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September 2006

2006.09.30

北方小公開2

昨日の続きである。

公開授業が終わってからは、皆川先生の研究発表と堀田先生の講演だった。
その内容も楽しみだったが、皆川先生のプレゼンと堀田先生の講演の組み立ても楽しみだった。

通常の研究発表はプレゼンの最初に「研究主題」がドーンと出てきて、読みにくい「設定理由」「仮説」「研究構想図」が出てきて「またか・・・」と思うことがしばしばだ。
しかし、皆川先生はやはり違っていた。象徴的な1枚の写真(先生方の授業の一場面を集めたもの)から入り、主張をずばり。導入から引きつけられた。
それにしても研究の内容はすばらしい。
「教師の授業力向上なくして児童の学力向上なし」という考えのもと、数多くの研究授業と事後研究会を重ねた事実。こういう職員集団を創るのは容易ではない。研究通信を読むと、そのための布石が随所にうたれているのがわかる。その点で今回の公開は、研究内容の公開であると共に、「研究方法の公開」でもあると感じた。

堀田先生の講演は何度聞いても新しい発見がある。
今回は特に自分も登米市で講演をするので、その組み立て方に注目をしていた。
最初は本日の授業スライド。初めて見た人は度肝を抜かれたであろう。自分もそうだった。しかも、象徴的な写真がずらり。いわば、「具体的な授業解説」になっている。そして、一般的なIT活用の話へ。具体から一般という流れが実に自然。
さらに客層を意識したデータが次々と。行政の皆さんが注目する資料もあり、思わず「なるほど」と唸ってしまった。
講演時間は70分。本当に夢中になってお話を聞いた70分だった。
満足度120%の公開研究会だった。

公開研究会への参加だけでも十分な学びなのだが、その後、メーリングリストや各自のブログでさらに「復習」が行われている。他の皆さんの参観記も学びとなる。特に渡辺先生と高橋先生のものは、研究を的確にまとめており、参考になった。いずれ、有難い公開であった。

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2006.09.29

北方小学校公開1

皆川先生は私が尊敬する先生のお一人である。
研究に対する真摯な姿勢、子どもたちを見る目の確かさ。そして話しているとよくわかるのだが、誠実である。だから、時々頼りにしていろいろと助けていただいている。

その皆川先生が研究主任を務める北方小学校の公開研究会が今日あった。講演会は堀田先生。十分に期待できる公開である。年に1回の県外研修の場を迷わずに今日にした。
一言で言えば、実にすばらしい公開であった。研究発表から、北方小学校の着実な前進が、そして職員の意欲的な研究ぶりが伺えた。

参観した学級は皆川学級。5年生の社会科、工業地帯。社会科授業としてのよさが随所に出ていた。たとえば・・・

・社会科的な学習技能を伸ばしている点(写真の読み取り、地図技能)
・習熟もしっかりと行っている点(京浜、中京、阪神・・・)
・それでいながら全てを教えず、さりげなく調べてみようね と言っている点
・地図帳に履歴を残す点
・3枚の写真の共通点を探させている点(見方が育つ)
・そして何よりも、太平洋ベルトの工業地帯と金ヶ崎を比較している点(社会的なものの見方を育てている)

IT活用の場面はもちろん適切であった。それ以上に社会科として大事なポイントをしっかり押さえた授業に感心した。

担任をしながらの研究主任としての公開は、かなりハードである。紀要書き、他の先生方の指導案チェック、公開のプロデュース等の他に自分の授業ものだ。しかも研究主任ということで参観者も多い。7年前に高浜小学校で国語の説明文の公開をした時(そういえば、日にちも9月29日だった)には、まさにそうだった。
それらをしっかりとやり切った皆川先生に拍手をしたい。
(堀田先生の講演については明日掲載)

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2006.09.28

模擬授業のよさ

今日は社会部会の全体研。授業者は今年転任してきた先生だ。
社会部会の部長を4年連続してきているが、今年は私以外は皆新しいメンバー。その中での全体研究会。
9月初めに授業場面を決め、社会部会の研究に沿った授業案を考えていただいた。私からも随時アドバイスをして、1週間前には指導案もほぼできた。

例年であれば、あとは前日に軽く模擬授業をして、当日に臨んでという形だ。今回は2日前の設定。
今回は模擬授業の途中でも随時ストップして、子ども役の先生方が即代案を出した。発問を受けて実際に「これだと考えにくい」「分類の種類は別の項目がいい」といった発言がいくつか出た。その意見を受け入れるかどうかは、あくまでも授業者の判断(結果的にはほとんど受け入れられたが)。

さて、本番。見事な授業だった。社会部会の主張項目がきちんと入っている。子どもたちに力がついていることがわかるし、思考を促している授業という点でもよかった。指示発問の言葉も削って、すっきりしていたのも印象的だった。
その点では、模擬授業が果たした役割は大きかったと思う。力量アップという観点からも、どんどんと入れていく方向性で行きたいものだと感じた。

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2006.09.27

朝食に合うおかずを作ろう

学級通信 プロジェクトZ 95号より

 今日の家庭科の学習では「食」の学習をしました。
 題して「朝食に合うおかずを作ろう」です。今まで「ゆでる」「いためる」学習を子どもたちはしてきました。それをもとに自分たちで1回分の朝食のおかずと汁物を作ってみるというものです。
 通常であれば、「作るものを決める」→「材料の準備」→「調理」という手順になります。それを今回は、「目の前にある材料を見る」→「作りたいものを決める」→「調理」という手順にしました。
 現実には、子どもたちは「家にある材料をもとにできる調理をする」ということもあり得るわけで、そのような状況にしようと考えました。
 そして、今回は献立のプロである栄養技師のM先生にできた献立を評価してもらいます。その点では、まさに特別の授業です。

 授業の最初にめあて、朝食の条件等を話し合った後、M先生から食材を紹介してもらいました。特別の「ミニ冷蔵庫」での紹介です。
 食材は、野菜(ほうれん草、ニラ、ピーマン、キャベツ、レタス、にんじん、たまねぎ、トマト、じゃがいも)・卵・豆腐・シーチキン・油揚げ・牛乳・にぼしです。この中から子どもたちが適宜そろえて、調理をします。調味料も各種そろえてくださいました。
さて、子どもたちの計画は次の通りです。

□1班・・・スクランブルエッグ・ツナサラダ・みそ汁
□2班・・・スクランブルエッグ・野菜スープ
□3班・・・目玉焼き・みそ汁
□4班・・・ポテトサラダ・スープ
□5班・・・煮物・おひたし・みそ汁
□6班・・・野菜炒め・ニラ玉汁

 初挑戦の料理もあったことと思います。でも、今までの学習の成果を生かして、どの班もがんばって作りました。 それぞれの班ができたら、その献立と工夫したところを発表します。1つ1つの班に、M先生からコメントがありました。栄養素のこと、食材の組み合わせのこと、実習中の様子等、子どもたちにとっては有難いコメントばかりでした。
 もちろん、みんなでおいしくいただきました。今日2度目の朝食です。実際に学習した子どもたちの感想を紹介します。

・作っていてとても楽しかったです。他の班もとても上手ですごいと思いました。特に2班は野菜をたくさん使っていていいと思いました。
・朝食に合うおかず作りをするのはとても大変だと感じました。家でも夕食作りの手伝いをしたいと思いました。とてもよい学習になりました。

 本当にいい学習になりました。M先生からも授業についてのお手紙をいただきました。それについては、明日紹介します。

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2006.09.26

「Family」(プレジデント社)

京都シンポジウムで池田先生から「Family」誌(プレジデント社)のことを教えていただいた。
以前から知ってはいたが、受験生の親が読む本なのかな・・・と思いこんでいて、書店で見るたびに「まあ、購読しなくていいか」と思っていた。

ところが、シンポジウムの打ち合わせの時に、池田先生も杉渕先生も写真入りで今月号に紹介されているという。というわけで、シンポジウムの帰りに東京駅内の本屋さんでさっそく購入した。さっそく拝見すると、お二人とも全身の写真付きで明快が主張が書かれていた。「授業の達人」としての紹介にも納得。

「担任教師の能力判定」というテーマにドキッとするが、書かれている内容は教師からすれば、きわめてオーソドックスなことだ。それよりも注目したいのは「学校生活の問題撃退マニュアル」「モンダイ教師の実践的攻略法を教えます」といった親側からの、学校対策の具体的な方法指南の記事。このような内容の記事が今後もきっといろいろな雑誌や本で増えてくるのだろう。私たち教師が情報として、その内容を知っておくのは損ではない。そう思った。

なお、この雑誌のホームページはおもしろい。記事の一部が読めるのは有難いし、縮小版公開ではページをめくることができる。ただ、「我が子の担任をアンケートしてください」という記事も・・・。恐い部分でもあるなあ。

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2006.09.25

京都橘大学シンポジウム2

昨日のことが、すでにいろいろな方のブログに出ている。
まずは、コーディネーターの池田先生。清水寺をご案内してくださった糸井先生。会場でご挨拶した前田先生。そして、genさんという方も書かれている。他にもかかれている方がいるかもしれないが・・・・。

このような方々に見て頂いたことも有難いが、何よりも一緒に模擬授業をした先生方の刺激は大きかった。皆さん、著書をバンバンだされているし、全国のあちこちを飛び回っている。杉渕先生の力をつける授業、土作先生のネタ&仕掛け、赤坂先生のコミュニケーション力と、どれもやってみたいと思うような内容だった。「凝り固まってはダメ、もっと柔軟にいろいろ取り入れなくては!」という思いにさせていただいた。
このような多くの人との出会いも今回のシンポジウムの大きな財産だ。

さらに模擬授業とシンポジウムですてきな反応や質問をしてくださった学生さんたち。会の終了後、たくさんの名刺交換でお一人お一人が礼儀正しくてびっくりした。このような学生さんたちが全国あちこちで教師になったのなら、いい教育現場になるなあとつくづく感じた。

新しく出会えた皆さんに感謝!

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2006.09.24

京都橘大学シンポジウム1

今日は京都橘大学シンポジウム。たくさんの学び、そしてたくさんの刺激。いいシンポジウムに参加させてもらった。今回は池田先生@京都橘大学のお招き。私の役目はIT活用の模擬授業。ただし、他にも3人の実践家が招かれ、共通項として漢字指導をする。この話が来た時に「漢字指導か・・・」と迷った。十分な蓄積がないからだ。

しかし、池田さんからのお話であれば断れない。また、杉渕先生、土作先生、赤坂先生という一流の実践家の模擬授業を見られるという気持ちも前向きにさせた。
IT活用より、まずは漢字指導の授業作りが基本。役立ったのが過去20年以上購読している雑誌「国語教育」である。ところが漢字指導の特集は意外と少なく10冊にも満たなかった。それでも基本的な今までの指導の流れがわかった。さらに文献をいくつか購入。そこから模擬授業の構想をして、先週はこれが中心の毎日だった。

他の先生方と内容がだぶらないように次のような内容で行うことにした。 

□模擬授業の重点
 ■ 漢字の特色・おもしろさについて考えさせ、漢字についての関心を高める
 ■ ITを活用して、わかりやすい授業を行う

□ 模擬授業の流れ
1 木のつく漢字を考えさせ、発表させる
2 「果」「巣」「桜」「梅」といった木のつく漢字の成り立ちを考えさせる
3 「森」のように3つ重なった漢字について考えさせる(品、晶、轟など)
4 3つ重なった漢字を創作し、発表させる(「笑点」での例を紹介)
 ※随時グループでの相談等を組み入れ、集団で学ぶよさを感じ取らせる

子ども役は橘大学の学生さん。とても意欲的で模擬授業だけど、普通教室で授業をしているようだった。その点で自分の目標は達成できたと思う。
他の3人の先生方の主張は強烈だった。杉渕先生の授業テンポはライブでなければわからないと感じた。土作先生の確実に漢字を覚えるための仕掛けや個別指導での声がけはさすがと思ったし、赤坂先生の子ども役の学生さんへの関わり方、盛り上げ方は一級品であった。
当然、シンポジウムも刺激的。登壇者の主張を語る時間が十分にあったので、それぞれが自分の世界のお話をする。池田先生のコーディネートぶりもさすがであった。「もっともっと学ばねば!」と思うような時間であった。

今回は登壇者としての参加だったのだが、結果的に自分が研修会で学ぶ会となった。かかわってくださった先生方に感謝!

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2006.09.23

本が届かない・・・

本の注文をした。明日の京都橘大学児童教育学科開設記念シンポジウムで漢字の模擬授業をするので、それに関わる本だ。
ネットで見つけたのが21日早朝。即注文。24時間以内に発送してくれるということだから、うまくいけばその日のうちに発送してくれるかもしれないと思いながら申し込む。しかし、発送は翌22日の午前中だった。それでも23日には十分に間に合う。
今日は用事があって出掛けるので、その間に着くと思っていた。夕方帰ってみると届いていない。そのうち届くだろうと思っていても、まだ来ない。宅配便といっても8時以降に来ることは指定した場合以外はほとんどない。
そのうち7:30になってしまった。1時間後には出発だ。心配になって電話をする。すると今日に限って、配達が遅れていて、到着は8:30は過ぎてしまうということだった。それでは間に合わない。何ということだ・・・。

こういう時に電話口で不満を述べることもできるが、それを言っても早く届くわけではない。京都に持っていくのはあきらめた。こういう時にはいつも「結果幸福論」(野口芳宏氏の著書にあったと思う)を考えるようにしている。今回で言えば、「本が届かなかったことが結果的によかった」ということだ。本を見ていたら、挿入したいことが多くて時間オーバーのプランになっていたからもしれない・・・。本を見ていたら、一端決まった内容に迷いが生じていたかもしれない・・・。実は全く授業に影響はない本だった・・・。そう考えることにした。

同時にあと一日早く注文していたら、間に合っていたかもしれない。その点は自分の遅さが原因。「早くすると早く終わる」という言葉を聞いて、「その通りだなあ」と思った。「5分の遅れが一日の遅れにつながる」という言葉もとある本の中にあった。今回、改めて同じことを感じた。

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2006.09.22

海外研の解散

自分が関わっている組織に「海外研」というものがある。海外教育事情研究会の略である。
教員で海外派遣に行った先生方の集まりである。私は1993年に行かせていただいた。今まで3年間、地区の事務局をしている。今年も年1回の総会と壮行会の準備を、今している。

その海外研の全国組織が3年後には解散という話を知った。海外派遣者の予算がつかないので、派遣できないからということである。当然、県の組織も地区の組織もそれに倣うので解散である。
確かに海外派遣にはお金がかかる。私も2カ月の派遣だったが、出された費用に責任の重さを感じたものである。(もっとも最終的には赤字だったが)

この13年の派遣で自分が強く意識したのは「地域のよさや日本のよさについて語れるようになること」だった。今の自分のホームページのテーマの源流を発見した。その1点(もちろん学びはそれだけではないのだが)を得ただけでも、自分の教員人生を変える出来事だったと思う。派遣翌年からは、5年連続で海外研の論文コンクールに応募して入賞したのも思い出である。

それにしても、ずっと続く組織は限られたごく一部なのだと感じている。既存の組織も実態に合わなければ、いったん解散し、リニューアルした方がいいと思うものもある。意味のない「伝統」にとらわれている必要はない。

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2006.09.21

陸上記録会で学んだこと

学級通信 プロジェクトZ 第91号より

 区内陸上記録会が昨日行われました。
 この日のために全員が一生懸命に練習をしてきました。種目別の選手はその練習を、その他の子どもたちもなわとび練習と応援をがんばってきました。
 昨日はそれらの成果を見事に発揮しました。(具体的な成績はのちほど校報等でお伝えします。)

 さて、その結果も大事ですが、同時に「何を学んだか」ということも大事です。今日、子どもたちに「学んだこと」を発表させました。

・大会で自分の力を信じられた。 ・あきらめずねばること
・努力をすれば結果が出る。   ・練習をすればきっと花開く
・信じて走り抜けること     ・みんなで力を合わせること
・応援のよさ          ・練習をしっかりすることの大切さ
・一生懸命に努力をすること・・・・等

 一人一人によって学びは違います。でもいいことを学んだなあと思います。特に「自分の力を信じる」という考えに感心しました。ある程度のところであきらめてはいけない、もっと自分には可能性があるという気持ちを持ってほしいと思います。
子どもたちの活躍する場面はいろいろあります。その場面、場面で活躍する人は違います。「お互いに自分の持ち場でがんばる」ということを考えることができたのが嬉しいです。
 事実、応援団の響きは選手を奮い立たせたと思いますし、選手のみんなにも大きな「フレー」「ガンバレー」というエールの声が届いたと思います。
 さて、陸上記録会の感想を子どもたちの日記から抜粋します。

・今日は本当につかれた日でした。でもなわとびでクリアーしたので、とてもいい日になりました。
・選手の人がみんながんばっていて、すごいと思いました。最後の陸上記録会でいい思い出が作れたので、よかったです。努力したり、がんばったりすることはとてもいい事だと改めて思いました。
・陸上記録会ではスターターの係をやりました。黒い丸い棒を持つのはとても大変でした。この記録会では、いろいろな経験ができたのでよかったです。
・ぼくは、とても大きな声でみんなが1位になれる様にせいいっぱい応援をしようと思いました。陸上記録会が終わった後は、また思い出が増えたなと思いました。

 いずれ思い出に残る陸上記録会になったと思います。
 大きな行事が続いてきた子どもたち。これでまた一区切りです。今度は文化祭です。今年は食堂や販売の仕事があります。新たな目標を持って子どもたちはがんばることでしょう。

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2006.09.20

価値ある3位

区内陸上記録会。6年男子400mリレーは記録会最後の種目。記録会の華と言ってもよい。
本校の6年のメンバーも1位をめざして努力をしていた。
ところが、午前中の競技でエースが負傷。本校にとってはピンチである。こういう時の代役メンバーは決まっているが、パス練習はほとんどしていない。急遽練習をするが、実際にトラックを使えないから、感覚がわからない。

そんな中でのリレー。第1走者、第2走者、第3走者と順調に来た。ふだん失敗の多いところも負傷したエースの分も挽回しようという気持ちが見ている私たちにも伝わってきた。そして運命の第4走者。祈るような思いだった。見事にパス。代役の子は見事にその重責を果たした。

ピンチの時に落ち着いて活躍する子どもを見ると、思わず駆け寄って握手をしたくなる。肩をたたきたくなる。今日はその子どもの姿を見られた。結果は3位。とても価値のある3位だ。

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2006.09.19

3週間の取り組み

3週間取り組んだ陸上記録会の練習が今日で終了。今年も「なわとび&応援」の担当を行った。4年連続。種目別の選手はそれぞれの種目で練習をする。残りの子たちは皆「なわとび&応援」に来る。5・6年を合わせると200名近くになる。大人数を束ねるのは大変だけど、やりがいのある担当だ。

そもそもこの記録会のなわとび出場というしくみが気に入っている。今まで赴任した他地区(2市)では、種目別のみで選手になれなかった子は当日の応援だけだった。放課後の練習も行わずに帰っていた。
しかし、本区は伝統的に全員なわとびがある。クリアー記録は二重跳び30秒と3分間持久跳び。1回でもひっかかればアウトだ。二重跳びは厳しくても持久跳びは決して不可能な数字ではないので、子どもたちも必死だ。そして、この3週間でなわとび技能も向上したし、体力もついた。その体力向上という点で、この取り組みは価値がある。

また、応援リーダーになった子たちの奮闘で大声の応援になってきた。リーダー育成、大きな声を出す、団結心を育てるという点でもいい取り組みとなった。

明日の記録会は幸いいい天気である。選手はもちろん、なわとび&応援メンバーの活躍も期待したい。

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2006.09.18

リズムに乗った

この3日間は学級通信本のリズムに乗った。
トータルで40本を目指していた。3連休の前まで9本書いていた。連休中に20本ぐらいまで書いて、あとは一週間に10本ずつ書いて、2週間後には目標達成・・・と考えていた。
ところが連休2日目の原稿の調子がよい。しかも疲れない。それどころか、用事があって帰ってくる時に「原稿を書きたい」と思った。
こういうことは年に2、3回しかない。「調子がいい状態」なのだ。
今日もいい調子だったので、予定を変更して原稿を書き始めた。最後は疲れたが、それでも一気に目標の40本を書くことができた。

日記に「●●の原稿〇本」とよく書くが、たいていは苦しみながら書いている。すらすら行くのはめったにない。その点では、今回は本当に珍しいパターンだ。
時には天も味方してくれるのだ・・・・そう思った3日間だった。

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2006.09.17

子どもの質問はネタの宝庫

今日の9時過ぎ、用事があって車を走らせていたら、ラジオに「こども電話相談室」が入っていた。「わー、久々だ」と思って聞いていたら、質問が次のようなものだった。

新聞の『聞』は耳の字が入っています。僕の辞書では、一番下の棒が突き出ていて、お母さんの辞書では突き出ていません。なぜですか?

小学校であれば、突き出ないで指導をする(確か2年生で出てくる漢字だと思う)が、一般的にはどうなのか。興味を持って聞いてみた。ちなみの回答はこちら。著名な金田一秀穂氏が答えている。

家でホームページを見てみると、子どもたちに話したいネタの宝庫だ。すべて子どもの質問から出てきたことを考えれば、子どもたちの質問が宝庫なのだと思った。
確かにそうだ。今日の子どもみこしでも「何で『わっしょい』というかけ声なの?」と聞かれた。それもそうだと気になって調べたら、「和になって背負っていく」という意味と「朝鮮語で『神様がおりてくださる』という意味」の二通りがあった。これも聞かれなかったら調べなかったことだ。まさに質問はネタの宝庫だ。

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2006.09.16

過去のレポートに励まされ・・・

学級通信本のために、自分の過去の通信やレポートにあたっている。
今から9年前に組合の教研に持っていたレポートを改めて見た。35歳の時の自分のレポートだ。当時は「今が一番おもしろい時期だろう」と思っていた。今考えるとその後もっとおもしろいことにたくさん出会った。今考えるといろんな面で未知の時代だった。

さて、そのレポートの中に「文化を創る6つの視点」というのがあった。

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文化を創る6つの視点

1 実践記録としての学級通信
 我々教師にとって実践記録を残すことは非常に重要である。しかしながら、現実的に記録に残す時間の確保はなかなか難しい。
 学級通信に、学級の授業記録や学級経営の記録を載せるのは一つの方法である。
 資料を掲載することにより、自分の実践が蓄積される。これは同学年を担任した時に大いに役立つ。また同学年の先生方にも通信を配布しているので、追試してもらうことも時にはある。そこから、教師同士の実践の交流が生まれる。
 もちろん、親御さんからも「授業の様子がよくわかります」という声をいただく。授業参観以外は親御さんも授業を見る機会がなかなかない。そういう意味でも貴重である。

2 学級通信は子供を見る目を育てる
 通信では全員の子供の様子をのせたい・・・そう思うのは当然である。しかし、よく話す子や行動が目立つ子に教師の目は行きがちである。
 一人一人の様子を改めて学級通信に書こうとすると、自分がいかに子供たちを深く見ていないかがよくわかる。
 逆に考えれば、「全員の子を学級通信にのせよう」と意識化することにより、子供を深く見ることになる。学級通信が子供を見るための効果的な一手段となっているわけである。

3 学級通信は父母との交流を深める 
 父母との交流を深めるには様々な手段があるだろう。学級通信はその中で大きな存在である。次のような点に配慮をしている。
・学級通信はあくまでも学級全体を対象としているので、並行して個人カード(一人一人の光る点をカードに記入)として出す。
・通信には子供たちのよさを掲載する。問題点は特例を除き控える。
・父母からの投稿は歓迎するが、強制することは避ける。

4 学級通信は子供の成長の足跡を刻む
 学級通信には、子供たちの作文や詩といった作品をどんどん掲載するようにしている。
 「1枚文集」みたいなものになる。現実的に文集を出すには手間ひまがかかる。1年間に1回発行するのが通常である。それが学級通信という手立てをとれば、子供たちの作品を気軽に伝えることができる。1年間通して掲載すると、子供の成長の足跡にもなる。そして、それは時には授業の指導にも生かすことができる。

5 教師としての軌跡を綴る学級通信
 私の通信の大きな特徴の一つに、節目となる号(50号、100号等)に、今までの教師人生で印象に残るようなエッセーを載せるということがあげられる。
 いわば教師としての自分史を独白するようなものである。
 学級経営や授業の内容からは離れるものの、自分の教育論を理解していただく点では、大いに役立っている。
 これらのエッセーは、親御さんよりもむしろ教師仲間からの反応が多い。特に先輩方から「若い頃、似たようなことがあった」といった声が時としてあり、教育談義の場となりうる。

6 学級通信は子供たちへのメッセージとなる
 毎年、学年末の学級通信は子供たち一人一人へのメッセージと決めている。
 通信表とは別の、1年間で思い出に残ったことを本音でズバリ書く。いわば、私からの「贈る言葉」である。
 子供たちはその学級通信が配布された瞬間、自分の部分を食い入るようにして読む。自分のものだけではない。友達のものも読んで「そういえば、そうだったよな」といったセリフも飛び交う。私にとって嬉しい瞬間である。

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 基本的にこれらの視点は今も変わらないと感じた。今はこれらにいくつかの視点が加わるだろう。
 このレポートを教研で発表した時に「問題点をどんどん書いてもいいのでは・・・」と意見を言われ、必死に反論したことを思い出した。「自分の学級経営の柱は学級通信」と言っていた頃だっただけに、負けたくなかったのだ。今だともっと柔軟に対応するが。
 このレポートを含めて、過去の自分の歩んできた道を思い出した。過去の文章にも「おー、こんなことを書いていたのか(いい意味で)」と思うものもあった。時間を十分にかけて学級通信を書いた頃のものだ。過去の自分があって今の自分がいるのだと改めて思った。

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2006.09.15

自分の仕事術を見直す

昨日、簡単に紹介をしたが、取材があった『小二教育技術』(小学館)が届いた。
7ページの特集である。自分で執筆したのではないので「指導・佐藤正寿」とある。ちょっと照れくさいが・・・。

時間活用術として最後に12か条にまとめていただいた。

その1  基本は朝型。メリットは夜型の3倍
その2  付箋紙に予定を書く
その3  ポータルサイトのカレンダー機能を利用
その4  仕事を時間で分類
その5  教材研究は一歩先を見る
その6  得意を生かす
その7  ITを活用する
その8  百円均一ショップの小物で能率はぐんとあがる
その9  移動時間をひらめきタイムに
その10 ノート点検はその場主義に
その11 職員室での雑談で会議を先取り
その12 トラブルは「即対応」「その場主義」

ここ数年で意識しているものばかり並べていただいた感じだ。こうやって並べてみると、自分の仕事術のキーワードが見えてくる。

・分類
・その場主義
・ITの活用
・いつでもオン

今回の記事によって改めて見えてきた部分である。

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2006.09.14

久々に複数雑誌に

月半ば。教育雑誌が届く頃だ。
今月は久々に複数の雑誌に原稿が掲載されている。
授業づくりネットワーク」10月号に「学習意欲を引き出すIT活用授業」(隔月連載)
NEW教育とコンピュータ」10月号に「ブログはマイ教育研究所」が。
また、原稿ではないが、取材記事ということで「小2教育技術」(小学館)に7ページの仕事術が掲載されている(実物はまだ見ていないが)。
自分の仕事が形になって表れるというのは、やはり嬉しいことである。

以前は圧倒的に雑誌原稿の方が多かったが、今は本(単行本、部分執筆)の方が多い。締切日が決められている本なら、雑誌原稿と同じように間に合わせるのだが、今取り組んでいる学級通信本は自分任せ。締切は自分で作らなければいけない。「自分で締切を作り、実行する」というのは原稿の場合は容易ではない。他の目の前の仕事があるとどうしてもそちらが優先になってしまう。
しかし、それではいつまでも原稿が書けない。そこで、朝に他の仕事があっても、1時間を確保して今取り組んでいる。
自分の今まで発行してきた学級通信のことを思い出しながら執筆をしている。これは楽しい作業である。9月にどんどんと進むことが目標である。

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2006.09.13

社会科教科書の音読

自分の社会科の授業は、子どもたちの「社会的なものの見方・考え方」を深めるように構成をしている。
同時に知識も身に付けるように活動もしている。
たとえば、今日は明治時代に入ったので、久々に時代名暗記に挑戦させた。今回は鎌倉時代~平成まで。「できた子は立ちなさい」というと、いい声で練習をして、勢いよく「できた!」と立つ子が続出する。クイズ形式で知識を身に付けさせる時もあるし、ミニテストもけっこう行う。
ある程度知識が増えてくれば興味も比例して増す。今、中学校2年の教え子が「テストの国名、簡単だった。小学校の時に覚えたから」と言っていたという話を聞いた。小学校の時の知識が中学校でも役立つんだなあと改めて感じたものだった。

さて、この知識と同じくらい力を今後入れなければいけないのは、社会科教科書の音読である。聞き慣れない言葉が多いということもあって、社会科の教科書がスムーズに音読できないという子が、わりといる。特に明治時代に入ってからは、「難しいなあ・・・」という印象を受けるようだ。
であるならば、これは慣れるしかない。今まで家庭学習で「〇ページから〇ページまで読んできなさい」と指示をすることはあった。しかし、それらは音読ではない。
しっかりと音読することによって、理解度はアップする。有田先生の教科書を活用した模擬授業でも、3回音読をさせていた。その時には3回音読をすることによって、本文や資料で気付くこともあった。どのように組み入れていくか。考えてみたい。

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2006.09.12

会議後の充実感

この仕事をしているといろいろな会議がある。職員会議、研究会、分掌部会、運営委員会、学年会等が月1回はある。その他にもPTAの会議や組合の会議も定期的にある。

会議をしていて、「もっと効率的にできるのでは・・・」「もっと深められるのでは・・・」と時々思う。ところが、今日のPTA会議は違った。文化祭の食堂運営に向けての話し合いだったが、密度の濃い内容がいいテンポで話し合われた。しかも時々雑談風の笑いも入る。2時間以上話し合ったが、あっという間だった。

こういう会議のあとは気分もよい。充実感が波及しているような感じである。いい会議になったのは、提案事項がしっかりとしていたこと、司会が適切に仕切っていたことがその理由。司会役の大切さを改めて感じた。

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2006.09.11

プロジェクトWET

今日は岩手大学の梶原先生をゲストティーチャーにお招きをしての、地球温暖化に関わる授業を行った。
いくつか実験を行ったがその中の「大海の一滴」に興味を持った。
「プロジェクトWET」のアクティビティの1つである。ホームページから一部引用する。

●大海の一滴
地球にあるすべての水を1リットルの水に喩えた時、人間の使える水の量はどのくらいあるのか実際に水を測りながら説明し、世界が抱える水問題の要因と解決策を考えていきます。私たちが使える水の量を具体的に知ることで、人間が使用できる淡水はわずかであること、淡水は限りある資源であること、保全対策が必要なことを学んでいきます。

進め方
(1) 1リットルの水を見せ、これを地球にある全ての水に喩えてみましょうと伝えます。
(2) 地球上の水のある場所を尋ね、人間が使うことのできない水を別の容器に移していきます。
(3) これを繰り返し、人間が使うことのできる淡水はわずか1滴であることを伝えます。
(4) 実演の結果を子どもたちと話し合います。

子どもたちにとっても印象深い実験だったらしく、感想には多くの子がこの実験のことを書いていた。
私自身もこのようなアクティビティやプロジェクト団体があることを初めて知ったし、他のアクティビティにも興味を持った。こういうことを知っている、知っていないでは授業の在り方も変わってくるなあと感じた。きっと環境教育には他にもいろいろな教育用プログラムがあることだろう。
同時に今自分が取り組んでいる「情報社会について学ぶ教材群」もすぐに活用できるスタイルでないと意味がないなあと思った。この点で、様々なプロジェクトのWebから学ぶことは多い。

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2006.09.10

あれこれ考えた

この一週間は締切ぎりぎりのものはなかったので、家では少しのんびりモードで過ごした。その間、自分の仕事・役割・これからのこと等をあれこれ考えた。以前から考えてはいたものの、ある程度自分の中で結論を出した。具体的にはこれから少しずつ書いていこうと思う。
あれこれ考えるためには情報も必要。今まで自分が影響を受けた本も読んだ。それらの中から印象に残った文章を。

・あなたのミッションを思いついたら、短い言葉で表現してみて下さい。「何をやって何をやらないか」の基準がミッションなのです。
・成功するための条件は、「忙しいと感じなくなること」です。スピードの速い人は「忙しい」とは言いません。
・「働くことが、休息になる」のような仕事をしよう。

今までもこれらのことは意識はしてきた。今回改めてこれらの言葉に触れ、自分の仕事ぶりが変わるのでは・・・と思っている。

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2006.09.09

野村監督の番組

NHKの野球中継が早く終わったので「熱球伝説」というミニ番組が急遽入った。15分程度の番組。小学校~中学校時代はプロ野球に熱中していたので、「懐かしい映像があるかも」と思い、見続けた。
野村監督のエピソードの番組だった。テスト生で入団した野村監督がいかに考えた野球人生を送ったかがわかった。

・最初はブルペンキャッチャーだったので、目立つために打撃に力を入れたこと
・打撃向上のために当時珍しいメジャーリーグの理論を取り入れたこと
・なかなか打てなかった稲尾投手のわずかの癖を観察して見つけたこと
・スコアラーに一人一人の配球の分析をさせたこと・・・等

聞いた話もあったが、本人の口から語られたり、資料を見せられたりすると説得力があった。稲尾投手が癖を見破られいることに気付いてからのエピソードもおもしろかった。

最後に野村監督が話していた「自分はまさか、まさかの人生だった。テストに合格したのも、1軍になったのも、タイトルをとったのも、そして監督になったのも・・・」というセリフに自分の教師人生を照らし合わせた。
自分の教師人生も「まさか・・・」だった。採用試験に受かったのも(2年間で3回落ちている)、雑誌原稿を書いたり、本を出したりしたのもまさかだった。プロジェクトに入ったり、学会発表をしたりするのもまさかだった。もちろんこの「まさか」は自分にとっては有難い「まさか」だけど。

また、「一生懸命にやれば誰かが見てる」という言葉も今の自分にズシーンと来た。本当に一生懸命か。安定の中に身を置いていて、どこか安心している自分がいるのではないかと。自分にとっての一生懸命とは何か、また考えたい。

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2006.09.08

改めてPR

先週一度書きましたが、2冊組のプロジェクタ活用本のお知らせを改めて。
一昨日職場に本が届きました。すぐに封筒をあけて中を見ました。「ビジュアル!」「内容も一目でわかる」と改めてこの本のよさを感じました。
さっそく職場で回覧をして、購入者を募っています。職員室でじっくりと本を見る時間が限られているのですが、そのような中でも担任の先生方のほとんどが購入を希望されていました(途中段階ですが)。一目見て、そのよさを感じたのだと思います。アマゾンでの購入は次の通りです。

「映せばわかる プロジェクタ活用 50の授業場面」(高橋 純・堀田龍也編著)
「あなたの学校でもできる プロジェクタ活用 50の研修場面」(堀田龍也・高橋 純編著)

お近くの方には直接手渡します。メールを。

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2006.09.07

着実な広がり

今日は5年生の算数の研究授業だった。テンポのあるいい授業だった。
その中で印象的なシーンがあった。子どもたちが書いた台形の面積の様々な出し方を、実物投影機+プロジェクタで投影していた。2年生の研究授業での同様の活用方法を見て、「自分も使ってみよう」と思ったのだという。どちらもベテランの先生だ。このようにして、IT活用が着実に広まっているのを嬉しく思う。

印象的だったというのは、その投影のあと、準備していた解き方の掲示物をさっと貼ったことだ。実物投影機で発表をする場合、「子どもの考えが残らない」ということがある。その点を考慮して、あらかじめ用意しておいたのだ。それを見て、「このようにIT活用と掲示物を組み合わせれば効果的」と思った先生もきっといたに違いない。

その先生は、「今まで子どもたちの解き方を画用紙や小黒板に書かせていた。でもどうしても時間的に大変だと思っていた。そこで今回は実物投影機を使ってみた」と研究会で話されていた。実際に試してみて、その効果を実感したという。本人はもちろんだが、周囲の人にも納得がいくIT活用だった。

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2006.09.06

解体新書にチャレンジ!

今年発刊された『社会科の授業ミニネタ&コツ101』(学事出版)の中にある自分のネタを行った。6年生担任になった時にしかできないものなので、今回が3回目。子どもたちもノッテきて楽しんだ。

学級通信 プロジェクトZ 第82号より

 社会は江戸時代を学習しています。昨日学習したのは「解体新書」。教科書で翻訳の苦労の話を読んで、「大変だったんだなあ・・・」と子どもたちは感じ取りました。
 でも、それだけではどうも実感がわかないようです。そこで、突然「これから『解体新書体験』をします!」と私が宣言しました 方法は次の通りです。

①グループごとに体の一部の説明を考えさせる。1グループ一つの部位である。教師がグループごとに指定してもいいし、最初に部位を子どもたちに提示をしてグループごとに選ばせてもよい。
②部位には「目」「耳」といった機能がわかりやすいものだけではなく、「のど」「まゆげ」「ほお」といった説明しにくいものも含める。
③グループで出てきた説明を全体で発表させる。
④『説明はくわしいほどわかりやすい』と言うと、子どもたちは長い説明を必死に考える。

 グループごとに話し合う様子は傑作でした。「うん、それいい!」「エー、どうして「まゆげ」を選んだのよ~」といったつぶやきが聞こえてきました。
 できた班からさっそく黒板に書き込みをしました。実際に子どもたちが書いたのは次の通りです。

■目・・・物を見ることができる。真ん中の黒い部分で見る。さらに、目は上下左右に動かすことができる左右の一部。
■耳・・・人の声を聞き取るもの。また、音楽などの音を聞き取るもの。中にもこまく等があり、聞き取ることができる。
■のど・・食べ物をのみこんで体に入る時の通り道。空気を吸った時に、肺に行く時の道。
■まゆげ・うす黒く太く長いおまけのジリジリした毛。人をハンサムにする毛。
■ほお・・表情が出やすいもの(赤くなったりする)。顔の中で面積が広い部分。
■鼻・・・顔の中心にある。口とつながっている。おもに空気を吸ったり、においをかいだりする。(酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す)

 一番子どもたちは拍手が大きかったのは「まゆげチーム」です。ユーモアが抜群ということでした。子どもたちは次のような感想を持ちました。

・杉田玄白はこんなに難しいのを3年半もやって、すごいと思いました。
・解体新書を作るのはけっこう難しいと思いました。昔の人はすごいと思います。
・参考になるものがないととても大変だし、どういう意味なのかもわからないと思いました。

 楽しみながらもちゃんと「解体新書作り」の苦労を感じ取ることができた授業になりました。

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2006.09.05

Webを見て思う

★昨日ADSLのことでniftyに電話で問い合わせをした。そうしたら、今日メールで「アンケート調査」が来た。
 「お客様ご満足度調査」ということで、「親身だったか」「言葉遣いはどうだったか」といった担当者の対応についてのアンケートだ。5段階調査。待ち時間もふだんの満足度もアンケート項目の1つだ。
 「厳しいなあ・・・」と思った。これが一般社会の常識なのだろう。お客によって評価される世界。
 教員でたとえるならば、参観日の後に5段階評価を保護者に無記名で書いてもらうようなものだろう。実際に「外部評価」としてそのようにやっている学校もあるのでは・・・と推測する。いずれはそれが当たり前の時代が来るかもしれない。

全日本教育工学研究協議会熊本大会の研究発表の情報が入ってくる。自分は「情報教育の実践と評価」の分科会。前後には同じ研究仲間がずらり。頼りになると同時に切磋琢磨ができそうだ。今度はプレゼン作りがスタートする。

★12月に校内研究会に訪問予定の「すぷりんぐさん」のブログに、2学期の校内研究会のことが書かれていた。お招きしてくださることに感謝。それにしても上條先生、野口先生を1小学校でお呼びする力量に感服。自分も全力を尽くすのみ。

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2006.09.04

日曜参観

学級通信 プロジェクトZ 第81号より

★3日の日曜参観、ありがとうございました。
 ふだんの参観日は圧倒的にお母さん方が多いのですが、日曜参観はやはり別でした。お父さん方も何人か参観されていましたし、ご夫婦での参観も数組ありました。子どもたちは緊張をしてはいませんでしたが、だいぶ「後ろの目」を気にしていたようです。

★1時間目の国語では「みんなで生きる町」で、校舎内で調べた「ハンディのある人にとって不便な点」を発表しました。細かいところまでよく観察しているんだなあという発表が多かったです。この観察が、自分たちの提案につながります。これからの学習では、この提案をどう文章化するかということを学習していきます。

★国語の残り15分で百人一首をしました。今回が2回目です。ご覧の通り、100枚ではなく20枚だけで行いますので、5分ほどで1回分が終わります。この方が子どもたちも集中できますし、入れ替え戦も簡単にできます。一昨日は、取るスピードもだいぶはやくなってきたなあということを音で感じました。

★2時間目は「著作権」について学習しました。使ったプリントは「メディアとのつきあい方学習 授業実践パッケージ集」の中のものです。対象は中学年向きのものでしたが、高学年でも十分に活用できるものだと考え、使わせてもらいました。内容は子どもが作った2つの詩です。といってもそれらが一部を除いて同じ作品になっています。これをもとに考えさせました(実際に6年1組の子どもが作った詩ではありません)。

★おもしろかったのは、真似された方の子の気持ちを考えさせる場面です。最初は「いい気持ちはしない」「いやな気持ち」「損をしたと思っている」「自分が真似したのではないかと誤解されているのではないかという不安な気持ち」というように共感する考えが次々と出てきました。
 ところが、「全部真似するのはよくないけど、いい作品を真似するのは悪くないのでは」という考えも出てきました。具体的な例として、社会で出てきたゴッホの浮世絵の作品の例も出てきました。ここでしばし討論をさせ、深まった学習ができました。

★しばし話し合わせたあと、著作権について説明をしました。さらにそのマークである(C)の記号を身近なものの中から探させました。「筆入れにある!」「下敷きにもある!」「キャップにも!」というように次々と発見していきました。身近なところにも著作権があることを子どもたちは学びました。さらにアニメーションを使って、理解を深めました。

★最後に書かせた子どもたちの感想です。

・ぼくは最初、著作権という言葉は知っていたけど、意味は知りませんでした。でも今日の授業で何でもそのまま真似をしてはいけないということがわかりました。
・最初に詩を見て、別にいいと思ったけど、著作権という法律があることを知ってビックリしました。もっとくわしく知りたいです。(C)のマークをもっと見つけたいです。
・この勉強をして、(C)マークと著作権を学びました。(C)マークがあるものはたくさんありました。著作権に私も気をつけたいです。

 このような学習も貴重だと感想を読んで感じました。

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2006.09.03

参観では全員が活動する場を

 昨日は日曜参観だった。
 「親は授業参観で、我が子の様子を見にくる」・・・自分が保護者になって実感していることである。
 教師になりたてのころは、授業参観では教師の行動の一つ一つを見られていると思っていた。むろん、保護者は教師を見てはいるものの、注目度は我が子の比ではない。
 となれば、まずは「我が子が進んで活動している」と感じさせることが大原則である。教師の立場からすると「全員が活動する場を仕組む」ということである。
 日曜参観では父親の参観もある。年に1回だけの参観の確率が高い。だったらなおさら、先の大原則が大切になってくる。

 というわけで今回は国語の授業では残り15分で百人一首を行った。総合では、全員発表をするような構成にした。百人一首は、五色百人一首を同学年の先生がかなりのセットを持っていたので借りた(今までも借りていた)。これは有難いことだった。
 どの子も何枚かは札をとることができるし、我が子のいい表情を見られたのではないかと思う。通常の参観では後ろからしか見えないから、よかったと思う。
 次の参観日は3学期。それほど機会は多くない。だったらなおさら「我が子が進んで活動している」ということにこだわっていきたいと思う。

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2006.09.02

学会論文への取り組み

今年の夏はあちこちに出掛けたが,同時に大きな仕事があった。学会の論文執筆である。
昨年が初体験だったが,今年は2本。「全日本教育工学研究協議会全国大会(熊本)」と「日本教育工学会全国大会(大阪)」である。
協議会の論文はすでに送付が終わり,工学会も終了直前である。

今まで多くの教育実践論文を書いてきた。雑誌や本の原稿も十数年書き続けてきた。それでいて,なぜ新たに学会論文を書こうとしているのか。ずばり,自分に力をつけるためだ。
確かに今まで多くの文章を書いてきた。しかし,それらと学会論文はまた別物だ。新たな視点,新たな見方を学会論文を書くことによって学んでいるのである。事実,学会論文は協議会が4ページ・工学会が2ページだが,仕上げるまでに取り組み始めから数えると数ヶ月かかっている。いったん執筆をしても,何度も何度も修正作業が必要だ。これは学会論文に取り組むことでできる貴重な経験だ。

学会発表が論文を書いて終わりではない。今度はプレゼン準備だ。これもしっかりとした取り組みが必要だ。そこから学ぶことも多い。この秋の発表後に自分に力がついているように努力していきたい。

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2006.09.01

お菓子の教材化

たまには息抜きでお土産の話を。
研修会や会議等で遠出した時にはお土産を買う。しかし,じっくりと見ている時間はなかなかない。駅で目についたものをパッと買うことが多い。先週,大阪から帰る時に「赤福」が目についた。有田和正先生が教材化したものだ。

全国的には有名だが,東北人にとっては,あまりなじみがない。私も有田先生が話をするまでは知らなかった。さっそく購入して我が家で食べたのだが,大好評だった。やはり名物だ。
ホームページを見てみると,メイン教材にはならないもののミニ教材にはなりそうだ。ちょうど江戸時代の学習で次の時間にお伊勢参りの話も扱う。すっかり「地域のよさ・日本のよさ」の話題が薄くなっているので,このようなミニ教材を増やしていければ・・・と思う。

ちなみに我が奥州市には同じく300年以上続くお菓子として岩谷堂羊羹がある。同時に話題にしてみようと思う。

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