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2006.06.24

ITを活用した教材提示

メールマガジン小学 連載 私の教材開発物語(第58回)の原稿です。

■ 教材提示の変化

 今月12日に研究授業を行った。6年生の社会、鎌倉時代の導入である。使った資料は教科書にある「武士の館」の想像図だ。プロジェクタでスクリーンに拡大投影をする。子どもたちがその図について思ったこと、気付いたことをどんどん発表をする。時にはマーカーで必要なことをスクリーンに書き込む。
 教科書と同じ図が黒板のスクリーンにあることによって、聞き手の理解度も高まる。IT活用のよさだ。
 この内容で研究授業を行うのは2度目だ。私は10年以上前に行われた研究授業を思い出した。武士の館の図を何度も拡大コピーをする。十数枚を今度は貼り合わせて大きな一枚の絵にして、子どもたちに提示したものだった。準備にかなりの時間をかけたことを思い出す。それが今回の研究授業では、絵をスキャナでパソコンに取り込むだけ。あっという間だった。時代の変化である。
 
 今回はこのようなIT活用の教材提示の話である。
 
■ ITだからできる教材提示

 私は機器に強い方ではない。パソコンにしても、ちょっと難しいことになるとお手上げで、よく同僚に聞いている。
 そのような私でも、先のようなIT活用は日常的に行っている。簡単に提示したい場合には実物投影機+プロジェクタを活用している。先のように教科書を映すことが多いが、子どもたちのノートや作品もよく映す。また、玉どめといった教師の実演や算数での子どもたちの操作活動も簡単に映すことができる。
 もっともこれは私の教室に実物投影機とプロジェクタが備え付けになっており、活用を思いついた時点で即実行できる強みがあるからだが。

■ 画像検索で適切な教材を見つける

 インターネットの登場により、教材開発の方法も変わってきた。一次情報は簡単にインターネットで調べられるようになってきた。むろん、インターネットのみでは不十分なこともあり、新たな教材開発の時には可能な限り、関連文献を書籍で探したり、現地で調べたりしている。
 ただ、「これはインターネットならではだ」と感じたことがあった。本市には「角塚古墳」という日本で最北端の前方後円墳がある。子どもたちにその様子を示そうと写真で撮影をしたが、横からの撮影だと「ちょっとした小高い土
地」にしか見えない。
 そこでGoogle等の画像検索サイト(キーワードを入力すると関連する画像を探すことができる)を利用することにした。「角塚古墳」と入力したら、空中から見た古墳の画像が出てきた。形もばっちりとわかる画像である。これなどはITの強みである。
 この画像検索はこのように写真教材を提示する時に有効である。交通安全ポスターの参考作品を探す時にも私は活用している。

■ デジカメで教材ができる

 デジカメで撮影をした画像は簡単に教材にできる。指導内容に合わせた素材はもちろん、学習活動中の子どもたちを写したもの(合唱の様子や器械運動)、子どもたちが撮影したもの(理科実験の様子や調理実習の作品、町探検の写真)も貴重な教材になる。
これらは「保存できないもの」である。そしてそれらは、教材として拡大提示させることによってその後の学習を深化させることができる。たとえば、合唱の様子を見て歌い方を考えたり、理科実験の様子について画像をもとに話し合ったりする。自分たちに関わる資料だけにその効果も大きい。

■ 一部を隠す

 教材を提示する時に「一部を隠す」ということは、子どもたちの思考を活性化させる。
 たとえば、チョウの写真を、足の部分を隠してプロジェクタで拡大提示する。いくつかの答えが出てくる。改めて正しい答えに子どもたちは注目をする。たとえば、教科書の顕微鏡の部品名を虫食いのような形で提示する。知識を定着させるために有効である。
 これらは画像を簡単に編集するだけでできる。簡単なIT教材作りである。

■ 効果があるから使う

 先に述べたように私は機器に強い方ではない。しかし、今まで述べたIT活用や教材作りには積極的だ。授業で大きな効果があるのがわかるからである。 
 ただ留意していることがある。それは「『はじめにIT活用ありき』ではない」ということである。基本的な授業の流れがあり、その中でIT教材提示が効果的だと考えられた時に使うのである。当然のことながら、そこでは活用目
的が明確である。逆に言えば活用する必要がないという時には用いない。いわば、「効果的な活用はするが、不要な時にはこだわらない」ということが基本的なスタンスなのである。

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Comments

 一部を隠して提示することは,必要ですね。始めからすべてを見せてしまうと,考えなくなってしまいますから。

 効果があるから使う。全くその通りです。でも,やってみないと,効果があるかどうかも分からないというのが難しいです。

Posted by: adaken | 2006.06.25 at 11:45

コメントありがとうございます。後段の部分、全くそうですね。数多くの失敗をIT活用でしてきました。だからこそ「効果のある場面」がどんな時か体験的にわかってきたような気がします。その点では、「まずは試してみる」という姿勢が大切ですね。

Posted by: サトマサ | 2006.06.25 at 13:54

ICT 活用がまずありき、ではないという
考えは私も同様です。

理科など、実際のものでイメージさせにくいものを
ICT を活用してイメージさせやすくしたいな、
と考えています。

そこで、今年度は地質のコンテンツも作成しています。

http://mochizuki.la.coocan.jp/blog/
http://www.mochizuki.net/

Posted by: Y.Mochizuki | 2006.06.26 at 05:56

コメントありがとうございます。
理科のデジタルコンテンツ活用は確かに効果がありますね。今、「人の体」を学習していますがその効果を実感しています。

Posted by: サトマサ | 2006.06.26 at 06:07

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