7年前の「約束」 1
1999年の3月のことだった。
「みんなが20歳になった時にまた会おう。覚えやすい日がいいなあ。そう8月15日だったら,みんなが県外に行っていても帰ってきているだろう。2006年8月15日正午。高浜小校庭で会おう」
そう卒業する子どもたちに言った。教師であるから,ずっと7年間,このことは覚えていた。
高浜小は私が3校目の学校だ。13年勤めた江刺を離れ,県北へ。来てみたら海のそばの小学校。いきなりの6年生担任。15人の子どもたちだった。素直であいさつがとても元気な子どもたちだった。個性も一人一人はっきりとしていた。
しかし,それらが学級経営ではマイナス面となる部分もあった。自主的に活動してほしい場面,授業でどんどん発言してほしい場面でなかなか思うようにいかず,気合いを入れたことも何度もあった。今考えれば自分の力不足なのだが,当時は「この方法で間違いないのに・・・」と思ったこともあった。
それでも自分なりに卒業まであれこれがんばらせた。
卒業を意識する頃にタイムカプセルの話が出た。そこで校庭にタイムカプセルではなく,タイムボックスを埋め,再会する日を決めたのだ。
そして今日がその日。
朝,出発する時点では「誰もこなくても仕方がない。でも行くのが教師の務め」と思っていた。卒業式以来,連絡を子どもたちにはしていない。いわば「一発勝負」みたいなものだ。事前に誰かに連絡をとるという方法もあるが,今回はかけてみた。
12時少し前に小学校着。校長先生にご挨拶。
そして運命の12時。校庭には誰も現れない。それはそうだよなあ。小学校の時の約束なんて,忘れても仕方がない・・・そう思っていたら,一人校庭にゆっくりと女性が歩いてきた。もしや・・・と思ってしっかりと見てみると,Rだった。「先生,忘れていなかったんですね」と言われた。それはそうだ。子どもたちとの大事な約束を忘れるわけにはいかない。聞けばEも来るはずだという。
もうこれだけでも来た甲斐があった・・・。(つづく)
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Comments
やまたけさん,コメントありがとうございます。「20歳の自分への手紙」,私もしています!実は今年20歳になる子たちはもう1学級(別の学校で3・4年担任)あって,その子たちは「20歳の自分への手紙」なのです。正月発送予定です。やまたけさんと同様に「どうなることか・・・」とやはり反応が気になります。
Posted by: サトマサ | 2006.08.16 22:16
サトマサさん、ご無沙汰しております。
私も卒業担任を何度かさせていただいていますので、お気持ちよくわかります。いいお話ですねえ~。うらやましいです。
実は、20歳の自分への手紙を厳封し、現在私の手元にあります。約束は1年後。はたしてどうなることか…
Posted by: やまたけ | 2006.08.16 20:05
YOSHIMAさん,コメントありがとうございます。昨日は「教師っていいなあ」と思える日でした。教え子たちのがんばりぶりで自分も元気になります。続きは夜です。
Posted by: サトマサ | 2006.08.16 05:37
先日はお世話になりました。
いい話ですね~こういうのに弱いので(T_T)
続きが気になります。細かいコメントはそれからさせてもらいますね。
Posted by: YOSHIMA | 2006.08.16 00:19