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May 2005

2005.05.31

メルマガ創刊号発行

「授業成立プロジェクト」の創刊号を今日発行した。発刊に寄せて冒頭に編集統括の立場である自分が,思いを込めてプロジェクトについて紹介した。以下がそれである。

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1 「授業成立プロジェクトとは?」
                       編集統括 佐藤 正寿

 いよいよメールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」の発刊です。
 企画立ち上げから3ヶ月のスピード立ち上げです。

  「授業成立プロジェクト」は,学級崩壊という問題に対して「授業成立の基礎技術の集積・研究」を目的としたプロジェクトです。NPO法人・授業づくりネットワーク代表の上條晴夫氏が提唱したものです。)

 具体的な活動として各種ワークショップ,授業づくりネットワークの集会の開催に取り組んでいます。3月の授業づくりネットワークの春集会には200人を超える参加者が集まり,授業成立についての講演・対談・ワークショップを行いました。また,4月には有田和正氏をお招きをして「教師力UPセミナー2005」を開催し,大好評でした。
 また,雑誌「授業づくりネットワーク」では授業成立の特集を組んでいます。

 ただ,プロジェクトを現場とどうつなげていくかはなかなか難しい問題です。そこでプロジェクトメーリングリストで相談して,学校の校内研の中に、「授業成立ワークショップ」を出前することをやり始めています。

 このプロジェクトを発展させようとするのが「授業成立プロジェクト40人委員会」のメンバーです。さっそくプロジェクトホームページが3月に立ち上がりました。ニュースレターも作成されました。
 そしてこのメールマガジンが今発刊です。

 このような動きは読売新聞をはじめとするマスコミにも注目されています。今後さらに新たな活動に取り組みます。注目してください。

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 発刊してさっそく返信もいただいた。
 でも,これからが本番である。どう展開していくか。走りながら考えていく。

 まだ申し込まれていない方で読んでみようと思われる方はこちらへ。もちろん無料です。

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2005.05.30

即決・即断の力を

いろいろなプロジェクトに入って痛感しているのは,即決・即断の力だ。

たとえば,指導略案を見る。1分ぐらいで読んで,それについて即コメント。それも重要な点についてだ。そういう力。
たとえば,セミナーの企画書を見る。これは1分もかからず,「これでよし」「ここには外部の人を入れた方がよい」といったことを即決。人選もできあがっている。

このようなシーンを目の前で見ると,即決・即断というのはこのようなことなんだと感じる。「ゆっくり考えてあとで決めましょう」というものは結局どうでもいいことだから言えることなのだと思ってしまう。

かつてある本で,「企画書を話し合いながら書いてしまう」という仕事のコツを読んだことがあった。これも即決・即断の一つだ。常に「即」という意識をもてばそのようなことも可能なのだ。そういう意識をもつこと,プラスして即決・即断できる力をつけること(即判断できる思考・経験が必要だ),プロジェクトの中で鍛えながらつけていこうと思う。

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2005.05.29

IT授業実践ナビ

IT授業実践ナビに昨年度取材された「水墨画に挑戦しよう」が掲載された。
昨年,プロが撮影したものである。やはりプロの腕はすごいと後で送られてきた映像を見て思ったものであった。

今年はIT授業実践ナビの実践例もかなり増えた。自分のIT活用の研究事例として,しっかりと見ていきたいと思う。

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2005.05.28

主張できるように

様々なプロジェクトに入って,教師以外の方の話を聞く機会がときどきある。
そこで感じるのは「主張」が鮮明だということだ。
その立場での主張。それが異業種である自分の参考になる。
では自分はそういう異業種の方が参考になるものを主張できるか。同じ業種である教師対象なら主張点もあるが,異業種の方に対して・・・となると疑問だ。

かつて「民間に比べたら教師の世界は甘い」と自分でよく言っていたことがあった。民間に勤めた経験からである(といっても1年間だけだが)。しかし,今はそうは思っていない。教師の世界でも工夫をしている点が多くある。その中で異業種の方に対して主張できる点を増やす。
そういう風になりたいと思う。

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2005.05.27

新メルマガ創刊

私が所属する授業づくりネットワーク内の新しいプロジェクト「授業成立プロジェクト」のメルマガを,編集統括することとなりました。月末に創刊号を発行します。
皆様,よかったらぜひご購読ください。以下広告文です。

★☆★ メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」創刊! ★☆★

 5月31日。新しいメールマガジン「授業成立プロジェクト」が創刊されます。
 「授業成立プロジェクト」は,おしゃべりや立ち歩きなど、新しい教室状況に正対をして「授業成立の基礎技術」の集積・研究を目指すプロジェクトです。NPO法人・授業づくりネットワーク代表の上條晴夫氏が提唱したものです。

 授業づくりネットワークでは,今までも次の4誌を発刊してきました。
・メールマガジン「実践!作文研究」
・「学習ゲーム研究会」情報誌『m-age』MM版
・授業づくりネットワーク総合的学習21
・授業づくりネットワーク21
 この4誌が発展的に統合し,新しいメールマガジンとして生まれ変わります。

 メールマガジン「授業成立プロジェクト」は,週一回,毎週金曜日に発行します。
□第1週 教室コミュニケーション号
  書くこと・話すことを中心としたコミュニケーションに関わる号
□第2週 体験型ワークショップ号
  学習ゲームを中心に「参加・体験のある授業」に関する情報を取り上げる号
□第3週 授業スキル号
  授業成立に役立つ教育技術に関わる号
□第4週 教育リソース号
  ITや面白い教材・教具等を扱う号

 授業成立に関するホットな情報を熱くお伝えいたします。
 皆様,ぜひご購読ください。
 こちらで購読申し込みができます。

   それでは創刊号でお会いしましょう。

          メールマガジン「授業成立プロジェクト」
                  編集統括 佐藤 正寿 

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2005.05.26

詩の授業

5月になってから「子どもたちが学び合ったなあ」「深まったなあ」というような手応えのある授業が増えてきた。そのことは学級通信にも書きやすい。
今日紹介するのは詩の授業である。

学級通信「ファンタジア」 第30号

 詩「晴間」 (実際の詩は学級通信に書いているが,ここでは略)

 最初読んだだけでは子どもたちにとってはわかりにくい詩です。でも,わからないということは逆にわかった時の喜びが大きいです。学習が深まります。この詩も話し合いで深まりました。

 最初に何回か音読し,詩を写します。基礎作業としてこのようなことはとても大切です。写した詩を読んで間違いがないかどうか自分でチェックをします。わかりにくいところを確認します。
 「をりからに」「遠雷」といった言葉は教科書に説明が書かれていますので,それを読みます。また「雷の音」は「かみなりのおと」とは読まずに「らいのおと」と読むことを確認します。子どもたちから「どうして?」と言う声が出ましたが,「あとでわかるよ」と言いました。
 「いくつの連に分かれていますか。理由は」「季節はいつですか」「時間はいつですか」「どこにいますか」といったことを聞いていきます。これは簡単です。テンポよく子どもたちは答えていきます。

 一連,二連,三連のそれぞれどんな天気ですか。

 「雨」→「激しい雨」→「晴れ」という連ごとの変化をつかませるための発問です。ここで二連で「激しい雨の理由は何ですか」と聞くと,「『打ちまじり』だから強いことがわかる」「草が鳴るぐらいだからよほど強いはずだ」といった答えが出てきました。いいところに注目をしています。

 『色を見よ』とあります。見えるのは何色でしょう。

 ほとんどの子が「水色(青空の色)」と考えました。さらに付け加えで「木々の緑色も見えたはず」「あざやかな日光だから白も見えたのではないか」という意見も出ました。その違った解釈に子どもたちも納得です。
 最後に再度通して読みました。

 読むとリズムがあります。なぜでしょう?

 たくさん意見が出てきましたが,決定打は出ません。「文字数を数えてごらん」と言いました。「全部五文字だ!」「本当だ」「すごい」という感心の声が次々と出てきました。

・この詩をかいた三木さんは,リズムをよくするために5文字ずつ書いていてびっくりしたし,感心しました。
・今日は詩のことを勉強して,いろいろなことを学びました。最初何を言いたいのかがちょっとよくわからなかったけど,勉強してみたら意味がわかったので,よかったです。楽しかったです。
・詩を習うと最初は,何がなんだか分からないときもあるけど,今日は考えたながら読んだり,みんなで考えたので分かって楽しかったです。

 本当にいい学び合いになったと思います。

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2005.05.25

北海道と沖縄県の米作りのアンケート

「北海道と沖縄の米作り」の学習について,子どもたちに振り返りの簡単なアンケートをとった。そのことについての結果を学級通信に掲載した。「ついた力」は子どもたちにとってむずかしい質問だったようだ。

学級通信 ファンタジア 第29号より

先週の金曜日の研究授業について簡単なアンケートをとりました。大きくは,次の2つです。

★「北海道と沖縄の米作り」の学習でついた力は何ですか。
★「北海道と沖縄の米作り」の学習で楽しかった点,むずかしかった点などの感想。

 このようなアンケートをすることは教師にとっては子どもたちの考え方を知る上でとても役立ちます。「そうか,こんなことを考えていたのか」「この点が難しかったんだなあ」と授業を見直すことができます。
同時に子どもたちにとっては,自分の学習を振り返ることになります。そして「自分には調べる力がついたんだ」と自覚することにより,自信もつきます。
 では,さっそく紹介しましょう。

★「北海道と沖縄の米作り」の学習でついた力は何ですか。

・発表や発表の文を書く力がつきました。北海道の発表グループが発表している時に聞きながらメモができるようになりました。
・資料を読み取る力が特につきました。
・みんなの前で発表する力やいっぱい発表する力がつきました。
・資料を読んでその中から必要なことを書き加える&読み取る力がつきました。
・資料を読み取る力が特につきました。なぜかと言うと資料を見て書くことがいままではとてもすくなかったからです。
・まとめる力がつきました。ちゃんと表現できました。
・一人で北海道のお米について書いたということは,一人でお米のことについて書けるようになった。
・シートに表現する力がついたと思います。資料を早く読み取れるようになりました。

 今まで経験したことがない学習方法もありましたが,それをがんばってやり通したことによって力が確実についたことがわかります。

★「北海道と沖縄の米作り」の学習で楽しかった点,むずかしかった点などの感想。

・資料作りのために調べたり,シートを作ったりすることが楽しかったです。
・資料を見て,いろいろと岩手とちがうところがあって「へえー」と思いました。
・北海道の人も沖縄の人も大変なことはあるけど,それを乗り越えるのに感心しました。
・楽しかったのは勉強がわかったこと。むずかしかった点はない!
・しゃべる原稿を作るのがむずかしかったです。
・沖縄の米作りで2期作があってビックリしました。シートに書く時はちょっとむずかしかったなあ~。
・書き込んだり,読み取ったりするところがむずかしかったし,どうすればみんなが見る発表ができるか,むずかしかったです。

 表現する内容はむずかしかったようですね。これからがんばる点です。

 課題はあっても子どもたちがいい学びをしたのは確かでした。

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2005.05.24

北海道と沖縄県の米作り その2

小学校MM 連載「私の教材開発物語 48回」より

■ 発展単元「北海道と沖縄県の米作り」調べ活動編

 具体的な授業の様子を記す。最初の2時間は調べ活動である。次のように行った。

1 北海道と沖縄県のどちらを調べたいか決める。(ほぼ半分ずつに分かれる)
2 6人前後のグループを作る。(教師が決める)
3 調べ活動をする。
(1) 北海道は北海道の沖縄県は沖縄県の基礎的な一次資料を教師が配布する。
  これで米作りの概要をつかむ。
 (2) 基礎資料をもとに個々人で調べたい米作りに関わるテーマを決める。
 (3) 図書館の本やインターネット等の二次資料でそのテーマについて調べ,ノートにまとめる。
4 発表の準備をする
 (1) テーマについて,一人一人が発表用シート(A4用紙・1枚)にキーワードを記す。
 (2) 同時に発表用の原稿を書く。

 この調べる段階での特徴は次の3つである。
・グループで調べ活動をするよさを生かす
・資料を一次と二次に分ける
・全員が発表用シートを作成する

 グループで調べ活動をするよさは資料を共同で使える,教え合いができるということである。同じ対象を調べる人が多いわけであるから,人数に対する図書資料は少ない。グループで,共同で調べることにより,ある程度その問題点は解消する。また,グループ活動をすることによってわからない点や進行状況を教え合うことができる。

 また子どもたちには最初に一次資料を印刷し配布した。子ども用の学習参考書の資料である。そこには,都道府県別のデータが一覧され,簡単な解説が書かれている。いきなり,「テーマを決めて自分で資料を探して調べなさい」という方法もあるが,それは全員がテーマを選ぶ視点と資料を探せる学習技能を持っている時である。そうでない場合には,補助的な資料は必要と考える。
 この資料によって子どもたちは,「米作りの1年」「気候と歴史」「品種」「大
変な点」「北海道の水田の多いところ」「沖縄の米作りの特徴」といったテー
マを持った。

 そして調べ活動後には一人一人が発表用シートを書く。これはA4にマジックで気軽に書くことができるものである。「簡単に書ける分,効率的になるが,そのような用紙だと小さくて見えないのでは」と思われるかもしれない。
この用紙は全体の前で発表する時には,パソコンに取り込み,プロジェクターを使って拡大して投影する。子どもたちには画用紙等に大きく書くより,はっきりした発表シートとして提示できる。ITのよさの活用である。

■ 発展単元「北海道と沖縄県の米作り」発表編

 子どもたちが調べた内容は,次のように発表させた。

1 同じグループ(北海道3グループ,沖縄県3グループ)で最初に発表し合う。よりくわしい内容で書かれていたグループが代表となる。
2 代表グループの一つずつが全体で発表する。発表後,同じグループの中で付け加えをする。
3 相手グループから質問や感想を受ける。

 代表グループの発表+同グループからの付け加えによって,子どもたちの調べたことのほとんどは発表できる。また相手グループの発表を聞くことによって,最終的には自分の調べたものと聞いたもの(つまり,北海道と沖縄県の両方の米作り)について知識を得ることができる。
 子どもたちの調べた主な内容は次の通りである。

□北海道の米作りグループ
・寒い気候のため,農業にはきびしい条件である。
・米の収穫量は全国でトップレベル。
・明治時代から外国から技術を取り入れた。
・Aランキングの「きらら397」が多く作付けされている。
・ビニルハウスでの苗作りといったように工夫をしている。
□沖縄県の米作りグループ
・暖かい気候であるが,台風や害虫の発生が多いため収穫量も多くない。
・岩手と同じように「ひとめぼれ」の生産が多い。
・二期作も行われている。
・二期作の場合には3月に田植えをスタートする。

 子どもたちは,北海道と沖縄県のそれぞれの米作りの特色とその違いを理解することができた。

■ 発展単元「北海道と沖縄県の米作り」話し合い編
 
 発表をしただけでは,子どもたちの社会的なものの見方・考え方は深まらない。そこで次のような発問を行う。
「北海道と沖縄県の米作りで同じ点は何でしょうか」
 子どもたちは一瞬「えっ?」といった表情である。それはそうだ。気候が違うから米作りも違うと今理解したばかりだ。
 しばしの沈黙が続く。このような沈黙が私は好きだ。子どもたちが一生懸命に思考活動をしているのが,伝わってくるからだ。
 やがて一人の子が発言する。

「北海道は寒いです。沖縄は暖かくて害虫が発生しやすいです。どちらも米作りにはきびしい条件です」
「付け加えて,きびしい条件でも一生懸命に米作りをしています」
「そうそう,どちらも努力をしています」
「条件に合わせて工夫をしています」
 
 どの子どもたちも,「自分たちの地域の気候や条件がどうであっても,努力や工夫をして米作りをしている」という共通点に気づいていった。沈黙の時の子どもたちの表情が「なるほど」と変化をしてくるのがわかった。

 このようにして終わった今年度初めての社会の発展的な学習。昨年度(6年生)は「水墨画に挑戦!」「ザビエルは日本を変えたか」等の発展的な学習ができたが,今年度はどのような実践ができるか楽しみである。

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2005.05.23

北海道と沖縄県の米作り その1

小学校メールマガジン連載 「私の教材開発物語」 第48回より

■ 発展的な学習

 社会科の教科書(5年・教育出版)を見ると「発展的な学習」がいつか紹介をされている。「世界でつくられている穀物を調べよう」「新しいエネルギー資源を見直そう」「物づくりに情熱をかけた人たちに学ぼう」といった内容である。
 このような内容を見るだけで,教材開発を生きがいにしている私はとてもわくわくしてくる。「教科書にある内容で行うのもいいが,やはり自分で考えて行うのもいいなあ」と思う。
 5年生の最初の単元「農業のさかんな地域をたずねて」の米作りに関わる学習が一通り終わった。そこで,発展的な学習として何かしらの実践をしようと考えた。
「お米についての興味関心を高めるために,世界の米と米料理を調べるのはどうだろうか」
「農薬について興味を示す子が結構いたから,農薬使用賛成と反対の立場で討論をしてみようか」
というようなアイデアが浮かぶ。

■ 各地の都道府県を対象とする

 社会科の場合に発展的な学習を粗く2つに分ければ,「内容を広げるパターン」と「内容を深めるパターン」に分かれる。先のアイデア例で言えば,世界の米と米料理は広げるパターンで,農薬の討論は深めるパターンである。
 今回は深めるパターンで行こうと考えた。一つの社会事象をみんなで話し合いながら追究することの面白さを最初の単元で感じてほしかったからである。
発展的な学習の時間は3時間。自分は日本各地の米作りをテーマにすることにした。これは,単元の最初の時間に何人かの子たちが,「岩手の米作りはどのようになっているのか」「他の都道府県の米作りの様子は」「米作りは全国各地でちがうのか」といった問いを出しており,それらのことが頭にあったからである。
教科書の例は新潟県である。岩手の米作りも新潟に似ているということで,子どもたちに,「新潟県と岩手県以外で,米作りを調べたい都道府県はどこですか?」と聞いた。
すると子どもたちから出てきたもので圧倒的に多いのは北海道と沖縄県であった。理由を聞くと,次のようなものが出てきた。
・日本で一番寒い地方でどのような工夫が行われているか。
・雪が多いのに米作りで不便なことはないのか調べたい。
・沖縄は暖かいのに米の収穫量が少ないのはなぜか。
・暖かさを利用した工夫があるのではないか。
 他にも「東京都(東京では米作りが行われているのか)」「香川県(面積が狭い県で工夫があるのではないか)」があげられた。

■ どのようにして「深める」構成にするか

 「北海道と沖縄県の米作りへの興味が高い」という実態から,調べる対象をこの2つだけに絞ることにした。
子どもたちの希望したものをそのまま調べるという方法ももちろんある。しかし,資料面の確保や個人での活動の大変さを考えると限られた時間では困難が伴う。その点,対象を絞ることによって,グループ化ができ,そこでの学び合いのよさが生かせる。
さらに一番のポイントは,北海道と沖縄県の米作りを学級全員で比較・検討できるメリットが大きいということである。米作りでは違う点の方が多いのだが,「自分たちの地域の気候や条件がどうであっても,努力や工夫をして米作りをしている」という共通点に最後は気づかせることができる。これこそ,今年のテーマである「社会的なものの見方や考え方を育てる」ことにつながると感じた。
これこそ発展的な学習で深める内容である。(つづく)

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2005.05.22

北海道と沖縄県の米作り

 金曜日の研究授業のことです。この日は子どもたちが調べた発表をもとに,「北海道と沖縄県の米作りの違いと共通点」を見つけるというものです。
 最初子どもたちは次のような発表をしました。

□北海道の米作りグループ
・寒い気候のため,農業にはきびしい条件である。
・米の収穫量は全国でトップレベル。
・明治時代から外国から技術を取り入れた。
・Aランキングの「きらら397」が多く作付けされている。
・ビニールハウスでの苗作りといったように工夫をしている。
□沖縄県の米作りグループ
・暖かい気候であるが,台風や害虫の発生が多いため収穫量も多くない。
・岩手と同じように「ひとめぼれ」の生産が多い。
・二期作も行われている。
・二期作の場合には3月に田植えをスタートする。

 子どもたちは,北海道と沖縄県のそれぞれの米作りの特色とその違いを理解することができました。でも,発表をしただけでは,子どもたちの社会的なものの見方・考え方は深まりません。そこで次のように聞きました。

「北海道と沖縄県の米作りで同じ点は何でしょうか」

 子どもたちは一瞬「えっ?」といった表情をしました。しばしの沈黙が続きます。このような沈黙が私は好きです。子どもたちが一生懸命に思考活動をしているのが,伝わってくるからです。
 やがて一人の子が「北海道は寒いです。沖縄は暖かくて害虫が発生しやすいです。どちらも米作りにはきびしい条件です」と発言したところから,子どもたちも,「自分たちの地域の気候や条件がどうであっても,努力や工夫をして米作りをしている」という共通点に気づいていきました。沈黙の時の子どもたちの表情が「なるほど」と変化をしてくるのがはっきりとわかりました。

・北海道はとても寒く米作には適していないが,ビニールハウスで苗を育てるなどの工夫をしている。沖縄は台風や害虫が多いが,二期作をする農家もあり,工夫をしている。北海道も沖縄も気候や害虫に負けないように努力している。
・北海道は,一期作だが,沖縄は二期作の農家もある。しかし,北海道や沖縄もきびしい気候を努力や工夫でのりこえている。
・北海道は寒いが米がよくとれる。沖縄県はあたたかいが米はよくとれない。どちらもきびしい環境を努力や工夫でのりこえている。

 このようなまとめを子どもたちは書きました。
 研究授業では他の先生方も十数人参観されました。子どもたちも4年生の時の担任の先生方が参観されるのを楽しみにしていたようでした。
「いい発言が出ていましたね」「成長しましたね」「ノートのとり方が進歩しましたね」といった子どもたちのよさを感想として言われました。嬉しいことです。子どもたちのがんばりが見えた研究授業でした。

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2005.05.21

不便こそアイデアのもと

テレビで「ボ撮ルンです」の話を知った。
ペットボトルのキャップにねじをつけることで,カメラのミニ三脚がわりになるというものだ。旅行者に重宝されて,30万個が売れたという。これは発明者がカップルの旅行者がかわるがわる写真をとっているのを見てひらめたという。
こういう話を教師の仕事のアイデアに生かせないかと思う。仕事をしていて不便な点,授業をしていて不満な点がアイデアのもとになる・・・意識することがアイデア発見につながると思う。

ちなみに同じ番組では,教師が全員に挙手させるアイデアも紹介されていた。「わかる人は右手,わからない人は左手を挙げるという約束をする」というものだ。私も全員が挙手する約束事を子どもたちと決めているので,思わずクスッと笑った。私は親指を曲げて4本指で挙手している人には当てないという約束だ。
他にも,「ネクタイを持ったら一斉に読む」「机間指導で肩をたたかれた子は必ず発表」「背広を脱ぎ始めたら重要発問」といったことをかつてはしていた。教師と子どもたちだけの遊び心のある楽しい約束だ。

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2005.05.20

学習技能を日々鍛える

研究授業が終わった。5年生の社会。学習しはじめて10時間ほどでの研究授業である。通常の感覚から言ったら,早いだろう。しかし,前任校では4月に研究授業を行った。研究主任として,「これをベースに」というものを提案したからだ。
今回も同様。研究授業自体の準備の他に,10月の学校公開授業に向けて,社会科部長として部会としての方針を示す。発展的な学習の位置づけ,評価のあり方等である。

さて,今回授業について。一番感じたのは日々の学習技能の鍛えの大切さだ。5年生になって1カ月半。学習技能を向上させるために工夫をしてきたつもりだ。資料読解技能や思考活動で子どもたちは伸びたと思う。
同時にまだまだと思った学習技能もいくつかあった。授業者としては,こちらに目が行く。(研究授業は自分の指導に不足な点を見つける場でもある。)

・プレゼン力。「聞き手を意識した発表」への道はまだまだだ。発表原稿をはっきりとわかりやすく読むこと自体が課題という子もいる。毎日各教科で行わなければ力は高まらない。
・感想を考える力。「自分なりの感想」はどの教科でも持てるはず。これも課題。
・書く力。ノート技能はだいぶ向上した。しかしながら,自分の気づきや感想を抵抗なく書くまでは至っていない。これも発展途上だ。

今回の授業では特にこの3点での課題を感じた。これらは社会のみではなく日々鍛えなければいけないことだ。
「(1カ月半で)よく鍛えましたね」という感想もあったが,まだまだ教えることはたくさん。研究授業はその確認の場になった。

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2005.05.19

北海道と沖縄の米作り1

明日は社会科の研究授業である。前時までのことを簡単に学級通信に書いた。紹介をする。

学級通信「ファンタジア」 第26号より

 今日は社会科の研究授業。学習する内容は「北海道と沖縄の米作り」です。
 教科書に出ているのは新潟県の例です。それらを一通り学習して,発展的な内容として子どもたちに聞きました。
 「他の都道府県の米作りをこれから調べます。どの都道府県を調べたいですか」と聞いて,圧倒的に多かったのが北海道と沖縄県の米作りだったのです。一番寒い地域と一番暖かい地域。子どもたちの興味が高いのももっともです。(他には東京も多かったです。これは「都会で米作りは行われているのか」という疑問です。)

 その学習方法ですが,今回は特別です。
① 基礎資料をしっかりと読む。
② テーマを決める(例:北海道の米作りの歴史,沖縄で作られている品種等)。グループ内で重ならないようにする。
③ テーマについて再度読み取り,気づいたことと感想をノートに書く。
④ 発表シートにキーワードをもとにまとめる。
⑤ 発表用の原稿を書く。
 基礎資料は子ども向けの学習参考図書やインターネット資料です。教科書にもけっこう難しい言葉が出てきて,国語辞典で時々調べていますが,この参考資料でも同様でわからない言葉がある時には,ひんぱんに辞典を引いていました。
 そして,子どもたちなりにキーワードを抜き出して,発表シートにまとめました。
 このようなシートを作るのは簡単そうに見えてけっこう難しいです。短くキーワードを抜き出すには,その内容のポイントを押さえていないとできません。的確に内容を理解するという学習も今回は出来ました。

 もちろんこれらは発表用のシートです。そのシートをそのまま読み上げるだけでは,意味がありません。発表用シートをもとに,くわしい内容の説明を今度はノートに書きます。これで発表用の準備はOKです。
 昨日は北海道は北海道,沖縄は沖縄のグループ内で発表をしました。
似た資料を使っていても,見方によって違う発表になっておもしろかったです。

 さて今日の研究授業です。今度は北海道グループ・沖縄グループのそれぞれの代表が全体の前で発表をします。それをもとに,北海道と沖縄の米作りの違いと共通点を考えます。
 この授業については次号で。

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2005.05.18

教師力UPセミナー2005のご案内

 私が所属する「授業づくりネットワーク」では2カ月に一回,連続ワークショップを行っています。今回は全生研の坂本泰造さんがメイン講師です。今まで直接お話を聞いたことはありませんが,『教師の力量をどう高めるか』『どの子も燃える授業の創造』等の著書は自分の若い頃の実践の参考になりました。
 お近くの方,いかがでしょうか。
 以下ご案内です。

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最近、授業中、子どもたちが教師の話を聞かなかったり、すぐに立ち歩きをはじめ てしまったり、そもそも教科書を出すことを拒んだりなど、授業成立がなかなかむず かしくなってきているようです。比喩的に言えば、いま、教室は「安定した草原」で はなく、「不安定な湿地」になってきたというふうに言えるのではないでしょう。
こうした中、いま「授業成立を支える基礎技術」がたいへんに強く求められています。
子どもを引きつける授業技術、子どもの集中力を生み出す授業技術、子どもたちがついてくる授業技術です。高度な技術ではダメです。誰にでもできる普通の授業を支える授業成立のための基礎技術が必要なのです。そうしたベーシックな教育技術を学ぶ機会をと考えて「連続ワークショップ-教師力UPセミナー2005-」を企画しました。
最近、授業が成り立たないことが増えたとお嘆きの方、子どもたちをもっと引きつける授業をしてみ たいと考えている方、授業の中で子どもたちの知的な学びを作りだしたいという方、ぜひこのセミナーに参加してみて下さい。きっと新しいヒントが見つかります。

■主催:NPO法人「授業づくりネットワーク」(理事長:上條晴夫)

■日時:6月4日(土)13:00~17:00

■場所:成蹊大学(最寄り駅・吉祥寺より徒歩15分)
  *JR中央・総武線、井の頭線、地下鉄「吉祥寺駅」下車。 吉祥寺駅前より関東バスで成蹊学園前下車(約10分)。   

■演題・講師:
(1)教科別基礎講座
  13:00~13:30 「これだけは身につけた国語の授業技術」
●講師:鈴木啓司氏
千葉県浦安市立見明川小学校。作文と」スピーチを一体化した指導に力を入れている。学習ゲーム研究会事務局。著書に『論理的な表現力を育てる学習ゲーム』(共著 学事出版)などがある。
 13:30~14:00 「これだけは身につけたい算数の授業技術」
●講師:竹松克昌氏
神奈川県茅ヶ崎市立緑が浜小学校。子どもたちが夢中になる算数ゲームの開発等、楽しくわかる授業づくりに取り組んでいる。

(2)特別テーマ講座
14:00~17:00 「ワークショップで学ぶ『楽しい授業づくり』」  
●講師:坂本泰造氏
1937年埼玉県秩父市に生まれる。元・埼玉県春日部市立備後小学校教諭。日本生活指導研究所所長。主な著書に『授業に挑む』『集中の授業づくり』『教師の力量をどう高めるか』『どの子も燃える授業の創造』などがある。

■定員:50名(定員になり次第締め切ります)

■参加費:2500円(授業づくりネットワーク会員:2000円)

★申込・問い合せ先
1)氏名、2)会員・一般の別、3)〒・住所、4)電話・FAX番号、5)勤務先、 6)メールアドレスを明記の上、下記あてにFAX、Eメールまたはハガキでお申し込み下さい。 
  授業づくりネットワーク事務局 担当:鈴木宣昭
  〒162-0814 新宿区新小川町6-12 TEL/FAX:03-3269-3715  
   Eメール:yoyaku@jugyo.jp

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2005.05.17

運動会余話

学級通信 ファンタジア 第23号より

★ 子どもたちにとっての大きな行事、運動会が終わりました。5年生の
運動会は当然一回きり。二度の順延にも関わらず子どもたちは全力を出し切ったと思います。紅組は惜しくも準優勝。9点差の敗退でした。それでも子どもたちは大事なものをたくさん学んだ運動会でした。

★ 今回、子どもたちに「運動会のめあて」を書かせた時に、一番多かったのが「徒競走をがんばる」というものでした。距離も100mと延びました。目標にしたのは、「最後まで全力で走り切る」ということ。その点ではどの子も合格だったと思います。初めて3位に入って喜ぶ子、残念ながらリボンがもらえなかった子等、陣地に戻ってくる姿は様々でした。私自身、小学生時代は3位以内に入ることができなかったので、悔しい思いをしていました。そのような思いを経験するのも貴重な機会です。

★ 綱引きについては今日に延びました。事前の練習では何度も負けていたので,子どもたちは作戦を熱心に考えました。
  しかし,残念ながら今日は完敗。特に一回目のお助け綱引きは一気に持っていかれました。2回目の陣取り綱引きも相手の力にどんどん綱を持っていかれました。この点は子どもたちも「負けは負け」というように完敗を認めていました。

★ 子どもたちの動きで感動をしたのが、応援と係活動です。全力で声援を送った応援。そしてきびきびとした係活動。「がんばっているなあ」と本当に思いました。特に6年生の騎馬戦の時には5年生の応援団がリーダーでした。6年生は大いに勇気づけられたことでしょう。係活動の中でも応援団は、休み時間・放課後返上で練習をしました。その成果が十分に表れました。
 
★ 紅白リレーメンバーもよくがんばりました。8人の子どもたちには、陣地に戻ってきた時に「がんばったね」という温かい言葉がかけられていました。リレー選手は、練習が終わり次第休む間もなく5時間目の授業でしたから大変だったと思います。しかし「学級の代表」という意識があるのでしょう。どの子もがんばりました。

★ 運動会が終わって、今日子どもたちに「運動会で学んだことは何か」 「自分たちにどのような力がついたか」を簡単に話し合わせました。子どもたちからは次のようなことが出てきました。

 ★ついた力・学んだこと
  ・すぐに整列できるようになった ・協力すること  ・りっぱな態度  ・全力で取り組むこと  ・指示する力
  ・大声を出す力  ・はずかしがらない力  ・注意する力  ・何事にもあきらめないこと 
  ・拍手が人をはげますこと   ・集中力

 これらの学びは次からのいろいろな活動に生きてきます。
 皆様、ご声援を本当にありがとうございました。

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2005.05.16

校内研に役立つ「初等教育資料」

教育雑誌で十数年定期購読している雑誌が十数冊ある。
その中の一つ「初等教育資料」(東洋館出版社)は定期的に重宝している。「定期的」と書いたのには理由がある。校内研で研究授業をする時に特に役立つからである。
今回,社会で発展的な学習を扱う研究授業を行う。今日はその指導案書き。
ある程度の理論的なことをもとに指導案を書きたい。そう考えて先週,教科調査官の文献を探した。
すると昨年の12月号にそのテーマがあった。
注目するキーワードを探す。

・発展的な学習は一人一人の学習状況に応じて行う学習である。
・発展的な学習は,身につけた基礎・基本を応用・発展させていく学習である
・社会科の発展的な学習には,「深める」タイプと「広める」タイプが考えられる。

「なるほど」と思いながら読んだ。これである程度構成が修正される。理論的にも強くなる。
改めて有難いと思う雑誌である。購読して熟読することはないが,資料としての保存性は本当に高い。
しかも,これらは定期購読している雑誌がない「図工」「音楽」「家庭」の情報が貴重な存在である。「320円」という価格が数倍でもいいと思う雑誌だ。

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2005.05.15

親としての運動会

「教師になってよかった」と思うことの方が日常で圧倒的に多い(私の場合にはほとんど)のだが,「教師になって仕方のないこと」の一つに「我が子の行事と重なる」ということがある。
特に運動会などは近くの地区は同じ日に開催されることが多い。今までも我が子の運動会と重なり,昼休みだけ抜けて昼食をとり,すぐに戻ってくるという先生方を見てきた。入学式,卒業式も自分が1年担任,6年担任だからやむをえず欠席という先生もいた。

その点,自分は恵まれていると運動会のたびに思う。我が子と同じ学校だからだ。
「同じ学校で大変じゃないですか?」
「困ることもあるのでは?」
と時々言われるが,実際は逆だ。当たり前のことながら,今回の運動会にしても全てを見ることができた。それが4年間。もし,宮古からの転勤の時に他校への勤務であったらこのようにいかなかった。その点では本当に幸いだった。徒競走やチャンスレースに出る姿を見て,「もう来年は高学年になるのか・・。早いものだ」とつくづく思った。

もちろん運動会だけではない。娘の学級の研究授業は自分にとっては保護者参観授業も兼ねているし (^^;,その他の行事もいい機会だ。つくづく有難いと思う。

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2005.05.14

知らなかった・・・

今日何げなくホームに設定しているヤフーのサイトを見ていたら「翻訳」の部分が目に入ってきた。
「ん?」と思いクリックしてみると,日本語を英語・韓国語・中国語に翻訳ができるサイトであった(もちろん逆もできる)。恥ずかしながら今まで知らなかった。今まで翻訳できるのはソフトを活用して・・・とばかり思っていた。
試しにあれこれやってみた。文章を英訳するのはほぼ正確。海外のホームページを日本語に訳すのは理解不能の部分もあるが,意味は読むとることができる。

こういうのを見つけるとどう授業に応用できるのか考えてしまう。6年生の社会の世界の国々の学習で生かせそうだ。総合で行っている英語学習でも使える。インターネットの便利さを感じる学習でも部分的に使えそう。海外との交流学習を考えている学校はすでに使っているだろうなあ・・・とあれこれ考えた。

教師は自分自身が英訳ができなくても,こういうwebがあることを知っておくべきだ。それも教師の役目の一つだと思う。

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2005.05.13

紹介されました

社会科教育」(明治図書)に「わが県の情報 ここにこの授業あり」というコーナーがあります。
6月号は岩手県の巻で,3人の教師が紹介されています。その中の一人として私が紹介されました。紹介してくださった方が知人(田村先生@釜石)という縁です。いずれ,紹介してくださったことはありがたいです。

内容は「地域のよさ・日本のよさを伝える授業」がメインになっています。確かに私のホームページもこのテーマが出発点です。ブログもそのことにちなんでいます。
最近はその面での実践が少なくなっているので,これからは意図的実践を増やしていかねば・・・と今回の紹介で感じました。

なお,一緒に紹介された千葉真先生は宮古時代の知人です。若き実践家で私も刺激を受けています。

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2005.05.12

同僚から学ぶ

運動会練習のピークである。今日は運動会予行。寒い中で子どもたちはよくがんばった。教室のヒーターが本当に気持ちよかっただろう。

さて,運動会練習は全て学年合同の授業だ。4クラスの担任が,それぞれ分担しながら指導する。つまり同僚の皆さんの指導を見ることになる。私以外の3人は30代前半。自分のその頃は,「仕事がおもしろい」と感じていた時期だ。
その先生方の指導を見て学ぶことが多い。「子どもたちへの趣意説明が的確」「図解で提示はわかりやすい」「メリハリがある」「この笑顔なら子どもたちも安心する」等々。自分を振り返る機会にもなる。

年齢を重ねるにつれて,いつしか年上より年下の同僚の方が多くなってきた。年齢を重ねれば自分が指摘されることは少なくなる。年上への遠慮だ。自分も遠慮していたからよくわかる。その点を自戒して同僚から学んでいきたい。

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2005.05.11

「読む」ことの大切さ

社会の研究授業を来週に控えている。行う単元は決まっているが,いつものペースで授業構想や指導案作りは一週間前からになりそうだ。もちろん,それに向けて助走はしている。

さて,子どもたちに社会科の基礎体力をつけさせるために今年は「読む」ことを取り入れようと思っている。たとえば翌日学習する範囲を3回読む,資料集を読む,というように。
というのも,産業の学習は子どもたちは授業で教科書を一読するだけでは理解できない部分が多そうだからだ。これは社会科関係の用語が子どもたちになじみがうすいことも原因の一つ。たとえば「稲」と「苗」の違いについても,「わからない」という子がけっこういた。事前に教科書を数回読むだけでも違う。これは自分も教科書を数回読めば違ってくるのと同じである。
資料集を読むのは「資料のありか」がパッとわかるようにだ。授業中に資料を探させても,子どもたちは初めて開くページなら戸惑うことが多い。「そういえば,似たことが書いていた」というように知っているだけで学習効率は大きく違う。
いずれ1学期は子どもたちの基礎体力をつけることにしよう。

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2005.05.10

チャンスと考えて

新採用の時に組合に加入してから20年になる。大学時代に石川達三の「人間の壁」に大いに共感をしたので,組合加入は自然の成り行きだった。ただ年数を経るとそれなりにしなければいけない組合の仕事も出てくる。今年は水沢支会副支会長。誰かがしなければいけない仕事だ。

今日は定期大会。新執行部としてのスタートだ。支部に比べたら行事等も少ないので,それほど大きな仕事というわけではない。その多くはない活動計画の中で「教育を語る会」という事業が目についた。これは親と教師で教育について懇談するものだ。一応予算もついているが,ここ数年行われてはいないようだ。(もっと長い期間かもしれない。)

ここで一つ「これはチャンスかも」と思った。予算があるということは,規模はどうであれ活動が保障されるということだ。今,親が興味がある「メディアに関する内容」はどうかと考えた。私がかつて出た「教育を語る会」はどうも堅苦しいものばかりだった。メディアというテーマだったら自分も貢献できる。一つの新しい活動のチャンスともなる。 「しなければいけない仕事」も考えようによっては「チャンス」となる。そう感じた。

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2005.05.09

自分への仕事メール

一昨日読んだ堀江さんの本の中に「仕事内容を自分にメール」というものがあった。
メールで仕事内容をリストアップし,それをチェック用にしていくというものである。終わったら,削除していく。
パソコンでなくても付箋紙で似たことをしている人は多いであろう。自分も時々そうしているし,パソコンに入力の手間ひまを考えたら,即その仕事をした方がいいだろう・・・と正直思った。

それでも,なぜか気になる。そこでものは試しということで,さっそく自分に仕事メールを送った。作成すべき文書をタイトルにする。締切日付も書く。本文はかかない。メールで自分に送受信。フォルダにさっそく仕事リストができた。この一週間あまりに書くべき文書は10(学級通信は除く)。その量の多さに改めて「取り組まなくちゃ」という気になった。二つのものを夜に終える。さっそく削除。気持ちのいいものだ。これらが「0」になるように仕事を追いかけなければいけない。
・・・・というように「どんどん片づける」という気になった。これは一つのメール効果なのかもしれない。もっとも,今日始めたばかり。今後どうなるか,もっと有効な手立てがあるかもしれない。それは自分でも楽しみながらやっていこう。

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2005.05.08

プロジェクト会議で学ぶこと

昨日,今日と2日連続で2つのプロジェクト会議に参加した。
どちらも密度の濃い内容であった。自分も提案する内容があり,有益なコメントをいただいた。その点では資料作成に時間をかけたかいがあった。

さて,プロジェクト参加の目的はあくまでも,そのプロジェクトのタスクを遂行する点にある。ただ,そのプロセスで学ぶこと・得るものは実に多い。たとえば・・・,

・リーダーの会議運営の仕方
・他の人の仕事の仕方
・書籍やwebの情報
・人とのネットワーク
・ものの見方・考え方
・そして何といっても「刺激」

聞くだけの研修会に参加することの比ではない。プロジェクトであれば当然提案の機会もあり,その分の準備にもかなりの時間を割く。その過程ですでに様々なことを学んでいるのだ。そういう意味でもプロジェクトに参加させていただいていることを,本当に有難く思う。

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2005.05.07

「100億稼ぐ仕事術」

新幹線車中で「100億稼ぐ仕事術」(堀江貴文著・SB文庫)を読んだ。他の方のブログにも時々出ていて知っていた本であるが,例の騒動の時は読む気がしなかった。騒動が終わってから本屋で目にして購入した。

今までもかなりの仕事術の本を読んできた。堀江氏の場合,特徴はやはりメール術にある。たとえばメール速読術。メールの書き方の本は読んだことがあるが,速読術は確かにない。「やるべき仕事は自分にメール」もなるほど。MLの効果的な活用は自分も様々なプロジェクトで経験している。そういうのが本校で何らかの形でできないかな~と思う。
この本を読んで自分はメールの機能をほとんど知っていないことがわかった。ちょっといろいろと試してみる価値はあるなと感じた本である。

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2005.05.06

「一言」でつながる

連休中に岩谷堂小時代の教頭先生に偶然お会いした。「やあやあ」と,両手で大きく握手された(これは一つのコミュニケーションの方法だなあ)。自分が30歳前後の頃である。

その教頭先生とのコミュニケーションで,実に印象的なことがあった。今と同様に毎日学級通信を発行していた。学級通信は管理職,その他教務・研究・生徒指導担当の先生方用に5部提出することになっていた。ほとんどの場合,提出して終わりである。
ところが教頭先生は,時々その学級通信に一言コメントを書いて戻してくれていた。「読ませますね~」「いい実践です」「ユーモアたっぷり。いいね子どもの作文は」といった本当に短いコメントだ。教頭先生からすれば,担任が子どもたちの家庭学習ノートに赤ペンを入れるように,先生方の通信を読んで赤ペンを入れたくなったのであろう。実際にその時にお会いした,この思い出話をしたら「そうだった。担任ができないから,少しでもその気持ちに近づくたくてしていた」と話されていた。

現在人数の多い職場(53人)にいる。なかなか話す時間もない先生方もいる。そういう学校ほど「一言」は大事だろうなあと思う。特に自分より年下が3分の2を占める今,そう思う。
(同僚に対して「メールを使って一言」ができるようになると,どんどん言えるんだけどなあ・・・。そういう環境ではない場合には,やはり付箋紙しかないか・・・。)

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2005.05.05

1カ月の成長

 時々「成長ノート」にミニ作文を書かせている。4月の終わりに「成長」というテーマで作文を書かせた。時間は10分ほど。私の意図した部分で子どもたちは成長している。そのことを自覚することも大切である。その紹介の場は今回は学級通信である。

学級通信「ファンタジア」 第17号
 
 5年生になって1カ月近くがたちました。子どもたちにこの1カ月を振り返るミニ作文を書かせました。その中から抜粋して子どもたちの成長ぶりを紹介します。

 5年生になってから,わたしは「5年生の責任感」というものが心についてきました。
わけは,クラブ,委員会,そして宿題を5年生で忘れないということを自分のしめいのように感じました。今までの5年生での生活はわくわく,どきどきでした。
 少し不安もありますが,どんなかべにもくじけずに,大きなかべをのりこえながらがんばっていきたいと思いました。

高学年になり「責任がある学年」ということを感じたのですね。自覚がつくと行動も変わってきます。積極的な立候補はその表れですね。

 わたしが5年生になってから成長したこと,のびたことは進んで立候補するということです。わたしは和太鼓クラブに入っています。去年の6年生が卒業して少なくなったので,新しい部長などを決めます。わたしは副部長になりたいと思ったので,手をあげたら本当になれました。
 わたしは5年生になるまで,めったに立候補していませんでした。でもなぜか5年生になってからは立候補する力がつきました。これからも進んで立候補したいです。               

 「立候補した瞬間に,君たちは成長をしている」と言ったことがありました。やる気が力もつくし,立候補もします。成長しましたね。

 私が成長したことは,友達にゆずるということです。4年生のころは,私は誰にもゆずれませんでした。
 でも5年生になると,友達がゆずっているのを見て,私はまねをしてやさしくなりたいなあと思いました。いろいろとゆずってもらって私はとってもうれしくなりました。それで私は自分もゆずろうと思って友達にゆずると,友達はとっても喜んでいました。
 ゆずると友達も喜ぶと私も喜びます。これからもゆずって,やさしくなって友達にやさしく喜んでもらいたいです。

 私がよく話すことが「ゆずる」ということです。これは他の人のことを考える第一歩です。友達から学び自分も実行する。すばらしいですね。

 5年になってから成長したこと,のびたことはがんばりノートを続けることです。4年生のころはチェックがそんなになかったから,「音読カードを出さなくてもいいや,がんばりノートを出さなくてもいいや」と思っていたけど,みんなで協力して家庭学習の全員提出を続けるようにみんなでがんばっているから,前の自分ではなく,新しい自分になろうと思いました。そして,今まで一回もまだがんばりノートと音読カードを忘れていません。
 私は3・4年の自分じゃなく,5年生の自分になれました。1年間,ずっと忘れないようにしたいです。       

 「継続は力なり」ですね。心構えがしっかりしていれば大丈夫です。今,学級で「連続全員提出」に挑戦をしています。皆がんばっています。

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2005.05.04

よき職場

JR西日本の事故のニュースを見て思うことがある。職場環境のことだ。運転士にはプレッシャーのあった職場。それを事故の原因の一つにあげている声もある。事故車両に乗っていながら,現場を離れ職場に行こうとしていた運転士にも,そうせざるをえないプレッシャーがあったのでは・・・という報道もあった。

自分は大学卒業後,一年間民間の小さな会社に籍を置いた。塾講師とセールスを兼ねた仕事である。厳しい職場だった。ミスをすれば思いっきり怒られた。不覚にも社長の前で泣いてしまったこともある。その分,同世代の同僚とは仲良くなり今も年賀状やメールのやりとりをしている。(ああ,会いたいなあ)

そういう経験を経て,学校現場に来て驚いた。先輩方がやさしい。管理職も自分のミスを指摘はするものの(見逃されたミスも多かったと思う),「こうするんだ」と教えてくれた。
若い自分にとっては「もっと厳しくてもいい。これが公務員の甘さか」と思った時もあった。でも,今考えるとこの初任校だったからこそ,自分はいい方向に向かったのだと思う。

・しめつけがなかった分,自分のしたいことができた(今考えたら周囲は「勝手な・・・」と思っていたかもしれないが)
・仕事は初任でも他の人と同様に任せられた。これで「自分で進んで学ぶのが大切」という意識を持つことができた。これがあれこれの研修に向かわせる布石となっている。
・会議時,初任の自分の提案も受け入れられた。これが「会議では積極的に発言」というモットーにつながっている。

あの頃の職場の大半は40代,50代だった。今自分がその年代になっている。初任者の研修システムも全く違う。その中で後輩たちのために何ができるか。考えていきたい。

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2005.05.03

社会の人々の立場で

今日,情報テキストの取材でスーパーマーケットに行った。担当の方に親切にご案内をいただき,目的としていた写真も撮ることができた。店員さんも皆明るく,「元気な職場」と感じた。お客さんもどっと入るわけである。

最後にお礼の述べて帰ろうとしたら,「一つお願いがあるのですが・・・」と話をされた。
それは「学校でのスーパーのポリ袋持参」のことだった。

「学校からのお便りで『スーパーの袋を5枚,持ってきてください』といったものがあります。わたしたちは環境のことを考えて,できるだけポリ袋を使わないことをすすめています。いろいろとご事情はあるでしょうが,可能ならば別の方法でも行うことはできないでしょうか」

確かに教室他のごみ箱にスーパーのポリ袋をセットして,ゴミが散らからないように回収できるようにしている学校は多いと思う。本校もそうだ。そして,その袋は家庭から子どもたちが持参している。
自分も子どもたちに呼びかける時に,ちらっと「スーパーの袋をもらわない人もいるかもしれないなあ・・・」と思い,「家にある人は持ってきて」というようにしている。

ただ,学校でも環境教育を推進しているのに,実際に「袋を持ってきて」と言うこと自体が,環境教育実践の考えとは逆なのは確かだ。
学校では社会で推進している教育もさまざま行っている。環境教育はもちろん,福祉教育,金銭教育,食育等。それらで実際に社会で推進している人々の立場に立って考えているだろうか。自分自身も今日の出来事で,社会のそういう人々の立場で考えていなかったことを反省した。だから,様々な社会の方々の話を聞く必要があるのだ。学校の中だけで考えてはいけない。

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2005.05.02

子どもたちが変えてくれた自分

昨日,「えさし藤原の郷」(NHK「義経」のロケ地)のイベントに行ったら,偶然教え子と再会した。7年前,3年生を担任していた時の子どもだ。今はもう高校2年生だ。
Cさんとわかった時に,一瞬のうちに7年前のその子とのやりとりが一気に蘇ってきた。離任式の時に,学級代表で花束を渡してくれたこと,一緒にもらった手紙に励まされたこと(遠い未知の地への転勤だった),ノート指導に力を入れた頃でいい感想をよく発表していたこと等・・・。話しているうちに,また次々と思い出が出てきた。Cさんも「そうだった。うん,うん」とうなずく。これが教師冥利というものだろう。仕事の思い出が一人の子の思い出とリンクしている。

さて,Cさんがいた平成9年度,3年1組は「自分を変えてくれた学級」だった。岩谷堂小学校勤務が7年目。毎年似た校務分掌。やや仕事にマンネリ化気味だった。今のようにプロジェクトに加わっているわけでもないし,小さい子が二人ということで自主研修の参加も少なかった。
そんな自分に「教師の仕事って本当に楽しい」という思いにしてくれた子どもたち。授業中の反応が活発。その学年の先生方を子どもたちは好きだった。休み時間も「先生,一緒にあそぼう」とずっと一年間誘ってくれた。楽しいと思えば,毎日の実践にも力が入ってくる。雑誌の依頼原稿も増えてきた頃で,マンネリ化という気持ちなどどこかに吹っ飛んでいた。

その時の子どもたちとの巡り会いを有難いことだったとつくづく思っている。

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2005.05.01

ブログ一周年

ちょうど1年前の今日からブログを始めた。
仕事日記は2年以上書いていたが,ブログを自分の実践や考えの発信の場として位置づけようと考えたからだ。だから,仕事日記は別サイトということで現在もかき分けている。
最初はネタにも困ることもあり,2日に一回ほどの発信だった。しかし,それではどうしても甘えてしまう。「これではいけない」と思い,途中から「原則毎日発信」を心がけた。そうなると,発信ネタを探さざるをえない。日記に書くネタはあるが・・・という時もあった。これが仕事日記とは違うところだ。
厳しい日もあったが何とかほぼ毎日発信を続けることができた。
見てくださる皆様がいるからこそ,発信への意欲もわく。改めて皆様に感謝したい。

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