ものの見方や考え方を育てる社会科1
小学校MM「私の教材開発物語」より
■ 特色は「社会的なものの見方や考え方を育てる」
10月12日(木)に本校の学校公開研究会が行われた。
国語・社会・算数・理科の4部会があり、私は社会部会の所属をしている。岩手県では校内研究の対象の多くが国語と算数である。数年前は、発足時ということがあって総合的な学習の時間が多かったが、学力低下の声を反映して現在は国語と算数の研究が多い。
いずれにしても、近年社会科を校内研究の対象とする学校は稀であり、授業後の分科会では社会科好きの教師の熱心な話し合いが行われた。
本校社会科部会のテーマは「自ら問いを解決し、社会的なものの見方や考え方を育てる学習指導」である。
ここで言う「自ら問いを解決する」ということは、社会科の場合、ただ単に問いの答えを見つけるという意味ではない。「今までの学習活動を通して得た知識や概念、学習技能を活用して、問いを自ら見つけ、それを追究し解決する」という一連の学習活動を指している。子どもたちはその過程で、社会的事象に対する知識や考えを得る。
しかし、問題解決的な学習で得た考えは、時として表面的である。そこで意図的に子どもたちの思考を深める場を設定し、社会的事象に対する自分なりの目を育てることが大切と考える。これが「社会的なものの見方や考え方を育てる」ということである。
本校の研究はこの「社会的なものの見方や考え方を育てる」という部分が一番の特色である。ただ単に学習内容を理解する社会科ではないのである。
■ 公開授業「未来の自動車プラン」
私自身が公開した授業は「未来の自動車プラン」(5年・社会)というものである。
これは「工業生産を支える人々」の中の一つの学習である。「自動車工場のしくみ」「自動車工場で働く人々」「関連工場」「自動車の運輸」等について学習したあとに、「これからの自動車」について学ぶ箇所が教科書(教育出版)にある。
「安全に対する取り組み」「リサイクルに対する取り組み」といったことである。
それらはあくまでも現実の取り組まれていることである。それをベースに次のような指導計画を立てた。
□1時間目
・課題を把握する。「未来の自動車プランを立てよう」
・現在どのような自動車の開発が取り組まれているか、教科書から概略を学ぶ。
・自分が調べてみたい分野を決める。(教科書に掲載している「安全」「福祉」「環境」「リサイクル」の分野から一つ選ぶ)
□2~4時間目
・希望分野ごとにグループを決める。→「安全」2グループ、「福祉」1グループ、「環境」2グループ、「リサイクル」2グループ
・調べる視点を確認する。次の4つ。
→「問題点」「人々の願い」「現在の取り組み」「未来の自動車プラン」
・各グループで資料集、本、事典、インターネット等で調べる。
・グループごとに3枚の画用紙に「箇条書き」と「図・絵・表」でまとめる。
・同じグループで発表しあい、次時での全体発表での代表グループを決める。
□5時間目(公開授業)
・課題を確認する。「未来の自動車プランを発表しあい、これからの自動車作りについて考えよう」
・代表4グループが発表する。他グループは付け加えをする。
・各分野の主張をキーワードでまとめる。
・第2課題「どれも大事だが、この中で優先するものはどれか」を検討する。
・自分なりの考えをまとめる。
(明日に続く)
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