学校選択
同じ公立学校の教師でありながら、「厳しいものだ」と思う。
「教育ルネサンス」の新しいシリーズ、「学校選択」だ。
掲載された例は「入学者が激減したが、努力と工夫によって、入学者も多くなった」という学校を扱っている。ある中学校は入学者0という年もあったと書かれていた。それからの道は大変だったであろう。
学校選択制によって、学校がいろいろな面で工夫したり、学校の特色をアピールすることはいいことだと思う。学校が活性化するだろう。
しかしながら、同じ学区内の学校同士の連携はどうなっているのか、心配になる。ある学校に入学者が増えれば、他の学校は当然減ることとなる。そのように競い合っている学校同士であれこれ情報交換をするのは難しいのではないかと思われる。ライバル関係だからだ。
選択制でなければ、間違いなく近隣の学校は連携し合うと思うが、そうではない時にはどのようになっているのかちょっと知りたくなった。
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Comments
コメントありがとうございます。
「自分だけのものという価値」・・・なるほど。
岩手では今度は「学びフェスト」の作成をするという話が、県教育長から出ています。学校版マニュフェストです。まず学校自体を差別化して、そのうちに個々の学びも子どもに応じて変えていく・・・そんな流れになってくるかもしれません。
Posted by: サトマサ | 2007.01.20 15:50
なるほど、そうですね。
これとは別に、
成熟社会の企業的な発想としてもう一つあると思います。
今までは同じものをたくさんつくる、売るといったスタンスでしたが、社会が飽和してくると、
あなただけのものを少量売るといったスタンスが出てきます。
自分だけのものという価値が受け止められるようになります。
お金で差別をしてはいけませんが、
そういった傾向も学校に当てはめてみてはどうかと思います。
もちろん、導入前に精査する必要は、佐藤先生の言うとおりだと、
私も思います。
Posted by: まなびWAVE | 2007.01.20 14:09
まなびWAVEさん、コメント(というよりちょっとした論考)、ありがとうございます。企業的な発想という部分、なるほどと思いました。教育行政・教育現場に企業的な発想がどんどん入ってくるようになるのは、成果が出るのであればある程度必要なことと思っています。しかし、同時に問題点もある程度予測できるのでは・・・と考えます。それらにどう対処するか、導入する側は事前に考える必要があると思っています。
Posted by: サトマサ | 2007.01.19 21:43
学校選択制は、私も佐藤先生同様、学校がいろいろな面で工夫したり、学校の特色をアピールすることができるという意味で賛成です。
高校の統廃合の問題にも似ていますが、どこを残すのかと地元に突きつけられると、地元では、「残せ合戦」が始まる。
他を蹴落としてまで、おらが町の高校を残せー!となる。
企業的な発想で行くと、市場が飽和して、成熟化すれば、生き残りをかけてやってゆくには、他社マーケットを脅かす方法が有効だ。
学校に置き換えれば、子どもの数もだんだんと減ってきて、学校の存続を欠けて、この地域でやっていくのには、他の学校の存続を脅かす方法が有効となる。これではおぞましい結果となる。
点で考えず、面で考えるところに教育委員会の役割があると思います。
子どもたちの教育の機会は均等に守られなければなりませんが、かなり危機的な状況が地方都市では起こり始めてます。うちのような小さな都市では、選択もできませんよね(苦笑)
Posted by: まなびWAVE | 2007.01.19 07:59