文書読み取り技能の必要性
本校は来年度,学校公開を控えている。そこで各部会とも布石を打っている。社会科部会の布石の一つとして学習技能系統一覧表を作成をした。試案段階で,今部会員に検討していただいている。
これは社会科学習で必要と思われる学習技能を大きく3つの分野に分け,それぞれで必要な項目を拾い出し,それを学年ごとにレベルを考えたものである。3つの分野と項目は次の通り。
【調査活動】
・計画を立てる ・文献を集める ・見学する ・インタビューをする ・メモをする ・インターネットを使う ・間接的に調べる
【読み取り活動】
・文章を読み取る ・グラフ・表を読み取る ・絵・写真・映像を読み取る ・地図を読み取る ・年表を読み取る
【表現活動】
・文字で表現する ・資料で表現する ・写真・絵・映像で表現する ・各種活動で表現する
これらはについて,3~6年までどの程度まで育てればいいのか考えて一覧表にしている。分野分けも項目もまだ試行段階で吟味は必要だ。
でもそれ以上に修正しなければいけないものがあることに気づいた。それは「文章を読み取る」という部分である。
情報テキストの仕事でここ数日,教科書を深く読んでいる。そうすると,教科書の文章がいかに奥深いものかがわかる。「文章を読み取る」と一言では言えないのである。
たとえば,文章にしても,「学習方法を教えているもの」「子どもの考えを述べているもの」「社会的な事実を書いているもの」「〇〇さんの話のように現実社会の人々の発言を書いているもの」というように数種類に分けられる。だったら,それらを分けた分の学年ごとの系統性が必要と考える。
考えてみれば,自分はグラフや写真の読み取りは一生懸命にやっているが,文章自体の読み取りはあっさりだ。でも教科書の内容の半分以上は文章だ。この技能を高めることによって子どもたちが力をつけることは間違いない。さらに意欲も高まるだろう。社会科嫌いの理由の一つに「読むのが大変」ということがあげられるからだ。
どう読み取るか。その方法について今後も研究していきたい。
Comments
倉爪さん,読み取りの視点へのコメント,ありがとうございました。学習技能系統一覧表は作っても活用されなければ意味がないので,今度はどう活用していくかがポイントとなります。またお伝えしたいと思います。
サマンサさん,音読へのコメント,ありがとうございました。私は音読をかなり重視しています。毎日の家庭学習の一つです。それも国語だけではなく,社会もけっこうさせます。社会は音読をすることによって,子どもたちがどこに何が書かれているかわかるようになるので,教科書を活用する時に明らかに大事なのです。もっと音読重視であっていいと思います。
Posted by: サトマサ | 2005.02.08 05:28
こんばんは。
「学習技能」では、昔も今も「読み・書き・計算」ということは基本ですし大切でありながら、この3点セットを軽視しがちです。
自宅学習(宿題)でも、塾通いが増えたことにより、保護者から宿題を減らせという要望にすぐに応えてしまう信念のない教師(ちょっと辛らつな言い方ですみませんが。)が増えているように思います。
我家の高1の娘の頃と小6の娘の今の宿題の出し方では、塾通いが加速し生活リズムの乱れ(夜型へ移行)など見られる傾向もあるためか、少々宿題傾向が変わりつつあり、「音読」が無くなり、学校生活の「基本的生活習慣」中心のチェックをするようになってきました。理由はよくわかりませんが・・・。
高1の娘の頃は、娘もそれに付き合う私も、毎日の「音読」でもって、国語の教科書を暗唱できるくらいでした。これは、とっても語彙能力を高め、読解力・思考力・暗記力・作文力をつける源になりました。
家庭で教科書を読みなさいと進めても、宿題でないと子どもも進んで読もうとしません。残念ですが。
総合学習もどの教科も「調べ学習」など今行われていますが、「調査活動」が中心であり、教師自身も「読み取り活動」・「表現活動」がまだまだ指導が不十分でそこまでにいたっていないように思われます。これもまた残念ですが・・・。
いろいろな学習技能があるかと思いますが、「音読」の大切さに再度重視した学習指導をしてほしいなあって思っていました。
コメントとしてふさわしくないかも知れませんが申し訳ございません。
Posted by: サマンサ | 2005.02.08 01:04
学習技能系統一覧表の「読みとる」に着目した研究はすごいですね。私には全くない視点でした。ありがとうございました。
Posted by: 倉爪 | 2005.02.07 23:05