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2006.02.28

模擬授業で学ぶ(上)

小学MMに連載している原稿である。上と下に分けて紹介をする。

■ 2つの模擬授業

 この1カ月間に教師対象の模擬授業を2回行った。
1回目は1月27日。宮城県登米市立北方小学校に招かれてのミニ講演で社会の模擬授業を行った。2回目は2月14日。文科省主催「ICT利活用促進セミナー」岩手会場でIT活用についての模擬授業を行った。
 日頃、発表や話をする機会は時々ある。しかし、模擬授業については校内以外ではしたことはなかった。その点で自分にとっては貴重な体験となった。

■ 発問の組み立てを意識した模擬授業

 登米市立北方小学校には「授業づくり研修会」で招かれた。北方小学校の職員はもちろん、近隣の学校の先生方も来校された。国語の研究授業の後、研究会(助言)、その後ミニ講演会という段取りである。
 当日の授業の様子は北方小学校研究主任・皆川寛氏のブログに詳しい様子が書かれている

 講演のテーマは「学力向上に効く授業づくり~ノート指導を生かして~」である。内容は次の3本立て。

1 私の授業づくり
2 模擬授業(社会)
3 ノート指導のコツ

 模擬授業を途中に組み入れたのは1の授業づくりの組み立て例を、実際の模擬授業で感じてほしかったからだ。しかも、1と3の内容は参観者がずっと聞き手の立場となる。そこに模擬授業が入れば、雰囲気も変わると考えてだ。
 自分が計画した模擬授業の時間は10分。内容は小学校5年生の社会科。ポイントは「教科書資料の発問の組み立て」である。10分程度の模擬授業の場合にはこのように何らかのテーマを絞っておくとよい。

 実際に模擬授業で使う資料は、環境の単元にある植林活動をする漁師さんたちの写真である。山に大漁旗が広がっているユニークなものだ。子どもたちだけではなく、教師も興味がわく写真である。
 その写真を最初プロジェクタでスクリーンに大写しし、次の4つの発問を行った。

・何が見えますか。(基本情報の確認)
・わかること、思ったことを書きなさい。(情報を作り、広げる)
・誰が、何をしているのでしょうか。(情報を学習内容に絞り込む)
・なぜ漁師なのに、山に木を植えているのでしょうか。(中心発問)

 それまで授業づくりの話でやや固かった雰囲気が模擬授業によって、変わった。参加者は子どもの立場での参加。実際に発問に対する答えを書いていただいた。ユニークな答えに思わず笑いも出て、4つの発問による模擬授業は終わった。
 終了後、私から模擬授業のミニ解説を行った。先の発問のかっこの部分である。「情報蓄積」という視点から見れば、一つ一つの発問が違うことがわかる。
 ただ単に模擬授業を行うだけではなく、このような解説をつけることにより、参加者は授業理解の一助になると感じた。(つづく)

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