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2005.08.19

メルマガ原稿 ノート指導

今日発行した「メールマガジン・授業成立プロジェクト」の原稿です。

 授業成立プロジェクトリーダーである上條晴夫氏の新著が『子どものやる気と集中力を引き出す授業 30のコツ』(学事出版)です。
 その中に「授業づくりの基礎技術 10のアイテム」という章があります。この授業スキル号では,この10の基礎技術を「紹介プラス具体例」という形でお伝えしたいと思います。今回はその3回目。ノート指導です。

 上條氏はノート指導で次の4通りの機能をあげています。
・練習的機能・・・・・・漢字・計算の練習をする
・備忘録的機能・・・・・板書を写す
・整理・保存の機能・・・調べたことをまとめる
・探究的機能・・・・・・考えたことを深める

 このうち「練習的機能」と「備忘録的機能」は「情報を蓄積する機能」です。それに対して「整理・保存の機能」「探究的機能」は「情報を発信する機能」です。
 このようなノート指導の機能分けを自覚しているだけで、その指導のあり方は変わってきます。

 たとえば、「情報を蓄積する技能」は伝統的なノート指導であり、現在も比重が高いです。そこでは「蓄積する技能」が必要になります。「ていねいに書く」「線や番号を使う」「囲みで見やすくする」といったことです。このような技能は、教師が実際に板書して見本例を示すとできるようになります。
 さらにその技能を使う段階で、「番号を付けるとどのようなよさがありますか?」と聞きます。「番号を左端に並べるとそろって見やすい」「いくつ書いたかわかる」といった反応が出てきます。これが授業成立では大切です。ノート技能のよさを自覚すれば子どもたちは「使ってみよう」と意欲的になるからです。

 「情報を蓄積する技能」に対して「情報を発信する機能」は新しいノート指導です。蓄積とは違った技能が要求されます。この場合のポイントはノートに学習情報を「文として書く」ということです。
 たとえば「ナンバリング」です。「理由を、ナンバリングを使って書きなさい」と指示することで、「第一に・・・。第二に・・・」というように聞き手にとっても分かりやすい文章になります。
 また、「使う語句を指定する」ことも有効です。「『たとえば』を入れて書きなさい」と指示すれば、子どもたちは例を書こうと必死になります。
 これらの指導を初期段階で行い、発信用のノート技能を身につけることにより、「どう書けばいいかわからない」という子は減ります。教師も具体的な内容の指導に時間を割くことができます。これも授業成立のためには大切なことです。

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