『楽しい「指導」入門』
アウトプットはインプットのチャンス。
昨日に続き、学級活動原稿の話である。この原稿に関わって、いくつもの文献を読んでいるが、一番心に残ったのがこの『楽しい「指導」入門』(高文研・家本芳郎著)である。
家本先生の「指導」へのこだわりにはいつも学ぶことばかりであった。たとえば、体育館での集会での生徒の態度があまりよくない。ふつうなら「きちんと体育すわりをしなさい」と注意で終わる。それを教職員で「座り方」の研究をしたこというエピソードが強く印象に残っている。調べてみると、座り方だけで十数種類もあり、実際に子どもたちにいろいろな方法を試させて、どれがいいか選ばせた・・・・というものである。これぞ「実践」だと感じた。
この書も随所にこだわりが感じられる。たとえば、第1章は「「注意」に注意」である。注意だけでも、これだけの指導法があるのかと唸ってしまう。もちろん、NGのものも紹介されている。こういうことを知識として身につけているかいないかだけでも、指導法は変わってくるであろう。
最後の章は「子ども共和国づくり」。学級を一つの共和国とみなした実践である。憧れではあったが、とうとう実践できなかったことが自分の中では悔いが残る。
この書は、5年ほど前に家本先生が水沢に講座で来られた時に購入した本である。
その時にサインもいただいた。家本先生のお名前と共に「星を望み地を歩む」という座右の銘をいただいた。家本先生にお聞きしたら、「星」とは「理想」、「地」とは「現実」とのこと。つまり、「理想をめざして現実を歩む」ということであり、「理想を胸に現実を歩み続ければ、いつしか、この手に理想をつかむことができるだろう」という意味である。むろん、「現実の歩み」は平坦ではないし、時々休みたくもなる。しかし、確実に歩んでいく以外に理想に近づく道はないと思っている。アウトプットすることにより、多くのインプットができ、人生訓を学ぶ。こういう機会は有り難いと改めて思った次第である。
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