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2006.08.16

7年前の「約束」 2

12時過ぎにRが来て,雑談。東京の専門学校に通っているとのこと。笑顔や話し方は小学校の時のままだ。
私が校庭に来たことに驚いて,一緒に待ち合わせを予定していたEにも携帯で連絡をする。
「早く,早く!予想外の事態!」
彼女らにすれば,「たぶんここに来るのは私たち二人だけ。先生には,来たよとあとで連絡するつもり」ということだったようだ。

そうしたら,Nも校門を入ってきた。小学校の約束はしっかり覚えていて,「でも一人だけ待っているのも寂しいから,ちょっと遅れ気味に来た・・・」とのことだった。やがてEも到着。3人そろった。「じゃあ,お昼でも」と思ったら,Nが「NちゃんとEちゃんも来るようだよ」と教えてくれた。その言葉通り,すぐに二人も歩いてきた。全部で5人。みんな女の子ばかり。女子が8人の学級でそのうち5人も来たのだ。
これは嬉しかった。彼女たちにしてみれば小学校の卒業式の日がとても印象深いものだったに違いない。そうでなければ,7年以上も前のことはなかなか覚えていないものだ。

さっそく皆で近くのレストラン異人館へ。
海が見えるすてきなところだ。もちろん味も評判のお店。
みんなの近況をゆっくりと聞く。途中で男の子が一人入り,総勢7名のミニミニ同級会だ。
地元に残っている子,東京や盛岡の専門学校に通っている子,就職したけど今はいったんやめている子等々,それぞれの置かれた立場は様々だ。聞いて驚いたんは専門学校の話。日々みっちりと授業があるだけではなく,休日も制作活動に励んでいて,ゆっくりと食事をする時間もとれないということだった。「それぐらいがんばっているんだ・・・」と教え子に元気をもらう。今,求職中という子たちも表情は明るい。これにも救われた。

話は当然小学校の頃のことに。平泉に行った修学旅行,参加種目がたくさんだった運動会,今日は参加していないけど元気だというクラスメートの近況・・・。話を聞いていて,当時のいろいろなことがどんどんと思い出されてきた。
転勤して1年目。「何とか子どもたちを変えたい」という思いで,時には子どもたちにも厳しい口調で接した時もあった。今考えるとまだまだ力不足だった時代。そんな中でも子どもたちは自分たちなりに一生懸命に努力していた。わずか15人の学級。一人一人の忘れられないエピソードが頭の中をぐるぐる回る・・・。
あっという間の2時間。子どもたちとは笑顔で別れた。

7年ぶりの子どもたちの再会。改めて教師の仕事での喜びを感じた。自分にとっての天職である。

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Comments

コメントありがとうございました。

私も卒業生にはわりと淡泊な方です。この「未来イベント」だけは特別です。ふだんは,卒業生が遊びにきても「おお,よく来たね」と歓迎はしますが,他の先生ほど話し込むわけではありません。それが自分の自然体だと思っています。「照れる」のも逆に自然体でいいのでは・・・と思いますよ。

Posted by: サトマサ | 2006.08.18 21:57

とてもすてきなエピソードですね。
サトマサさんならではという感じがします。

わたしはどうも自分と離れてしまった段階でどうも照れてしまって子どもたちとお話ができなくなってしまいます。
大人のわたしがリードしなければならないわけで、こんな様子を子どもたちに見せてしまってはきっとわたし以上に子どもたちはわたしと話しにくいでしょうね。サトマサさんのすてきなエピソードから自分自身を考えさせられる契機となりました。ありがとうございます。

Posted by: あべたか | 2006.08.18 20:43

コメントありがとうございます。私も初代卒業生はこのような「未来イベント」は計画しないでしまいました・・・。でも,その学級の6人の子たちから結婚披露宴に招かれており,よく会います。他学年担任でも「20才の自分への手紙」はしています。手元に数クラスの子どもたちの手紙がありますよ。6年担任でなくてもできる活動です。

Posted by: サトマサ | 2006.08.18 06:02

いい話ですねえ。卒業担任は一度しかないのですが、そんな約束もしなかったので、後悔です・・・約束をする勇気がなかったんでしょうね(-_-;)
でもどんな時でも担任した子どもたちとの再会はうれしいものですよね。時々すれ違って話す機会がありますが・・・おもいっきり懐かしい話にいたれる時間ていいですね。
僕もがんばります(^_^)v

Posted by: YOSHIMA | 2006.08.18 00:54

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