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2005.01.24

教科書を教材研究する2

■ 韓国の教科書より

 2月に地区の社会科教育研究会で研究授業を行うことになっている。韓国を対象に行うことにした。いくつか理由はある。
・韓流ブームであり、子どもたちの興味が高いこと
・歴史的なつながりがあり、(上)の教科書にも資料がいくつも掲載されていること
・似た文化を持ちながら、違う点も多いこと
・歴史的なつながりが深い分、韓国から日本を見れば・・・といった複眼的な視点を育てられること・・・等

 さっそく参考文献を探しに市立図書館へ行った。その中で「韓国の教科書を読む」(斎藤里美編・明石書店)に興味を持った。小6と中3の教科書の一部が掲載されている。
 他国の教科書は今まで読んだことはなかった。算数は日本の小6とほぼ同じだし、社会は班ごとに歴史を調べた結果を掲載している。これも日本によくあるパターンだ。
 そんな中、明らかに日本と違うのは道徳だ。たとえば小6で次のようなものが題材になっている。

・どのような国が暮らしやすいよい国なのか
・私が望む国
・暮らしやすいよい国づくり
・私たちの民族、私たちの文化

 明らかに「国」「国民」を意識する内容だ。しかもそれらを具体的に話し合うような学習の流れになっている。国について話し合うのが当たり前になっているのだろう。
 私は「自分の地域や国のことを自分の口で語れる。同時に自分の望む地域や国についても語れる」・・・・そんなふうに子どもたちを育てたいと思う。「地域のよさ・日本のよさを伝える授業」というホームページを開いているの
もそのためである。韓国の教科書のような流れで教材化もできるのだと感じた。他国の教科書を読んだからこそわかったことである。

■ 来年度の教科書を読む

 来年度の社会科の教科書をこの冬休みはじっくりと読んだ。昨年夏の展示会の時にも目は通しているが、時間的な制約もありゆっくりと読むことはできなかった。今回は3~6年の教科書を通して読むことができたこと、違う会社の
教科書に目を通すことができて新たに見えてきたものがあった。
 特に、自分にとって新鮮だったのは次の2点だ。

・学び方をより重視する内容になっている。
・情報化社会の記述が増えてきている。

 たとえば、違う地域の学習をする時に電子メールを活用したり、テレビ会議を行ったり、学んだことをプレゼンテーションしたりする例が出ている。しかも記述も具体的だ。テレビ会議の場合だったら、「流れを絵コンテにしてお
く」「終わったらお礼を言う」というように書かれている。テレビ会議のことが書かれていても、方法がわからなければ実践は難しい。子どもたちがより実践できるようにという配慮であろう。
 また、地上デジタル放送、各産業でのコンピュータ活用、インターネットショップ、著作権等の情報化社会の実例紹介がかなり増えた。そこでのモラルも具体的に記述されている。社会科における情報教育の比重が高まってきているのである。
 この視点から新しい実践の組み立てを考えている。

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