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2004.10.13

アメリカのスクールボランティア

アンケート呼びかけのメールが流れた。
11月6日(土)のNHKスペシャル「学校を変えるのは誰だ」という番組である。
ふだんこのような番組のアンケートにはあまり答えない。しかし今回は2の「保護者や地域の方は子どもの教育にどう関わっているか」という質問に興味があり、回答をした。というのも、11年前のアメリカ研修での保護者の教育のかかわり方がとても印象的だったからである。その様子を以前書いた原稿で紹介をする。

 小学校に行っている1ヶ月間に親御さんが学校に来ない日はなかった。毎日どこかの学級で、何人かの親御さんが来ていた。私の参観している授業でも時折見かけた。
 別に授業参観の日があったからだけではない。また、PTAの行事の話し合いがあるとかというわけでもない。
 では、何をしに学校に来ているのか。それは、授業の手伝いをしに来ているのである。「スクールボランティア」あるいは「ビジター」というシステムだそうである。

 例1 小学校併設の幼稚園の授業

 今日は近くの消防署の見学。交通量の激しいところを歩いていかなければならない。先生は一人。子どもは20人ほど。
 一人の親御さんが手伝いに来てくれる。先生が先頭を歩いて、親御さんは一番後ろでみんなを見てくれる。なるほど、これならば子どもたちを安全に消防署に連れて行くことができる。
 先生に、「親御さんたちは熱心ですね。仕事を休んでくる人もいるのですか?」と聞いたら、「時には仕事を休んでくる人もいます。彼らは、何か学校でハプニングが起こることより、自分が1時間の休みをとる方がベターだと考えています。」とのことであった。
 
 例2 小麦粉での地図作り

 5年生の社会科の授業。ダンボールにアメリカ合衆国の地図を書き、その上に小麦粉を水で練って重ねていって、高低のある立体的な地図を作るという授業である。
 この作業の問題点は小麦粉を練るのに時間がかかるということである。そこでビジターの二人が来てくれた。先生と合わせて3人で練ると大量の小麦粉ができる。1時間ほどで、地図は完成である。このような作業学習では、準備を手伝ってくれる人は多い方がいい。
 先生に、「どのようにしてビジターを選んでいるんですか」と聞いたら、事前にプリントを配布して希望者をとるとのことである。もし、誰も希望しない場合は、それはそれで仕方がないという。つまり、強制ではないのである。

 このビジター制度の利点を考えてみた。
 ★ 子どもたちの学習が効率的に行われる。
 ★ 親が我が子の授業の様子を気軽に見ることができる
 ★ 子どもたちにとっては、友達の親を知る機会であり、反対に親 は子どもの友達を知ることができる

 子どもたちも親が学校に来るのが自然と思っている。
 そして親が帰る時には、皆が盛大な拍手で見送る。まさにヒーローである。
 このシステムが実際に日本でそのまま行うことは、困難であろう。そもそも、仕事をそんなに簡単に休むわけにはいかないと思われる。
 ただ考えたいのは、学校が、このような自然な、そして好ましい雰囲気の中で親に開かれているということである。
   kyositu.comニュース【小学校教育総合情報誌】 [WORLD] .2003-12-28[vol.498].より

 現在の日本では保護者の教育参加といっても特別な場合に限られると思う。このような形で気軽に保護者が来校できる仕組みが理想だと思う。もっともそのためには仕事を休むのが普通になる社会の仕組みが前提であるが・・・。

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