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2005.07.02

学級通信特別エッセー2

昨日の学級通信特別エッセーの続きです。

■ 共に育つ関係をつくる
 子どもとは有り難い存在である。
 このような私の返事に対して、洋子は次のように日記に書いてきた。

【先生、昨日の返事、うれしかったです。やっぱり先生に話してよかったです。むねのもやもやもきえました。
 わたしが今まで日記をつづけていられたのは、先生の返事を読みたいからだと思います。
 3年生のはじめは、『美恵先生(1・2年の担任)ほどいい先生はいない』と思っていました。今回のことで先生のクラスになってよかったと思いました。】

 洋子の日記を読んで、「子どもに教えられるというのは、このようなことなんだな」と感じた。
 知らず知らずのうちにしている教師の失敗に対して、子どもたちはそれを失敗と思わず、自分の力で乗り越えようとする。子どもの持つ力の偉大さを垣間見た思いだった。
 そんな洋子に対して、次のような返事を書いた。

「このような日記を読むと、私も励まされます。ありがとう。教師も君たち子どもと同じで成長をするものです。特に、私のような若い、経験のあまりない先生たちは、成長しければいけません。洋子さんの昨日の日記を見て、考えさせられる点がありました。
 昨日のような日記をどんどんえんりょせず、書いてください。」

 よく「教育」は「共育」という言葉に置き換えられる。
 これは教師と子どもの関係にもあてはまる言葉だと思う。
 お互いに教え合い、そして共に育つ・・・教師にとって、いつも忘れてはならない大切な心構えである
 洋子との一件以来、私は子どもに対して、もっと敏感であろうと努めている。表面的な子どもだけではなく、心の動きに対してもである。
 それが、私にとり、教師として育つ場であることには間違いない。 
 (文中の氏名は私以外すべて仮名です。)        (おわり)

 これは、私が新採用で3年生を担任し、持ちあがりの4年生の時のことです。この子たちをその後5・6年と続けて持ちあがり、異例の4年連続の担任となりました。この子たちも、今はすでに29才。この「事件」の時の私の年齢(24才)を越えてしまいました。
 子どもたちが高校生や20才前後の頃はなかなか会う機会がなかったのですが、ここ数年は年に1~2回会うことがあります。この子どもたちの結婚披露宴に招待されるからです。その友達も数人招かれます。私にとっては十数年前にタイムスリップする瞬間です。子どもたちと会うと、一人一人の思い出が鮮明に蘇ってきます。一人一人の個性はいつまでも忘れられないものです。

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