恩師の著書
大学時代の恩師から、著書発刊のお知らせが届いていた。自分が大学生になったのは、もう30年近くも前になる。その時にすでに50歳ぐらいだった。改めて手紙を読むと、78歳とのことであった。そういえば、親父と同じ昭和5年生まれであることを思い出した。この年齢で学術書を出すエネルギーに驚いた。
戸田先生。ウィキペディアにも掲載されていた。北方教育研究の第一人者である。「北方教育」と言ってもご存じない方も多いであろう。昭和初期から戦前にかけて、東北を中心に起こった綴り方教育をメインとする教育運動である。秋田には北方教育社(サークルのようなもの)があり、その実践は当時輝けるものだった。その影響は戦後にも及んでいる。大学時代、そのような教育が秋田で行われていたことを自分も誇りに思っていたし、研究室の先輩が卒論で取り上げるのをみて、自分も取り組もうかと迷ったほどである。結局は「文学の中に見られる教師像の変遷について」というテーマの卒論になった。
戸田先生は栃木県のご出身であるが、この北方教育をはじめ、「秋田」にこだわった研究をされていた。今度の著書も同様である。
大学2年生の時に、戸田先生のお宅でお酒をいただいたことがあった。帰る時に、満月を見て言われたことを今も覚えている。ここに書くのは控えるが、「自分も鋭く、勇気をもって発言できるようにならなければ・・・」と思ったものだった。
決して第1希望の大学ではなかったし、第1希望の学科も落ちて、第2希望でようやく引っかかった秋田大学教育学部教育学科だった。しかし、このような恩師に巡り会えたことを誇りに思う。
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