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June 2009

2009.06.30

授業研究会がおもしろくなってきた

本校での今年度2回目の授業研究会が行われた。
事前研究会での模擬授業の話は、この間書いたが、今回注目していたのは研究授業の他に研究会である。
ワークショップ型研究会を本格的に今年度は実施しようとしているのである。担当は小学校・中学校のそれぞれの研究主任。
昨年度から少しずつ布石はあった。付箋紙を導入したり、話し合い活動を組み入れたり・・・。ただ、機が熟していないところがあり、本格的とまではいかなかった。しかし、それが結果的に今年度すんなり受け入れられたようで、前回から本格的導入が図られた。もっとも残念ながら前回は自分が別会議があり不参加だったが。

というわけで今回の研究会をとても楽しみにしていた。
結果は、大変知的ですばらしいものになった。最初は付箋紙を使ったグループ討議。2グループでそれぞれ授業のポイントをディスカッション。ワイワイと盛り上がる。この雰囲気は前任校に似た感じだ。これで今回の研究会はいい方向に行くと感じた。
25分ほどで終わり、それぞれのグループの発表。検討したい点が共通項目として出された。私自身も授業だけではなく、研究全体に関わることを提示。それらの項目を全体で研究主任が仕切る。限られた時間であったが、これもポイントを押さえて深まった。そして指導主事の指導助言も具体的であった。
ということで、1時間40分の研究会が本当にあっという間であった。知的興奮も味わうことができた。むろん、私だけではなく、先生方も同様である。こうなってくると、研究会がいい方向に加速する。次回はさらに発展するであろう。楽しみである。

※参考:岩手県教育総合センター発行「校内授業研究会の進め方ガイドブックⅡ」

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2009.06.29

有り難き環境

世の中は夏だ。
岩手でも「今日は気温が30度になります」と予報が出る時期になってきた。
暑い夏。それは仕事をする上では厳しい環境だ。7月になってからの暑さで授業が効率的に進まなかったことを思い出した。

さて現在。本校は実に涼しい環境である。「やませ」の影響である。だから、日中の気温の予報が高くても実際には涼しい。教室はもちろん、外での体育も校外学習も適温である。時として冷害の原因にもなるが、学校の仕事をする者にとっては有り難い気候である。同じ岩手県でも南部にある前任校とは本当に違うものだと感じている。

さて、自分のアパートはまた別。朝は窓をあけて空気を入れる。ちなみ自分は朝型人間だから、今の時期は4時台に起床する。鳥のさえずりがあちこちから聞こえてくる。昨年も思ったが、なんと贅沢な仕事環境だろう・・・と改めて思ってしまった。
今の時期は避暑地で過ごしているようなものだ。この朝の極上生活をもっと楽しもうと思った。

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2009.06.28

健全な家庭人であれ

昨日、今日と吹奏楽の大会だった。我が家の子は2人とも関わっているので、連日でその演奏を聴くことができた。それぞれ満足のいく結果が出たようだ。
文化クラブであるが、その練習は時間的にはけっこう厳しいようだ。その分、結果もついてきたのかもしれない。
同時に同じ教職として担当の先生方のご苦労も思う。夜の練習、休日返上での練習・・・ここは小学校教員との明らかな違いである。感謝以外の何物もない。親としては子どもたちを伸ばしていただいて、有り難い気持ちでいっぱいだ。

さて、今日読んだ「明日の教室3」の中に、インパクトのあるフレーズがあった。「健全な家庭人であれ」というものだ。上越教育大学の西川先生が書かれていた部分だ。

「健全な教師として、その時々の健全な授業観を獲得する過程には3つの罠がある。(中略)第3の罠は、自分の時間のすべてを学校に費やし、その他の社会、特に自分自身の家庭との関係が希薄になってしまうという罠である。」

そうならないためにも「健全な家庭人であれ」と主張されている。共感できるメッセージである。家本先生の著書にも似たメッセージがあったことを思い出した。

中学校・高校のクラブ担当(小学校も?)の先生方に感謝しつつ、クラブ活動での保護者の期待がふくらむと、ここに書かれているの原因の一つに結びついていくのでは・・・と感じた。かつて自分がスポ少担当(実質は学校のクラブと同じ)だった時には、先のようになっていた傾向があった。今は今で単身赴任。自戒をこめて先の文章でいろいろな思いを巡らせた。

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2009.06.27

質問のあり方

志水先生が「質問のあり方」というエントリーを書いている。
重要な指摘である。
これは講演会での質問例であるが、授業研究会でも似たパターンがある。かつて、国語の公開授業研究会で自説に基づいた授業展開を主張していた先生がいた。他の先生から、「この研究会は〇〇小学校の仮説に基づいて授業をしている。それに基づいた意見を言うべきである」とすぐに窘められていた。全くその通りだと共感した覚えがあり、その時からその視点を失わないようにしているつもりである。

だから、このような「講演会や研究会での質問のあり方」を学び合う機会が必要だと思う。勉強している人であれば、様々な書籍で同様のことは述べられているから学んでいるとは思うが・・・。

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2009.06.26

校内模擬授業

来週の研究授業を控えた事前研究会。
すでに指導案検討会は行っているので、今回は授業者から「模擬授業」の申し出があった。
本校では今までにないパターンである。喜んで部会員として参加した。

模擬授業にも様々なパターンがあると思うが、今回は「研究授業のための模擬授業」である。リハーサル的なものである。指導案を作成しても、実際の流れは授業を見てみないと具体的な部分まではわからない。特に指示発問を明記していない指導案ではそうである。
このような模擬授業では、指示・発問や教師の授業行為が明確になる。だから、模擬授業を受けながら部会員が「ストップ!」と声をかけて、確認したり、意見を言ったりした。授業者も「そうか。そうか」といいながらメモをしていた。40分あまりの模擬授業後に「だいぶ見えてきた」と満足そうだった。

むろん、子どもの実態というものがあるので、実際の授業はすんなりとはいかないであろう。それは当然である。
ただ、このようなパターンの事前研が行われるのは先生方が研究をするうえで大切なことである。模擬授業の場で発問、板書等の授業行為を考える機会になるし、その背後にある理論も学ぶ。そのプロセス自体が授業者はもちろん、先生方にとって意義あるものだと思う。
来週の研究会ではワークショップ型研究会も発展するであろう。今後の研究が楽しみになってきた。

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2009.06.25

上手くいっているのは「ツイテいる」

いい講演を聞く機会があった。
地元の中小企業の社長さんである。
自分のモットーを20カ条にまとめており、「マイナス言葉を使わない」「陽転思考で」等、私自身のモットーと重なる部分が多く、共感できるものだった。

その中で特に「なるほど」と思ったのが、『上手くいっているのは「ツイテいる」と考えよう』ということだった。誰しも、成功すれば自分の努力だと思いたくなる。それはそうだ。自分のことは自分がよく知っているからだ。しかし、それでは奢りを生む。「上手くいっているのは、たまたまツイテいるだけ」なのだ。そう考えたらよい・・・・そんな趣旨の話だった。
確かにそうだ。自分なりに誰しも努力はしているだろう。認めてもらいたい気持ちはあるし、その努力が結果に反映されたのなら、「努力した結果」だと思いたくもなる。
しかし、それでは隙ができる。謙虚さも失われるかもしれない。さらにうまくいかない時は、「努力しているのに」と思ってしまうであろう。

日ごろなかなか講演を聞く機会がない。今回の講演はこの考え方を知っただけに十分に価値のあるものだった。

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2009.06.24

4倍アクセス

いつもの習慣で今日のアクセス数をチェックしていたら、いつもの4倍ぐらいある。
どうしたものかと思ったら、こちらのニュースに紹介されていた。
これは初めての経験。もっとも沖縄の米作りについて授業をしたものの、このニュースにぴったりと合うかどうかは別なのだが・・・。ただ、ネット・ニュースの威力には驚いた。
もっとも迷惑コメントもついていた。これもニュースの影響。こういうこともあるものだ。

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2009.06.23

人を育てる

今年度に入ってから平日の読書量が減った。目の前の仕事のために参考にする本は毎日目にしているのだが、自分の教養を高めるものは、もっぱら休日。それだけ目の前に仕事に追われているということだが。

さて、明日は出張。今年度初めて学校を一日空ける。登校日では年2、3回程度の貴重な機会だ。直接会場に向かうので、いつもより朝はゆっくり。さらに今日はいつもより早めに帰ったということで、久々の平日の読書。やはりいいものである。この方が目の前の仕事のエネルギーもわいてくる。

今日は思うところがあって以前読んだ「あぁ、監督」(野村克也著・角川書店)を再読した。思うところがあった分、価値ある言葉が次々に入ってきた。

・組織はリーダーの力量以上には伸びない。
・監督の「器」とは何か。「信頼」「人望」「度量」「貫禄」「威厳」「表現力」そして「判断力」「決断力」ということになろうか。
・川上さんは選手たちに「野球人である前にひとりの人間であること」を厳しく説いた。
・本人が「自分が次期監督候補である」という意識を持てば、当然野球を見る目や選手を見る目が変わってくる。
・人を遺してこそ、真の名監督である。

ここに今の自分が考えなければいけないことへのヒントがある。自分自身が実践を重ねるのも原稿を書くのも、今までの経緯からすれば自然なことだ。同時に「人を育てる」ために何をすべきかももっと考えるべきなのだ。器を磨くのも当然のことである。

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2009.06.22

どんな職場の雰囲気がよいか

例によって、来月の雑誌群を本屋へ取りに行く。十数冊になる。
ザーッと斜め読み。そんなに時間はかからない。今のトレンドや目立つ原稿がわかればいいと思っている。特集に注目するが、くわしく読む必要はないと思っている。必要な時に役立てばいいのだから。

さて、今月の雑誌で目に入ったのが「現代教育科学」の連載・明石要一先生の「職場の育成力-どんな職場が『やる気』を育てるか」である。
管理職からすれば気になるテーマである。その中で「どんな職場の雰囲気がよいか」ということで、調査のうちの10項目を紹介していた。

・職場で気楽に話ができる同僚が一人以上いる
・職場の飲み会に参加することが好き
・放課後、部活の担当をしていて退勤時間まで自分の時間がもてない
・どうしてもしゃべりたくない同僚がいる
・自分にきつくあたる同僚がいる
・困っているとき声をかけてくれる同僚がいる
・職員室には笑い声が響いている
・学年を越えて話をしている
・問題のある児童は全職員が把握している
・仕事は公平に分担されている

プラスの評価の項目もあればマイナスもある。たとえプラスの評価項目が9割選んでも1割は選んでいないことになる。全体の雰囲気がよくてもその教師にとっては、マイナスの職場というのもあるだろう。
こう考えると、これらは学級経営の原則と似ている。であれば、よりよい職場作りも、学級作りの筋道で考えていけばよいということになる。全てということではないが、ある程度はそうであろう。自分の学級経営を思い出そうと思った。

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2009.06.21

「明日の教室」第3巻発売!

明日の教室」第3巻が発売されます。まだ予約段階なのですが、ランキングを見るとその予約も殺到しているようです。

第3巻の目次は次の通りです。

1 授業
  ・「授業をつくる」とは 
  ・授業観のとらえ方

 2 教師の立ち位置・子どもへの指示 
  ・声の出し方 
  ・指示の出し方・話し方(話術)
  ・チョークの使い方・板書 
  ・発問のつくり方

 3 ICTの活用・授業で使える小物 
  ・ICTの活用・デジカメ編 
  ・ICTの活用・プロジェクタ編 
  ・授業で使える小物

 4 机間指導・ノート指導  
  ・机間指導 
  ・ノート指導

 5 教材研究 
  ・教材研究・理論編 
  ・教材研究・外部との連携で授業をつくる 
  ・教材研究・子どもの実態や教師の願いに基づくもの

 6 授業の構成・指導案・テスト 
  ・授業の構成 
  ・授業スタイルの大きな分類 
  ・指導案の書き方 
  ・テストのつくり方・採点の仕方

 7 修養・学び合い 
  ・修養 
  ・学び合い

この中の「机間指導」と「ノート指導」を私は執筆しました。この目次を見ただけでも、授業づくりのエキスがあふれている感じがします。
なお執筆者は次の通りです。

代表編者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
池田修…いけだ・おさむ/京都橘大学准教授
糸井登…いとい・すすむ/京都府宇治市立菟道第二小学校教諭

第3巻執筆者紹介
阿部隆幸…あべ・たかゆき/福島県本宮市立糠沢小学校教諭
梅本裕…うめもと・ゆたか/京都橘学園理事長
佐藤正寿…さとう・まさとし/岩手県軽米町立笹渡小学校副校長
杉浦元一…すぎうら・げんいち/東京都杉並区立和田中学校主任教諭
土作彰…つちさく・あきら/奈良県広陵町立広陵西小学校教諭
仲里靖雄…なかざと・やすお/立命館小学校教諭
西川純…にしかわ・じゅん/上越教育大学教授
野口芳宏…のぐち・よしひろ/植草学園大学教授
野中信行…のなか・のぶゆき/横浜市立子安小学校教諭
堀裕嗣…ほり・ひろつぐ/札幌市立北白石中学校教諭

このメンバーに入れていただき、本当に光栄なことだと思っています。

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2009.06.20

朝日小学生新聞記事Webに掲載

昨日、少し書いた朝日小学生新聞への掲載記事がWebにありました。こちらです。
検索してみたら、ちゃんと記事になっていました。しかもほぼ全部です。
記事は小学生とその保護者向け。家庭学習でも通じるのノート指導のコツをうまく書いてもらっています。さすが記者さんだと感心しました。

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2009.06.19

発信したら情報が返ってくる

「情報は発信したところに集まる」とよく言われる。
確かに、発信が乏しければ情報の集まり具合は芳しくはないだろう。ただ、発信したからといってもどんどん集まってくるわけではないと、経験上思っている。

しかし、ここ数日は別であった。

・朝日小学生新聞に先週の取材の記事が掲載された(17日)。一面の6割ぐらい割いた記事であった。Webでは残念ながら見ることができないが、小学生対象の新聞らしくビジュアルにわかりやすく書かれている。ノートの著書も書かれていて、ぐんぐんとアマゾンランキングも上昇した。ブログは紹介されていなので、ふだんより少し多め程度のアクセス数だったが、紹介された本はやはり別だった。

・新聞といえば、「教育新聞」に月に2回連載をしている。全国紙なので、これは反応が時々ある。今日は、教育関係会社から、辞書活用に関わる資料をいただいた。参考になるものばかりでこちらが有り難かった。いい情報であった。

・そしてブログ。コメントから、「子育てハッピーアドバイス」の出版社のブログを知る。「今日のハッピー仲間」として紹介された。リンクして気に入ったのが、「日めくり子育てハッピーカレンダー」。共感するいい言葉が並んでいる。再読したくなった。

発信しているからこその情報のリターン。自分の知識も広がる。

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2009.06.18

クローズアップ現代

平日はほとんどテレビを見なくなった。ニュースはネットや通勤のラジオ(結構充実したニュースや解説が聞ける)で情報を得ているし、家でもそれなりにすべきことがあるので見ている余裕がないというのところだ。その分、土日に実家に帰った分、家族と見ている。

さて、それでも帰ってきて晩ご飯を一人で静かに食べるのはいやなので、自然とその時間はテレビをつける。8時前後が多いのだが、今週はクローズアップ現代を2回見ることができた。いつもまずはこれを見て、興味のあるテーマなら見続けるし、違っていればすぐにチャンネルを変える。

1回目、一昨日の番組では、「人に優しい企業の挑戦」がテーマだった。「不況の時は攻めの経営、好況時は守りの経営」、「急成長は敵」といった発想の転換を促す話に共感した。
今日は「“10歳の壁”を乗り越えろ~考える力をどう育てるか~」というテーマ。東大教授の佐藤学先生がゲストで、小学校での算数実践が出ていた。現場人からすれば、「特別な授業」という感じではなく、集団での学び合いを育てているもので、これまた好感がもてた。調べていくと、犬山市では何年も前から学び合いを取り入れているようだ。その成果はこちらの本になっている。どちらも後半部分しか見られなかったが、それでも自分にとっては価値のある情報だった。
また来週は月曜日が太宰治、火曜日が足利事件。興味のあるテーマが続く。問題はそれまでに学校から戻れるかということだけど・・・。

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2009.06.17

宿泊体験学習で

5年生で大きな行事の一つが宿泊体験学習である。林間学校、宿泊研修と本県で言う場合がある。
本日はその行事。ただし、複式なだけに5・6年一緒である。(修学旅行と隔年で行う。だから5年生で修学旅行に行く子もいる。)

小規模校の行事の負担感は大規模校に比べれば少なく、メリットは大きいと感じた。たとえば、キャンプファイヤーにしても、大規模校で担任していた時には役割分担、事前リハーサル、物の準備、出し物の練習等々、かなりの時間をかけた。さらに4クラスの学校の時には、事前の指導に割く時間もかなりのものだった。当日は当日で、トラブルに対応したり、時間のかかる班のお世話をしたり・・・とゆとりのない日程だった。教師にとっては、本当に体力を消耗する行事だった。
その点、本校はウォークラリーでは班が少ないので、全て到着してから休憩の時間を設けることができたし、キャンドルサービスでは、班の出し物もじっくりとすることができた。余裕のある行事はやはりいいものである。

その宿泊体験学習で「こどもぐんて」というものがあることを知った。ネットで調べてみると、アマゾンでも売られていた。大人の軍手では大きいという子にはぴったりである。いろいろな商品が売られているものだ。以前ダンボールカッターが売られている時に感心したものだった。「必要は発明の母」である。

最後に、所員さんによる今日の宿泊のベッドメイキングの説明は秀逸だった。布団、毛布、シーツのミニチュア版を準備し、机の上で説明したのである。もちろん、表や裏、しまい方も詳しく説明していた。かつては、どのシーツの上に寝たらいいのかわからない子もいたが、これなら間違わないであろう。これも教材の工夫である。

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2009.06.16

用語の定義

教材研究をしていて、時々「はて、この定義は?」と思うことがしばしばある。
社会科で特に多い。昨日も新学習指導要領で重視されている世界地理の部分を調べていて、「島」の定義を改めて確認した。「オーストラリア大陸より小さい陸地」といった部分はもちろんであるが、その逆の「岩のようなものも島か」というところである。

国際海洋法によれば、「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものを言う」と書かれている。満潮時にちょっとでも水面に浮かんでいるのであれば、れっきとした「島」ということなのだ。(これは沖ノ鳥島が有名)
こう考えてくると、「山地と山脈の違い」「湖と沼の違い」「海に流れている川。その境目は」など、あれこれと定義についての疑問が浮かんでくる。社会科教育については、好きで研究しているものの、このような知識面はあまり強くない。こういう調べざるをえない環境はその知識を増やすチャンスである。(ちなみに、山地と山脈、湖と沼の違いはこちらに書かれていた。)


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2009.06.15

原稿を書いてよかったと思った時

読売新聞の岩手版に年に数回「学びの現場から」というコラムを書いている。「何を書いても結構」ということなので、気軽に思ったことを書いている。一昨日掲載されたのは、こちらのブログ原稿をベースにしたもの。さっそく教え子から反応があった。「私たちのことだー、嬉しい」と。

とある方から先週電話。「ノート本」を若い人たちとの研究会で使っています。役立ちますと。これは他の先生方からも「先生方に勧めています」と言われることがある。

先日は、大学の先生から、「学生に「価値ある出会いが教師を変える」を読ませている」という話をお聞きした。これにも恐縮してしまった。

こういう反応をいただくと原稿を書く苦労も吹っ飛ぶ。自分が書いたものが誰かの役に立つのなら、それは本当に嬉しいことである。それがまた自分のエネルギーになり、前進することができる。

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2009.06.14

県民の励み

6月14日。昨年、岩手宮城内陸地震があった日だ。
自分は東京にいて、その瞬間を体験しなかった。それは幸いなことではなかった。家のことが心配でも、帰る新幹線がストップしたまま。何とか仙台まで辿り着いたが、それ以北は運休。一泊かと思ったら、20数km離れた一関までバスが運行していることがわかり、何とか家に戻れた。その日のブログのアクセス数はふだんの3倍ぐらいになっていた。

さて、今日「県民を励ますためにもがんばりたい」をモットーに大会に出た選手たちがいる。富士大学野球部だ。岩手の花巻市にある小さな大学だ。大学野球選手権。高校野球のようにテレビ中継されるわけではないから、地味なのであるが、地元ではちょっとした期待感があった。春の甲子園の花巻東高校に続いての活躍。全国レベルの選手が有名大学に行く中、東北の小さな一大学に進学した選手たち。それが決勝まで進んだのである。

残念ながら7回途中までのリードは守れず敗退したが、大変励みになった。
まず大学選手権に出ることが選手の目標だっただろうし、一勝するのも大変だったと思う。それが決勝まで来た。それは決して運ではなく地道な結果だったと予想する。スタート地点では東京6大学のようなチームではないのだが、努力でそれに匹敵するチームになった。これが尊いのだと思っている。
自分も教員になった時にはきっとぎりぎりでひっかかった口である。だから努力しかないと思っている。そういう点で共感を覚えたニュースだった。

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2009.06.13

新型インフルエンザであれこれ

いずれは来るだろうと思っていた新型インフルエンザの県内での感染者。
本県のバスガイドさんがかかったということで、一緒に修学旅行に行った子どもが出席停止という状況になっている。教員も同様である。

さっそく本校でも校長の指示で各家庭へのインフルエンザ対応のお願い文書を作成。「一からの文書作成」は結構しんどい。しかし、時間がない。そこでネットで検索すると、いくつかの参考文書が見つかった。それらをもとに文書作成。ネットで助かった。

今回は小学生が関わっている事例ということで、「もし自分の学校で似たようなことが起きたら・・・」と想像した。テレビでマスコミが殺到するする様子を見ていただけに、今そのようになると十分に対応できるか不安になった。対応基準をもっていないからである。
調べてみると、マスコミ対応のシンプルなコツとしてある方は次のように書かれていた。

・うそは言わない
・言ってはいけないことを言わない
・逃げない

なるほどなあ・・・と思った。特に「逃げない」というのは重要だと思った。「逃げ」の学校の姿勢が批判されている例も「いじめ問題」や「教員の不祥事」等であった。結局傷口を大きくしてしまう。
このような「対応の基準」をその日のために知っていなければ・・・と痛感した。

新しい対応で必要なことが出れば、必要な仕事も増える。それは同時に自分の学びの場である。そんなことを感じた新型インフルエンザ対応であった。

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2009.06.12

ALTさんから学ぶ

高学年の外国語活動の導入に向けて、本校も今年度は研修の時間を増やしている。校内研で主題研究をしている他に、様々な研修(例:ICT活用、学級経営、図工等)をしたいところもあるのだが、外国語研修は今の時期しかできないことである。これはこれで共通理解をして進めていきたいところだ。英語ノートWeb版を使ってのICT活用も促進されることもいい機会だ。

さて、本校では昨日がその研修日だった。放課後の1時間、ALT(英語指導助手)さんをお迎えしての研修会である。本町のいい点はこのALTさんが「教員経験のある日本人」であるということだ。町内の小学校全校に精力的に入られている。ちなみに中学校はイギリス出身である。
「教員経験のある日本人」だとどういう点がいいのか。「授業についての知識が深い」「日本語で適切な指示ができる」「担任との打ち合わせがしやすい」といった点がある。昨年度まではALTさん中心の授業だったので、大きなメリットだった。今年度から担任が中心になっているが同様である。

さらに、ALTさんは教材開発がとても優れている。研修会ではその一端を披露していただいた。そして、ご自身の教材の工夫を次のように項目的にまとめたプリントを出してくれた。その中には、光るアイデアがたくさんあった。たとえば、次の通りである。

・カードはラミネートするなら表裏使えるほうが便利
・カードは日本語より絵で
・振り付けは、本の通りではなく、歌詞に合わせて意味がわかるように工夫する
・順番に使うものはセロテープでつけておく
・ゲームに負けた子どもたちへの配慮でBOMBシールを利用している

特に最後の「BOMBシール」は「優しさの思想」だと思った。これならゲームに負けても、敗者ではなくなる。逆に羨ましがられるかもしれない。冷やかされた子が泣いてしまったという経験から出てきたアイデアだと言う。経験から多くの工夫が出てくるものである。

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2009.06.11

教え子の声に励まされる

初任の時に担任した子から連絡を受けた。「この夏に同窓会をやるかもしれないので・・・」ということだった。
聞けば、その時に担任した子たちが親になり、我が子が同じ学年(2年生)ということで3人で盛り上がり、そういう話になったとのこと。
「そうか、そういう年月を経ているんだなあ・・・」と改めて感じた。

担任したのが1985年。時は中曽根首相の時代。日航ジャンボ機事故、ファミンコンの登場、阪神タイガースの久々の優勝といった出来事があった年だ。もう24年前になる。その時の3年生だ。その子たちもそれぞれに成長し、結婚、子どもが授かり、今2年生。自分からすれば、あっという間の24年間だった。

赴任してすぐに校長に言われたのが、「初めて受け持った子は忘れられない」。まさにその通りだった。改めて部屋に飾っている初任の時の学級記念写真を見て、名前を確認する。「教師になった時の初心を忘れないように」ということで貼っているものだ。26人分スラスラ出てきた。それだけではない。一人一人のエピソードもすぐに思い出した。
電話をくれた教え子とも、家庭訪問の時のエピソードを話した。「そうだった、そうだった」と彼も覚えていた。そして、私が忘れていたエピソードを逆に教えてくれた。懐かしさでいっぱいだった。

定期的にこのような過去の仕事を思い出させてもらえる。そして、教え子たちのがんばりぶりを聞くことができる。やはり教師というのは有り難い職業である。

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2009.06.10

今の仕事が次の仕事のプレゼンになる

朝日小学生新聞の取材を受ける。
授業を2時間公開である。さすがに担任時代と違って、こういう依頼は「たまに」という頻度である。それでも、まだ教育実践に関する取材が来ることは有り難い。自分自身の実践者という部分を不定期ではあるが、見直すきっかけになっている。取材担当の方は非常に丁寧で質問上手、聞き上手だった。ふだん以上に私もあれこれ話すことができた。子どもたちもいつも以上に授業でがんばって、充実した時間だった。

さて、今回の取材テーマはノート指導である。きっかけは別新聞にノート指導のコメントが掲載されたことである。そこから「では、ノート指導の様子の授業を見せてください」ということになった。さらに先のノート指導のコメントは、ホームページ・ブログ・ノート本を読んで、「この先生なら」ということの依頼である。こういう経験をしていると、今更新しているブログを続ける意味も大きいと感じる。
以前読んだ本で「今の仕事が次の仕事のプレゼンになる」という言葉を知った。まさしくそうだと思った。今回もそうであるし、今依頼されている夏の講師役も、今まで一度登壇して評価していただいたものである。そのためにも、どんな仕事でもその時点で全力で行うことが大切なのだと感じている。

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2009.06.09

「うちどく」

自分が新しい分野の仕事をしていれば、それに関わる知識も増える。
教育振興運動(これは岩手独自のもの)の地区事務局として、読書やノーメディア運動を考えるにあたって、「うちどく」という言葉を聞くようになった。漢字で「家読」と書く。家での読書を指すのだが、単に家で読むだけではない。
家読ホームページ(こういうホームページもあるのだ!)には次のように説明されている。

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「うちどく(家読)」は家族で読書の習慣を共有することです。
家族みんなで好きな本を読んで、読んだ本について話す。
これが「うちどく(家読)」の基本です。

難しいルールは要りません。
家族みんなでルールを決めてはじめてみましょう。同じ本をみんなで読めば、会話もいっそう弾みます。また、お互いに本をすすめあう、家族そろって本屋さんで本を選ぶなど、読む本について相談しあうことでもコミュニケーションが深まることでしょう。
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担任時代は、子どもたちがどんどん読書する実践に目が行き、こういう家庭を巻き込んだ実践までは考えることもなかった。今の立場でできるのは、こういう実践である。もっとも、家読をするようになれば、子どもたちはますます本好きになるであろう。それは担任を十分にサポートすることになる。自分の実践も最終的には、担任実践にリンクしていっているのである。

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2009.06.08

本格的ワークショップ型研究会に向けて

本校の一回目の授業研究会が今日行われた。
自分自身は町学校保健会で招集された会議があり最後しか出席できなかったが、本校にとっては価値ある研究会になったようである。本格的なワークショップ型研究会に向けて一歩を踏み出したからである。

昨年度も研究会のスタイルはある程度改善されていた。付箋紙の活用等で、ワークショップ風に少しなった部分もあった。今年度は研究主任の思いにより、本格的に導入である。管内の研究主任研で具体的に提示されたのが大きかったようである。

自分自身が前任校で行ってきたので、昨年度少しはアドバイスをしたが、やはりこのような「外からの学び」が効果的なこともある。研究主任が今日の研究会前にあれこれ聞いてきたので、即アドバイス&資料提示。さらに研究会後も今日使われた模造紙を前に少しディスカッションをした。これは自分にとっても初めての具体的なアドバイスだった。

「先生方の仕事は見守る。ただし、あれこれ聞いてきたら深くアドバイスをする」・・・これが私のスタンスである。自分に少し経験があるからといって、「こういう風にしてみたら・・・」というのは限られた時にしか言わない。その人自身が不要だと思っていれば、アドバイスも入っていかないのは当然である。
ただ、真剣に「〇〇について聞きたいんですが」「〇〇を教えてほしいんですが」と言われれば、その人は受け入れる姿勢であるから、かなりくわしく話す。それは自分にとってもその人に貢献できる機会だからだ。
これからの研究はこのパターンになっていきそうだ。これからが楽しみである。


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2009.06.07

このごろのインプット

ずっとインプットより、アウトプットの方が多い期間が続く。反省しつつ、限られた本を紹介。

1 「野中信行のブログ教師塾」(野中信行著 学事出版)
 野中先生がかつてブログに書かれていたものをまとめたもの。ブログ自体は私もずっと読んでいた。価値ある内容ばかりで、「お薦めブログ」として何度か紹介したほどである。この本にも野中先生の思想が具体的に表現されている。私にとってインパクトが強かったのは、第2章の「学校の現場からの発信」、第4章の「若い教師に問いかける」。職場作り、若手教師を育てることに奮闘される姿から自分の仕事に共通するものを多く学ばせていただいた。多くの人に読んでほしい一冊である。

2 「明日の教室2 学級をつくる」(「明日の教室」研究会・ぎょうせい)
 1も内容の濃い本だったが、この2もすばらしい。力のある先生方の学級経営のワザが書かれている。それにしても、ここに書かれている参考文献は本当に参考になる。さっそく何冊か注文した。

3 「これが正しい敬語です」(金井良子著・中経の文庫) 
  「きれいな字が面白いほど書ける本」(山下静雨著・中経の文庫)
 これらは自分の仕事上の課題を克服するための本。読むより引く本。学校の机に置いておくと間違いなく役立ちそう。

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2009.06.06

授業づくりネットワーク2009in東京

今年も授業づくりネットワークの夏集会が開催されます。今年は東京です。
私自身は公務のため参加できませんが、密度の濃い集会になること間違いありません。
ご紹介いたします。

■□□□ 授業づくりネットワーク2009in東京 □□□■

技術と省察の教師力の探求~学び合う教師をめざして~
 主催 NPO法人「授業づくりネットワーク」
 後援 東京都教育委員会
    武蔵野市教育委員会

 研究団体「授業づくりネットワーク」では、この4年間「授業成立プロジェクト」を推進してきました。「授業成立の基礎技術の集積・研究」を合い言葉に、授業成立の基礎技術として可能性のあるものを手当たり次第、集めてきました。ワークショップ型授業やミニネタなど、このプロジェクトは少なくない成果を上げたと自負しています。

 この成果を受け継ぎ、さらに2年間「授業成立プロジェクト2」を継続します。今回のテーマは「技術と省察の教師力の探求」です。授業成立には「授業成立の基礎技術」と共に「自分の実践をふり返る・変化に対応する」(省察)を行える「教師力」が必要であると考えたからです。技術だけでもダメだし、省察するだけでも不十分。2つが必要だと考えました。

 「技術と省察の教師力の探求」のために以下、三つの柱を立てました。
  (1)ハイブリッド技術の開発
  (2)ライフヒストリーからの学び
  (3)ワークショップ型の研修
 この三つの柱を具体化するために、下記のプログラムを企画しました。今年の夏は、ぜひ東京にお越しください。

■日程:2009年8月11日(火)~12日(水)

■会場:成蹊大学4・9号館(東京都武蔵野市)
 http://www.seikei.ac.jp/university/
 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1
 〈アクセス〉
  JR中央線・総武線(東京メトロ東西線)・京王井の頭線 吉祥寺駅下車
  ・吉祥寺駅北口バスのりば1・2番より関東バスで約5分
   成蹊学園前下車
  ・吉祥寺駅より徒歩約15分

■8月11日(火)
9:30~10:00 受付
10:00~12:00 講演・対話型インタビュー
「教師のライフヒストリーから学ぶ~辞書引き学習法を中心に~」
 深谷圭助氏の「辞書引き学習法」についての講演に引き続いて、この学習法
 がいかにして誕生したか、対話を通して探ります。
 講師:深谷圭助(立命館小学校)
 対話:森脇健夫(三重大学)
 進行:上條晴夫(東北福祉大学)

13:00~15:00 体験型講座
「安定した授業づくり・安心のある学級づくり」
 A:ワークショップで学ぶ意欲を育てる小学校国語科授業
  講師:木附隆三(東京・町田市立鶴川第一小学校)
 B:PISA型読解力を育てる中学校国語科授業
  講師:堀裕嗣(北海道・札幌市立北白石中学校)
 C:学習ゲームで楽しく力がつく算数科授業
  講師:竹松克昌(神奈川・茅ヶ崎市立鶴嶺小学校)
 D:楽しく学ぶ実験と観察 「言語活動」を生かす理科授業
  講師:真田伸夫(山形・寒河江市立白岩小学校)
 E:全員わかるをめざす「学び合い」の社会科授業
  講師:阿部隆幸(福島・本宮市立糠沢小学校)
 F:特別支援教育に学ぶ授業づくり・学級づくり
  講師:池田康子(神奈川・川崎市立下河原小学校)
     上原淑枝(神奈川・川崎市立百合丘小学校)
 G:プロジェクト・アドベンチャーを活用した小学校学級づくり
  講師:高久啓吾(神奈川・寒川町立一之宮小学校)
 H:エンカウンターを活用した中学校学級づくり
  講師:明里康弘(千葉・千葉市立磯辺第一中学校)

15:30~17:30 Mini-1グランプリ2009
「決定! 第3代ミニネタチャンピオン」
 進行:土作彰(奈良・広陵町立広陵西小学校)

18:00~20:00 懇親会(希望者のみ)

■8月12日(水)
9:30~10:00 受付
10:00~11:30 体験型レポート検討
「『あすの授業』を語り合おう!」
 進行:佐内信之(東京・杉並区立方南小学校)

12:30~14:30 対話型講座
「ライフヒストリーから学ぶ授業づくり・学級づくり」
 体験・講演とインタビューによる講座です。前半約80分が体験・講演、
 その後40分は、その授業誕生の由来をインタビューによって探ります。
 I:物語を読むための「10の観点」とその由来
  講師:白石範孝(筑波大学附属小学校)
  対話:鶴田清司(都留文科大学)
 J:理科実験を効果的にする「学び合い」とその由来
  講師:水落芳明(上越教育大学)
  対話:赤坂真二(上越教育大学)
 K:学級づくりに役立つ「3・7・30の法則」とその由来
  講師:野中信行(神奈川・横浜市立中沢小学校)
  対話:石川晋(北海道・上士幌町立上士幌中学校)
 L:学級づくりに求められる「学級担任論」とその由来
  講師:池田修(京都橘大学)
  対話:喜岡淳治(成蹊大学)

15:00~16:40 模擬授業
「ハイブリッドのすすめ~新旧技術の混交~」
 講師:鈴木啓司(千葉・市川市立曽谷小学校)
 講師:石川晋
 進行:上條晴夫

16:45~17:00 エンディング
「発表!授業づくりネットワーク2010in京都」

 *講座は調整中です。正式決定・詳細・申込み等はこちら
  

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2009.06.05

プレゼン力

時々プレゼン力について考える時がある。
発表に関わって「プレゼンシート作成に力を入れたなあ・・・」と思わせるスライドがある。しかし、かんじんの話し方が今一つという例を何度も見てきた。「発表原稿ばかり見て、時々しか聞き手を見ない」というのはまだいい方で、ずっとパソコン画面ばかり見て発表する方や、場合によってはスクリーンばかり見て、聞き手に背を向けるという例もあった。

逆の例もある。パソコンによるプレゼンは一切なしで、「言葉の力」だけで印象に残るプレゼンをする方もいた。著名な講演者に多かったのであるが、一番印象に残っているのは「夜回り先生」こと、水谷修氏である。2年前に講演を聞いた。今も迫力のあるプレゼンぶりが思い出される。たとえは、次のような感じだ。

・話し方が非常にクリアー。しかも言い間違いが全くない。次々とテンポよく言葉が出てくる。
・むだな「エー」「で、・・」といった癖がない。
・描写がとても具体的。様子が誰でもイメージできる。
・会話文を時々入れて「一人劇」みたいなこともできる。
・会場のみんなが「水谷さんが自分を見ている」と思うような視線。これはなかなかできない。
・問いかけて挙手。聴衆も講演に参加している感じが強い。
・ユーモアもあり、飽きさせない。

まさに「プレゼン力」。考えさせる講演会だった。


 朝早く目が覚める。だんだん明るくなるのが早くなるので仕方がないが、今日は体調がよさそうなので起きてしまう。朝一仕事。

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2009.06.04

読書ボランティアさんの有り難さ

本校では月に2回、読書ボランティアさんが読み聞かせに来校される。
朝の15分程度で1・2年、3・4年、5・6年にそれぞれ本を町立図書館から借りて読んでいただく。子どもたちにとっては、楽しみな時間の一つである。渉外関係は私が担当なので、終了後に読んだ本の話を聞きながら、私自身の児童書の世界も少しずつ広がっている。

2週間ほど前に、ボランティアさんのお一人に、「教科書に出ている本を教えてください」と言われたので、さっそく資料を送った。そうしたら、今週、「教科書関連の図書」を町の図書館から40冊以上借りてくださった。中には「三つのお願い」や「スイミー」といったそのまま教科書に出ている本もあった。教科書の絵と見比べることができるので、面白い。本校は図書数が少ないので、担任の先生方も大助かりであろう。
読み聞かせだけで有り難いのに、さらにこの行い。本当に有り難いと思った。

私自身も展示作業をしながら、本を斜め読み。その中で見付けたのが「声に出して楽しんで読もう」シリーズ(小森茂監修・学研)。1年から6年まである。実に多くの作品が一冊に掲載されている。昔話、詩、歌、小説の一部等々。知っているものもあれば、初めて読むのもある。ただ、確かに「声に出すと楽しそう」である。
たとえば、1年生の6月だったら、「ずいずいずっころばし」「かごめかごめ」「ほ ほ ほたるこい」というように遊び歌である。これが8月になると、昔話の「こぶとりじいさん」や唱歌「浦島太郎」というように月によってテーマも変わってくる。「教材にもなるなあ・・・」と以前低学年担任の時に、楽しい詩を音読させたり、読み取らせたり、似た詩を作らせたりしたことを思い出した。

こういう世界に触れさせてもらって、読書ボランティアさんは教師の世界を広げるという意味でも有り難いと思った。

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2009.06.03

全校朝会の話

全校朝会で校長先生からの話が月1回ある。
今朝はその日だった。飼っている犬の話であった。犬の成育歴、扱い方、どんな思いで接しているか等々、ジェスチャーや関連グッズを用いた熱いお話ぶりであった。子どもたちは集中してよく聞いていた。
校長先生は事前にご自身の話を振り返る用紙を担任に配布していた。担任の先生方は朝の会で、校長先生の話を振り返ることができる。これはこれで、「校長先生にしかできない実践」だなあと感じた。
たとえ月1回でも積み重ねれば、「聞く力」は大きく伸びると思われる。

前任校の校長先生も月1回の全校朝会のために、きちんと話す内容をそのまま書き、読む練習をしていた。校長室に用事で入った時に、原稿を繰り返して読む練習をしていたことがあった。わずか3分ほどの話でも、しっかりと練習をしていた。その心構えは見習わなければ・・・と痛感したものであった。

以前読んだ向山洋一氏の本で校長先生の話のすばらしさを書かれていたものがあった。その校長先生も話す準備をしっかりとする先生だったのだが、ある日の全校朝会は「青空を見てみましょう。今日は青空がとってもすばらしいので、話すことはありません」と言って降壇したということである。これはこれで印象に残るエピソードである。

私も教育実習での校長先生の話で印象に残ることがあった。子どもたちが校長先生の話に共感して、話の途中でも拍手をするのである。担当の先生が、「今の校長先生になってから、子どもたちが拍手をするようになった」と話されていた。附属小であるから、校長先生は大学の教授である。「子どもたちに拍手をされるような話ができるようになりたいものだ」と思っていたが、担任時代はなかなかできなかった。

全校朝会の話一つでもいろいろなエピソードがあるものである。

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2009.06.02

「ジャスト・スクール」

ジャスト・スクール」誌が届いた。全国の各学校にも送られているが、自分は個人で購読させてもらっている。
今号は知っている人が続々と出ていた。信州大・村松先生、富山の笹原先生、熊本の前田先生等々・・・。さらにはよく見るブログの日向教育サークルも。

これだけ知っている人が出ていると、やはりふだん以上に注目して記事を読む。そういうものである。学級通信に我が子の名前が出ている、自分の名前が出ているだけでふだんの注目度とは違う。そういう効果を狙って、意図的に子どもたちの名前を出していた。

さて、テクニカルライターの富永敦子さんも出ていた。お名前だけは知っていたのだが、改めて記事を読み、ブログも拝見。「文章作成の教材」を読んで、「文章修行も続けなければ・・・」と感じる。ビジネス文書作成は今の自分に必要なスキルだからだ。これは教育実践の文章とは違ったものである。

一冊の冊子であるが、読み方によって自分の幅も広がる。そんな今号であった。

※「そういえば・・・」と思って、過去の自分の記事がWebに残っているか探してみました。ありました。
 前任校の5年生の授業対談。どちらも4年前のものです。対談は初めての経験で、かなり緊張してしまい、「ずいぶん固かったですね」とライターさんに言われました。いい思い出です。

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2009.06.01

やはり雑談はいい

前任校の担任時代は、教師も子どももすべきことが多くて、なかなか雑談ができなかった。「週に2回、いや1回でもいいから放課後に雑談したい」と思っていた。子どもたちとの距離が縮まるし、何よりも子どもたちと話すのが好きだったからだ。

今は担任ではないから、やはり雑談する機会は限られるが、補欠授業に入った時には給食時間が実にいい雑談タイムだ。やはり食べることは授業と違ってリラックスするのか、子どもたちの口も滑らかで、よくしゃべる。けっこう大事な情報も中学年・高学年で得ることもある。
さて、今日は1年生に入ったのであるが、今までだと1年生は自分のことを聞いてほしいようで、自分のことばかりでなかなか全員での会話にはなっていなかった。発達段階からすればそうであろう。
ところが、今日子どもたちと給食を食べながら会話をしていると、十分に話がかみ合っていて楽しかった。集団として、まとまってきたんだなあ・・と感じた。私もその仲間に入れていただいた。

「私、将来アイドルになるのをやめてケーキ屋になろうかな・・・副校長先生は?」
「じゃあ、将来アイドルになろうかな?」
「えー」
「えー」
「タイプじゃないよ」
「じゃあ、芸人になろうかな・・・」
「いいかもしれない。ダジャレ、多いものね」
「うん、サンドウィッチマンの一人になったら合うかもしれない(笑)」

こんな感じだ。(そうか、自分はサンドウィッチマンと違和感のない雰囲気か・・・)とちょっとガクッときたが、それでもこのような雑談は楽しくてしょうがない。補欠で学級に入る時の楽しみの一つになりそうだ。

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