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August 2004

2004.08.31

判断の難しさ

「台風が数時間後、隣県を通過する。現在も強風、雨も強い。ただ通過後はいい天気になる。」・・・こんな状況で管理職だったら、どのような判断をくだしたらいいのか。登校させるべきか、休校にすべきか。あるいは時間をずらして登校させるべきか。

今日はこの判断を迫られた日だった。自分が判断をくだすわけではないが、その立場で考えてみると実に難しい。登校させるといっても安全面で不安がある。しかし休校にしたら、困る家もあるだろう。900人分の給食の食材のこともある。結局本校は10時30分の登校になった。他校の様子は普通登校あり、休校あり、時間遅れでの登校ありと様々だった。それぐらい判断が難しかったということだ。
結局10時30分登校時も風が強く、多くの子が車で送られてきた。ただ、事故もトラブルもなかったのでホッとした。
(今日一日の様子は日記を参照

この台風で思い出したのはとある校長先生のエピソードだ。
台風が迫ってきた。学校にも問い合わせの電話が次々と入る。しかし結局は特に連絡をせず普通登校をさせた。後ほど「連絡がなかった」「休校でもよかったのでは」というクレームが入る。それでも校長先生は、「少々の危険もあるが、それも経験。たくましく育てたい」「休むというのであれば、それはそれで結構。自己判断のいい機会」と堂々と答えた。
結局は「校長としての信念」が結局は判断の要になると感じた。

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2004.08.30

オリンピックの教材化

オリンピックが今日終了した。担任している子どもたちも6年生ということで、ニュースをよく見ていたようだ。
6年生でオリンピックイヤー。これはオリンピック教材化の大チャンスである。今のところ考えているのは3つ。

①オリンピック出場選手のエピソードから学ぶ(道徳)
②オリンピックの様々なデータ(今までの開催地、メダル獲得数)から現実の世界にある経済格差について考えさせる(社会)
③オリンピックを通して戦争と平和について考える(社会)
④オリンピック放送の放映権料から考えるメディアリテラシー学習(総合)

①については2学期最初の日に北島選手について行った。1時間の授業の中ではなく、朝の会等でするのがいいだろう。④についてはかつて違う学年で実践をしたことがある。NHKの総集編の映像が役立ちそうだ。
 

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2004.08.29

攻めの姿勢で

貴重な2日間の休日だったが原稿はなかなか進まず。(もちろん家族のための休日でもある)
理由は簡単。リズムに乗れないからだ。自分の場合には時々原稿を書くより、続けて書く方がリズムに乗って書くことができる。さらに読書や研修で忙しい方がよりリズムに乗れる。

今日読んだ「オンリーワンになる仕事術」(中谷彰宏著・KKベストセラーズ)にも似たことが書かれていた。

・「働くことが、休息になる」ような仕事をしよう
・3日かかる仕事を、2日でしよう
・終わったところから、始めよう
・場のリズムに、乗ろう

これらは全部「攻め」の姿勢だと感じる。自分のリズムが悪い時はいつもこの攻めの姿勢を忘れて、守りに入っている時だ。「原稿がある。読書は後回し」「依頼された仕事がある。自己研修はパス」といった時だ。そうなると、全ての仕事は「単発」になってしまう。
自分がより成長するためには、今の状態ではいけないと改めて感じる。

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2004.08.28

ひまわり社HP 9月のめあて

ひまわり社ホームページ拙稿「9月のめあて」が掲載されています。月1回の連載です。今月は次のような内容です。

1 学級づくり「個のよさを係活動に生かす」
2 授業「さいころで夏休みトークをしよう」
3 気軽なIT活用⑥ 係活動でもIT活用

この中の1の係活動では「趣味や得意技をそのまま係にする」ことを紹介しています。なかなか係活動の発想が広がらない場合にお勧めです。7年続いている佐藤学級のハムスター係は、この働きかけがきっかけでした。
他の学年も紹介されています。ぜひご覧ください。

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2004.08.25

プラス会議

学級経営には当然戦略がある。佐藤学級であれば毎年行っているものもあるし、その時の子どもたちによって行っているものもある。
2学期から「プラス会議」をすることにした。朝の10分ほど、月に2~3回行うことにより、子どもたちが学級集団を意識し、よりよい方向づけができるのではないかと期待している。
次のような会議である。

①班でこの1~2週間で、「学級にとってプラスだったこと」「マイナスだったこと」を話し合う。(出てきた意見は否定しない)
②それを班ごとに板書して、発表する。
③教師がプラス面を具体的な例をもとに評価する。マイナス面は課題ということで呼びかけをする(自分たちの成長のためだから結果的にはマイナス面の意見も「プラス」)

たったこれだけなのだが、以前継続して実践した時にはいい結果を収めた。自分たちの学級のよさを子どもたちは自覚し、毎回出てきた直すべき点については自主的な取り組みが子どもたちから出てきた。

★ちなみに今日のプラス面・・・「積極的に立候補している」「新しい活動をがんばっている」「家庭学習の取り組みがいい」「陸上練習をよく努力している」「キーボー島に熱中している」等。
★マイナス面・・・「廊下歩行」「学習の用意や切り替え」「授業中の集中」等

どうなっていくか楽しみである。

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2004.08.22

シンポジウムからの学び

奥三河サマーキャンプにシンポジストとして参加した。(日程や参加者等については日記を参照
シンポジウムでは発表やプレゼンとは違った要素が必要になってくる。そのことを痛感した。
思いつくまま学びを書きたい。

1 準備したものは使われなくて当たり前と思った方がよい
 最初に「今までの実践を自己紹介の中で」と依頼されていたので、5分程度のプレゼンを作って臨んだ。ところが他の方々はあっさりとしたもので進行上5分も費やすのは失礼に思われた。そこで5分のものを半分程度に紹介をしたが、早口でよくわからなかったであろう。これは「せっかく準備をしたのだから」という思いがあったからだ。時間を半分にするのなら、スライドも半分にしなくちゃいけないと反省。他に写真等のスライドは準備をしたが、それらも話の流れから活用されることはなかった。使われなくて当たり前と思った方がよい。

2 日ごろの問題意識が反映する
 シンポジウムで話す柱は決まっている。しかしながら話の流れで何をいうかはその時のコーディネーター次第。今回も「この点はどうなのですか。佐藤さん」とふられた時に、「これは難しいなあ」と思ったところがあった。幅広い問題意識を持っていないと即答できないと痛感した。

3 知識は絶対必要
 同じシンポジストの吉田氏の知識には驚くばかりだった。自分より日本の教育史について詳しい。それらを適宜織り込んだ話は説得力があった。当たり前のことながら知識が豊富ということは武器である。

4 論理的な話し方を身につける必要あり
 聴衆をいかに引き付けるか・・・そのような話し方を自分自身はできていなかったなあと反省した。限られた時間で的確に話すことを鍛えなければと感じた。

 シンポジウムは息が抜けない。一瞬で考え、すぐに明確に話すことが要求される。貴重な学びであった。

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2004.08.19

スポーツ選手のエピソード

今、アテネオリンピックが熱い。特にもいつものオリンピックと違って、毎日がメダルラッシュ。がんばる日本人選手の活躍ぶりに子どもたちも寝不足になるのではないか・・・と思ってしまう。
さて、今回はメダリストたち一人一人の「物語」があるんだなあと共感しながら見ている。もちろん、そのエピソードは子どもたちにも通じる。始業式の今日、さっそく水泳の北島選手、柔道の泉選手の小学生時代のエピソードを写真等のプレゼンを交えて紹介をする。学級通信からその部分を抜粋する。

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★ オリンピックのエピソードから2学期の目標を決める

 アテネオリンピック、真っ盛りです。連日のメダルラッシュに皆様も寝不足ではないでしょうか。子どもたちも大いに興味を示しているようです。私ももちろん興味があります。というのもメダルをとった一人一人の選手に、その人固有の「物語」があるからです。
 2学期最初の日の1時間目、このオリンピックネタで子どもたちに話しかけました。

 この人は誰ですか。(北島選手!) そう水泳で金メダルをとった人ですね。今日2個目の金メダルをとりました。
 この北島選手のことでみんなに伝えたいお話があります。それは北島選手が小学校の卒業文集に書いた内容です。その時にすでに「オリンピックに出場金メダルをとりたい」と書いていたそうです。その当時、すでに平泳ぎ50mを34秒で泳いでいたそうです。(この数字にはやはり驚いていました。)でも北島選手は卒業文集には、「34秒より、楽しかった小学校のプールで出した36秒3の方が思い出」と書いたそうです。

 もう一人、柔道の泉選手(銀メダル)のエピソードを紹介しました。青森県から中学校に進む時に、「柔道をしたい」という自分の意志を貫き、東京に出てきた話です。

 二人に共通するのは「何かをなしとげようとする強い意志」を持っていたことです。立場は違うけど、みんなも2学期、強い意志を持って何事にも取り組みましょう。

 こう話した後、「2学期にがんばりたいこと」を作文に書かせました。エピソードが印象深かったのか、何人もの子どもが「北島選手のようにがんばりたい」といったことを書いていました。(子どもたちのがんばりたいことは少しずつ紹介していきます。)

北島選手のエピソードはこちら
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スポーツ選手のエピソードは具体的、明快なだけに子どもたちの心に響く。1単位時間、全て使う必要はないが、部分的にこのように子どもたちに紹介をすればよい。子どもたちは何かを感じるはずである。

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2004.08.15

『サッカーで「人」を育てる』

夏休みに入ってどんどん読書ができるかと思っていたら、逆に学期中よりペースダウンをした。原稿も同様である。同時進行の方がいい時もあるのだ。

今日紹介するのは『国見発 サッカーで「人」を育てる』(小嶺忠敏著 NHK出版)である。
この夏休み読んだ本の中で印象に残った本のうちの一つである。
今開催されているオリンピックの日本サッカー代表の大久保選手・平山選手・徳永選手らを育てた監督の著書である。先日「初等教育資料」のエッセーに共感をしていたので、表紙を見ただけで迷わずに購入した。
子どもたちの教育に関わるエピソードがたくさんで示唆に富む。
特に監督の「信念」はシンプルだが実に重い。

・普通のことをしていては、普通のことしかできない。人の考えないようなことをしなければ、人の上に立つことはできない。
・言い訳をしない。
・人間教育のできない指導者は二流・・・・等

教師として自分はこれからどのような目標を持って行うべきか。刺激的な本であった。

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2004.08.13

プレゼンソフトで価値ある授業を

先日のIMETSフォーラム2004で話した内容が、スズキ教育ソフト社さんのホームページにアップされました。
6年生の実践「修学旅行デジタルガイドブックを作ろう」という実践の内容です。
実践内容とともにキューブプレゼンのよさを伝えたいと考えました。
こちらからご覧ください

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2004.08.09

 授業づくりネットワーク千葉大会雑感

授業づくりネットワーク千葉大会に2日目のみ参加した。
ネットワークホームページにその様子が写真で紹介されているし、私の日記にも概略が書かれている

学びの多い充実した会だった。思いつくままに・・・。

1 忌憚のない意見が飛び交うよさ
 ネットワーク全国大会に初めて参加したのは96年の山形大会だった。ストップモーション方式の模擬授業検討会で出る忌憚のない意見が次々と飛び交うことに目を見張った。それ雰囲気が好きで2年に一回は参加している。
 今回も同様だった。レポート検討ですぐに出てくる質問・意見。感想カードを読むと一日目の授業やシンポジウムへの率直な意見も書かれている。「参加者が遠慮する雰囲気の研究会」にこの頃慣れてしまっている。その点でネットワークのよさを感じることができるだけでも有難い。

2 人とつながっている
 ここ5年では昨年の北九州大会を除けば全部参加している。雑誌に原稿を書いていたり、総合MMを編集したりしているので人とつながる機会にもなる。今回も主催している皆さんや毎年参加している方々とお会いして話をすることができた。皆さんからいただくのは「元気」。これも有難いこと。

3 プロから学ぶ
 アナウンサー講座は日本テレビのプロだった。「話す技術」といった実技よりも取材方法がおもしろかった。特にも「心をゆさぶるネタ」を仕入れるためには、本人以外の周辺を取材するという話には唸った。これは教材開発の手法としても同様だ。それにしても質問タイムが活気づいていた。「質問力の授業」スタイルが教員研修でも有効だということだ。

4 レポート発表も「プレゼン」を意識して
 せっかく参加するから・・・ということでレポート持参。これも例年と同様。プレゼンプロジェクトに入っていたおかげで聴衆を意識した発表ができたと自己満足。「プレゼン指導 虎の巻」の17か条は教師も身につけるべきもの・・・と考える。特に先週、某会での聞き手を意識しない報告を聞いてから特にそう思う。

5 新しい「提案」を
 模擬授業は俳句の授業での新しい提案だった。前日は「算数と演劇」という提案授業も行われている。やはりこのような問題提起をしなくちゃと思った。論を創るのは大変だけど。

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2004.08.05

授業づくりネットワーク千葉大会

私が夏に参加している研修でほぼ毎年参加している全国大会がある。
授業づくりネットワークの大会である。今年は千葉県市川市で開催される。
ここ数年であれば,2000年は東京大会,2001年は三重大会,2002年は北海道大会と参加をしている。(昨年の北九州大会は都合が合わず断念した)

授業づくりネットワークの魅力は「新しい型の授業」が提案されることだ。自分が今実践しているメディアリテラシー学習や質問力の授業は,ネットワークから学んだものである。集うメンバーも個性的な先生方が多く,お会いできるのを楽しみにしている。もちろん自分のレポート発表の貴重な場だ。

さらに今年は一つ楽しみが加わった。自分が受ける講座の一つが日本テレビのアナウンサーの実技がある。今回は山王丸和恵アナである。数年前はズームインの司会をしていた。その中で「秋田高校出身です」と言ったことがあった。自分の高校の後輩だ。話ができるきっかけになるかな?

あさって7日と8日が大会の日。今年,7日は水沢夏祭りや海外研総会で不参加で8日のみの参加だ。まだ参加可能です。皆さんもいかがですか?

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2004.08.04

『プレゼン能力をぐんぐん伸ばす!プレゼン指導 虎の巻』発売!

『プレゼン能力をぐんぐん伸ばす!プレゼン指導 虎の巻』(堀田 龍也編著:発行 : スズキ教育ソフト株式会社 発売 : 株式会社 高陵社書店 )が発売されました。私が関わったプレゼンプロジェクトの成果の一つです。

今年の1月からプロジェクトに関わりました。依頼のメールを見た時には意外すぎて,パソコンの前で「エッ!」と声を出したほどでしたが,自分にとって実にありがたいプロジェクトでした。会議のために浜松に行ったり,逆に本校に来ていただいたり,新聞取材を受けたり・・・。

この本は子どもたちのプレゼン能力を高めるための本です。詳細は先のサイトに書かれている通りですが,ここに示されている17か条を段階的に実践すれば確実に身につくと思います。私も2か条分と「教師も授業でプレゼンしよう」を執筆しています。

昨日の校内研修会でIT活用の授業について情報教育担当ということで講師役をしました。その中でこの本を紹介したら,次々と注文が来ました。それぐらい充実した本です。

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