教師のための「聞く技術」入門
新幹線車中で『教師のための「聞く技術」入門』(家本芳郎著・高文研)を読んだ。私も関わった共著でこの春家本先生の本が6冊出たが、この本は単著である。
教師は子どもに話すことが重要な仕事だが、聞くことも重要な仕事だと考える。聞くことによって子どもを理解する。時には聞くことが子どもの癒しになる。しかしながら、いつの間にか子どもたちの話に慣れてしまって「聞く」ことにおろそかになっていることはないだろうか。自分自身を振り返れば、昨年度の6年生は3年連続で担任(途中クラス替えはあったが)したこともあって、いつの間にか「聞く」ことがおろそかになっていたのではないか・・・とこの本を読んで反省した。
同時に教師は話す技術は研修をしていても、聞く技術は意外と研修をしていないのではないかということを感じた。たとえば、あなたの「聞く技術」は何ですか?と聞かれたら、「肯定して聞く」「目を見て聞く」といったことは出てくるだろうが、それらの他にどのようなことが出てくるだろうか。
本書では「ひと手間かけて聞き出す」「想像力で補う」「雑談する」といったような具体的なわざを書いている。教師自身がこのような具体的な技術がなければ、子どもたちの「聞く」指導は難しいであろう。考えさせる一冊であった。
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