「あたりまえだけど、とても大切なこと」
紹介する本は「あたりまえだけど、とても大切なこと」(ロン・クラーク 草思社)である。
新聞の広告等で存在は知っていた。全米最優秀教師の本である。
本屋で見て、「これはきわめて『日本的』」と感じて購入をした。アメリカの学校は海外研修の時にその様子を見て、「学級経営・道徳には力を注がないんだなあ・・・」と感じたからである。だからこの教師の主張はアメリカでは新鮮だったのかもしれない。
一つ一つのルールはきわめて「当たり前」。題名の通り。
でも自分の学級に不足していることもある。「だれかに質問されたら、お返しの質問をしよう」「意外な親切でびっくりさせよう」などは、6-1の子どもたちにすぐにでも言いたいことだ。
「だれかがすばらしいことをしたら拍手をしよう」で思い出したことがあった。もう22年前になる。教育実習で秋田大学附属小学校に行った時のこと。初日に2年生の担当教官の授業を見て、やたら友達の発表に拍手をする子どもたちを見て「2年生が内容を理解して拍手をしているのか疑問」と批判めいたことを実習日誌に書いた。今考えると非常に失礼な実習生だった。それに教官は「理解している、していないとは別に『拍手できる子どもを育てたい』と考えている。大事なのは育てること」と丁寧にコメントを返してくださった。そこで初めて「育てる」ということを意識した。この学びは教師になってからも生きている。
これらの「当たり前」のことであるが、ふだん私も言っていることが多い。自分なりのルール集を書いてみたくなった。自分との違いは、これらのルールを明文化していること。そして、それらを出会いの日にきちんと子どもたちに伝えていること。私はそのつど、必要性に応じてしている。
これから改めて明文化して、子どもたちに時間をかけて伝えてもいいなと思った。
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