韓国の授業1
小学メールマガジンに掲載された原稿である。
■ あこがれの有田和正先生の前で授業
このメールマガジンの連載を始めたのが4年前である。その時の題が「やはり、有田先生から始めます」というものだった。有田和正先生(教材・授業開発研究所代表)の授業を参観して衝撃を受け,それ以降自分が教材開発に取り組むようになったという内容だった。教師になって3年目の出来事だった。
それ以来17年間,その時に見た有田学級が目標だった。教師の発問に自分の知識をフルに持ち出し,一生懸命に追究する子どもたち。そのようにはまだまだ育てられていない。
しかし,今年度地区の社会科教育研究会で有田先生を招いて研究会を行おうということになった。提案授業者は私。あこがれの有田先生の前で授業をすることになったのである。しかも授業のコメントを話してくださる。これほど有難い研究授業はないと感じた。
■ なぜ韓国か
授業する単元は6年生「日本とつながりの深い国々」である。
学習指導要領によれば、この単元は子どもたちが一つの国を選んで調べることになっている。教科書(教育出版)もそのような展開になっており、調べ発表する場面は私も同様に展開をしている。子どもたちは、中国・アメリカ合衆国・韓国・タイ・イタリア・オーストラリアの6か国のうちから一つを選んで調べた。
教科書の展開であれば、子どもたちの調べ学習と発表が学習の中心となる。しかし、それだけでは学習として物足りない、むしろ子どもたちの発表に教師が意図的に資料を提示したり、その国について深く考えさせたりする場がほしいと考えた。
私自身は社会科授業のおもしろさはここにあると思っている。単に他から知識を得るだけではなく、資料から自分たちで話し合って見方や考え方を学ぶというものである。これが集団で学ぶよさである。言いかえれば「社会的なものの見方や考え方を学ぶ」というものだ。
では,提案授業の題材としてなぜ韓国を選んだのか。
教科書には韓国は例として取り上げられていない。しかしながら、現在の日本にとって韓国は「近くて最も親しい国」と思われるからである。単なる韓流ブームということだけではない。日本に来る観光客が一番多いのはここ数年韓国である。日本から韓国への観光客も増加の一途だ。かつては「近くて遠い国」だった韓国が本当に隣人になっている。
しかしながら、その韓国のことを子どもたちはよく知らない。イメージは「キムチ」「ぺ・ヨンジュン」といったものである。そこで、1時間だけであるが韓国を取り上げ、子どもたちの浅い韓国観を深めたいというのが私の意図であった。
« 中学校へのプレゼント | Main | 韓国の授業2 »
Comments