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2006.06.30

水墨画にチャレンジ2

学級通信 プロジェクトZ 第54号より 

 水墨画の授業の続きです。水墨画を描いて終わりではありません。子どもたちの水墨画の見方を深めるために次のような授業をしました。

1 水墨画体験の感想の発表
2 もう一度雪舟の「四季山水図」を見て、体験により見方が変わったことを自覚する。
3 雪舟の生き方について理解を深める。
4 水墨画の学習についてまとめる。

 まずは水墨画を描いた感想です。子どもたちにとって貴重な体験だったので、いい感想が続々と出てきました。

・水墨画を描いている時、細かい所がたくさんあってむずかしかったです。水墨画を描いていると、どのような時にどんな景色をかいているかがわかったし、見方が深まるのでよかったです。
・水墨画は難しそうだと面いたけど、やはり難しかったです。でもとても楽しい時間でした。私は細かい所をかくようにしました。とてもいい経験ができました。
・水墨画がかいている時に、どのようにすれば雪舟の水墨画に近づけるか考えながらかきました。そして、雪舟はなぜこんなに長いものをかこうとしたのか、すごいと思いました。

 私が驚いたのは「感心した」という声が多かったことです。静かな中で黙々と子どもたちは水墨画を描きました。それでも「楽しい」と言っているのです。これは文化的、そして知的な楽しさだと思いました。

 そして、改めて水墨画の学習の最初に見た「四季山水図」を見ました。深まった見方が次のように出てきました。

 ・木の葉や岩のかげでこい、うすいがはっきいりしている
 ・一人一人が何をしているのかがはっきりとわかる
 ・すみでかいているのに、鉛筆でかいたようになっている
 ・家の中のところまで細かくかいている
 ・人の表情や気持ちが伝わってくる
 ・かげを上手に表現している・・・・等

 いずれも一回目では見えていなかった部分です。その後、子どもたちに「四季山水図」の実際の長さを教えました。子どもたちは数十センチメートルと思っていたようでしたが、実際には何と16メートル!2教室分の長さです。 全部の山水図を一気にパソコンで見せました。その迫力に子どもたちからは、「すごい!」という声が自然に出てきました。
 最終的には次のように「学んだことと伝えたいこと」をまとめました。

 雪舟は16mぐらいの水墨画の作品を描いた。水墨画のためにわざわざ中国にわたり、日本に広めた。そのおかげで今も水墨画は伝えられている。その文化をそのまま伝えていくことが大切だ。

 この水墨画の学習は子どもたちにとって、実に価値がある学習になったようです。

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