授業づくり研修会2
今回の授業構想ではかなり迷った。
1 授業場面
教科書を見ると、消防署見学後は見学をまとめて発表。次は校外の消防施設の学習となっている。私が使っている教科書の構成とは違っていた。いくら何でも校外に出るわけにはいかない。
教科書にはない場面を考えなければいけない。そこで、過去の自分の実践を調べてみた。十年前に書いた原稿の一部に「もし学校の理科室が火事になったら、最初に何をすべきか」という発問があった。確かに同じ発問で、子どもたちが積極的に討論をした記憶があった。これで行こうと思った。
ただし、見学してきた消防署にスポットライトを当てたい。そこで、「北方小学校が火事になった時、消ぼうしょの人はどう行動するのだろうか。」という課題にした。
2 発問
今回のテーマは発問。そこで、指導案に明記することにした。この辺は今までの経験が生きる。子どもたちにとって考えやすく、しかも思考を深めやすいものをいくつか考えた。
●消防署から何分で北方小に着くでしょうか。
●それは早いと言えますか。
●消防車は何台来ますか。
●どこに来るでしょうか。
●消防署の人々は最初に何をするでしょうか。
「どこに来るか」「最初に何をするか」というのは、きっと意見が分かれると予想をした。実際にその通りになった。
しかし、何か足りない。先の発問群で得られた知識を総括的にまとめる発問が必要だと気付いた。そこで、中心発問を一つ加えた。
●北方小が火事になった時の火を消す計画は決まっているのだろうか。
これがまとめにつながると考えた。
3 教材研究
これらの発問は頭の中だけではできない。実際に教材研究をしながらでなければ無理だ。子どもたちが見学に行った登米市消防署には何回も取材の電話をした。くわしく丁寧に応対してくださって本当に有難かった。実際に現地の取材も考えたが、とても時間がとれそうになく断念した。しかし、これが幸いした。
ではWebで探せるものは探そうと考え、検索したら、何と登米市消防本部のHPがあったのだ。数多くの写真があった。これは使える!授業の最初で「消防署クイズ」で使わせてもらった。実はこれは単なるクイズではなく、その後の追究のための布石である。
皆川先生にはお願いをして学校の航空写真を送ってもらった。ポンプ車がどこにとまるか図示させるためである。その他にも参考資料をいただいた。さらに北方小HPで避難訓練の時の写真も探す。ネットをフルに活用して、必要な資料は集まった。
4 遊び心
3年生対象の飛び込み授業だ。小道具も遊び心で準備した。一つはペーパークラフトのポンプ車。「ポンプ車はどこに来るか」という発問の時に、スクリーンに貼り付けるものだ。前日に、娘たちと一緒に作った。授業後は、「欲しい!欲しい!」という声。
もう一つは電話作戦。授業中に直接電話をかけさせるということは何回かあった。今回は、中心発問はまさにその方法を使えると思った。実際に電話する場面はもっとも集中度が高かった。皆川先生のサイトにある子どもたちの喜ぶ写真は、電話で聞いた子どもが「計画で決まっているそうです!」と言って、予想があたったと喜んでいるシーンである。電話ならではの反応だった。
くわしい授業については、昨日紹介をした皆川先生のHP、千葉先生のHPで様子を伺うことができるだろう。自分にとっても充実した楽しい授業だった。
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