは心? ・マントを着ている・・・

3 教科書と資料集からザビエルについて調べる
 ・日本に3年間いた ・キリスト教を広めた ・九州地方から広めた・・・

4 戦国時代の人々はザビエルの教えを受け入れられたかどうか予想する。
 ・受け入れた派・・・戦国時代は不安。だから頼りにした・・・
 ・受け入れられない派・・・日本には仏教がある・・・

5 これからの学習の見通しを持つ。
  上の討論の結論が出ないので、これからの学習で追究することにする。ただし、立場によって違うので、次の6つの立場と内容で追究することにする
 「ザビエルの立場」「大名の立場」「僧の立場」「民衆の立場」「ザビエルが持ち込んだもの」「ザビエルが去った後の布教」
→これらについて調べ、ロールプレイ(役割演技)で発表する

6 今日の学習のイメージマップ作りと感想発表

 一つ一つの学習で子どもたちからは、いい反応が出てきました。
 3の中で、「ザビエルが持ち込んだと言われているものに時計やメガネがあります」と私がクイズ形式で紹介すると子どもたちは盛んに感心をしていました。さらに4の受け入れられたかどうかという討論では、自分の率直な考えが出てきました。
 もちろんこれからの学習は、これらの流れの延長線上にありますから、子どもたちのやる気がいっぱいです。最後の感想では次のようなことを述べていました。これからの学習への期待が大きいです。

・キリスト教が受け入れられたかが、すごく気になりました。今度、どうなるか楽しみです。
・ザビエルが日本人と出会って、日本がすばらしいと思ったのがびっくりしました。もっとザビエルについて調べたいです。
・ザビエルは和の心がわかる人だと思いました。これからの授業でもっとザビエルを理解したいです。
・まだよくザビエルのことがわからないので、調べてロールプレイをやりたいです。

★ ロケ裏話 ② 「NG続き・・・」
 わくわく授業の中で教師へのインタビュー場面があります。ふだんだったら気軽に言うのですが、カメラが目の前にあるとやはり違います。喋っていて「これはマズイなあ・・」と思いながら続けていると、やはりつまずいてしまいます。いわゆる「NG」です。昨日のインタビューではさっそくNG。それも連続で。なかなかうまくいかないものです。

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2004.07.13

いろいろなメディアと掲示板のトラブル

 情報教育の一つとして昨日情報モラルの学習をしました。
 次のような内容です。

1 知っているメディアを発表する。
 20種類以上のものが出てきました。

2 交流できるメディア(電話・電子掲示板・手紙など)のプラス面・マイナス面について考える。
 プラス面はどんどん出てきました。それもメディアによって違うことが出てきました。(「手紙は届くのが遅いけど、じっくりと考えて書くことができる」「掲示板は多くの人の目にふれる」)。マイナス面で共通しているのは「いたずらがある」ということです。

3 電子掲示板での書き込みのいたずらについて考える
 友達の悪口を書いた書き込みについて、「どう思うか」「どういう結果になると予想するか」考えました。当然のことながら、「書かれた側の気持ちを考えてほしい」「書き込みは管理する人によって、誰が書き込んだのかわかってしまう」ということになりました。

4 書き込みのトラブルにあった場合にはどうしたらいいか考える
 「友達に相談する」「先生に言う」「自分も掲示板に『やめてほしい』と書き込む」「自分の行いを振り返る」「家族に話す」

5 感想を話し合う

 日常的にモラル指導はしていましたが、改めて授業をして、子どもたちは「メディアには特性があり、それに応じた使い方が大切」「書き込みなどのトラブルに対してのスキル」を学びました。(これが今回の授業の目的です。)
 子どもたちが学んだことを感想から紹介します。

・被害者になったら、みんなが考えたようにすればいいなだなと学びました。メディアはいい点があるのに、悪い点もいっぱいあるので、メディアの悪い点は使わないようにしたいです。今日学んだことを生かしたいです。
・掲示板はみんなのものなので、マナーを守り書き込みをしていきたいなあと思いました。また、悪口を掲示板に書き込んでも誰かわかるので、すごいと思いました。これからもマナーを守っていきたいです。
・今日学んだメディアと掲示板のことを知って、いろんなことにも礼儀が必要と思いました。少しのいたずらでも、受けた人はとてもすごいショックを受けるのだと思いました。

 子どもたちにとって大切なことを学んだ1時間だったと思います。
 (学級通信「6年1組物語」56号より)

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2004.07.12

先生への手紙

学級通信 6年1組物語 第55号

 国語の書写の時間はN先生が教えています。1学期の最後の学習として「担任の先生への手紙」を子どもたちは書きました。
 「書写」の時間ですから、内容よりも「中心線をそろえて書く」「漢字とひらがなのバランスを考えて書く」というめあての方が大切です。

 しかし、私にとっては子どもたちの書いた内容が実に楽しいものでした。ふだんの私の授業について書いている子あり、自分の成長を書いている子あり、はたまた遊びのお誘いありと読みながらつい微笑んでしまうものばかりでした。
 いくつか紹介しましょう。文のあとの(  )は私につぶやきです。

■私は今まで授業の感想など、全員発表といわれたときなどしか言わなかったけど、今になって発表がたくさんできるようになりました。
(確かに発表する力は伸びました。討論は楽しんでいます。)

■私は漢字がとても苦手で、4年生までの漢字はなかなか覚えられずにいました。でも、5年生からは少しずつだけど覚えることができました。
(漢字を覚えることは、覚えることの他に「自信」もつきます。大切なことですね。)

■ぼくは、サッカーがすきなので、いつも練習しています。なので、サッカーがだんだん上手くなっていると思います。正寿先生もヒマな時間があ
ったらサッカーをしませんか。楽しいですよ。
(お誘い、ありがとうございます。今度ぜひ一緒にしましょう。)

■先生と2度目の1学期はいいことが沢山ありました。一番はテストの点数がとてもよくなったことです。今まで平均80点ぐらいだったのが、6年生になってから、90点、100点ばかりです!
(それはすばらしい!努力したからですね。)

■正寿先生の授業は毎日、とても楽しいです。正寿先生ならではのパソコンの授業もたくさんしたし、社会で特別に水墨画も体験したし、ビデオも見たりしました。正寿先生ががんばっているのだから、ぼくもがんばろうと思いました。
(最後の一文、グッと来ますね。お互い、がんばりましょう)

■いつもいろいろなことを教えてくれてありがとうございます。正寿先生の学級になったとき、初めて男の先生でびっくりしました。1組になって何日かたったころ、勉強が楽しくなりました。研究授業がとても多くてたいへんなときもありました。
(研究授業が多いのは「プレッシャー」という子もいるし、「関係ない」という子もいます。どちらも本音ですね。)

■ぼくは、キーボード入力がうまくなかったけど、正寿先生のおかげでちょっとだけうまくなりました。水泳で最初はあまり泳げなかったけど、正寿先生のおかげでうまくなったような気がします。
(「ちょっとだけ」「気がします」に笑ってしまいますが、成長はうれしいです。)

 子どもたちの手紙から、自分の授業のこと、子どもたちへの接し方、ふだん考えていること等、いろいろなことを学んだ気がします。
 また数ヶ月後、今度は私が子どもたちに手紙を書かせてみたいと思います。

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2004.07.10

NHK教え方教室

7月26日に盛岡で「デジタル時代の授業創造講座~先生のための教え方教室~」が開催されます。
「教え方教室?」と思われる方もおられると思います。学校放送番組やNHKデジタル教材の授業での活用をサポートする講座です。
NHKが普及促進を図っているデジタル教材に実際に触れていただくとともに、教育現場での効率的な活用法についてワークショップ形式で行うものです。

講師は岩手県立大学教授鈴木克明先生、東北学院大学講師稲垣忠先生、金沢大学附属小八崎和美先生。NHKがらみで私もお世話になった先生ばかりです。
「当然参加したい」と思ったものの、この日は1学期終了式。午後も予定があり、しかも翌日が水泳記録会の準備で参加不可能。せっかくの盛岡での開催なのに、本当に残念です。(この時ばかりは遅い夏休みを嘆いてしまった)
お近くの皆さま、ぜひご参加ください!

なお、同じNHKということでこれもPR。今度の「プロジェクトX」は我が水沢が舞台です。
地方競馬の馬がG1を制する話です。

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2004.07.05

水墨画に挑戦しよう3

水墨画の学習の最後の時間です。

■学級通信「6年1組物語」51号より

 2日に研究授業が行われました。社会科で水墨画の学習です。授業のおおよその流れは次の通りです。

1 本時の課題の確認
  水墨画で学んだことと伝えたいことをまとめよう
2 水墨画体験の感想の発表
3 もう一度雪舟の「四季山水図」を見て、体験により見方が変わったことを自覚する。
4 雪舟の生き方について理解を深める。
5 「学んだことと伝えたいこと」をまとめる。

 水墨画体験で学んだことをもとに、さらに水墨画の見方を深め、室町文化のすばらしさを改めて感じ取らせるという授業です。
 この中で感心したのが子どもたちの水墨画の見方です。雪舟の作品について、次のような見方ができていました。

 ・雪舟は実に細かいところまでかいている ・立体的だ
 ・かげもきれいにぬっている ・石や岩もうすくぬっている 
 ・濃さで遠近もわかる  ・家の中のところまで細かくかいている

 いずれも一回目では見えていなかった部分です。
 その後、子どもたちに「四季山水図」の実際の長さを教えました。子どもたちは数十センチメートルと思っていたようでしたが、実際には何と16メートル!2教室分の長さです。
 全部の山水図を一気にパソコンで見せました。その迫力に子どもたちからは、「すごい!」「芸術だ!」という声が自然に出てきました。
 最終的には次のように「学んだことと伝えたいこと」をまとめました。

 水墨画はとても集中しなければ書けない。実際にやろうとしてもむずかしい。水墨画で有名なのは雪舟である。雪舟は中国にわたり、いろいろなことを学んだ。雪舟のかいた四季山水図は16mもあり、よほど集中しないとかけない。 水墨画という大事な文化をぼくたちが守り続けることが大切だ。

 水墨画は一度かくと見方が変わるし、心を静めることもできるのである。水墨画が今も伝わっているのは、水墨画は他の絵とちがうようなことを味わえるからだ。雪舟は中国まで行って水墨画のよさを知ったのである。水墨画のよさを知り、これからも受け継がれてほしいと感じた。

 この水墨画の学習は子どもたちにとって、実に価値がある学習になったようです。

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2004.07.04

水墨画に挑戦しよう2

1に続いて2である。

■学級通信「6年1組物語」49号より

 昨日の水墨画についての話し合いの後、今日はいよいよ実際の水墨画体験です。場所は広い方がいいと考え視聴覚室で行いました。もちろん、室町文化に浸るわけですから、子どもたちは正座です。
 実際に使うのは習字道具です。画用紙に描かせました。
 子どもたちに事前に次の点を指示しました。

・雪舟の「四季山水図」をお手本にすること
・「四季山水図」にあるのは山、岩、木、家、人といったものである。それらの風景画を描くこと
・濃淡については水の加減でできる。

 正座して落ち着いてさっそくスタートです。前の時間に水墨画と禅宗との関わりを学んでいただけに、子どもたちも集中して描いていました。
 音という音はほとんど聞こえません。子どもたちはどんどんと画用紙を墨の絵で埋めていきます。
 子どもたちにとって難しいのはやはり濃淡のようです。試し紙を渡して、一回墨を試す子が多かったのですが、なかなか淡い色が出ず苦労していました。
 それでも30分ぐらいしたら、次々と作品ができてきました。
 初めての体験のわりには皆、上手です。中には濃淡を本格的に使い分けて、「上手」「雪舟みたい」と言われている作品もありました。
 さて、初めての水墨画体験。子どもたちはどのような感想を持ったでしょうか。A君の感想を紹介します。

 今日は水墨画をやって本当に心が静まりました。
 水墨画は短時間でできるし、おもしろいのでまたやりたいと思いました。雪舟はよくこんな難しいものを描いたと思いました。山など難しいものばかりでうまくうまくかけませんでした。
 この水墨画はおもしろかったのでまたやりたいです。

 ほとんどの子が同様に「難しかった」「雪舟はすごい」「またやってみたい」と感想を述べていました。いい体験になりました。

 水墨画の学習はこれで終わりではありません。金曜日、再度「四季山水図」で学習を深めます。一度水墨画体験をしているので見方がどのように変わっているか楽しみです。

☆付記
 この日の日記に10人近くの子どもたちが水墨画体験のことを書いてきた。ふだん日記を書く子は2.3名である。それぐらい印象に残った体験であったらしい。その中の一つ。

 今日は本当にいい体験をしたと思いました。
 「いつかまたやってみたい!」・・・そう思っていてもなかなかやることができなくて、ずーっとやらないことが多く、今回の水墨画もそんな感じになるかもしれません。だから、一生の思い出にし、またかいた絵も大切にしまっておきたいです。
 雪舟になりきったと思います。心を落ち着かせることができる水墨画には、何かそのようなことを起こす不思議な「力」がかくされているのかなあと思いました。
 先生、いい体験をありがとうございました!

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2004.07.03

水墨画に挑戦しよう1

社会の学習で「水墨画に挑戦しよう」という学習を行った。発展的な内容である。
学級通信より記録を紹介する。

■学級通信「6年1組物語」48号より

 これは教科書に掲載されている水墨画(雪舟・四季山水図)です。今日からの社会科は特別に水墨画の世界を3時間にわたって学ぶことにしています。
 最初は水墨画そのものについての理解です。

 水墨画について知っていること、書かれていることを発表しなさい。

・絵の具を使わず、墨をといて描いた絵である。
・雪舟が画家として活躍した  ・雪舟は中国で水墨画を学んだ
・風景を描いている  ・中国から伝わった
・応仁の乱のころにはやった  ・墨の濃さで描いている
・「山水長巻」といった作品がある等

 これだけでも水墨画についてだいぶ詳しく理解できます。さらに資料集にある雪舟の子どものころのエピソード(お寺で、柱にしばられて涙でねずみを描いた)を知って、雪舟という人物にも興味を持ったようでした。

 続いて「四季山水図」をじっくりと見させました。第一印象が大事です。

 見た印象をずばり一言で言いなさい。

・細かい  ・すごい  ・難しい  ・人の心が表れている
・立体的  ・その時代の様子がわかる・・・等

 子どもたちは作品のすばらしさを感じ取ることができました。
 さらにいくつか発問をして、山水図について理解を深めました。
ここで「なぜ水墨画がはやったのか?」と聞いたら、さすがにこれは難しかったようです。水墨画は禅宗の影響を受け、「心を静めて集中する効果」もあることを伝えました。子どもたちはこの視点に新鮮さを感じていました。(同じ室町文化の「茶の湯」にも通じます。)

 まとめとして、「水墨画の特徴についてまとめなさい」と指示しました。

 水墨画は墨だけを使い、風景をかいた絵であり、中国から伝わった。心をしずめる特徴を持ち、集中して描くことができる。水墨画は大切な文化である。

 まとめで子どもたちの書いたもので一番多かったものは、「水墨画を一度はしてみるべきだ」というものです。子どもたちも実際に体験してみたいのです。
 ということで、次の時間は実際に水墨画体験をすることにしています。今までの水彩画とは違った感じの絵になると思います。どのような絵になるか楽しみです。


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