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February 2005

2005.02.28

自分に欠けている「地道さ」

昨日の2005年の会での堀田先生のご講演は示唆に富むことが多かった。
その中で印象に残った実践例がある。「日本初のデジカメスピーチ」のことである。
デジカメスピーチをする子どもたちの一年間研究。圧倒されたのは発言文字数のグラフである。一目瞭然。子どもたちの成長ぶりがよく分かった。

この実践は堀田先生編(笹原先生も編者)「デジタルカメラから始める情報教育の授業」(明治図書)に掲載されていたので知っていたが,直接ライブでお話を聞くとやはりインパクトが違っていた。強烈な印象になって残った。
なぜか。それは堀田先生が「地道さ」というキーワードの事例として話されたからである。
デジカメスピーチの一人一人の文字数を追う。グラフ化する。考察する。それに基づいて実践方法を工夫する。再度データをとる。また考察する・・・。この繰り返しだったと想像する。実に地道な作業だ。しかし,それは当然のことながら研究にとっては重要なことだ。
自分も「実践」ばかりではなく,「研究」をしたいと思っている。しかし,自分に欠けているのはこの「地道さ」だと感じた。新年度,この「地道さ」をキーワードにさっそく取り組みたいと思っている。

なお,先の著書では目次だけではなく「立ち読み」もできる。その中にこのデジカメスピーチの話も少し出ている。「立ち読み」とはうまく考えたものだ。「目次」で本の内容はわかるが,本のイメージはわかない。でも「立ち読み」があれば,少しは想像がつく。一つの工夫だ。

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2005.02.27

2005年の会に感謝!

2005年の教室を考える会みちのくファイナルが終了した。感謝の思いでいっぱいである。

2年前,「何とかして情報教育についていかねば」という思いで参加した第2回の2005年の教室を考える会。知り合いもわずかで会場に入る時に年甲斐もなく緊張したのを覚えている。そして何よりも刺激的だったのが記憶にある。
その日の日記には次のように書いた。

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 午後会場につくと、今までの研修とは違った雰囲気であった。グループごとの席。普段着。それぞれ笑いながら挨拶している皆さん。「人とつながる」ことも大事な要素だけにやはり違う。今まで実践はおろか、考えたこともない自分
にとっては周りの人の話は学ぶことばかりであった。「企業に企画書を出せる教師」という言葉が印象的。ポスターセッションの先導的な実践者にも共感を覚えた。いずれ最近いろいろな研修会に出ても「刺激的」となかなか実感しなかったが、今回はまさに刺激的!企画の人の凄さを感じる。
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あれから2年。全国大会にもさらに一回,みちのくの大会には2回参加して,さらに学びを深めることができた。
実践面ではもちろんであるが,それよりも「人とつながったこと」がやはり大きい。校内の情報教育仲間を除けば地域では「一人でやっている」という感じが強かった。でも,今東北各地の皆さんと様々なつながりを持つようになった。さらに企業の方々と関われたこともメリットが大きかった。会で知り合った方々が「近くに来たので」とわざわざ水沢小学校に立ち寄ってくださったことも何度かあった。
また,研修の仕組みも勉強になった。校内研,学級経営等様々な場で応用可能である。

なお全国大会終了の意義についての記事がある。この記事を読んで,改めてこの会に参加できたことの価値を感じる。

さて,一つの終わりは新たなスタートである。感謝のみではなく,新しい取り組みをこれから考えていこうと思う。

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2005.02.26

NHKプロジェクト終了

今日はNHK高学年プロジェクト会議。今年度3回目。前回以上のレベルの高い実践発表が行われた。これからの私自身の実践のヒントも見つけることができた。これでこのプロジェクトは終了だ。

さて,この4年間で3回のNHKのプロジェクトに参加させていただいた。
2001年は「体験!メディアのABC」。
2003年は「おこめ」。
そして今年の「にんげん日本史」「三つのとびら」。
どのプロジェクトも自分にとって新たな実践の場となった。
それぞれ学校放送番組を教育でどう生かしていくかが最大の他に,情報教育的に実に意味のある内容であった。
キーワードで言えば,「体験!メディアのABC」は「メディアリテラシー」,「おこめ」は交流学習・デジタルコンテンツ,今年もデジタルコンテンツである。
このようなプロジェクトに参加させていただくには,当然推してくださった方がいる。改めて感謝する次第である。

このようなプロジェクトに入る価値はいくつもある。
一つ目は実践の選択の余地が広がることである。これは今までの私が公開してきた実践にこれらが大きく関わってきていることでもわかる。
二つ目は人脈が広がることである。ちょうどHPの立ち上げと軌を一にしたこともあるが,2001年から私の交流の場は飛躍的に広がった。
三つ目は一流の人の考えを聞くことができることである。今日もそうだった。

その他に東京に行って「ちょこっと旅」ができることかな?今日は国立博物館に入って圧倒された。
まあ休日に家をあけることになるので,家族には感謝している。いずれ,皆様に感謝である。

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2005.02.25

韓国の授業2

小学MMの原稿の続きです。

■ 授業「日本とつながりの深い国 韓国」

 1時間の韓国の授業。次のような流れで行った。

1 本時のめあてと視点の確認 「韓国はどのような国なのだろうか」
2 韓国について,子どもたちのプレゼン(1チーム)
3 韓国の文化・習慣・歴史・日本との関わりについて知る
4 日本と韓国のこれからで大切なことは何か考える
5 学習のまとめをする。

 ここで中心になるのは3と4である。
 3では児童用図書の中にあった一枚の写真を提示した。韓国の一般家庭の食事風景である。この写真を深く読み取っていくと、「韓国」という国の文化や習慣,生活ぶりが見えてくる。最初,子どもたちに「気づいたことを発表しなさい」と指示をする。

・皿を置いたまま食べている  ・茶碗が金属製
・はしとスプーンを同時に使っている  ・日本人と似ている
・レストランのように焼き肉を焼いている ・膝を立てて食べている等

 パッと見た感じでは日本と同じように見えた食事風景もよく見ると違いがたくさんある。特に「片膝を立てる」姿勢は日本との違いをずばり表しているものであり,子どもたちは興味を持った。
 その他にも「韓国では冬でも部屋ではこのように薄着です。なぜか」と問いかけた。子どもたちは床に注目した。そこでオンドル(朝鮮の床暖房)のしくみを紹介した。一枚の写真から広く読み取ることができた。

4では「日本と韓国のこれからで大切なことは何か」と聞いた。社会の学習で知識を得るだけではなく、未来の社会についても考えてほしいという願いからの発問である。「交流」「平和」「文化の体験」等が出てきた。
 それらをもとに一人一人が下のようにまとめて学習を終えた。

・韓国は独特の文化を持つ国である。食事の時、おわんを持たないことや女性はひざを立ててすわったりする。文化交流ではそのようなことを理解しあうことが大切だ。
・日本と韓国でこれから大切にすべきことは、お互いの文化を理解しながら深めていくことである。昔は争っていたから、これからは平和を大切にしていくことが大切である。

■ 「スッーと流れている。もっとこだわりを」

 授業の参観者はおよそ80名。普通教室では入りきらないので,教室が二つ分ある視聴覚室に机を移動して行った。違った環境でも子どもたちはいつも通りの期待通りの反応だったし,指導案通り学習は流れた。
 さて,授業終了後,有田先生からのご講評。「すばらしい子どもたちですね」と前置きした後,次のように言われた。
 「でも川のようにスッーと流れていますね。もっとこだわりを持っていい」
 子どもたちが教師の提示する資料を必死に読み取っているのだが,「どうして膝を立てる習慣があるのか」「なぜ皿を置いたまま食べているのか」といった子どもたちの疑問が授業中に出てきてもよいということだった。
確かに,私の授業は1時間にあれこれ詰め過ぎて,はやいスピードで展開するパターンが多い。それでいいと思っていたが,逆にそれは「こだわりの少ない子を育ててしまっている」ということに気づいた。
 もう一つ,「教材研究にもこだわりを」というご指摘をいただいた。たとえば,韓国だったら,オンドル一つで韓国の自然,生活,エネルギー,食事等を深めることができるという話を聞いた(このことは有田先生が著書に書かれている)。
今回の扱い方は自分の場合,まさに浅く広くだった。
 重要なご指摘をいただいて,自分としては感激の思いだった。これからの自分の授業での進むべき道を教えてくださったのだから,本当に有難かった。

 研修会終了後,校長室で有田先生にサインをお願いした。ご著書に「授業は布石の連続」と書いていただいた。これも自分にはあまりなかった視点だ。この意味をかみしめ,新たな教材開発をがんばらねばと感じた。

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2005.02.24

韓国の授業1

小学メールマガジンに掲載された原稿である。


■ あこがれの有田和正先生の前で授業

 このメールマガジンの連載を始めたのが4年前である。その時の題が「やはり、有田先生から始めます」というものだった。有田和正先生(教材・授業開発研究所代表)の授業を参観して衝撃を受け,それ以降自分が教材開発に取り組むようになったという内容だった。教師になって3年目の出来事だった。
 それ以来17年間,その時に見た有田学級が目標だった。教師の発問に自分の知識をフルに持ち出し,一生懸命に追究する子どもたち。そのようにはまだまだ育てられていない。
 しかし,今年度地区の社会科教育研究会で有田先生を招いて研究会を行おうということになった。提案授業者は私。あこがれの有田先生の前で授業をすることになったのである。しかも授業のコメントを話してくださる。これほど有難い研究授業はないと感じた。

■ なぜ韓国か

 授業する単元は6年生「日本とつながりの深い国々」である。
 学習指導要領によれば、この単元は子どもたちが一つの国を選んで調べることになっている。教科書(教育出版)もそのような展開になっており、調べ発表する場面は私も同様に展開をしている。子どもたちは、中国・アメリカ合衆国・韓国・タイ・イタリア・オーストラリアの6か国のうちから一つを選んで調べた。
教科書の展開であれば、子どもたちの調べ学習と発表が学習の中心となる。しかし、それだけでは学習として物足りない、むしろ子どもたちの発表に教師が意図的に資料を提示したり、その国について深く考えさせたりする場がほしいと考えた。
 私自身は社会科授業のおもしろさはここにあると思っている。単に他から知識を得るだけではなく、資料から自分たちで話し合って見方や考え方を学ぶというものである。これが集団で学ぶよさである。言いかえれば「社会的なものの見方や考え方を学ぶ」というものだ。
 では,提案授業の題材としてなぜ韓国を選んだのか。
 教科書には韓国は例として取り上げられていない。しかしながら、現在の日本にとって韓国は「近くて最も親しい国」と思われるからである。単なる韓流ブームということだけではない。日本に来る観光客が一番多いのはここ数年韓国である。日本から韓国への観光客も増加の一途だ。かつては「近くて遠い国」だった韓国が本当に隣人になっている。
 しかしながら、その韓国のことを子どもたちはよく知らない。イメージは「キムチ」「ぺ・ヨンジュン」といったものである。そこで、1時間だけであるが韓国を取り上げ、子どもたちの浅い韓国観を深めたいというのが私の意図であった。

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2005.02.23

中学校へのプレゼント

6年生を中学生に送り出すにあたって,中学校への一番のプレゼントは「力をつける」ということであろう。ちなみに我がクラスの学級目標は「力をつける」である。
その中でも教科で身につけるべき力とは別に,二つはしっかりと残りの期間で取り組みたいと思うものがある。それは,「47都道府県」と「ローマ字」の習得である。

というのも,今日のニュースで「イラクはどこ?大学生の4割が誤答」というニュースを知ったからである。北朝鮮の位置も大学生は1割,高校生も2割の子が知らないとのこと。だったら,小学生ではやはり都道府県とその位置を覚えさせることが大切と考えている。
ただ,5年生の時には定期的に都道府県テストをしていたが,6年生では歴史でも公民的な内容でも復習をしていない。その点では子どもたちの力は伸びていないであろう。この点は反省。短期間だが取り組みたい。

ローマ字はパソコンでローマ字入力をしているので,習得率は高いと思う。かつては指導に苦しんだが,このおかげで身につけることができている。有難いことだ。

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2005.02.22

キーボード早打ち大会

今日,情報委員会主催でキーボード早打ち大会を行う。今日の対象は6年生。昼休み25分程度の大会である。各学級3人までエントリーができる。
情報委員会を発足して2年近く。パソコンルームでの当番活動の他のメインの活動はホームページの更新ぐらいだったので,「何かイベントを」ということで子どもたちが考えて,実行した。準備は会の進行の打ち合わせと問題用紙を作るぐらいである。
今回の早打ちは,「4分間で問題を何番まで打てるか」というものである。問題は,情報委員が考え,ある程度打てる子が試してみて5~6分程度で全部打てるものである。
各学級からエントリーした子たちはさすがである。私がこの中に入ったら中間程度だなあと感じてしまう。一番早い子で400字詰め原稿用紙1枚分を4分で打つぐらいのスピードだった。賞状もその場で子どもたちがパソコン入力でプリントアウト。子どもたちに任せて運営できる。

今回の早打ち大会で思ったこと。

1 「キーボードを早く打てる」は「ピアノができる」「走るのが速い」と同じくらい子どもたちにとっては価値があることになるだろう。「自由に見学可」としたら,20人ほど見学に来ていた。「すごい」という表情が印象的。
2 出てきた子たちには,「他の分野はあまり得意ではないが,キーボードなら任せて」という子が数人いた。その子たちにとっては楽しみなイベントになる。
3 子どもたちの上達にはキーボー島の存在が大きい。5年生から取り組んでいて,今日エントリーの子たちは名誉島民や上級者がほとんど。もちろん家でも使っているだろうが,「練習」という視点ではキーボー島に取り組めたことはかなりのプラスだった。
4 児童会活動だから気軽にできる。これが教師主催で授業時間で・・・となると,自分の学年のみで留まっているであろう。

明日は4年,金曜日は5年。どのような子が輝くか楽しみである。

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2005.02.21

今度は卒業文集

 卒業文集アルバムの編集は12月にほとんど終わり,現在業者さんが製作中です。
 今日は「学級文集」の話です。学年の先生方で話し合って,学級ごとに文集を作ることにしています。内容はそれぞれの学級任せです。そこで金曜日に学級でどのような内容にするか話し合いをしました。学級文集担当の子どもたちが話し合いを運営しました。

 最初に私から教師として掲載したい内容を伝えました。

・授業参観日でスピーチした「6年間の思い出」の作文
・社会科で書く予定のまとめの学習新聞
・学級通信を十号分ぐらい。思い出のエピソードを中心に

 子どもたちの発想で作る学級文集ですが,子どもたちの学習の足跡も掲載したいという私の願いです。学級通信では学級の足跡も載せたいと思っています。
 さて子どもたちの掲載分は話し合いで決まります。次のように子どもたちから様々な案が出てきました。

 ・思い出に残ったこと  ・お勧めの本  ・写真
 ・自分のコーナー  ・年表  ・何でもランキング
 ・中学校について  ・がんばりノート  ・お気に入りの授業
 ・自分たちの作った物語  ・一人一人のよさ
 ・おこづかい・・・等

 「ちょっと無理では?」と思うものも出てきていますが,「案は否定しない」が原則です。今度はどれがいいかの話し合いです。真剣な話し合いになりました。

「自分たちの作った物語は楽しいし,いいんだけど,全部載せるとなるとページ数が多くなってしまうと思う」
「がんばりノートは得意な人はいいけど,あまり丁寧ではない人が困るかもしれない。」
「おこづかいはプライバシーのことだからやめた方がいい」
「自分のコーナーは一人一人のいい点にもつながるから,載せた方がいい」

 最終的には次のような内容を掲載することに決めました。

・一人一人の紹介コーナーを作る→個人
・「お勧めの〇〇」(本でも歌でも何でもOK)→個人
・学級の年表→係
・何でもランキング→係

 授業時間にこれらを行うのは厳しいので,主として家庭学習の一つとして行うことになります。金曜日にさっそく宿題にして,子どもたちは取り組んできました。写真のように楽しい紹介が続々と集まってきました。絵も楽しいです。
文集は手作りのものとなりますが,価値あるものができる予感がしています。

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2005.02.20

もう一枚の卒業証書

 家本芳郎先生のメールマガジンにかつて送ったレポートが紹介されていた。「『もし、自分が子どもだったら、きっとうれしいだろうな』と思う教師の働きかけである。」というように有難いコメントがついていた。概略を紹介する。

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 卒業式後、担任からも卒業証書を与えたい。決まりきった文面ではなく、一人ひとりにしか送ることのできないメッセージで。

「卒業証書/佐藤明美/あなたはこの六年一組にとって天使のような存在でした。困った人がいたらすぐに「大丈夫?」と声をかけ、いつも友達のことを思っていました。そのやさしさは宝物です。いつまでも持ち続けてください。/平成十六年三月十九日/水沢市立水沢小学校担任 佐藤 正寿 印」

 パソコンであれば、簡単に作成することができる。デジカメ写真を挿入するとさらに思い出深いものになる。
 このもう一枚の卒業証書は学級で一人ひとりが輝く最後の場である。友達の温かい拍手とともに忘れられない瞬間になる。

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 学級通信の思い出シリーズは毎年行っている。今年は6年生担任。改めてもう一枚の卒業証書を作成するつもりである。

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2005.02.19

おこめシンポジウム

今日,東北学院大学の稲垣忠先生からの研究調査取材があった。
稲垣先生には昨年度はNHKおこめプロジェクトでお世話になった。さらに,IT授業実践ナビに関わる実践「りんごとみかんの交流」でアドバイザーとして実践をアシストしていただいた。自分の中で本格的な交流学習は初めてだったので,印象に残る実践となった。なお,この実践は稲垣先生のサイトに掲載されている

さて,その稲垣先生から,おこめシンポジウムのご案内を受けた。
NHKの学校放送番組「おこめ」に関わるシンポジウムであり,研究者・実践者も私がお話を聞きたい方がずらり。(もっとも私自身は都合が悪く参加できないのが残念!)
改めて紹介をする。

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 ■□ シンポジウム:映像とコミュニケーションで育む学ぶ力 □■

~おこめプロジェクト 2001-2004が検証する
デジタル教材・交流学習の可能性

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 子どもたちの学ぶ意欲を引き出し、確かな学びをつくるには?「映像」と「コ
ミュニケーション」をキーワードにした授業を探るシンポジウムを企画しました。

 私たち「おこめプロジェクト」は、小学校高学年を対象にしたNHKデジタル教材
「おこめ」を用いた授業づくりに取り組んでいます。放送番組、動画クリップ、Web
などの魅力ある教材と、電子掲示板、テレビ会議システムによる交流学習は、
総合的な学習・教科を横断する学びを実現しました。4年間にわたる、おこめプロ
ジェクトを通して、子どもたちがどのような学力を身につけたのかを具体的に検証しま
す。

 さらに、図解で授業をデザインするワークショップを開きます。デジタル教材を
取り入れると授業の何が変わるのか?あなたも体験してみませんか?

■日時:3月21日(月) 10:30~15:30 (10:00受付開始)
■場所:株式会社ジャストシステム 東京支社 7F カンファレンスルーム
 〒107-8640 港区北青山1-2-3 青山ビルヂング
 地下鉄「青山一丁目」駅北青山方面出口(0番出口)に直結
■主催:NPO法人学習創造フォーラム
■後援:高陵社書店・(株)ジャストシステム・(株)図書文化社
 日本放送教育協会・日本放送協会・日本文教出版(株)
■対象:教育関係者(教員、研究者、学生)
■定員:60名(定員に達し次第、締め切らせていただきます)
■参加費:無料
■お申し込み:
 こちらからお申し込みいただけます

■プログラム:
10:30~ 第1部 おこめプロジェクトの歩み
        講演:水越敏行(大阪大学名誉教授・関西大学特別顧問)
11:00~ 第2部 さわってみよう!デジタル教材
        ナビゲーター:NHK学校放送番組部 桑山裕明
11:20~ 第3部 おこめプロジェクトの成果(実践・研究成果の報告)
 実践報告:「お米でこころをつなぐ西富ヒストリー」
             宮城県南方町立西郷小学校教諭 成瀬陽子
             熊本県富合町立富合小学校教諭 前川和宏
  実践報告:「WEアーッ米でぃあん~動画掲示板交流から共同ビデオ作り~」
             北海道美唄市立西美唄小学校教諭 越山真史 
             広島県広島市立安東小学校教諭 中川祥子
 研究報告:「デジタル教材は授業にどう役立つのか?」
              鈴木克明(岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授)
  研究報告:「学びを広げる・深める学校間交流学習」
         稲垣忠(東北学院大学教養学部講師)
12:00~ 昼食(各自でお取りください)
13:00~ 第4部 ワークショップ 図解でつくる!おこめ学習
        進行:黒上晴夫(関西大学総合情報学部教授)
14:00~ 第5部 パネル討論 映像とコミュニケーションで学ぶ力をつけるには?
        進行:鈴木克明
実践報告:作文ソフトで育てるコミュニケーション力と評価(国語)
              岡山市立津島小学校教諭 三宅貴久子
  実践報告:コンセプトマップとデジタル教材で思考力を磨く(社会科)
              仙台市立南小泉小学校教諭 菅原弘一
  実践報告:伝えたい!あったらいいなこんなもの~テレビ会議で鍛える話す力~(国語科)
              富山市熊野小学校教諭  深井美和
 指定討論者:水越敏行・黒上晴夫・稲垣忠
15:00~ まとめ(15:30 終了予定)

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2005.02.18

「スピード」シリーズ

金曜日。ホッとする。同時に気抜けもする。翌日,学校に行くわけではないので,気分はゆったりだ。
でも,それでペースを落として休日にすべきことの半分もできなかったということがしばしばだ。ただ明日,あさっては大事な仕事があるのでペースを落としたくない。そこで久しぶりに中谷彰宏さんの本を読んだ。「大人のスピード時間術」「大人のスピード仕事術」だ。スピードを落としたくないという思いが数年前の本を読む気になった。

ここで特徴的なのは従来の「じっくりと検討するのがよい」「丁寧に仕上げるのがよい」といった概念が心地よく壊されていることだ。たとえば・・・

・企画書なんか5分で書けなければ成功しない
・会議も商談も,予定の5分前に終わらせる人が成功する
・遅い変革は,変革ではない
・クオリティを3倍上げるために,3倍速くしよう
・「もっと速くしよう」ではなく,「時間を半分にしよう」と考えよう
・忙しい人のアポイントメントは,今日が一番とりやすい

このような見出しが並ぶと小気味よい。
まずは自分の仕事をスピードアップ。学校での仕事は他の人と一緒だから,単純にこのようにはいかないことが多いが,できる立場になる日のためにこころがけよう。

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2005.02.17

イメージできること

6年生を送る会で呼びかけを担当している。各学級から希望した子が40名近く。およそ1クラス分だ。
各学級でリーダーを決める。そのリーダーの中からさらに全体のリーダーを決める。今回我が学級の子が立候補をしてなった。今までリーダーの経験はほとんどない。

ちょっと不安だったが,児童会活動の出し物だということで任せてみることにした。すると,意外と頼もしい。何をするか明確に指示を出す。呼びかけで気づいた部分も「〇組のソロはもう少し間をおいて・・・1,2と数えてから言ってください」と話す。終わりの時の評価も適切。安心して任せていられた。

経験がないのに,なぜできるのか。やはりこれは,他の子の様子を見て「リーダーの仕事」をイメージできるからであろう。このようなパターンの活動は今までも,様々な場で行ってきた。その時に「誰でもその役についたらしなければいけない。その日のために,他の人の活動ぶりを見ておきなさい」と言ってきた。イメージプラス日頃の観察が重要なのだと感じた。

このイメージできるということは,他の場合も同様だ。私の学級に全国プレゼンテーションコンテストに出場する子がいる。その補助の子もプレゼン上手だ。その子たちのプレゼンを日常的に見ている他の子たちも,「よきプレゼン」がイメージできる。こちらは「いいプレゼンを真似しなさい」と言うだけだ。日々のノート指導でも同じ。いずれ子どもたちどうしで学び合うことの意義は大きい。

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2005.02.16

お礼の手紙

子どもたちに「お礼の手紙」を書かせるのが好きである。子どもたちの率直な感謝の気持ちが表れているからである。また,それを実際に手渡すことにより,ゲストティーチャーとのつながりも深まる。今回は英語学習を2回行ってくださったゲストティーチャーの先生への手紙である。

学級通信 「6年1組物語」 第157号より

 前号に続いて英語を教えてくださった先生への手紙です。

 M先生
 この間の英語の授業はありがとうございました。
 とても楽しかったです。
 最初は緊張していたけど,だんだん慣れてきてよかったです。それに英語にちょっと興味を持てたのでよかったです。食べ物の言い方も教わって,本当にいい授業でした。本当はもっとやりたかったです。
 みんなもすごく楽しそうにしていたのでよかったです。これからもがんばってください。

 「本当はもっとやりたい」というところがとてもいいですね。楽しみながら学習することによって,たくさん覚えることができますね。

 M先生へ
 M先生は,ぼくたちにいろいろな英語を教えてくれました。
 ぼくは英語に興味がなかったのですが,M先生のおかげで興味が持てたし,聞くのが楽しくなってきました。
 ぼくはまだあまり英語がわかりませんが,中学生になってからはがんばって英語を学んでいきたいと思います。
 これからもがんばってください。ありがとうございました。

 「中学生になってがんばりたい」という気持ちが嬉しいです。その心がけを忘れずにいつまでも努力を続けてくださいね。

 M先生へ
 こんにちは。5年生と6年生と英語を教えてくれてありがとうございました。
 M先生の性格がとても明るくていいなあと私は思っています。教え方もとても分かりやすくて英語の学習がとても深まりました。
 楽しかったは,全部でしたがその中でも楽しかったことは,「ビンゴ」や「歌」などです。楽しく学習すると,とても覚えるのがはやくていいなあと思いました。
 中学校に行っても,英語の学習を好きになるようにがんばりたいです。ありがとうございました。   

 性格は教え方にも表れるのですよね。明るい性格なら教え方も楽しくなりますよね。その分,覚えるのがはやくできましたね。

 M先生へ
 今まで明るく接してくれてありがとうございました。すごく楽しい英語の授業を教えてくれてためになりました。
 とくにおもしろかったのは,ビンゴゲームでした。ビンゴになったときはうれしかったし,ビンゴができない時は残念でした。でもビンゴをかく時,英語で書いて覚えられてよかったです。
 去年,今年と英語を教えていただき本当にありがとうございました。

 「ビンゴゲーム」は二回目にしましたね。英語で書くのがたいへんだったけど,ゲームがあると思えばがんばれますね。確かに楽しかったです。

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2005.02.15

楽しかった社会の授業

今日の参観日では「6年間の思い出スピーチ」を行った。自分が6年間で思い出に残ったことをそのままスピーチするものである。

ほとんどの子がその題材を修学旅行・文化祭・陸上記録会等の行事,クラブ,委員会に求めていた。通常はそうであろう。インパクトが強いのだから。そのような中,「楽しかった社会の授業」というテーマでスピーチをした子がいた。
「わたしが6年間で一番心に残ったのは,6年の社会の授業でした」で始まるこのスピーチ。具体例として「わくわく授業」のザビエルの授業のことをあげていた。
「私は,今までそれぞれ違う見方で考えたことがなかったけど,劇をして,立場が違うだけでこんなに考えが違うことがわかりました」と話していた。

ちなみにこの子の発言は決して多い方ではない。それでも,このように「社会の授業」が一番の思い出だと言っていたことが本当に嬉しかった。

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2005.02.14

NPO団体や企業との連携

今日は英語活動があった。隣の学区在住のゲストティーチャー(GT)に教えていただく。TT形式で自分はT2の役割。GTにT1をやっていただき,今日は盛り上がった。

さて授業後に雑談をしていたら,「J-shine」というNPO団体があることを知った。さっそくインターネットで検索。英語指導者を養成することを目的としており,小学校英語指導者の認定資格まで設けている。
本校ではカリキュラムで英語を設けている。自分も本を買ったり,講座で様子を見たりしているが,正直あまり上手とは言えない。だから,今回のようにGTと一緒にする授業は助かるし,子どもたちにとっても効果が大きい。そして,一定の指導技量を持ったこのような方々が支援してくれたら,学校にとって有難いだろうなあと思った。そう考えるとNPO団体の存在意義は大きい。

これは企業も同じだ。昨年度からいくつかの企業の方々と一緒に仕事をしたり,機器等の支援を受けて授業をしている。これらは子どもたちにとって大きなメリットだ。たとえば,プロジェクタがこの1年間教室にあるだけで,どれだけ教育的な効果が出たか計り知れない。企業の支援を受けることができるのなら,積極的に学校教育に生かしていくべきだと考える。

※「J-shine」の専務理事が吉田博彦氏と知ってうれしかった。夏の愛知での教育シンポジウムで登壇された方である。私も一緒に話させていただいたが,熱意ある話ぶり,明快な主張に感服したものだった。いろいろなところでつながっているものだと感じた。

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2005.02.13

個人情報保護法

「学研NEW」に個人情報についての話が掲載されていた。4月からの個人情報保護法を受けての記事のようだ。
強い興味を持って読ませてもらう。
記事の中に実態アンケートがあり,無防備な状況が書かれていた。これは現場にいる者としてうなずける結果だ。
自分自身,「個人情報保護」についての研修を受けたことはないし,個人のノートパソコンに子どもたちの情報も入っている。それを毎日持ち帰っている。(全国の多くの先生方が私と同様と思われる)

かつて,バスケットの大会で個人のノートパソコンが盗難された教師が教育委員会から処分を受けたという記事を読んだことがあった。子どもたち個人の情報が入っていたからというのがその理由。人ごとではないと思った。(それにしても盗難にあった教師は被害者なのに処分を受けざるを得ないのだ・・・)

記事には「最も大きな問題は先生が家に仕事を持ち帰らなければいけないという現状」と書かれていた。全くその通りである。「持ち出し禁止」というルールを設定しても現実的には無理であろう。
そうであれば,現実的にできる工夫を行うことしか,今はできないであろう。たとえば,持ち出したら自動車に放置しない(通知表が盗難というニュースはどこかに立ち寄った時がほとんど),PCにパスワードを設定する等である。もちろん,紙データも同様だ。このような面での「危機管理」も職場で話題にしたいが・・・。

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2005.02.12

堀田先生の原稿から学ぶ

「授業づくりネットワーク」誌3月号が届いた。今月号の特集はIT活用についてだ。私も「プロジェクター簡単活用法」という原稿を書いた。その特集のトップ原稿が堀田先生。日頃からブログやプロジェクト等で学ばせていただいているが,今までと違った視点から学ぶことの多い原稿だった。たとえば・・・,

・肩肘張ったすごい実践ではなく,普段着の活用
→職場で広げるためには本当にこのことが大切と思う。

・英国の調査で,ITを十分に活用した学校の生徒の成績は,1学期分の進度の差になっていること
→このような説得力のあるデータが必要だ。自分がIT活用について話す時にも,印象的評価(「喜んで取り組んだ」「意欲的に活動した」)では不十分。

・ITを道具として使うことは何かを学ばせる一方で,何かを学ぶチャンスを奪っていることになる。
→この部分のみを抜き出すと誤解を招きそうだが,これはIT活用を否定していることではない。「こういうバランス感覚を常に持ち,その上でより価値がある(学力保証ができる)からIT活用を選ぶようにしたい」という意味だと思う。

・ITを活用した教育は世界中の課題である。
→いくつかの情報に関するプロジェクトに入っていることに感謝。自分の取り組んでいる仕事の価値を再認識した。

一流の人の原稿は,やはり違う。示唆に富むことが多い。

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2005.02.11

土台作りに力を注ぐべき

今日は第2回の情報テキスト会議。密度の濃い会議だった。

今回一番学んだのは「もっと土台作りに時間をかけなければ」ということである。
テキスト作りに時間をかけるのはもちろんのことであるし,自分では可能な限りのエネルギーを注いだつもりだった。しかし,その対象についての一般情報をどれだけ学んでいたかといえば,テキスト作り比べたら明らかに少ない。自分の場合だったら,「コンビニエンスストア」や「情報化社会」についての一般書をやはり読んでみなければいけないのだ(今回はほとんどがインターネット情報)。社会の教科書を実際に執筆をしている人はそれぐらいのことはしていると思う。同等以上のことをしなければいけないと痛感した。
チャンスはまだあるので,次回にはそのような取り組みをしようと思う。

同時に今回は会議のあり方も学んだ。「提案者は短く」「即質問・即意見」「リーダーの的確なコーディネート」があったので,テンポよく進んでいく。一人一人が取り組んだものはテキストに形になって表れているので討議を含めて8分程度で終わっていく。でも自分では重要点をいくつも指摘していただいたので,十分な時間だった。これも貴重な学びの場だ。

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2005.02.10

世界の国旗

 「世界の国々」の学習の発展で国旗の授業を行った。ワークテスト後の25分で行う。学級通信に書いたまま紹介をする。

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 世界の国々の学習,特別編です。国旗についての授業をしました。教科書にも書かれているものです。
 まずはアメリカ合衆国の国旗を示して聞きました。「50の星は,昨日の道徳で学習したように今の50州を示しています。では,赤色と白色の線は何を表していると思いますか。」
 子どもたちはもちろんわかりません。これはズバリ答えを教えました。
「赤色の線は勇気を、白色は清らかさを表しています。」

 こんな感じで、「国旗の確認」「国旗に示されている意味を考える」というパターンで、次々といろいろな国の学習をしていました。
 今度は、カナダとスリランカの国旗について聞きました。
「カナダの真ん中にある模様は何でしょう」
「ひいらぎ?」
「これは、『さとうかえで』という葉です。木から甘い液が出てきて、飲むことができます。どうしてこのような模様にしたのでしょう。」
「カナダにその木が多いから。」
「そうです。カナダでは、国を開拓した当時、その液を吸って飢えをしのいで国を作ったからです。」

 スリランカの動物はいろいろと出てきました。「虎」「シーサー」「らくだ」「ライオン」等々。これは、国ができた当時の王が「獅子王」と呼ばれたことにちなんでいます。

 これらの例の他にも、ヨーロッパには十字架にちなんだ国旗が多いこと(これは子どもたちがキリスト教に関係あるとすぐにわかりました)、オーストラリアとニュージーランドがイギリスと関係が深いために、イギリスの国旗の一部が使われていること等、いろいろな国旗の由来について学びました。
 最後に日本の国旗についても「日章旗と言われている」「中の赤い丸の直径は縦の長さの5分の3と決められている」といったことを説明しました。
 そして、子どもたちに聞きました。

 それぞれの国旗の色や模様には何があると言えますか。
 
 「象徴になっている」「特色がある」「歴史がある」・・・といった反応が子どもたちから出てきました。その後書かせた感想からも次のように「新しいものを学んだ」ということが多く出てきました。

・日本の国旗にも,長さや形が決まっていたのでびっくりしました。
・今日は国旗のことを知って,すごく意外なことがたくさんあって驚きました。もっとくわしく知りたいです。
・国旗には国の特徴などが表れていることを初めて知って,あんなに深い意味があるなんて驚きました。

 今回は発展的な学習です。子どもたちにとって学びが多い学習でした。

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 活用した国旗のサイトはこちら。かつてはコンビニで時間とお金をかけてカラーコピーしたものだった。今日はものの10分ほどでプレゼンソフトであっという間に教材ができた。便利さを実感。

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2005.02.09

今年はどんな活動が?

今日,学級会で残りの期間でしたいことを話し合った。今までできないことをしようということで,いろいろなアイデアが出てきた。
現実的なことを考え,決まったものは次のようなことである。

・今までしたことがないスポーツ集会
・毎日席替え
・何でもボランティア
・学級文集
・大掃除
・タイムカプセル・・・等

これらを分担しながら取り組んでいく。

さて,これらはあくまでも子どもたちの計画。具体的にこれからだが,教師からは味付けをして一つの「実践」にしていく。6年生の3月はこのような実践ができるので,思い出深い。
卒業関係の取り組みで一番印象的なのが「20歳の自分への手紙」である。どのようなものか,当時のレポートを掲載しよう。

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 自分の未来に思いをはせる・・・・それはロマンあふれることである。そして、自分が思いをはせた時のことを、未来の自分が知ることは興味のあることである。
 その方法の一つとしてタイムカプセルがある。ただ、「〇才になったらあけよう」といっても、その手間は大きなものがある。
 もっと気軽に自分の小学校の時の思いが伝わる方法はないかと考えた。それが、「20才の自分への手紙」である。そのころ子どもたちは青春真っ只中である。きっと、「小学校の自分ってこんなことを書いていたんだ」と懐かしがるに違いない。
 国語の時間を利用して、手紙を書かせた。

20才の私へ
 こんにちは。私は過去からきた12才のあなたです。今日は、3月16日。あと3日で卒業式というところです。
 あなた(私)は今、何をしていますか。「自分の店がほしい」という夢はかなっているかしら。今は、どこで暮らしているの?車は何にのっているの?
 まあ、(この手紙を書いているこの年から)8年後には、分かることだけど. (以下略)  12才の私 より

 子どもたちが封筒に自分あての住所を書き、教師が保存する。そして切手を貼り、8年後に発送するだけである。ただ、これだけのことであるが子どもたちは大喜びであった。封筒の中には、思い出の写真やプロミスリングを入れる
ものもいた。私自身も発送が楽しみである。
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このレポートは10年前のもの。つまり一昨年,実際に発送をした。次々と返ってくる手紙やメールに教え子たちの成長を感じたものだった。言ってみれば8年越しの実践であった。
さて,今年はどのような実践ができるか。楽しみである。

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2005.02.08

日本の特色は?

学級通信 6年1組物語 第153号より

 「外国に行って,初めて日本のよさや特色がわかる」とよく言われます。
 これは子どもたちの学習でも同じことです。子どもたちは社会の学習で外国の国々を学習しました。いわば外国についての知識がある程度深まった状態です。
 そこで,今度は「その知識をもとに日本の特色を考えてみよう」というのが昨日の学習でした。
 最初に視点の確認です。「文化・習慣」「歴史」「行事」「自然」という形で考えていくことにしました。

まずは「文化・習慣」について。次のようにたくさん出てきました。

・茶碗を持って食べる  ・はしを使う  ・「いただきます」という挨拶がある  ・食べ物では「そば,天ぷら,すし」などがある。 ・着物
・かな文字 ・「茶道」「柔道」「書道」というようなものがある。

 この中でおもしろかったのは,「茶道」「柔道」といった「道」がつく言葉です。子どもたちも気づきました。「単にそのことをするだけではなく,人間性を高めるものという意味もある」ということを伝えました。これは確かに日本の特色です。

「歴史」については,長い期間学習をしたので,省略をしました。
「行事」も数多く出てきました。やはり「祭り」が多かったです。その他にも「灯籠流し」「ひなまつり」といった独特のものを出してきました。
最後は「自然」です。「富士山」「白神山地」「屋久島の杉」といったものがすぐに出てきました。

 ここまで行って,私は現在国語でも学習をしている原爆ドームのことを話しました。子どもたちは国語で,原爆ドームと平和についてじっくりと考えています。これも大切なことと思います。

 これといった資料もなく,まさに子どもたちの知識で構成をした授業でした。子どもたちは次のような感想を持ちました。

■日本はぼくから見てイメージは「静」です。とても,日本には特色がいっぱいあるんだなあと思いました。
■日本にある「道」というのは人間性を高めるという意味とは知りませんでした。行事は思ったよりいっぱいあるんだと思いました。今まで日本について深く考えたことはなかったけど,けっこう特色があるんだと思いました。
■日本は古くから他の国との交流を持ち,日本独特の文化があるんだなあと思いました。歴史の面では絶対忘れてはいけない原爆ドームがあるし,行事もそれぞれあって,これからもその行事や文化を大切にしていきたいです。
■今日学習をして,日本は他の国とは違う文化や習慣などがあることが改めて分かりました。それに行事は最初は全然思いつかなかったけど,みんなの発表を聞いて,たくさんの特色があることを知ることができたのでよかったです。

 集団で学ぶことのよさ,知識が広がることの大切さを感じた時間になりました。

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2005.02.07

文書読み取り技能の必要性

本校は来年度,学校公開を控えている。そこで各部会とも布石を打っている。社会科部会の布石の一つとして学習技能系統一覧表を作成をした。試案段階で,今部会員に検討していただいている。

これは社会科学習で必要と思われる学習技能を大きく3つの分野に分け,それぞれで必要な項目を拾い出し,それを学年ごとにレベルを考えたものである。3つの分野と項目は次の通り。

【調査活動】
・計画を立てる ・文献を集める ・見学する ・インタビューをする ・メモをする ・インターネットを使う ・間接的に調べる

【読み取り活動】
・文章を読み取る ・グラフ・表を読み取る ・絵・写真・映像を読み取る ・地図を読み取る ・年表を読み取る

【表現活動】
・文字で表現する ・資料で表現する ・写真・絵・映像で表現する ・各種活動で表現する

これらはについて,3~6年までどの程度まで育てればいいのか考えて一覧表にしている。分野分けも項目もまだ試行段階で吟味は必要だ。
でもそれ以上に修正しなければいけないものがあることに気づいた。それは「文章を読み取る」という部分である。

情報テキストの仕事でここ数日,教科書を深く読んでいる。そうすると,教科書の文章がいかに奥深いものかがわかる。「文章を読み取る」と一言では言えないのである。
たとえば,文章にしても,「学習方法を教えているもの」「子どもの考えを述べているもの」「社会的な事実を書いているもの」「〇〇さんの話のように現実社会の人々の発言を書いているもの」というように数種類に分けられる。だったら,それらを分けた分の学年ごとの系統性が必要と考える。

考えてみれば,自分はグラフや写真の読み取りは一生懸命にやっているが,文章自体の読み取りはあっさりだ。でも教科書の内容の半分以上は文章だ。この技能を高めることによって子どもたちが力をつけることは間違いない。さらに意欲も高まるだろう。社会科嫌いの理由の一つに「読むのが大変」ということがあげられるからだ。
どう読み取るか。その方法について今後も研究していきたい。

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2005.02.06

教科書は吟味されている

当たり前のことであるが、教科書は吟味されている。自分がテキストを書いてみるという経験をしてみて、つくづく思う。たとえば次のようなことだ。

・文章の表現。短い文章でわかりやすく内容を伝えている。
・子どもの発言が学習の方向性を規定している。
・写真や絵の配置も吟味をしている
・写真もわかりやすいものを選んでいる。

ふだん何げなく見ているものの、自分が表現する立場になると今まで見えなかったものが見えてくる。
そのような教科書を自分は十分に使いこないしているか。明らかに十分ではない。子どもたちは予習として教科書はよく読んでいるが。

先週の有田先生の講演の中で真似したいと思うことがあった。それは教科書に、使う資料やエピソードを書いた紙を貼っておいているということだ。なるほど、そうすると教師にとって世界に一冊の「マイ指導書」となる。また、実際の模擬授業では3回、教科書を音読させた。写真の説明の部分まで読ませた。それは写真や絵もきちんと注目させるための工夫であった。

いずれ教科書は吟味されている。テキストも質を高めたものを提案しないと・・・。

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2005.02.05

韓国の授業

先日の提案授業が終了したら次の仕事。ゆったりとまとめることができないが、学級通信で概略を伝える。

学級通信 6年1組物語 第150号(韓国の授業)より

 2月2日の提案授業についてです。この日は韓国がテーマです。韓国を取り上げたのには理由があります。まずは日本にとって隣国という点。そして、日常生活でも似ている点が多いということ。つまり「近くて親しい国」ということです。
 といっても子どもたちは韓国のイメージは「キムチ」「ペ・ヨンジュン」ぐらいのもので詳しくは知りません。そこで深く学習をするのが今回の目的です。

1 本時のめあてを確認
 最初に「韓国で知っていること?」と聞きました。
「キムチ」「ペ・ヨンジュン」と予想通りのものが出てきます。他にも「ドラエもんが放送されている」というのも出てきました。
「みんなわかるようでわからない韓国のことを知ろう」という本時のめあてを確認しました。

2 韓国チームのプレゼン
 基本的な情報を得るために最初は韓国チームのプレゼンです。絵美さん、貴之君、雄矢君、大成君です。多くの参観者の前で緊張したことと思います。
「・位置 ・人口 ・首都 ・食事習慣 ・古くから交流がある ・韓服」
等についてパソコンを使ってわかりやすい説明をしました。その後、みんなから簡単な感想を聞きました。はしとスプーンを同時に使うという食事習慣の違いに興味を持ったようでした。

3 一枚の写真と教科書から深める
 次に一枚の写真を提示しました。韓国の一般家庭の食事風景です。この写真を深く読み取っていくと、「韓国」という国が見えてきます。

・皿を置いたまま食べている  ・茶碗が金属製
・はしとスプーンを同時に使っている  ・日本人と似ている
・レストランのように焼き肉を焼いている ・膝を立てて食べている等

 パッと見た感じでは日本と同じように見えた食事風景もよく見ると違いがたくさんあります。特に「片膝を立てる」姿勢は日本との違いをずばり表しています。韓国では女性の正しい座り方ですが、日本では行儀が悪いものです。さっそくその場でみんなでやってみました。「たいへん」とその習慣の違いを子どもたちは感じていました。
 その他にも「韓国では冬でも部屋では薄着です。なぜか」と問いかけました。子どもたちは床に注目しました。そこでオンドル(朝鮮の床暖房)のしくみを紹介しました。
 歴史についても学習をしますが、写真だけでは日本との交流の歴史は深められません。そこで(上)の教科書を使って、古くからの交流、日本の侵略の歴史を学びました。

4 考えを深めてまとめる
 「日本と韓国のこれからで大切なことは何か」と最後に聞きました。社会の学習で知識を得るだけではなく、未来の社会についても考えてほしいからです。「交流」「平和」「文化の体験」等が出てきました。
 最後に一人一人がまとめて学習を終えました。

・韓国は独特の文化を持つ国である。食事の時、おわんを持たないことや女性はひざを立ててすわったりする。文化交流ではそのようなことを理解しあうことが大切だ。
・日本と韓国でこれから大切にすべきことは、お互いの文化を理解しながら深めていくことである。昔は争っていたから、これからは平和を大切にしていくことが大切である。

 1時間でいろいろと韓国について深く知ることができたと思います。

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2005.02.04

未熟

昨日のログインできないトラブルが解決。メモリー不足で自分であれこれいじって、ログインできないしくみにしてしまっていた。

さて、昨日有田先生からファックスが届いていた。一昨日、帰宅してから有田先生にすぐに礼状をファックスで出していた。その返信である。
自分の課題点をずばりご指摘いただいた。

・子どもたちに反対意見、付け加えが足りない
・スーッと流れて深みが出ていないので惜しい
・じっくりと教材研究をしてオリジナルな教材を持ってほしい

1時間で実践を全て見せることはもちろん不可能だ。でも、参観者はその1時間が授業者の全てとして見る。それだけに研究授業、提案授業は大切である。
先の課題には来年度ではなく、今からさっそく取り組みたいと感じた。

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2005.02.02

胆沢地区社研

胆沢地区社研の提案授業。自分の力のままの授業である。授業については気が抜けた状態なので、明日書こう。
今回は有田先生にコメントをいただく。
「すばらしい授業だが、スーっと流れる授業。もっとこだわりのある授業を」とご指摘を受けた。
まさにその通りだ。これは自分の授業観がそのように凝り固まっているのかもしれないと感じた。

サインをいただこうと思って昨日購入した有田先生の著書に「スマートだが迫力がない」という言葉があった。自分の授業に近いと感じた。いやいや「スマート」も遠い。でも印象から考えると近い。
計画通り流れようとするあまり、子どもたちの意欲をつぶしているのではないか。教材開発にしても無難な感じで行っているのではないか。いずれ一つの目標はできた。キーワードは「迫力ある実践」だ。

それにしても有田先生の授業の再現性には驚いた。30年近く前の授業(6年「一寸法師」)を誰が何と言ったのか、すらすらと話されていた。子どもたちも覚えているという。それはやはり「迫力ある実践」だから、子どもたちも覚えているんだろうなあと感じた。

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2005.02.01

授業者から

明日の提案授業に向けて「授業者から」というプリントを準備した。指導案だけでは、本時の授業について詳しい説明はできない。通常は授業研究会があるが今回はない。そこで、このプリントを書こうと思ったのである。次の通り。

 1 本時で参観していただきたい部分

 本日はお忙しい中、ありがとうございます。提案授業を行う水沢小学校の佐藤正寿です。
 事後の授業研究会がありませんので、授業についてこの場でいくらか述べたいと思います。
 まず、本時で参観していただきたいのは、主として次の3つです。

①韓国について調べたことを子どもたちが発表をするところ
②教師提示の資料により子どもたちが韓国についての理解を深めるところ
③子どもたちが今後の韓国との関わりを自分たちなりに考えるところ

 学習指導要領によれば、この単元は子どもたちが一つの国を選んで調べることになっています。教科書もそのような展開になっており、調べ発表する場面は私も同様に展開をしています。それが①です。子どもたちは、中国・アメリカ合衆国・韓国・タイ・イタリア・オーストラリアの6か国のうちから一つを選んで調べました。
 今回は単なる発表にしないでプレゼン的にするように指導をしています。「スライドの構成を工夫する」「聴衆・アイコンタクトを意識する」といったことを指導していますが、本日はどうなるでしょうか。

 教科書の展開であれば、①が中心です。しかし、単元のねらいに迫るためにはそれでは物足りない、むしろ子どもたちの発表に教師が意図的に資料を提示したり、その国について深く考えさせたりしなければいけないと考えて、②と③の場を設定しました。
 私自身は社会科授業のおもしろさはここにあると思っています。単に他から知識を得るだけではなく、資料から自分たちで話し合って見方や考え方を学ぶというものです。これが集団で学ぶよさであると思っています。言いかえれば「社会的なものの見方や考え方を学ぶ」というものです。

 2 なぜ韓国か

 提案授業の題材としてなぜ韓国を選んだのか。
 現行の教科書には韓国は例として取り上げられていません。しかしながら、現在の日本にとって韓国は「近くて最も親しい国」と思われるからです。単なる韓流ブームということだけではありません。日本に来る観光客が一番多いのはここ数年韓国です。日本から韓国への観光客も増加の一途です。かつては「近くて遠い国」だった韓国が本当に隣人になっています。
 しかしながら、その韓国のことを子どもたちはよく知っていません。イメージは「キムチ」「ぺ・ヨンジュン」といったものです。そこで、1時間だけですが韓国を取り上げ、子どもたちの浅い韓国観を深めたいというのが私の意図です。
 なお、来年度の教育出版の教科書では韓国が真っ先に例として取り上げられています。大事なことと思います。

 3 困難な点

 しかしながら、「教科書にない」ということは弱点でもあります。それは「資料が不足」しているということです。そこで今回は教師が提示する資料がメインになります。
 私が理想とする社会の授業は「課題を子どもたちが自分で資料を準備をして、様々な資料から情報を出し合い、話し合う」というものです。今回はそのような形は無理でした。
 この授業を構想する過程で、有田和正先生の「オンドルから朝鮮を考える」という実践に出会いました。オンドル一つから朝鮮のくらし、気候、産業を考えるというものです。圧巻でした。
まさに理想とするものです。
 現在の学習指導要領からすれば、この単元では難しい面もありますが、展開はいつか追試をしてみたいものです。

 4 実践記録を残す

 私は個人ホームページ上に実践記録を残しています。

HP「地域のよさ・日本のよさを伝える授業」
http://homepage2.nifty.com/masa555satou/index.htm
ブログ版 http://satomasa5.cocolog-nifty.com/

 今回の授業のことについてもこのホームページ上に書き込みたいと思います。また、皆様からのご意見を聞く場は今回ありません。このホームページからメールが可能ですので、ご指導をいただければ幸いです。

 5 感謝の場

 初任3年目で筑波大学附属小学校当時の有田先生の授業を参観いたしました。衝撃的でした。鍛えられていた子どもたちの発言。質の高い授業そのものは私のあこがれとなりました。
 今回、あこがれの有田先生に授業を見ていただくという機会を得ました。本当にありがたいことと思っています。有田先生はじめ皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。

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