小学MMに食育授業のことを書いた。授業した時点で書いたこととだぶっている部分もあるが、掲載をする。今回はその1である。
■ 食育プロジェクト授業
前回食育プロジェクトの話を書いた。
「子どもたちにバランスのとれた食事の重要性や、食事を楽しむことの大切さを知ってもらうこと」を目的に、マクドナルド、NHKエデュケーショナル、企業教育研究会がウェブサイト「食育の時間」を作った。このサイトを活用した授業をプロジェクト校5校が行うものである。
トップバッターは本校である。
9月5日~6日にかけて合計4時間、総合的な学習として授業を行った。当日はマクドナルド社、NHKエデュケーショナル、企業教育研究会から十数名、テレビ局や新聞社のマスコミも8社、そして本校の先生方も参観と多くのお客さんの前で授業をすることとなった。
■ 今回の授業で重視したこと
食育授業の必要性については言うまでもないであろう。「機会があれば授業をしたい」と考えている教師も多いと思われる。しかし、なかなかできない教師も多いのではないか。というのも、授業ですぐに活用できる資料やプランが少ないからである。
しかし今回はよりどころとなる資料(デジタル・コンテンツ)がある。あとは、自分の授業プランをどうするかだ。
まず、自分の中で次の点を重視して行おうと考えた。
1 デジタルコンテンツ「食育の時間」の特性を生かした内容にする。
2 理解だけではなく、子どもたちが学びを発信する活動を組み入れる。
3 栄養士をゲストティーチャーに招いて、プロとして話していただく。
「食育の時間」のコンテンツ(今回は「好きなものだけ食べちゃいけないの?」というサイトを扱う)は工夫されている。子どもたちが楽しめるアニメ、栄養素についてのくわしい説明、栄養素に関わるゲーム等、子どもたちにとって興味をひく内容である。ただ、それらも活用方法を間違うと生きたコンテンツにはならない。そこで次のようにした。
・アニメーションは興味づけだけではなく、学習の仕方のモデルとして扱う。
・ゲームも実際にさせるのは課外にして、献立プランの悪い例の提示用として活用する。
・栄養素での調べ活動はコンピュータルームで個々で行わせる。その他は一斉授業の中での提示とする。
私自身がポイントと考えたのは、デジタルコンテンツを主として一斉授業の中で活用するということである。調べ活動以外は普通教室の中でプロジェクターを使ってコンテンツを提示する。これが学習形態としては一番やりやすい。
子どもたちの発信活動としては「バランスのとれた食事プラン作り(一食分)」を考えた。しかし問題点があった。それは子どもたちが食材についての知識が乏しいし、料理経験も少ないということである。栄養素についても家庭
科では学習していない。その中での食事プラン作りは困難である。
しかし、何かしらの学びを発信させたい。というのも発信活動に取り組む過程で子どもたちは学び(今回であれば栄養素)を深めるからである。そこで、自分たちが食べたことのある給食の献立から選ぶという形をとった。これなら子どもたちも食事プラン作りができる。しかも、それについて栄養士からコメントももらうことにした。単に発信す
るだけではなく、プロの具体的な評価により学びはより深まると考えた。
■ 今回の授業プラン(4時間分)
□テーマ「好きなものだけ食べちゃいけないの?」
□1時間目
目標:自分の食生活に興味を持ち、同じ食事をとり続ける弊害について理解することができる。
1 食育サイトのアニメを視聴する。
2 自分たちの好きな食事を話し合う。
3 本時の課題を把握する。「同じものばかり食べていて困る点は何か。」
4 同じものばかり食べていて、困る点について予想する。
5 同じ食事をする弊害について知る。→「7つの栄養素」を活用して調べる。
6 学んだことをまとめる。
□2時間目
目標:バランスのとれた食事には栄養素が重要な役割を果たしていることを理解することができる。
1 本時の課題を把握する。「バランスのとれた食事に大切なものは何か」
2 栄養素について知っていることを発表する。
3 「バランスのとれた食事例」として給食について調べる。
→その日の給食の写真を提示し、食材の栄養素を確かめる。
4 給食の献立を作る時に何を大切にしているか考える。
→献立を作っている栄養士の話を聞く。
5 学んだことをまとめる。
□3~4時間目
目標:今まで学習したことをもとにバランスのとれた食事プランを考えることができる。
1 ゲームで一つ一つの食事には栄養成分に特色があることを確認する。
2 課題をつかむ。「バランスのとれた食事プランを作ろう」
3 個人で給食の献立をヒントに1回分の食事プランを作る。
4 食事プランを班内で発表をする。
5 友達の食事プランを見て、バランスのとれた食事で大切なことを考える。
→班の代表が発表し、栄養士からのコメントをもらう。
6 学んだことをまとめる。
(以下2に続く)
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