導入で空気を変えることの大切さ
授業成立メールマガジンに書いた本の紹介です。
今号は私が読んだ本の紹介です。
教室の雰囲気が何かいつもと違うなあ・・・そう感じることはないでしょうか。
「テンションが低いなあ。月曜日だから仕方ないか」
「林間学校前だから落ち着かないのも仕方ないか」
そう思って、そのまま授業に入ってしまい、うまくいかないまま1時間。私には何度も経験があります。
そのような時に、授業の導入は大きな役割を果たします。導入で子どもたちの心をつかめば一気に集中した学習ができるでしょう。その導入のアイデアが100本。そんな本です。
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1 導入での空気を変えることの大切さ
~「授業導入100のアイデア」(たんぽぽ社)紹介~ 佐藤 正寿
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■導入の方法、あれこれ
授業の導入、皆さんならどのようにされているでしょうか。
子どもたちを集中させるために、実物を持ち込んで興味を引くという方法があります。今まで見たことのないものだったら、子どもたちが「ワー、さわってみたい」と言って盛り上がることでしょう。
「昨日は何について学習しましたか」と前時の復習をしたり、「スーパーマーケットに買い物に行ったことがある人?」と本時に関わりのある話題をふったりして、子どもたちの発言を引き出すという方法もあるでしょう。
場合によっては、すぐに課題に入るという時もあるかもしれません。
■導入ネタがたくさん!「授業導入100のアイデア」
しかし、いつも実物を準備できるとは限りません。いや、実物を準備できる機会の方が圧倒的に少ないでしょう。また、前時の復習や本時の予告もだんだんワンパターンになってきて、特定の子しか発言しないという状況もよく見られることです。
そんな時に参考にしたい本が、「授業導入100のアイデア」(上條晴夫編著・たんぽぽ社)です。書名の冠に「教室の空気を変える!」と書かれているように、学級の雰囲気を変えるネタがたくさん書かれています。
たとえば、「とにかく拍手させる」(なごみ系導入)、「炎の実況中継!」(パフォーマンス系導入・子どもたちの様子をプロレス中継みたいに)。授業内容とは直接は関係ありませんが、子どもたちがノッテくるのは確かです。
たとえば、「○×クイズ」(クイズ・ゲーム系導入)、「フラッシュカード」(トレーニング系導入)でいいテンポを授業に作り出すことができます。しかも、これらは1度限りではなく、応用が効く点が強みです。
■ 自分に合った方法で試してみる
編著者の上條氏は、「最近の子どもたちは、授業冒頭の『緊張度』が低くなってきている。いま授業導入にはサービス精神が必要になってきている」と解説をしています。そして、「教師のキャラクター」「子どもとの距離感」
「教室の空気」の3つの観点から使い分けていくことを勧めています。
私自身はキャラクターの分類で言えば、「目標を明確にして、キッパリ指導するタイプ」に近いです。そういう教師は教室に空気を温めることが必要と指摘しています。確かに、空気が温まらないままでも授業を進めていってしまうことが多いです。
そこでさっそく、書かれているネタを試してみました。「いたずら系導入」の「君たちは〇〇したことないと思いますけど」(中村健一氏の原稿)です。自然にツッコミが起こる技です。
運動会練習後の疲れた雰囲気の教室です。千円札を見せながら「君たちは見たことがないと思うけど、千円札というお札があるんです」と話し始めました。「エー、見たことあるよ」。さらに、平然と「君たちはこれも見たこと
がないと思うけど、1万札というお札があるんです」と言います。すると、「エー、だからあ・り・ま・す!」「先生が見たことないんじゃないの」とツッコミが倍加します。これで教室はもう活気づきました。集中もしています。
ここで、聖徳太子の1万円札を見せて(これは本当にほとんどの子が見たことがありませんでした)、社会の飛鳥時代の学習に入りました。もちろん、教室の雰囲気も変わっていました。
このように、気軽に試すことができます。これからも追試してみようと思っています。
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Comments
コメント、ありがとうございます。ちょっとした工夫でも効果がありますね。この本には簡単に実践できる例がいくつも掲載されています。
Posted by: サトマサ | 2006.05.20 21:02
そういえば、若い頃
指に注目させるために
テープを指に巻いて授業したことがありました。
「先生、それ何?」という
声がきっかけで、
集中してくれたのを思い出しました。
http://mochizuki.la.coocan.jp/blog/
http://www.mochizuki.net/
Posted by: Y.Mochizuki | 2006.05.20 07:30