模擬授業で学ぶ(下)
小学MMの原稿より。昨日の続きである。
■IT活用のイメージを広げる模擬授業
文科省主催「ICT利活用促進セミナー」は、全国の各都道府県で2月以降に行われているものである。
セミナーのきっかけは文部科学大臣小坂氏の「教育の情報化の推進のための緊急メッセージ」である。
国が策定した「教育の情報化」の目標の達成は困難な現状である。そして、このような計画でセミナーが開催されることになった。
この中の模擬授業を30分間、行うのである。IT活用の研修会は参加者の実態を考えて内容を決めなければいけないが、今回の参加者は小学校・中学校・高校・養護学校の先生方および指導主事等の行政関係者である。経験も初心者から情報教育に詳しい人まで様々ということであった。
そこで、様々なIT活用場面を提示することにした。幅広い参加者ということで3教科を2場面ずつ、つまり6種類のIT活用を扱うことにした。一つの場面は4分ぐらいだが、これも模擬授業だからできることだ。内容は次の通りである。
1 社会・プロジェクタで大写しした写真を読み取る。
2 社会・プロジェクタで大写しした資料(グラフ)の一部を編集して(隠して)、話し合いをして読み取る。
3 体育・デジタルコンテンツで側転のテクニカルポイントを話し合う。
4 体育・実際に側転をしてもらい、それをデジカメの動画撮影で振り返る。
5 算数・パワーポイントで作ったフラッシュ暗算に挑戦する。
6 算数・面積を求める問題の考え方を実物投影機で操作活動を拡大提示する。
会場では実際に実物投影機やデジカメ等を参加者に使って発表をしてもらった。IT活用の具体的なイメージを持つことができたと思われる。私からは、1教科終了ごとに他の活用例について、写真を使ってプレゼンをした。参加者がうなずきながらスクリーンを見つめる姿が印象的だった。
■ 2つの模擬授業で得をした
この2つの模擬授業で得をしたのは実は自分自身である。次のようなメリットがあった。
1 模擬授業の準備のために自分の実践を見直した。
→自分の実践の「強み」を改めて自覚した。
2 準備のために他の実践例を研究した。
→関連情報を知ることによって自分の不足面を自覚できた。
3 模擬授業のために新たに教材を作ってみた。
→自分のレパートリーが広がった。
4 模擬授業のよさを感じることができた。
→研修会でもっと取り入れようという意欲を持つことができた。
これらは今まで模擬授業を行っている人にとっては当然のことであろう。自分もこのようなメリットがありそうだということはわかっていたが、この1カ月の2回の模擬授業でしっかりと自覚することができた。今後も機会があった
ら模擬授業に積極的にチャレンジしていきたいと思う。
※2月20日。周辺市町村と合併をして、私の住んでいる水沢市は人口13万人の奥州市になった。特色ある地域との合併なので、新たな教材開発が楽しみである。
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Comments
コメントありがとうございました。その場では、頭がフル回転しますね。緊張感がともないます。それを越えた時に少しは成長したかなと思っています。
Posted by: サトマサ | 2006.03.02 07:55
私も先日研究会で
その場でコンテンツデータベースの素材を使った
教材づくりを2本、その場で実演しました。
確かに自分自身の力にもなった気がします。
http://mochizuki.la.coocan.jp/blog/
http://www.mochizuki.net/
Posted by: Y.Mochizuki | 2006.03.01 23:56