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2005.07.15

授業成立の基礎技術 第2回 板書

私が編集統括をしているメールマガジン「授業成立プロジェクト」に、月一回「授業成立の基礎技術」というコラムを連載している。プロジェクトリーダーの上條晴夫氏の著書『子どものやる気と集中力を引き出す授業 30のコツ』(学事出版)の中から抜粋して、具体例を紹介するというものである。
今回は板書について書いた。

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 授業成立プロジェクトリーダーである上條晴夫氏の新著が『子どものやる気と集中力を引き出す授業 30のコツ』(学事出版)です。
 その中に「授業づくりの基礎技術 10のアイテム」という章があります。この授業スキル号では,この10の基礎技術を「紹介プラス具体例」という形でお伝えしたいと思います。今回はその2回目。板書です。

 上條氏は板書で次の2通りの教育技術をあげています。
・プレゼンテーション型の板書技術
・参加・体験型の板書技術

 「プレゼンテーション型の板書技術」は教師が書く板書です。子どもたちの理解を促すために、授業の流れや要点、必要な情報を板書します。子どもたちはその板書をもとにノートを取ります。いわば伝統的な技術です。「板書を見れば1時間の授業がわかる。そのような板書をしなさい」と初任の頃によく言われました。いわば教師の板書が「授業のノート」のような感じになります。

 それに対して「参加・体験型の板書技術」は子どもたちが書く板書のことです。伝統的な板書技術では「板書は教師のもの」という意識が強かったのですが、子どもたちに黒板が開放されるわけです。
 これは授業自体を大きく変化させます。教師と子どもとのやりとりだけではなく、子どもと子どものやりとりの比重が大きくなるからです。子どもたちの授業に対する興味も高まります。

 上條氏も「参加・体験型の板書技術」の役目として次のようなものをあげています。
1 教師の介入なしに子どもの生情報を共有できる。
2 ノートの内容を写す段階で本人が内容を吟味できる。
3 早く書けた子に書かせることで作業の時間差に対応できる。
4 できない子ができた子の板書を見てヒントにできる。
5 子どもたちの生の言葉を個別評価しやすい。

 実際に「参加・体験型の板書」をするようになるとそのメリットを実感します。
 たとえば俳句を作る授業で、早くできた子から板書します。早くできた子への時間差対応です。そして、これはなかなかできない子へのヒントにもなります。黒板に書かれている他の子の作品から「こう書けばいいんだ」というヒントをもらっているわけです。

 もちろん、子どもたちに開放させればいいだけではなく、そこには技術が必要です。「ノートに書かせてから板書させる」「箇条書きにさせる」「板書の位置を指定する」といったことです。
 私も黒板に書かせる時には、「・」の記号を事前にすばやく打ちます。そうすると子どもたちの書き出しの位置が統一され、見やすい板書となります。 

 授業成立の視点として考えれば、伝統的な板書方法である「プレゼンテーション型の板書技術」と新しい流れである「参加・体験型の板書技術」を、それぞれどのような授業の時に使っていくのか。その点を吟味する必要があるでしょう。

 次回取り上げるのは「ノート指導」です。

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