北海道と沖縄県の米作り
金曜日の研究授業のことです。この日は子どもたちが調べた発表をもとに,「北海道と沖縄県の米作りの違いと共通点」を見つけるというものです。
最初子どもたちは次のような発表をしました。
□北海道の米作りグループ
・寒い気候のため,農業にはきびしい条件である。
・米の収穫量は全国でトップレベル。
・明治時代から外国から技術を取り入れた。
・Aランキングの「きらら397」が多く作付けされている。
・ビニールハウスでの苗作りといったように工夫をしている。
□沖縄県の米作りグループ
・暖かい気候であるが,台風や害虫の発生が多いため収穫量も多くない。
・岩手と同じように「ひとめぼれ」の生産が多い。
・二期作も行われている。
・二期作の場合には3月に田植えをスタートする。
子どもたちは,北海道と沖縄県のそれぞれの米作りの特色とその違いを理解することができました。でも,発表をしただけでは,子どもたちの社会的なものの見方・考え方は深まりません。そこで次のように聞きました。
「北海道と沖縄県の米作りで同じ点は何でしょうか」
子どもたちは一瞬「えっ?」といった表情をしました。しばしの沈黙が続きます。このような沈黙が私は好きです。子どもたちが一生懸命に思考活動をしているのが,伝わってくるからです。
やがて一人の子が「北海道は寒いです。沖縄は暖かくて害虫が発生しやすいです。どちらも米作りにはきびしい条件です」と発言したところから,子どもたちも,「自分たちの地域の気候や条件がどうであっても,努力や工夫をして米作りをしている」という共通点に気づいていきました。沈黙の時の子どもたちの表情が「なるほど」と変化をしてくるのがはっきりとわかりました。
・北海道はとても寒く米作には適していないが,ビニールハウスで苗を育てるなどの工夫をしている。沖縄は台風や害虫が多いが,二期作をする農家もあり,工夫をしている。北海道も沖縄も気候や害虫に負けないように努力している。
・北海道は,一期作だが,沖縄は二期作の農家もある。しかし,北海道や沖縄もきびしい気候を努力や工夫でのりこえている。
・北海道は寒いが米がよくとれる。沖縄県はあたたかいが米はよくとれない。どちらもきびしい環境を努力や工夫でのりこえている。
このようなまとめを子どもたちは書きました。
研究授業では他の先生方も十数人参観されました。子どもたちも4年生の時の担任の先生方が参観されるのを楽しみにしていたようでした。
「いい発言が出ていましたね」「成長しましたね」「ノートのとり方が進歩しましたね」といった子どもたちのよさを感想として言われました。嬉しいことです。子どもたちのがんばりが見えた研究授業でした。
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