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September 2005

2005.09.30

個別的な声がけ

原稿のために参考文献を読んでいたら、古い資料にとある調査結果がのっていた。「担任にしてもらっていること」で日本の子どもたちが他国に比べ、「悩みを聞いてもらった」「先生からほめられた」「がんばったねと励まされた」の割合が極端に低いというのである。悩みは3%、ほめられた・励まされたは6%にすぎない。(「楽しい学級経営」明治図書・98年3月号)
実際にはほめられる回数は多いだろうが、結局子どもたちはほめられたと思っていないかもしれない。また、「個別的にほめる」ということしか子どもたちは答えなかったのかもしれない。

この「個別的な声がけ」が重要なのは言うまでもない。しかし、なかなか一日全員に励ましの声をかけるのは難しい。
そんな中「これはいいなあ」と思うのは、図工の時間だ。一人一人が違う場所を写生している。子どもたちに近づき、絵を指導する他に個別的な声がけをしている。内容は「この間の国語の発言よかったね」「いつも丁寧に字を書くけど、絵も同じだね」といったことだ。図工は全員を個別で励ますのにちょうどいい時間と改めて感じている。子どもたちとふれ合うゴールデンタイムである。

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2005.09.29

論文を書く

9月の大きな仕事である論文が書きが終了した。第31回全日本教育工学研究協議会長野大会のものだ。
3年前に情報教育をもっと学んでいこうと思ってから、日本教育工学会に長岡、岩手と参加をした。いつか学会で発表したいというのが夢であった。昨年度は学会そのものに参加できなかったので、今年こそと思っていた。幸い情報テキストプロジェクトに参加させていただいているので、発表の題材がある。チャンスということで、さっそく申し込んだ。

論文を書くことはやはり容易ではなかった。一番最初に書いた「目的」の部分は、何度も修正をした。自分の論文の新規性は何か。何を主張したいのか。そして先行実践は何か等々。書く前にいろいろな論文を読んでいたが、書いてから自分が悩んで改めて他の人の論文を見ると、見事に書かれているとしばしばだった。論文を書くということは、他の人の論文の見方を深めることということもわかった。「妥当性」「了解性」という視点も改めて理解をした。

今まで多くの研究紀要や応募論文を書いてきたが、こう考えると実践レポート的な色が強かったと思う。そして、今回論文を書いてみて、改めて論文をもっと書かねば!と感じた。本物の実践を行い、レポートという形だけではなく、論文という形で年に何回は書きたいと思っている。

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2005.09.28

「百聞は一見にしかず」

学級通信ファンタジア 94号より

 昨日は校外学習でした。やはり「百聞は一見にしかず」。子どもたちにとって価値あるものとなりました。

 最初は江刺にある東京エレクトロン。半導体を製造する機械を作るメーカーです。最初の説明はプレゼンのスライドで。20分ほどしてからさっそく見学です。ちょっとしたちりやほこりも大敵ということで子どもたちも帽子と白衣を着ました。
 工場の内部では検査をする人、組み立てをする人等が働いています。写真とは違ってその様子を見るだけで印象に残ります。実際の機械が安くて4千万円、高いものになると数億円と聞いて子どもたちは驚いていました。しかも最終工程では完全にきれいな環境でということで、立ち入り禁止で窓から見ました。それぐらい管理が徹底しています。
 工場の施設にも驚くばかりでした。中でも巨大エレベーターに特別に乗せてもらいました。100人ぐらいは入るもので、一回の稼働で電気代が千円かかるとのことでした。こういうエレベーターがなければ大型機械も移動できないことを実感しました。
 見学をしたのにおみやげとして飲み物とシャープペンシルをいただきました。

  次に市立図書館の近くにあるめんこい美術館です。ここは無料なのですが、学区外ということで子どもたちの多くが初めてです。写真と個展が開かれていたほかにコンチュウの展示をしていました。子どもたちも様々なコンチュウを見て「すごい」「おもしろい」と話していました。

 午後は水沢テレビです。これは社会で「情報を伝える人々」という学習を11月ごろにしますが、その内容です。
 6月にジャストシステムの取材授業でお世話になった小野さんに再度説明をしていただきました。聞きながら、「なるほど。プロはここまでするのか」ということがいくつもありました。たとえば、「約50人」と言わず、「およそ50人」とアナウンサーは言うそうです。「やくごじゅうにん」が発音によって、「ひゃくごじゅうにん」に聞こえる場合があるかもしれないからです。また、紹介する名前には知っている人でも必ずふりがなをふって確認をするということでした。まさに「正確な報道」です。
 さて、今回は子どもたちにとってお楽しみの体験がありました。アナウンサーとディレクター体験です。希望者殺到で数人だけの限定でしたが、この経験は実際にニュース番組を作る時のイメージになりました。水沢テレビさんにはボールペンをいただきました。

 子どもたちにとってはとても価値ある体験になった校外学習。次号では感想を紹介します。

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2005.09.27

海外研の仕事

今日海外研の総会・壮行会が終わった。事務局の自分にとっては大きな仕事であった。
これは海外派遣者の地区の集まりである。会員は79名。現職は校長・教頭が多く事務局としてはあれこれ気を遣うことも多い。

正直,この事務局をしていてプラスとなることが多いとは言えない。事務仕事に時間は必要だし(9月だけで3日分の勤務の時間は割いただろう),それらは学校ではできない。これからも事務仕事で銀行や郵便局に勤務後にいかなければいけなし,なかなか会費も集まらない。おおよそ授業とは関わりのない仕事である。

それでも事務局をなぜするのか。
一つは自分に依頼された仕事だからだ。何度も書いているが,人が自分を依頼してくるというのはやはり有り難いことだと考えなければけない。
もう一つは海外研修に行ったことの恩返しだ。自分の場合には60日間,公費をいただいて行ってきた。私費ではないのだから,何かしら人の役に立てるようになりたいという思いがある。それが事務局の仕事を行う原動力になっている。
あと半年。この会で何ができるか考えていこう。

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2005.09.26

今週の本棚

執筆活動が多くなると読書が滞る。
自分の脳みそを活性化させるためにも,執筆の時ほど読書をすべきなのだが。それでもやはりできない。フラッと書店にも行くことすら1週間ほどしなかった。何とかこの10日間ほどで読んだのは,家の中にある本。そのうちから2冊。

1 「プロ教師は授業改革に挑戦する」(有田和正著・明治図書) 学校公開研究会が10月12日にある。自分は社会の授業を行う。指導案はもう提出しているので,あとは授業のみ。2月の有田先生を迎えての研修会の時の「もっとこだわりのある授業を」というコメントがずっと残っている。改めてこの本を読み,「こだわり」の重要性を感じた。それにしても研究会についての章はごもっとも。「研究会で本当のことをいわない」「帳面消しの形式的研究授業」「口のうまい人が『やり手』になっている」。自戒したい。

2 「40代でしなければならない50のこと」(中谷彰宏・ダイヤモンド社)
 40代も3年が過ぎた。あっという間だ。改めてこの本を読む。40代になってからこそ人生は楽し!というメッセージがたくさんだった。「コーチの年になっても,コーチについて学ぼう」「『謝れなくなること』を老化という」「余裕のない人に,笑顔はない」など,今の自分にスーッと入ってくる。

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2005.09.25

原稿は依頼されたらすぐに書き出す

「ぼうけん」というメールマガジンがある。発行部数2600部という人気教育メルマガだ。日本基礎学習ゲーム研究会が発行をしている。
今日のメルマガで会の会長の横山験也氏が日記に,「原稿依頼を受けたらその日に書き始める」ということを書かれていた。依頼文を読んでいるうちに,脳も体もテンションが上がるからというのがその理由だ。
これはよくわかる。自分も依頼された時点でパッとひらめいてメモをすることがよくある。もっともメモだけで終わって,結局は締め切りぎりぎりとなってしまうのだが。

やはりポイントは「書き出すこと」と感じた。メモではない。昨日紹介した中谷さんの本にも「企画書を話し合っている相手の前で書き出す」ということが書かれていた(ちなみに「企画書は5分で仕上げるもの」とも中谷さんは言っている)。ちなみに書き出すことによって締め切り日が迫ってきたという重圧もなくなるとのこと。これは心理的に重要だ。締め切りという重圧は自分の場合,いい方向に働かないからである。

すべきことがあったら,依頼された日に取りかかる。それもメモだけではない。途中まででいいから書き出すこと。これから実行してみよう。

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2005.09.24

スピードアップの言葉

今日の日中は珍しく2階の書斎コーナーで仕事。
ここで仕事をするよさは気分転換をする時にそばに好みの本があること。自分へ気合いを入れるために、「大人のスピード仕事術」(中谷彰宏・ダイヤモンド社)に手が伸びる。今の自分に関わる言葉がどんどん目に入ってくる。

・企画書なんか5分で書けなければ成功しない
・スピードからゆとりが生まれる
・会議も商談も予定の5分前に終わらせる人が成功する
・億万長者は忙しいからジムに通う
・「いつか」「そのうち」「まもなく」に締め切りをつける
・「早く成功したい」と宣言すればスピードは速くなる

これくらいにしておこう。まだまだ自分に入ってくる言葉はある。今の自分への励まし。もっともっと自分はできる・・・そんな気にさせる本である。

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2005.09.23

助走が大事

2学期になってから仕事に追われている状態が続いている。(正確に言えば夏休みから?)
仕事といっても急遽入ってきたものはなし。公開授業についても研究にしても原稿にもしても事務局の仕事も、ある程度の時間を与えられたり、予告されていたものだ。
「依頼された仕事は断らない」が自分の原則だ。自分への頼み事なのだから有り難いという考えで、今まで引き受けてきた。
ここ数年いろいろな仕事の依頼が増えたり、自分の興味も広がったりで仕事は加速度的に増えてきた。もちろん、原則は変えるつもりはないし、一つ一つの仕事の精度もアップさせようと思っている。

そのような思いの中で現実に仕事に追われているのであれば、仕事のしかたを変えるしかないと思う。今、反省していることは「助走不足」だ。仕事があることはわかっているのだが、「後回し。まずは目の前のこと」と考えて行っているので、結局締め切りぎりぎりで吟味をすることになってしまう。準備運動なしでいきなり全力疾走するようなものだ。
先の仕事のことを時々考えて思いついたことを記していく・・・今までそのようにしてやっていたのが、このごろはやりきれていない。これを行っていれば仕事に取りかかった時にすぐに走り出すことができる。

もろもろの仕事は10月はじめで一段落する。その時点からスタートしようと思っている。

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2005.09.22

考えを深める

学級通信 ファンタジア 90号

 道徳は子どもたちが好きな学習です。副読本の話を読むことも好きなのですが、何よりも自分の考えを素直に話し合うことができるのがいいのだと思います。
 今日、「おじいさんのあたたかな目」という内容を学習しました。「ぼく」が、家族だけではなく近所のおじいさん等に声をかけられながら成長してきたというのを自覚する話です。
 内容について深めた後に子どもたちに聞きました。

 君たちは誰のおかげで成長したのでしょうか。

 子どもたちは最初、「お父さんやお母さんが、食事の世話をしてくれている」「家族が身の回りの世話をしてくれている」というように家族のことが中心でした。家族のことが最初に出てくる・・・これは自然です。
 「家族だけのおかげで成長したのでしょうか?」と深く聞くと、次々と今までの経験が出てきました。

・先生方から勉強のことをいろいろと教えてもらった。
・友達が悩みを聞いてくれたり、一緒に遊んでくれたりした。
・お父さんもお母さんもいない時に、親せきの人のお世話になった。
・生まれた時などは看護婦さんのお世話になる・・・・等。

 道徳の副読本と同様に子どもたちは今までいろいろな人のお世話になっていることに気づきました。

・家族や先生や親せきや友だちや近所の人たちにたくさんいいことをしてもらっていることがわかりました。だから次に会った時には恩返しをしたいです。
・考えてみるといろいろな人に支えられて生きているんだなあと思いました。私が支える側にまわった時にはいろいろな人を支えたいと思いました。
・いつもお世話になっているのは家族くらいしか思いつかなかったけど、考えるとこんなにいろいろな人からお世話になっているんだなあと思いました。
・こんなにお世話をしてもらって私は、うれしくなりました。私はあまり思いつかなかったけど、友達の発表を聞いていると私が今までお世話してもらったことを思い出しました。私もお世話をしてみんなを喜ばせたいです。

 感想から「今までの自分の考えが広がった」ことがわかると思います。その点では道徳というのは大切な学習です。

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2005.09.21

デジタルコンテンツを使った食育授業2

■ 生きたコンテンツとゲストティーチャー

 実際の授業。デジタルコンテンツのよさが随所で生きた。

・最初のアニメ。内容は「好きなものの話し合いで肉ばかり食べている子がいる。その子はどこが悪いと開き直っている。なぜ同じものばかり食べちゃいけないの?」というものである。子どもたちが興味を持って見ている。ユー
モアもあるアニメに、多くのお客さんに緊張していた子どもたちも笑顔になった。「同じように好きなものを話し合いなさい」という指示にもすぐに子どもたちは取り組んだ。アニメでイメージができていたからであろう。

・栄養素の調べ活動。ここでは「同じものばかり食べるとどうなるか」ということを調べることが一番の目的である。その点を一つのコンテンツを使って個々で調べる。適切な内容が子ども向けに書かれているだけに、子どもたち
は読み取って自分なりの感想をノートに書いていた。検索等でむだな時間を費やさず(栄養のサイトは大人向けのものがほとんど)、効果的に調べることができた。

・ゲームでは、一つのメニューの栄養素のバランスが示される。教師は偏った食事をあえて提示する。子どもたちからは「エー」「それじゃダメだよ」という声。トータルの栄養素は完全に偏った結果が出てきた。ゲームも使い方に
よっては例示の資料となるのである。

 また、子どもたちが考えた食事プランについての栄養士のコメントには感心した。栄養素を考えたら一見理想的と見える子どもたちのプランにも、組み合わせの問題があったり、「旬のものを使うとさらによい」といった新たな視点があったりと私自身も聞いていて納得するコメントばかりだった。それは参観者も同様であり、栄養士の話に子どもたちの後ろで参観者が大きくうなずくのが授業をしながらよくわかった。

■ 子どもたちの変容

 子どもたちはどのような感想を持ったのか。最後の時間の感想を紹介する。

★今日は食事プランを自分で作ってみて、栄養に気をつかってみたけど、栄養士の先生のアドバイスを聞いて、これから自分の食生活でもちゃんとバランスを考えて、いろいろなものを食べてみようと思いました。このプランをもとにして、家でもこのメニューを作ってみようと思いました。

★学んだことは自分の好きなものだけ食べてしまうと、バランス良く食べられないので、嫌いなものも食べなければいけないんだと思いました。これからも食事プラン作りのようにきちんと栄養を考えて食べたいです。

★自分で栄養素がとれていると思っても栄養士の先生に聞いてみると、栄養素が少し足りないと言われていました。食事プランを作ってみて楽しかったです。選ぶのに悩んでこれにしました。給食も残さず食べるようにしたいです。

★今日は自分では栄養をとっているといってもかんぺきには選ばれていないことがわかりました。食事をとるときには、ちゃんとバランスがいい食事をとることが大切だと思いました。組み合わせをよくして食べたいです。

★食事プラン作りをして栄養のバランスがいい食事を作るのはとてもむずかしいことだと学びました。これからはなるべく栄養のバランスがいい食事を食べようと思いました。あと出されたものは残さないようにしようと思いました。

 4時間という限られた時間ではあったが、目標を子どもたちはほぼ達成できたと思う。この感想からも分かるが、その後の給食に対する興味も指導前と比べて高まった。その点では価値のある学習ができたと言える。
 むろん、この授業で改善すべき点はいくつもあるだろう。たとえば、「一つのコンテンツだけではなく、違う方法・違う資料も活用する方がより正確な情報を得る点ではよい」「給食の献立で食事プランを立てるのではなく、やはり食材中心に考えるべき」といったことだ。その点は今後の検討課題としたい。

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2005.09.20

デジタルコンテンツを使った食育授業1

小学MMに食育授業のことを書いた。授業した時点で書いたこととだぶっている部分もあるが、掲載をする。今回はその1である。

■ 食育プロジェクト授業

 前回食育プロジェクトの話を書いた。
 「子どもたちにバランスのとれた食事の重要性や、食事を楽しむことの大切さを知ってもらうこと」を目的に、マクドナルド、NHKエデュケーショナル、企業教育研究会がウェブサイト「食育の時間」を作った。このサイトを活用した授業をプロジェクト校5校が行うものである。
 トップバッターは本校である。
 9月5日~6日にかけて合計4時間、総合的な学習として授業を行った。当日はマクドナルド社、NHKエデュケーショナル、企業教育研究会から十数名、テレビ局や新聞社のマスコミも8社、そして本校の先生方も参観と多くのお客さんの前で授業をすることとなった。

■ 今回の授業で重視したこと

 食育授業の必要性については言うまでもないであろう。「機会があれば授業をしたい」と考えている教師も多いと思われる。しかし、なかなかできない教師も多いのではないか。というのも、授業ですぐに活用できる資料やプランが少ないからである。
 しかし今回はよりどころとなる資料(デジタル・コンテンツ)がある。あとは、自分の授業プランをどうするかだ。
 まず、自分の中で次の点を重視して行おうと考えた。

1 デジタルコンテンツ「食育の時間」の特性を生かした内容にする。
2 理解だけではなく、子どもたちが学びを発信する活動を組み入れる。
3 栄養士をゲストティーチャーに招いて、プロとして話していただく。

 「食育の時間」のコンテンツ(今回は「好きなものだけ食べちゃいけないの?」というサイトを扱う)は工夫されている。子どもたちが楽しめるアニメ、栄養素についてのくわしい説明、栄養素に関わるゲーム等、子どもたちにとって興味をひく内容である。ただ、それらも活用方法を間違うと生きたコンテンツにはならない。そこで次のようにした。

・アニメーションは興味づけだけではなく、学習の仕方のモデルとして扱う。
・ゲームも実際にさせるのは課外にして、献立プランの悪い例の提示用として活用する。
・栄養素での調べ活動はコンピュータルームで個々で行わせる。その他は一斉授業の中での提示とする。

 私自身がポイントと考えたのは、デジタルコンテンツを主として一斉授業の中で活用するということである。調べ活動以外は普通教室の中でプロジェクターを使ってコンテンツを提示する。これが学習形態としては一番やりやすい。

 子どもたちの発信活動としては「バランスのとれた食事プラン作り(一食分)」を考えた。しかし問題点があった。それは子どもたちが食材についての知識が乏しいし、料理経験も少ないということである。栄養素についても家庭
科では学習していない。その中での食事プラン作りは困難である。
 しかし、何かしらの学びを発信させたい。というのも発信活動に取り組む過程で子どもたちは学び(今回であれば栄養素)を深めるからである。そこで、自分たちが食べたことのある給食の献立から選ぶという形をとった。これなら子どもたちも食事プラン作りができる。しかも、それについて栄養士からコメントももらうことにした。単に発信す
るだけではなく、プロの具体的な評価により学びはより深まると考えた。

■ 今回の授業プラン(4時間分)

□テーマ「好きなものだけ食べちゃいけないの?」

□1時間目
目標:自分の食生活に興味を持ち、同じ食事をとり続ける弊害について理解することができる。
1 食育サイトのアニメを視聴する。
2 自分たちの好きな食事を話し合う。
3 本時の課題を把握する。「同じものばかり食べていて困る点は何か。」
4 同じものばかり食べていて、困る点について予想する。
5 同じ食事をする弊害について知る。→「7つの栄養素」を活用して調べる。
6 学んだことをまとめる。

□2時間目
目標:バランスのとれた食事には栄養素が重要な役割を果たしていることを理解することができる。
1 本時の課題を把握する。「バランスのとれた食事に大切なものは何か」
2 栄養素について知っていることを発表する。
3 「バランスのとれた食事例」として給食について調べる。
 →その日の給食の写真を提示し、食材の栄養素を確かめる。
4 給食の献立を作る時に何を大切にしているか考える。
 →献立を作っている栄養士の話を聞く。
5 学んだことをまとめる。

□3~4時間目
目標:今まで学習したことをもとにバランスのとれた食事プランを考えることができる。
1 ゲームで一つ一つの食事には栄養成分に特色があることを確認する。
2 課題をつかむ。「バランスのとれた食事プランを作ろう」
3 個人で給食の献立をヒントに1回分の食事プランを作る。
4 食事プランを班内で発表をする。
5 友達の食事プランを見て、バランスのとれた食事で大切なことを考える。
 →班の代表が発表し、栄養士からのコメントをもらう。
6 学んだことをまとめる。

(以下2に続く)

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2005.09.19

対談の難しさ

今日一つの新しい経験をさせてもらった。
本の「対談」である。
雑誌や本の対談コーナーは自分はよく読む。その人の本音が語られているものが多くおもしろいからである。同時に、「語るべきもの」がないと難しいんだろうなあ・・・と思っていた。

さて、自分がその立場になってみると・・・やはりそうであった。自分の主張、考えが日常的に表現できていないと思っていることは語るべきものには転化しない。難しい。つくづく感じた。これは考えだけではない。自分の実践を語る時だってどうだ。相手がイメージがわくように語ることの難しさ。

そう考えると対談やパネルディスカッションをする人、コメンテーターというのは本当に難しい仕事をしているのだと思う。今後に役立ついい経験をさせてもらった。

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2005.09.18

自分ブランド

雑誌「THE21」(PHP研究所)を読んだ。
特集は「1億円出してもほしい人 タダでもいらない人」が目に入っての購入である。刺激的なタイトルである。実際にカリスマ社長がインタビューに答えている。「ほしい人」だったら、「できるレベルが高い人」「自分の売りをわかっている人」というように。「いらない人」は共通している。「誠実ではない人」「他人のせいにする人」「周りを腐らせてしまう人」等だ。学級経営で子どもたちに語る人物論にも通じるところがある。

さて、この雑誌の中で「自分ブランド」という言葉を目にした。初めてではない。どこかで聞いたことはあった。しかし、1億円出してもほしい人という中で、「自分の売りがわかっている人」というキーワードに共感して読んだ直後だけに心に残った。
あこがれ、誇り、強い存在感。それが「自分ブランド」を持っている人である。「あの人は〇〇の実践がすごい」「〇〇の論を持っている」というものだ。自分の場合には何か。「地域のよさ・日本のよさを伝える授業」「社会」「情報教育」「ノート指導」・・・・いくつかのキーワードは浮かぶがどれも「これ」という決め手に欠ける。
その点ではこれから「自分ブランドの確立プラン」が必要である。これは何も自分の「得意分野」だけではないと思っている。新しい分野にもそのヒントがあるのではないかと思っている。

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2005.09.17

お月見

 毎年行っている定番の授業があります。これはお月見の時にするミニミニ授業です。

学級通信 ファンタジア 89号より
 
 昨日の給食は「お月見給食」でした。栗ご飯によしの汁。秋の味覚がたっぷりです。しかもお月見団子。子どもたちも満足でした。その時ふと思ったのが、「子どもたちはお月見の由来や話を知っているのかな?」ということです。
 急遽5時間目の最初にお月見ミニミニ特別授業をしました。

★ お月見の日は別名何と言われていますか。
  知らない子の方が多かったのですが、何人かの子は、「十五夜」というように知っていました。

★そうです。十五夜です。「中秋の名月」とも言われています。この行事は、中国で始まったものです。実は、この中秋の名月には、別の名前がついています。□名月(板書)と言われています。□には食べ物の名前が入ります。何だと思いますか。 

 「栗」「団子」といったように、十五夜に関係のある食べ物や秋の味覚が出てきました。数人して「芋」が出てきました。

★答えは「芋名月」です。秋は食べ物が実る季節です。その食べ物を誰よりも早く、偉大なる月にささげるためにお供えをするのがこの十五夜なのです。では、芋の他にどんなものをお供えしますか。

 家でお供えの経験のある子の方が少なかったですが、知識として絵を見ているためか、子どもたちからは、「団子」「栗」「ススキ」「くだもの」とすぐに出てきました。

★そうですね。実はススキと団子の数は決まっています。いくつですか。
 これは十五とすぐに出てきました。十五夜からの連想です。(もっとも地方によっては違うところもあるようです)

★日本では昔からこのようにお供えをして、お月見をすることが行われてきました。今から200~300年ぐらい前の江戸時代は、一回だけではなく、3回もしていたそうです。俳句に月のことを詠む人もいました。「名月や池をめぐりて夜もすがら」(松尾芭蕉)というようにです。

★使い終わったススキは捨てない地方もあるそうです。庭や門や田んぼに刺すそうです。何のためにそうすると思いますか。
「たくさんお米がとれるように」「魔よけ」といった答えが出てきました。

★答えは魔よけです。イネがススキのように丈夫に育つようにと願いを込めたのです。私たちの祖先は、実りの秋に感謝をして、食べ物をお供えし
て、お月見を楽しんできました。お月見の日は昔の人のような気持ちになってお月見をしてみませんか。

・なぜススキを使うのかがわからなかったけど、意味がわかりました。
・お月見がずっと昔からあったことを知ってびっくりしました。
・昔からのいい伝えは考えたことがなかったけど、よくわかってよかったです。

 子どもたちの感想です。日本の古来のことについて知識を広げることができたと思います。

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2005.09.16

授業成立の技術 机間指導

メールマガジン「授業成立プロジェクト」第15号に寄稿した原稿です。

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 授業成立プロジェクトリーダーである上條晴夫氏の新著が『子どものやる気と集中力を引き出す授業 30のコツ
』(学事出版)です。
 その中に「授業づくりの基礎技術 10のアイテム」という章があります。この授業スキル号では,この10の基礎技術を「紹介プラス具体例」という形でお伝えしたいと思います。今回はその4回目。机間指導です。

 上條氏は机間指導の機能として次の3つをあげています。

・点検・診断・・・学びの準備や実態を把握し考察する活動
・指導・助言・・・個々の子どもに応じた個別的な言葉かけの活動
・観察・激励・・・不安や自信のなさに対するケア的な活動

 多くの教師にとって個別指導で思い浮かぶのは、「つまずきのある子の指導」ではないかと思います。算数で問題を出します。各自が問題を解く中、困っている子がいます。すぐにその子に個別指導をします。
 これは大切なことです。ただ、先の上條氏の機能から考えると、「机間指導=つまずきのある子への指導」という発想は、指導のごく一部ということがわかります。

 たとえば、子どもたちが予想以上に問題が解くことができないのであれば、活動を途中で切り上げて授業方法を変えることができます。「点検・診断」の機能を生かした例です。「指導・助言」もつまずきのある子のためだ
けのものではありません。早々と課題を終える子には、学習をより深化させる助言が必要です。

 そして何よりも、机間指導は一人一人を「観察」し、「激励」するチャンスです。課題を解いていようが、解けまいが子どもたちに声をかけたり、ノートに花丸をつけたりすることは学級全員に対してできます。そのことが子どもたちの意欲につながり、授業への積極的な参加が期待できます。

 こう考えると個別指導には、つまずきのある子だけではなく、学級全員を授業に参加させる重要な要素があるということが言えます。上條氏が示した3つの機能を的確に活用していくことが大切と考えます。

 次回取り上げるのは「指示」です。

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2005.09.15

3年生との交流

 異学年交流のことを学級通信に書いた。相手学級の先生にもこの学級通信を机上に置いた(他学級の先生に関わりがある時には、そうしている)。そうしたら、「よかったら、先生の学級通信を1枚読ませてくださいませんか」と購読を申し込まれた。勉強熱心な先生だ。そういう先生に読んでもらえるのは有り難いことだ。

学級通信 ファンタジア 第87号より
 
 昨日の朝活動は異学年との交流活動でした。これは児童会主催で行われるもので、1・6年生がペア、2・5年がペア、そして5年生は3年生とペアを組みます。5年1組は抽選で3年3組とペア学級になりました。

 このような異学年交流というの価値ある活動だと考えています。というのも、その活動から学ぶ点が多くあるからです。今回、5年生からすれば、自分たちが企画運営の中心になります。3年生をリードする立場になるわけです。リードする立場に立つことによって、指示することの大切さ、盛り上げることの大切さ等が見えてきます。それは、今後の学級の活動にも生かすことができるわけです。

 交流の方法はそれぞれの1班同士というように行います。6人ぐらいずつの人数でできることをします。実は一回目の顔合わせの時には、反省点が多く(「はやく終わりすぎた」「集中していない人がいた」)、今回は十分に話し合いをして臨みました。内容は「ドッジボール」「けいどろ」「鬼ごっこ」「ボール鬼ごっこ」等、3年生と一緒に活動できる内容です。

 大声を出し、時には3年生に配慮をしながら、自分たちも楽しく遊ぶ姿が印象的でした。終了時点では汗がびっしょりです。

■よかった点
・みんなが協力して楽しくやったこと
・みんなが楽しく行い、盛り上がった。
・みんなで楽しくできた。話を聞いてくれた。友達になれた。
・楽しく交流ができた。
・スムーズに交流会が進んだ。
・3年生にボールを投げるのをゆずった。
■課題
・話す声が小さかった
・最初のときに少し間があった
・もっと会話をすればよかった。
・ボールをゆずらなかったり、3年生に本気で投げたりしてしまった。

 終わったあとで学級に戻り反省をしました。上記のように、交流会がうまくいったことを自分たちで評価をしていました。これは自分たちの自信にもなったことと思います。機会があれば、再度楽しみたいと思いました。

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2005.09.14

「学校マネジメント」

月刊誌の中で今年度注目をしているものの一つが「学校マネジメント」(明治図書)である。数年前まで「学校運営研究」という雑誌名だったが、名称を変更してからよりテーマが斬新になった気がする。管理職を主に対象とする雑誌ではあるが、学校づくりは管理職だけが行うものではないと考える。教職員全員が学校づくりという視点で仕事をしていくと、もっともっと学校は変わると思う。

今月号も連載の玉置先生の「校長日記」から読む。特集テーマでは雪プロの新保先生と割石先生が執筆されている。やはり知っている先生方の原稿には目がいく。お三人とも歯切れのいい文章だ。
今月特に注目したのが岡本薫氏の「敗戦の教訓が生かされていない」だ。問題点を「現状認識」「原因究明」「目標設定」「手段開発」「集団意志形成」という観点から述べている。その具体的な論じ方に感心。こういう学習も自分には必要だなあ。

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2005.09.13

和文化

10月号の雑誌が届いた。ここ数ヶ月、雑誌が届いた時期に限ってすべきことがあり、すぐに読むことができなかった。今月は即読むことができる。

さて、同じ月の雑誌で似た特集をする場合がある。「それぐらい注目されているもの」と考えている。今月は「総合的学習を創る」(明治図書)の特集が「国際理解和文化-基本教材リスト100選」、「ツーウェイ」(明治図書)の特集が「伝統的教育文化を現在に生かす」と似ていた。しかも、自分のホームページのテーマに直結するものである。
この和文化は兵庫教育大学の中村哲先生が提唱されているものである。中村先生は私の大学時代(秋田大学)に社会科教育でお世話になった。当時の著名な実践を教材として学生に分析させていた。どれもすばらしい実践ばかりで感心していたが、それをズバリ問題点を指摘する。自分が社会科教育が好きになった理由の一つにこの講義があげられる。中村先生は「和文化の風」というwebでその主張を行っている。

「ツーウェイ」誌では日常の授業の中でできる伝統的教育文化を紹介している。具体的な授業場面を紹介している点は参考になる。

子どもたちに「日本のよさ」を感じ取らせたい。その思いで作った我がホームページ。2誌がとりあげているということは、ニーズがあるということだ。これを機会に実践化を試みたい。

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2005.09.12

今年の水泳

学年水泳記録会も先週終わった。
1学期は雨の日も結構多く、思う存分水泳ができなかったが、2学期からはいい天気で子どもたちもぐんぐんと記録を伸ばしていった。個々の力に合わせて、一人一人が達成感を持つことができた今年の水泳であった。「水の神パフォーマンス」は今年もウケた。しばらしくは「あっ、水の神」と指さされることを楽しめそうだ。
さて、子どもたちの感想から今年の作文を振り返ろう。

学級通信 ファンタジア 第84号より

 前号に続き、今年の水泳についてです。(子どもたちの作文は抜粋です)

   今年の水泳について
 私は4年生の水泳記録会で初めて25mを泳げたので、また25mを泳げる自信がありませんでした。
 最初の水泳の日に25mを泳げるかどうかはかりました。結果は泳げました。とてもうれしかったです。私はそれから25mを泳げるという自信を持ちました。
 それからターンの練習をいとこから教わりました。でもあまりできなかったので記録会は25mを泳ぐことにしました。でもターンはできるようになったので、良かったです。
 水泳記録会ではあまり天気が良くなくてくもりだったけど、記録会ができて良かったです。うきわリレーでも2位になってよかったです。(A子)

 昨年は25mを泳ぐことができ、今年はその25mを楽に泳ぐことができたと思います。その点で成長していますね。来年は50mですね。

   水泳記録会の感想
 今年の水泳記録会では50m自由形にぼくは出ました。ぼくは、2位か3位でした。1位になれなかったので、くやしかったです。来年の記録会では絶対に1位になりたいです。来年はタイムも短くしたいです。リレーでは全体の3位だったので、1位になりたいです。
 今年の水泳記録会ではあまりいい記録を出せませんでした。でも楽しかったのでよかったです。来年は絶対に楽しく、すばやく1位になるためにがんばりたいです。
 来年もリレーの選手になりたいです。そのためには、今のタイムよりももっとはやくなるようにがんばりたいです。来年こそは、ぜったい1位になりたいです。(B)

 個人の記録も水泳記録会では大切ですが、学級がみんなで応援するリレーも大切です。今回の選手リレーは3位。来年の目標ができましたね。

   今年の水泳
 今年の水泳では、昨年の水泳よりレベルアップすることができました。
 一つ目は50mを泳げるようになったことです。4年生の時は、25mしか泳げませんでした。けれど、5年生になって夏休みに練習したら50mを泳げるようになりました。よかったです。
 二つ目は平泳ぎができるようになったことです。ぼくは、クロールしか泳げませんでした。でも平泳ぎができるようになり、水泳記録会では25mを泳ぎました。結果は38秒でした。ぼくはいいのか悪いのか分かりませんでしたが、まあまあいいと思いました。
 今年の水泳はとても楽しかったです。(C)

 一つの泳ぎだけではなく、複数の泳ぎができるようになったということも大切ですね。自信をもって来年の水泳をすることができますね。

 先週の水泳記録会で今年の水泳は終わりです。どの子も成長が見られた今年の水泳でした。

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2005.09.11

歴史と海外事情

今日は衆議院選挙日。投票後、朝のTBS「サンデーモーニング」で特集を見た。
その中で日本の選挙制度の歴史について紹介をしていた。考えてみれば、選挙制度について自分は中選挙区と小選挙区・比例代表制しか知らない。すると戦前の多くの期間が大選挙区制であったし、戦後も一度は大選挙区制で行っている。合わせてこの選挙区制度を外国の例と比較もしていた。

一つの事象を考える時のヒントになるのが、歴史と海外事情である。その比較により、物事の見方も深まる。大学で「教育学研究室」にいた自分は、「教育の歴史・海外事情」についても少しは学んだ。今日のテレビを見て、改めて勉強をすることは価値があることだと感じた。外国の情報教育の様子を学ぶことも今の自分に必要なことだと思っている。

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2005.09.10

校長通信

昨日紹介した「学力はこうして伸ばす!」(陰山英男・学研)の付録CDに校長通信が載っている。保護者向けに校長が通信を出す。もちろんそれは事務的な連絡や呼びかけが多い「学校通信」とは別物であろう。
「学校の情報公開」「校長の考えを示す」という点で、保護者には有り難いものであろう。
この通信の特徴はデータをどんどん出している点だ。学力テストの結果、保護者の教師への信頼度等、通常であれば公開を迷うかもしれないデータ(でも、それは保護者が知りたい情報でもある)を出す。そして、その結果を分析・考察したものを通信に書く。保護者はより学校に関心を持つ。同時に校長先生の存在も改めて感じる。やはりその意義は大きい。

初任校時代、保護者向けに通信を出す校長先生がいた。週に一回、B4サイズに2枚、ガリ切りの通信で学校の中での子どもたちのエピソードを中心に考察を交えて発行をしていた。保護者への啓発を意図としていた。その頃の保護者の学校への参加は盛んだったし、PTA総会への参加率も高かった。

何も文書でなくてもよい。webでもいいだろう。大事なのは保護者が知りたい情報を発信し続けることだと改めて感じる。

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2005.09.09

今週の本棚

今週は3冊。

1 「学力はこう伸ばす!」(陰山英男・学習研究社)来年度からの転身が話題の陰山氏の書。いろいろと批判もあるが、「学力をつける」ために様々な工夫を氏が行ってきたことがわかる。一緒についているCDにはプリントや授業映像も入っており、実にお得である。

2 「食の教育QA事典」(戸井和彦編著・明治図書)
食育プロジェクトのためにいくつか読んだ文献の一つ。基本的なことが一通りわかる。やはりこの小事典シリーズは役に立つ。

3 「日本が子どもたちに教えなかったこと」(金美齢・PHP研究所)
題名にひかれて購入。「学校で何を学ぶのか」「責任ある社会をつくるために」と教育を考えるヒントもたくさん。

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2005.09.08

食育授業 子どもたちの感想

食育授業ネタが続いたが今回が最後。
子どもたちがどんなことを学んだのか。具体的な感想で記録に残しておく。

★今日は食事プランを自分で作ってみて、栄養に気をつかってみたけど、栄養士の先生のアドバイスを聞いて、これから自分の食生活でもちゃんとバランスを考えて、いろいろなものを食べてみようと思いました。このプランをもとにして、家でもこのメニューを作ってみようと思いました。

★学んだことは自分の好きなものだけ食べてしまうと、バランス良く食べられないので、嫌いなものも食べなければいけないんだと思いました。これからも食事プラン作りのようにきちんと栄養を考えて食べたいです。

★自分で栄養素がとれていると思っても栄養士の先生に聞いてみると、栄養素が少し足りないと言われていました。食事プランを作ってみて楽しかったです。選ぶのに悩んでこれにしました。給食も残さず食べるようにしたいです。

★今日は自分では栄養をとっているといってもかんぺきには選ばれていないことがわかりました。食事をとるときには、ちゃんとバランスがいい食事をとることが大切だと思いました。組み合わせをよくして食べたいです。

★食事プラン作りをして栄養のバランスがいい食事を作るのはとてもむずかしいことだと学びました。これからはなるべく栄養のバランスがいい食事を食べようと思いました。あと出されたものは残さないようにしようと思いました。

子どもたちがいい学びをしたことがわかる。
ただ、この授業のことで今日は一つのことで対応。やはりいろいろなことを考える人もいるものだ。一つの勉強として記憶しておこう。

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2005.09.07

食育プロジェクト

昨日、一昨日の授業の様子がようやく新聞に掲載。
ネット上にあるのが、こちらこちら。好意的な報道で何より。
マスコミに取り上げてもらうことを目的に行っているわけではない。しかし、今回は食育プロジェクトの一回目の授業。プロジェクトからすれば、広く知ってもらうという点でマスコミでより多く取りあげられることの価値は大きい。のちほどwebにも掲載されるようなので、その時に改めて紹介をする。

また、ザビエルのわくわく授業が再放送されるかもしれないという連絡。そうなったら有り難いことだ。これも決定したらお知らせしたい。

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2005.09.06

やはりプロ

今日は前日に続き食育の授業。次のような流れである(2時間分)

■目標
  今まで学習したことをもとにバランスのとれた食事プランを考えることができる。
1 ゲームで一つ一つの食事には栄養成分に特色があることを確認する。
2 課題をつかむ。「バランスのとれた食事プランを作ろう」
3 個人で1回分の食事プランを作る。
4 食事プランを班内で発表をする。
5 友達の食事プランを見て、バランスのとれた食事で大切なことを考える。
  (代表の発表、栄養士さんからのコメント)
6 学んだことをまとめる。

子どもたちが食育で学ぶ場合に、「子どもたち自身が発信する活動が必要」と考え、食事プランを考えさせた。しかし、実際の調理経験も少なく知識もあまりない(小学校家庭科でも6年生で朝食の計画を立てるぐらいだ)子どもたちにとっては難しいので、給食の献立をヒント教材として与えた。子どもたちはそれをもとに自分なりの食事プランを立て、発表をすることができた。
さて、今日感じたのは「やはりプロ」ということである。

一つ目はコンテンツについて。
ここで言うゲームとは「食育の時間」の「ぱくぱくクック」というものである。いくつかの食事を組み合わせて、栄養のバランスがどれくらいかわかるものである。7月の1回目の会議の時に、このゲームは組み合わせの合計がでないしくみになっていた。「選んで終わり」である。そこで、「これらの合計がどれくらいなのか出なければゲーム教材としては、活用しにくい。」と意見を述べていた。そこで、さっそくその要望を聞き入れて手直しをしていただいた。

二つ目は栄養士さんである。
本校の栄養士さんに班代表の子どもたちの献立へのコメントを発表後にすぐに話してもらった。バランスだけではなく、組み合わせのこと、旬のこと等、的確なコメントばかりだった。子どもたちもうなずいていたが、後ろのお客さん方も大きくうなずいていたのが印象的だった。これもやはりプロだからである。

その点では今回の授業は企業研究会、企業、NHK、栄養士さんとそれぞれのプロの協力によって行われた授業である。このような授業が子どもたちのためには今後必要なことと思われる。

なお、この食育の授業は9月27日にNHK主催で開かれる食育のシンポジウムで活用されるということである。そのシンポジウムは、11月にNHKの番組となって放送される。決定したら紹介をしたい。

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2005.09.05

食育について学ぶ

今日が食育授業の日。
授業については2時間。次のような流れで行った。

■1時間目(5校時)
1 食育サイトのアニメを視聴する。
2 自分たちの好きな食事を話し合う。
3 本時の課題を把握する。「同じものばかり食べていて困る点は何か。」
4 同じものばかり食べていて、困る点について予想する。
5 同じ食事をする弊害について知る。
6 学んだことをまとめる。
■2時間目(6校時)
1 本時の課題を把握する。「バランスのとれた食事に大切なものは何か」
2 栄養素について知っていることを発表する。
3 「バランスのとれた食事例」として給食について調べる。
4 給食の献立を作る時に何を大切にしているか考える。
5 学んだことをまとめる。

流れ自体はオーソドックスだと思う。
しかし、自分にとっては実に有り難いプロジェクトである。というのも今まで食育について一度も本格的に授業をしたことがなかったからである。
いくつかの文献を読む。それによって学ぶ。今回は一からの連続だった。法律面のことも多く知ったし、興味も広がった。企業のコンテンツを使う意味も考えることができた。
その点では、プロジェクトに参加する有り難さを改めて感じた。
今回の授業でプロジェクトは終了ではない。むしろスタートだ。食育についてもっと学んでいこう。

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2005.09.04

食育プロジェクト授業

2学期もいくつかの公開授業がある。
先週は学研NEWの取材授業。今週は食育プロジェクトの授業だ。

これは、マクドナルド、企業教育研究会、NHKエデュケーショナルが一緒になって作ったwebサイト「食育の時間」を活用して、食育の授業をするものである。7月にwebが立ち上げられ、記者会見も行われた。その時の様子はこちら。
依頼してくださった藤川先生(千葉大学)、箕輪さん(NHK)は4年前にNHK「体験!メディアのABC」プロジェクトでお世話になった。自分が初めて参加した本格的プロジェクトだった。堀田先生ともこのプロジェクトで出会った。これ以降自分の仕事はどんどん広がっていった。いわば教師生活でターニングポイントとなったプロジェクトだった。

そのお二人からの依頼である。喜んで引き受けた。
全国で5校がプロジェクトに参加しており、私がトップバッターとして授業をする。一回目ということでマクドナルド、企業教育研究会、NHKエデュケーショナルから十数名が参観する。岩手朝日テレビ、めんこいテレビ、水沢テレビでもニュースで放送予定である(明日の予定だが、4時過ぎまで取材して間に合うのかな?とも思う)。地元紙数社も取り上げるし、読売新聞は別の機会(特集?)に掲載予定のようだ。

次の公開授業は10月。これは学校全体の市指定の公開授業だ。このような元気な後輩も参観に来るようだ。楽しみである。

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2005.09.03

本を編集しています

今日は重要な仕事をいくつか行う。
その中で、「ITミニネタ本」の原稿を読んだ。以前も読んだのだが、3時間ぐらいかけて読んだ。上條晴夫氏と私が編集代表で取り組んでいる本である。ライターは東北地区の情報教育メンバー。情報教育をずっと長く行っている頼もしいメンバーである。私が「こんな本があるといい」ということをメールしたことがきっかけで、編集になっている。

さて、編集という目で原稿を読むとやはり違う。一人一人の個性もわかるし、「こういう写真はいいなあ」と思うし、この実践は追試したくなるいい原稿と感じる。じっくりと何度も読むからわかることだ。
逆に「ここは自分にはわかるが、初心者には難しいか?」「人によって書き方がまちまち」といったところも見えてくる。これも編集の大事な仕事だと思っている。

2人での編集ということで、上條氏はプロット、全体設計、最終チェック、最終判断等を行い、私自身は実務を進めている。上條氏の動きを見ていると、やはり多くの本を編集されただけあって、判断がはやい。特に困ったことが起きた時はそうだ。これも勉強になる。

この本は10月下旬~11月にかけて完成予定だ。実際に完成してからまた紹介しよう。

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2005.09.02

学研NEW取材授業4 子どもの感想

学級通信 ファンタジア 77号より

 一昨日の取材授業について子どもたちが家庭学習で感想を書きました。3人分、紹介をします。(作文は抜粋です)

 今日、キーボー島を作った堀田先生が学校に来た。ぼくはびっくりした。キーボー島の画面をいろいろクリックすると堀田先生がうつっている。その堀田先生が学校に来ると聞いた時にはまさかとおどろいた。ぼくは、キーボー島が大好きなので、うれしかったです。
 そして、堀田先生が来た。ぼくがノートに勉強の事を書いていると、よこで堀田先生がノートをカメラでとってくれたのでとてもうれしかったです。ぼくのことが「ざっしにのるのかな」と今もどきどきしています。ざっしがいつ渡されるのかはやく知りたいです。ぼくのノートがのっていたら、すごくうれしいです。家の人にもすぐに見せたいです。
 堀田先生にもまた水沢小学校に来てほしいです。(A)
 
 確かにみんながキーボード練習をしている「キーボー島」は堀田先生の設計です。縁があります。掲示板にもこの出会いを書いていましたね。

 今日の国語と社会の取材授業で私はとてもきんちょうしました。でもはじまったら、だんだんきんちょうもしなくなったのでよかったです。前に、給食をいっしょに食べることは聞いていたけど、本当に食べるとは思いませんでした。
 授業ではいつもよりけっこう発表できたので、うれしかったです。取材授業は、これで2~3回目ぐらいなので、今度はもっと発表したいです。
それに、今回の取材授業でインタビューの仕方もよくわかりました。感想やまとめも言った方がいいということもわかりました。
 社会では、工場は広くて特色はこうりつ的なんだなあとみんなの発表を聞いてよくわかりました。よくわかりあえてうれしかったです。(B)

 国語の授業も社会の授業も、みんなが意見を出したのでいい学習ができました。ノートによく書いているとほめられましたよ。

 今日はわざわざ東京と静岡から取材に来てくれました。二人とてもとてもやさしくよかったです。
 給食もいっしょに食べられてよかったです。いっぱいお話ができてよかったです。プールで25m泳げた話などをしたら、「すごい、すごい」とほめられたのでよかったです。
 教科書もかすことができてうれしかったです。
 私は社会がにがてだから、きらいと思っていたけど、この勉強をして大好きになりました。よかったです。今度はマクドナルドの人たちが来るのでその時もがんばりたいです。(C)

 編集者の木島さんと一緒の給食でほめていただいたのですね。よかったですね。お客さんとあれこれ話すこともいい経験だと思います。

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2005.09.01

学研NEW取材授業3 堀田先生

今回の取材授業で、「堀田先生はどのような視点で授業参観をするか」ということに興味があった。授業者だから、じっくりと見ることができなかった(当然だ)が、一部は垣間見ることができた。気づいた点を記す。

1 子どもたちの名前を即座に覚える
参観後のインタビューで授業のことを振り返る。その時に堀田先生から子どもたちの実名がよく出てきた。どれも正確。これには驚いた。実名があがれば話も分かりやすい。

2 子どもたちとの対話から授業や学級経営を推測できる
また子どもたちとよく話をする。今回は給食も一緒だから、その時に同じ班の子にあれこれ聞いていた。定番の質問もあるようだ。「先生はルールを破った時にはとても厳しい」とA君が言っていたと堀田先生から教えられた。それは確かに自分の学級経営観の一つである。またある子には「先生の授業はどんな授業?」と聞いていたようだ(これは子どもの日記から知った)。これは私も聞きたい質問だ。

3 資料を見る目
今回の取材授業の準備で私がうっかり失敗したことがあった。指導案を渡したものの使う資料のコピーを渡していなかった。堀田先生は、授業中に子どもたちの教科書やスクリーンに写した写真や図を見るしかなかったはずである。それでも即座に30日のブログにあるようなコメントができる。これは資料を見る目の鋭さがあるからこそである。

4 一流の講演
本校での講演はわずか40分あまり。クラブや陸上等で5・6年生は全員が5時まで活動する日。先生方も全員が何らかの担当になっている。でも、15人もの先生方が担当をやりくりして参加してくださった。「やはり皆情報教育を学びたいのだ」と実感。テーマは「授業でのIT活用 ここからスタート」。本校の先生方が講演の間にどんどんと意識が変わっていくのがわかった。うなずきの声が大きくなる。堀田先生の質問にもどんどん答える。笑い声も大きくなる・・・。
何と言っても翌日先生方から言われたことがそのすばらしさを物語っている。ベテランの先生が、「本当に充実した講演だった。わかりやすいし、間もばっちり。なかなか聞けない」と話していたし、若手の先生が「私もITを取り入れようと思います!」と私に元気よく話してくれた。
「人を元気にする。やる気に火をつける」・・・これが一流の証であろう。

というわけで私にとってはもちろん、本校の先生方にとっても実に有り難い取材授業だった。また、子どもたちもほめていただい点も有り難かった。編集者の木島さんもこの点は同様で、一緒に給食を食べた子どもが「25m泳げたことを話したら木島さんに『すごい、すごい』と言われてうれしかった」と日記に書いていた。感謝あるのみ。

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