教科書を教材研究する1
「小学校MM」連載 私の教材開発物語第44回より
機会があってここ1カ月で何種類かの「教科書」を読んだ。現在使われている小学校教科書ではない。中学校の教科書や外国の教科書、そして来年度以降使われる教科書だ。ふだん使っている教科書にはない視点を数多く学んだ。その中からいくつか紹介する。
■ 中学校の地理の教科書から
長女は中1である。地理の教科書(東京書籍)を見て、「小学校でも活用できるネタが多い!」と驚いてしまった。
たとえば、「日本地図を見て旅行計画を立てる」というページがある。自分も4年生の担任している時に、「岩手県の地図旅行をしよう」という実践を行っている。場面設定でおもしろかったのが、「外国人旅行者に日本をわかって
もらおう」というページだ。
・サウジアラビアでくらす人が、梅雨の時期に日本を訪れ、一週間降り続いた雨を見て帰国してしまった。
・中国の古都・洛陽から訪れた人が、京都と奈良だけを訪ねて帰ってしまった。
このような短い滞在をした人に「誤解や思いこみを出す可能性があるから、情報不足を補うために電子メールを出しましょう」という内容だ。「日本の特色を伝えましょう」という課題を出すより、間違いなく子どもたちはのってくる。
資料や教材でも「今、使いたい」と思うようなものもあった。たとえば「韓国で使われている地図」。ここでは北朝鮮と韓国が分かれていない。二つの国を一つにして「大韓民国」と表記している。また「日本海」は「東海」と表されている。6年生の3学期には社会で「世界の国々」を学習する。そう表記している理由を考えさせるとおもしろそうだ。
また、「ロックンロール県庁所在地」(作詞作曲:森高千里)も紹介されている。一昨年には「ミニモニ。」がカバーした曲だ。暗記すれば全都道府県名と都道府県庁所在地を覚えられる。我がクラスでまだ47都道府県全部を言え
る子は少ない。この歌で習得率アップもいいなと思った。(つづく)
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