作家の文章の魅力
新幹線に乗る。いつものように「トランヴェール」(JR東日本発行)を手に取る。すでに3月号だ。
冒頭にある作家の文章が好きである。
今回は岩手在住の直木賞作家・高橋克彦さん。一戸町にある御所野遺跡を取り上げている。
同じ二戸教育事務所内にあるということで、「おお、すごい」と思わず読み始める。もっとも本校とは50km近く離れてはいるが。
作家の文章はやはりいい。限られたスペースの中に、遺跡の雰囲気が魅力的に表現されている。
なんだかわくわくして渡れば、この出口の策にいきなりのどかな縄文ノセ会が出現する。派手なものはなに一つない。
復元された竪穴住居がいくつも広い空の下に点在し、静かな小川が流れ、豊かな森がある。実に見事な演出で思わず吐息が出る。いや、吐息と言うより笑顔だろう。本当の平和な世界に時空を飛び越えて訪れた喜びに満たされる。
このような文章を読むと、実際に訪れてみたくなる。いつも実家に帰る時に通っている国道4号線に入り口の看板がある。通常は金曜日の夜か日曜日の夜しか通らないが、昼通る時にいつか訪れよう。そして、「縄文時代の幸福感」を感じてみたいものだ。
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