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November 2009

2009.11.30

「解き方いっぱいドリル」発売

自分が関わった書籍の紹介です。
学研の「解き方いっぱいドリル」です。堀田龍也先生が編著者です。まだ予約段階ですが、殺到しているようです。出版社紹介文は次の通り。

小学3・4年の子どもが算数でつまずきやすい単元20本を厳選!
1問につき解き方を3種類掲載しているので、
自分がわかりやすい方法で理解することが可能!
小学校現場で実際に指導テクニックとして活用されている裏技で、
徹底的に理解できる!

この本は自分にとって初めての経験がありました。
一つ目は学習参考書ということです。小学生対象の本です。今まで教師向けの本ばかりでしたので、参考書をあれこれ見るいい機会となりました。
もう一つは算数の分野ということです。教科別で言えば社会の執筆が自分の場合はほとんどなのですが、算数や国語も研究授業の数や研究紀要の執筆量から言えば、社会に負けずに多いです。その意味では自分の過去の経験も生かせたと思います。

学習参考書でも、3・4年生の指導法研究には有意義な本です。発売されたら改めて紹介したいと思います。

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2009.11.29

連携型中高一貫教育

教育ルネサンスの記事にはよく注目をしているが、今回は連携型中高一貫教育についてだった。
本校の中学校もこの連携型中学校一貫教育である。町内の4校と軽米高校がその該当である。
実際の連携は高校の先生方が週に1回、中学校で本校の先生方と一緒に授業をする。そのメリットは大きい。

・高校の先生が中学校の学習の様子を肌で知ることができる
・生徒を知ることにもなる→高校での指導に生かせる
・子どもたちも高校で知っている先生からおり、安心感が生まれる
・教師同士の交流もいろいろな面でできる(組織がある)

併設型と違ってきわめて緩やかな一貫教育なのだが、実にうまく行っていると思う。この連携型中学校一貫教育の様子は通信にて、地域住民にも配布されている。地域での理解にもつながっている。自分は小学校なので、その様子を横目で見ているだけである。しかし、それもまたいい勉強になっている。

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2009.11.28

反省

ブログに書くことは「うまくいっていること」を書くことが多い。
昨年度は日常の仕事ではミスもあったし、他の人に助けてもらった・・・ということもあった。
文書をしっかりと見ておらず、少し迷惑をかけるということもあった。幸い大事には至らなかったが。

今年は2年目ということもあり、そういうことはほとんどなくなったが(日付間違いといった小さな文書ミスはあるが)、もう少し厳しくチェックしていれば・・・ということが今週一つあった。即対応して事なきを得たが、まだまだ自分の仕事力は鍛えなければいけないと反省した。

さらに、上司に「〇〇について考えてください」ということを言われることがある。「ああ、こういう視点もしっかりと考えていかなければいけなかったんだなあ」とこれまた反省する。現状維持ではいけない。それは管理職の仕事も同様である。これも反省である。

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2009.11.27

ICT活用研修会

本町に赴任して1年と8ヶ月。本校をベースにICT活用を少しでも広めようと思っていた。
本校ではある程度広まり、頻繁に活用する先生も出てきた。他の先生方も学級に常置しているということで、随時活用しているし、行政や他校の先生方が来校し授業参観をする時にはよく活用していただいている。1学級5分程度の参観なのだが、4学級のうち常に半分以上の学級で使っている。これはこれでいいPRになっていると思う。

さて、来週の月曜日はICT活用研修会である。昨年度までは情報教育担当者研修会というもので、機器操作主体だったが、今年度から変わった。本校会場で授業提供お一人、私も講座講師である。
赴任2年目でこういう機会に恵まれたことは本当に有り難い。しかも対象は各学校の初心者。提案授業のプラン作りも順調に行っているので、いい研修会になるのでは・・・と思っている。各学校からさらに広がる講座を自分も心したい。

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2009.11.26

池田先生のコメントから

昨日、少しだけ賞状の話を書いたら、池田先生@京都から貴重なコメントを2回もいただきました。
有益な情報です。コメント欄をご覧にならない方もいると思うので、転載します。池田先生、ありがとうございました。ご了承ください。

----池田先生のコメント1

賞状を筆で書く時のコツですが、3つほどあります。

1)墨は、濃くすること。少し粘りが出るぐらいが良いです。または、賞状専用の墨汁がありますので、それを使うと良いです。文字に艶が出ます。

2)文字はいつも書いているよりも、縦の縮尺を縮めること。横に張っているように書くと落ち着きが出ます。

3)きちんとした筆を使うこと。お習字が苦手な人は、筆の毛に腰のあるものを使うと良いはずです。柔らかい毛では味わいは出しやすいですが、初心者には難しく、なおかつ賞状の文字は味わいは必要ありません。

また、もう一つ付け加えれば、ワープロで書き、隷書体のフォントで一度プリントアウトしたものをお手本にして書くというのも良いんじゃないかなと思います。

お試しください(^^)。

----池田先生のコメント2

そこまで喜んでいただけるのであれば、お薦めの商品名もご案内しましょう。値段は、サイトによって違うのでお気に入りのところで探してください。


http://store.shopping.yahoo.co.jp/touhoukoueki/ft-0010.html

などにある

写巻
双料写巻
下筆春蚕食叶声

などの唐筆が安くて書きやすいと思います。
はじめに半分ほど下ろして、感触を掴んで文字の大きさに応じて下ろす部分を増やします。

墨汁

http://item.rakuten.co.jp/shuyodo/c/0000000318/

三歌仙

を私は卒業証書を書くときに使っていました。ここにさらに発色の良い墨を刷り込んで、つまりこの墨汁を硯に入れて、墨ですったものを使っていました。

卒業生を指導しながら書いたのでとても大変でしたが、良い思い出です。生徒は、いつも文句ばかり言っている私が、こんな風にして書いているとは思いもしなかったでしょうけどね。

------(ここまで)

やはり専門家なので、方法論も道具も確たる軸があるんだなあ・・・と感心しました。
池田先生と言えば、糸井先生と一緒に取り組んでいる「明日の教室」。
12月は12日(土)に、書写と篆刻です。講師はもちろん池田先生。こちらに情報があります。
私などはぜひとも受講したいのですが、さすがに京都は遠いので行けません。
まずは自学でがんばりたいと思っています。

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2009.11.25

必要な「ハウツー」

教員になりたての頃、「ハウツー本」はよく読んだ。理論書もそれなりに読んだが、何しろ明日の授業が大事。発問が具体的に書かれている本は本当に役立った。そのうち読む割合も少なくなったが、経験が少ない頃はやはりハウツー本は必要だった。

実は管理職になってからもいくつかのジャンルで「ハウツー」に近い本が欲しいと思っていた。紹介があって「分かりやすい公文書の書き方」を購入した。今だに公文書では迷うことが多く、時には時間がかかる。引き継いだ資料もあるが、それらも吟味が必要だ。こういうジャンルはやはりハウツーが欲しい。先の本は内容を見たら、自分に大切な情報がいくつも入っていた。

教諭対象の本は授業づくりにしても学級経営にしても、ハウツー本はたくさん発行されている。しかし、管理職対象のものは本当に限られている。本の対象者が少ないから仕方がないものの、必要としている人がいるのは確かだ。(今日の賞状書きでも「字が上手ではない教師のための賞状書き」のような本があったらいいとつくづく思った。)

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2009.11.24

一区切り

この連休中に終わらせなければいけない仕事を無事今日終えることができた。(日曜日出勤の振替があり4連休だった)
一区切りである。正確には9合目あたりを登って、あと一踏ん張りというところなのだが、ここまで来れば何とか残りも頑張れるであろう。
今回は書籍の仕事。10ヶ月以上前に依頼を受けていたが、本務の時間を割いたり、他の仕事と重なったりでなかなか進まなかった。しかし、一番大きな理由は参考文献として読んだ先達の先生方のすばらしさを感じたことである。その頂の高さに改めて圧倒されっぱなしだった。
これはこれで、「今の自分が背伸びをしないで書けるものを書こう」と逆に決意したので、その点ではよかったのかもしれない。

さて、一区切りはしたもののオフの余裕はない。次の取り組みを開始する。休まずにゆっくりと着実に走り続けることが、自分には一番適している。

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2009.11.23

今日の読書

取り組まなければいけない仕事はあるが、行き詰まり。悩んでいても仕方がないので、このごろ少ないインプット。

■「折れそうな心の鍛え方」(日垣隆・幻冬舎新書)
 誰しも「心が折れそうな時」はあるだろう。自分もそうだ。日垣さんもそういう時があったんだなあ・・・と共感を覚えて読み始めた。生き方や仕事に役立つ光る言葉が数多い。最後の章の泣ける映画紹介もいい。映画をみたくなった。

■「勝間・藤巻に聞け!仕事学のすすめ」(勝間和代・藤巻幸夫・NHK出版)
 テレビで放送されていたお二人の番組。興味をもっていただけに、本が出版されたのを知り迷わず購入。「自分ブランド」がまさにキーワード。そこに至るまでのお二人の仕事術が読み取れた。「ブランド」で思い出すのは、家本先生。「自分は【家本ブランド】を大切にしている。だから、編集する時も厳しく書き直してもらう。本を購入する人は家本先生の本と思って購入する。その期待に沿って厳しく編集している」という話を鮮明に思い出した。

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2009.11.22

最近読んだ本から

発信活動を盛んにするためには、インプットも盛んにしなければいけないのだが・・・・、この頃はなかなかうまくいかず。そんな中で、最近読んだ本2冊。(2冊という数字自体が最近のまずさを物語っている)

■「節約の王道」(林望著・日経プレミアシリーズ)
 よくある節約術の本ではない。節約の「思想」について考える本といった方がいい。
・節約食とはすなわち健康食である
・虚礼に金を費やすな
・見栄ほど醜いものはない
・病気にならないことが何よりの節約である
というように、派手ではないが確かな言葉が並ぶ。だから王道なのだろう。現実はなかなかこのようにはいかないが、思想だけはもっていたいと思った。

■「教師の生きがいと学び方」(有田和正著・明治図書)
 10年前に購入し読んだ本。原稿の参考のために読み直した。
・わたしの生きがいは仕事だ
・教師としての仕事を趣味にする
・努力と挑戦をモットーに
というように、有田先生が常々話されていることが集約されている。10年前、様々な教材開発に夢中になっていた頃は、「同じ、同じ」と共感していた。立場の変化で、「今も同じ」とは言えないが、その思いはこれからも共有していきたいと思う。

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2009.11.21

教育雑誌12月号から

★「社会科教育」(明治図書)
 いつも新保先生@北海道の連載を楽しみにしている。今月号は拙著「価値ある出会いが教師を変える」を大々的にご紹介いただいた。感謝してもしきれないとはまさにこのこと。その中に私のこと(どんな人か)を10項目書かれている。自分がそういう人物ではないことは百も承知であるが、自分が目指すべき人物像と理解した。がんばって前へ進もう。

★「現代教育科学」(明治図書)
 特集テーマが「「戦後教育観」何を脱却すべきか」というもの。その中に「社会科授業の最重要課題は何か」というものがある。お二人が「日本や地域に誇りをもつような授業」について書かれていた。同感である。社会科の役割は大きいと実感。

★「総合教育技術」(小学館)
 教師間コミュニケーションを特集として扱っている。管理職からの提言から学ぶのはもちろんであるが、若手3人の座談会の話がおもしろい。おもしろいと感じること自体が自分が若手の意識とはかなり違うことを物語っているのかもしれないが・・・。若手は「褒めてほしい」より「認めてほしい」というくだりに同感。もっともこれは若手だけではないであろう。野口芳宏先生の連載からも学ぶ点多し。

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2009.11.20

教育の成果

どの都道府県でもある制度だと思うが、本県にも「永年勤続表彰」がある。
家人が今年該当で、「ご夫婦で式に」という招待をいただいたので参加した。県内で4百数十名。ちなみに自分は採用試験に落ちているので、来年度である。

表彰は一生に1回のことなので、受けられた皆さんにとっては一つの節目となったであろう。残りの教員生活を頑張って過ごそうという思いにもなったかもしれない。

さて、アトラクションがあり、名門高校の音楽部がすばらしい合唱を披露した。これは聞き応えがあった。素晴らしいだけではなく、訴えるものが伝わってきた。曲も表彰者に合わせたのか、「太陽がくれた季節」も歌った(これは自分が小3の時だった)。合間に話すメッセージも心に残った。
なぜ今回のアトラクションが高校生だったのか。それは教育のすばらしさ、子どもたちが力をつけることの見事さを感じることができるからだと思った。本当に教育はすばらしい。教師の仕事はすばらしい。そう感じさせるものだった。
その子たちのメッセージでも「私たちがこうして成長したのもの、温かくそして厳しく指導してくださった先生方のおかげだと思っています」というものがあった。自分の教え子から似たことを言われたことを思い出した先生も多かったことであろう。

教育表彰式には子どもたちのアトラクションが一番である。

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2009.11.19

考えさせるWeb

Web2題。

■小規模校の公開
 今までも書いたが、三重の太郎生小で学校公開が行われた。公開の様子はホームページに詳しく記載されている。こちら。ホームページの記事にプラスして学校便りを読むと当日の雰囲気が伝わってくる。
 太郎生小は私の勤務する小学校と同様に複式学級がある。そういう学校の公開記録はWebではなかなか見ることができない。しかも、提案性のある大胆な公開。魅力を感じるし、「小規模校だからできる可能性」も考えさせられた。本校で何ができるか・・・。足元を見つめよう。

■「管理職」について考える
 これまたよく見る野中先生のブログに、「希望降格で、179人」というエントリーがあった。野中先生による「管理職論」である。「管理職は、学校をまず教職員がすごしやすい職場に変えていくことである。」「管理職は、学校を変えるためには、ビジョンと方法論をもっていなくてはならない。」「今までの学校を成立させている<仕組み>をきちんと調べ上げなくてはならない。」というようにグサッと入ってくるフレーズが並ぶ。思わず自問自答。気づけば来年度について考える時期にもなってきた。考えていこう。

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2009.11.18

副校長実践

年1回の地区副校長研究大会。
今年は県の大会も東北大会も出席しなかったので、副校長実践を知る貴重な場になった。
・地域との連携を深める実践。副校長として何をするか。
・学級経営案の改善に向けての実践。
・教職員への働きかけ・・・等々。
実に様々な「実践」が出てきた。副校長の「実践」の範囲は広いということを改めて自覚をした。
昨年度は自分なりに教頭実践を年度末にまとめたが、今年は原稿執筆に時間を割いているので、十分な記録を残していない。自分も記録化していかなくてはと痛感した。こういう研究大会はその点では貴重である。

懇親会等の情報交換では読売新聞岩手版のコラムについて数人の先生に「読みました」と言われた。新聞というメディアの威力を実感。

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2009.11.17

ICT活用を広める機会

今月ICT活用に関して講座の依頼を受けている。
嬉しいことに今回は町主催の「授業改善研修会(ICT活用研修会)」である。しかも対象は初心者がメイン。各学校から1名以上が来校し、提案授業+研究会+講座というスケジュールである。自校では昨年度から取り組み、広がりという点では一定の成果を収めている。この研修会をきっかけに今度は他校にも一定の広がりが期待できるのでは・・・と思っている。「働きかけ」の大切さを感じる。

さて、このごろICT活用のインプットが乏しいので、「これはいかん」と文献を読んだり、Webで学んだりしている。そんな中、こちらのWebを堀田先生のブログから知った。平成19年度に開発されたものであるのに、今まで出会わなかった。惜しいことである。管理職として必要なことはもちろん、教職員にその必要性を伝えるためのエッセンスが詰まっていると感じた。Webでも学べる時代はありがたいと改めて思った。

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2009.11.16

歴史資料館

町の教育研究会が年に3回ある。自分は社会部会に属している。これは初任以来、どの地区でも所属してきた。研究授業をしたり、フィールドワークをしたりと自分の授業づくりに大いに役立ってきた。特に研究授業は、「誰もいないのなら私がしてもいいですか?」と2年に1回ぐらいはしてきた。校内研で社会の研究をしていなくても、社会自体の研究授業が多いのは、このためでもある。

現地区はフィールドワークがメイン。今回は町の歴史民俗資料館の見学である。実は資料館や博物館はあまり興味をもって見ることがない。見学に行ってもパーッと見終わることが多い。
だから前に1回見にきた時があったが、十分な見学をしていない。だから、逆に今日は時間が十分にあったので、学芸員さんの説明と展示物について知ることができた。聞けば、軽米町は遺跡がたくさん出てきているとのこと。これは聞いたことがなかったので驚いた。遺跡や出土品だけではなく、他の授業のヒントもごろごろあった。

また、戦前の国定教科書や教材があった。こちらには興味があったので、自由時間に読みふけってしまった。「修身教科書」は初めて1冊丸々読んだ。これはいろいろと考えるうえで貴重だった。

小さな町でも貴重な資料が揃っていた歴史資料館。自主的には見学に来ることはなかったであろう。町の教育研究会という有り難い「強制」があったからこそ、このようなヒントも得ることができた。このような強制は学びに大切である。

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2009.11.15

寝かすこと

23年前に発行された「思考の整理学」(外山滋比古著)が売れているというニュースをしていた。「東大・京大で一番売れた本」「若いうちに読みたかった」というキャッチコピーがついているという。教員なりたてで今以上に本を読んでいた時代だが、残念なら読んでいなかった。まさに「若いうちに読みたかった」というコピー通りになりそうだ。

さて、そのニュースでは外山氏へのインタビューや取材が行われていた。「考えを寝かせることだ大事」ということが紹介されていた。毎朝、皇居の近辺を2時間かけて散歩するという。そのために定期券を購入しているほどだ。散歩をしては時々足を止め、もっている紙に思いついたことをメモをする。それがノートに転記され、熟成されればメタノートに記録されるとのことであった。
あれこれ発信はしているものの、自分の場合には「寝かせる」ということはほとんどない。原稿の構想を寝かせることはあるが、それはどちらかといえば「詰まっている」という方に近い。今回の雑誌原稿もそうだ。

今後の残りの教員人生は実践者時代と違って「考える」という時間が増える。そのためにはこの「寝かせる」という作業も必要だと感じた。(ウォーキングしながらという点にも注目した。運動不足の毎日は変わりないからなあ・・・・)

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2009.11.14

「教師のための時間術」

教師の仕事術に関わる本はそれほど多くはない。圧倒的に授業関係本、学級経営関係本が多いであろう。
それは各自が一定の仕事の方法をもっているからといえるが、「仕事の方法の改善への取り組み」がなかなか話題にならないということもある。しかし、先進的な実践者は間違いなく自分なりの「術」をもっている。

教師のための時間術」を読んだ。著者は長瀬拓也先生。岐阜県の小学校教師だ。まだ20代。しかもこれが初単著ではない。すでに2冊目。私は2回お会いしたことがあるし、時々メールのやりとりをしている。実に頼もしい若手教師だ。

この本を読んで、長瀬先生の時間術には自分に似ているところが多く共感した。本を読む時、自分に似ている部分があるとホッとするものである。いくつもの学ぶ点があるが、特に印象に残ったところを記そう。

・イレギュラー(思いがけない仕事)を減らす・・・生徒指導上の問題にかなりの時間を割かなければいけない先生がいた。放課後にその先生の研究授業の打ち合わせが始まったら、「先生、ケンカです」と呼ばれてそのまま流れてしまう。そんなことがしばしばだった。学級づくりが教師の仕事時間に影響を与えることを痛感したものである。
・アライアンス(同盟)で考える・・・「時間を他の人にプレゼントする」と書かれていた。自分はまさにこの立場である。
・子どもができる仕事は子どもに、来た仕事はすぐ、だいたいでよいということにこだわる・・・「子どもと一緒に仕事」「その場主義」「80%主義」という自分の考えに通じるものがある。

自分が若い時からこのようなことを意識していれば、自分の仕事ぶりも今よりは精度が上がっていたのではないかと思う。その点から若手教師にはぜひ読んでいただきたい一冊である。ベテランにとっても固定化した自分の時間術を見直すいい機会になると思う。お勧めである。

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2009.11.13

どんな環境でも工夫はできる

小学生の図書館利用が過去最高という記事が掲載されていた。

たまたまここ1週間、図書館関係の様々な活動や催し物の計画があったので、「やはり工夫でできるんだ」と改めて感じている。
本校に赴任して図書室を見た時に、「規模からすると本の数はしかたがないのかなあ。古い本も多いかな・・・」と感じた。このご時世である。厳しい予算状況ではこれはやむを得ない。
しかし、1年半いると子どもたちを読書好きにする努力や工夫が本当にされている。

・地域の読書ボランティアによる月2回の読み聞かせ
・町の巡回図書館。月に1回、学校に120冊(30冊×4学級)の貸出
・ブックトーク・人形劇に開催(年数回)
・地域子ども会での読み聞かせ等々

経済的なことを心配しなくても、このようなことができている。特に昨日はブックトークがあり、いい本をたくさん紹介していただいたうえに、さらにたくさんの本を貸していただいた。
今日は巡回図書館。今、学校には子どもたちが興味をもつような本が300冊近く借りられている。本校の規模(全校32名)からすれば恵まれている。(考えてみれば学級に300冊近くあるようなものだ)
上記のことに自分も携わっているが、さらに大人向けの朗読会も本校学区で企画した。こちらの方をお招きしての開催(今月末)である。町のバックアップで、経済的な心配も無用。
どんな環境でも工夫はできるものだと思っている。

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2009.11.12

教育パートナー

昨日の学校公開で、「教育パートナー」というシステムがその学校にあることを知った。
保護者から募集して、算数の丸付け等のお手伝いをしていただくものである。単に丸付けをするのではなく、温かい声がけによって、子どもたちが学習に意欲的に取り組むというものだった。システム上はいろいろな手続きがああるが、軌道にのっているようだった。
このシステムを知って、もう16年前になるアメリカ研修を思い出した。

自分が小学校に通っている4週間に、親御さんが学校に来ない日はなかった。
毎日、どこかの学級で、何人かの親御さんが来ていた。私の参観している授業でも時折見かけた。
別に授業参観の日があったからだけではない。また、PTAの行事の話し合いがあるとかというわけでもない。
教師のする授業の手伝いをしに来ているのである。「スクールボランティア」あるいは「ビジター」というシステムだった。校外学習の移動の安全確保のお手伝い、作業学習の準備や片づけの手伝い、コンピュータ学習のお手伝い等、保護者が気軽に学校に来ていた。

「子どもたちの学習が効率的に行われる」他に、「親が我が子の授業の様子を気軽に見ることができる」「子どもたちにとっては、友達の親を知る機会であり、反対に親は子どもの友達を知ることができる」といったメリットがあるように思えた。

子どもたちも親が学校に来るのが自然と思っている。
そして親が帰る時には、皆が盛大な拍手で見送る。まさにヒーローである。
当時は、このシステムが実際に日本でそのまま行うことは、困難であろう。そもそも、仕事をそんなに簡単に休むわけにはいかないと思っていた。
しかし、時代は変わりつつある。アメリカで見た風景が見られるのも近いのでは・・・と昨日の学校公開で感じた。

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2009.11.11

他校の授業参観

今日はとても嬉しい出張である。
他校の公開授業研究会参観。全員参加の公開研究会なので、授業を見られる。
担任の先生方にはどんどん他校に行って、刺激を受けていただきたいと思っている。しかし、学校割当旅費も限られているし、自分が行く出張は副校長の職務関係のものがメインになるので、今年初めて他校の授業を見ることができたというわけである。

本校の研究テーマと似ていたので、参考になる部分が多かった。人数も10人前後と小規模校だったので本校に近くその点でも得るものがあった。
同時に学校公開の「文化」についてあれこれ考えることができたのも価値があった。分科会の位置づけの共通理解は重要である。

それにしても、学校公開校は私の若い頃に比べたらずいぶん減った。今日見た学校も公開は9年ぶりのようだった。以前は5~6年ぐらいで公開したから、誰でも一回は在任中に公開経験をしていた。今は、「公開に当たらない先生」も出てくるであろう。それはその先生にとってはかわいそうなことである。

自分は2校目が自主公開をする学校だったので、6年連続公開という経験がある。この時代に研究授業をたくさん経験できたのは、自分の授業力を鍛えるうえで幸せだった。
むろん、公開するからには負担はかかる。しかし、その負担は自分の授業力がアップする喜びに比べたらたいしたことがなかった。
「いつでも自分の学級を公開できるようにしよう」
「研究授業はいつでも引き受けよう」
という心構えを教えてくれた学校だった。

その経験があったからこそ、担任時代の最後に飛び込み授業・取材授業が多くあっても、乗り切れたのだと思っている。

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2009.11.10

県教育振興会メルマガに掲載

副校長の仕事の1つとして地区の「教育振興会」の事務局をしている。この教育振興会は岩手県独自の教育運動で、子どもたちの教育の発展を願い、学校・家庭・行政・地域が協力して運動を進めているものである。昭和40年がスタートでもう40年以上の歴史がある。

そのメルマガが各学校に届くが、今月号に本校の取り組むが掲載された。こちらで読める。
こちらからの情報をもとに、メルマガ事務局で執筆されたものであるが、自分の仕事の1つが紹介されるのはやはり嬉しいことだ。昨日はこの会の役員会があり、ちょっとしたイベント風の企画を立てた。実現が楽しみである。

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2009.11.09

人に興味をもつ

 昨日のブログの続き。講演された先生は初任の時に少し縁があったのだが、2年前にも前任校でご講演をされた。その時に同僚と一緒に昼食をとった(ドライバー役だった)が、「あちこちでご講演されている先生だ。その時にチラッとお会いしただけでは覚えていないであろう。その頃とは違って自分もめがねをかけているし。」と思っていた。
そうしたら、昼食時に「どこかでお会いしましたよね」と言われた。前任校のことを話すと「そうそう、〇〇校長の時だね。初任もこっち(奥州)だったね」と話された。これには驚いた。
県内では著名な方なので、講演も多いはずである。行く先々で多くの人と接するであろうから、覚えるのも容易ではないはずである。それをうっすらとでも記憶していていた。一流となると違うとつくづく思った。

 似たことで思い出すのは、家本先生である。自分が2回ほど20代の頃に家本先生が編集される本の原稿を書いたことがあった。ただし、直接の知り合いではなかった。それから10年ぐらいして、縁あって家本先生に連絡をとる機会があった。その時に、「先生は10年ほど前に〇〇社の原稿を書きませんでしたか。記憶しています」とメールが届いた。これには驚いた。若輩者の原稿の内容と名前を覚えていたからだ。これで家本先生の熱烈なファンになった(もともとファンだった)。

 かつて田中角栄が官僚の名前と就職年次をひたすら覚えて、声をかけていたというエピソードを聞いたことがある。課長クラスでもしっかりと覚えていたという。大臣が自分の名前を覚えていた・・・となれば、当然感激するであろう。

 このように名前を覚えるということは、「人に興味をもつ努力をする」ということであろう。担任であれば、子どもたちに興味をもつ。その子のことをよく知り、声も何回もかける。講演者は関係者する皆さんのことをよく知ろうとする。この点、自分は関わりのある先生はもちろん、同僚のことを知ろうとする努力が不足しているなあ・・・。これも努力しよう。

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2009.11.08

講演から学ぶ

今日は家族参観日。本校が誇るのは出席率の高さである。100%参加は通常のこと。ご夫婦での参加もけっこう多いので、保護者参加比率は130%といったところ。そして、そのほとんどの方が続いての講演会にも残る。
今日の講演会は「地を養えば花開く」、県の要職であられる先生が、ご講演された。ユーモアたっぷりの具体的なお話に、聞き手は大満足であった。

 こういう講演会の時に、私は内容と聞きながら、どういう点に皆さんが引きつけられているか、どういう時に笑うかも同時に注目している。これは数年前にはなかったことであるが、ここ数年間で人前で話す機会も増えたので自然と見方も変化してきた。

今回の講師の先生は「ユーモアある子どもたちの詩や作文」を紹介してくださった。子どもらしい視点からの詩や作文に、保護者の皆さんがドッとわく。同時に「子どものセンスっていいな」と思われたことであろう。
また、子育てに関して言えば、自分の子育ての失敗談も入れていた。これは共感を呼んでいた。成功した話も印象に残るだろうが、それ以上に失敗談や苦労談は引きつけるものがある。「なるほど」と思いながら聞いていた。

 これらは自分はあまり行わない方法である。(依頼されるジャンルの違いだからしかたがないが)。その点でも参考になる講演会であった。こういう重鎮が県都から遠い本校に来ていただけることは本当に有り難いことである。

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2009.11.07

3年前の記事ではあるが・・・

仕事術や多忙化解消の情報が必要で検索していたら、教育ルネサンスのエントリーにぶつかった。以前も読んだなあ・・・と思いながら、日付を見ると3年前だった。その時は6年生担任。この「先生はなぜ忙しいのか」も、「仕事術のディスカッションが教員の業界でも必要」「子どもを育てることで時間がかかるのは、多忙感はあまり感じないはず」・・・と思っていた。

そして今改めて読み直すと別の視点で読み返している自分がいることに気づいた。さらに周辺情報を見ていくと「学校経営力」「小中一貫」と今の自分にとって大切なテーマが書かれている。今度はこちらを夢中になって読む。このように過去のエントリーが残っているということは有り難い。
読み手によっては、その時、その時の立場や興味で調べるものも異なってくる。それは書き手も同様である。このブログも授業や学級経営中心の情報から移行している。それはそれで今の立場や興味を示している。しかし、過去に書いたものは自分の授業や学級経営の足跡と考えれば、エントリーしておく意味もあるのかな・・と思った。

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2009.11.06

他校から学ぶ

管理職の積極的な発信には注目している。
スクール55の連載の太郎生小学校(三重)の中林校長先生の連載もその1つである。
第3回は「学校経営の柱としての「学校便り」」である。
学校便りが日刊ということにも驚くが、その方針の明快さが目をひく。
特に、「学校便りは保護者にあてたものではありますが、同時に職員も読みますから、共通認識を持つ上でもたいへん意味がある」という主張には納得する。
学校便りの書き方については私が出していた時の学級通信と同様の点も多く、その点でも共感できる。
以前も紹介したが、この学校便りは有り難いことに学校ホームページから見ることができるので、学ばせていただいている。まさに注目の連載と学校HPである。

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2009.11.05

小中合同校内音楽会

本来であれば今日が町音楽会であった。
しかし、新型インフルエンザの影響で中止。近隣市町村でも同様の動きであるから、これはやむを得ないであろう。まして、音楽会であるから。(ちなみに生徒指導の保護者対象の大会も中止になった)

ただ、ずっと音楽会を目標に先生方は練習に取り組んできた。子どもたちも楽しみにしてきた(小規模校であるから、全員で音楽会に参加する)。
そこで代替措置で校内で小中の音楽会を開くことになった。小学校は中学生に、中学生は小学生に聞かせるというものである。これも小中併設のメリットだ。

子どもたちは小学生も中学生もいい歌声を披露した。町音楽会のような場で他校と交流するのも1つの学びの場ではあるが、このような形でも1つの節目として長い期間の取り組みを終えることができたと思う。

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2009.11.04

仕事術を話題にしたい

時間外の勤務実態調査のことが新聞に掲載されていた。こちら
県都盛岡市のことだけに、他地域とは違う実情かもしれない。しかし、多くの県内の小中学校は似たようなものであろう。

実態調査だけで多忙化解消のための提言等はないものの、このような調査をきっかけに日々の仕事術が職場内で話題になればいいと思う。たとえば会議時間の短縮を目指すのであれば、どういう会議スタイルがいいのか共通理解する。授業準備や採点についても情報交流をするというようにだ。
小学校の場合には、それぞれの仕事が区切られているだけになかなかお互いの仕事術の情報が交流できない面がある。また、ベテランであれば自分の仕事のスタイルを変えたくないというところもあるだろう。それらを突破して話題にしたいところだ。自分の立場なら・・・通信だろうか。思案してみよう。

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2009.11.03

若き日の失敗

今日はPTA研修旅行。前任校で前々任校でもなかったので、十数年ぶりの参加となった。
十和田現代美術館、まきば温泉での懇親会(温泉には入れずひたすら飲んでいた)、お父さん方との二次会と楽しい旅行となった。

お酒を飲みながら、かつて行ったPTA研修旅行の失敗を思い出した。教員になって3年目の研修旅行だった。場所は遠野。やはり昼の懇親会でお酒を飲んだのだが、隣のお父さんがやたらお酒が強くて、「先生、じゃんけんをして負けたらお猪口で飲むゲームをしよう」と言われた。酒の国秋田出身の自分としては当然受けて立った。(すっかり弱くなった今ならもちろん受けないが・・・)
勝負すること30分。すっかり酔っぱらってしまった。まさに「お酒に飲まれた」状態。
その後の記憶は途切れ途切れ。気づいたらアパートで寝ていた。
翌日同僚に聞いたら、「大丈夫?昨日はベロベロだったね。福泉寺(遠野名所)では走り回っていたし、帰りのバスはマイクを占領していたし。でもそういう姿もなかなか見られないから、おもしろかったよ。ハハハ」
その瞬間、真っ青になってしまった。

それまでお酒に飲まれた同級生や先輩を見て、みっともないなあと思っていたが、自分がそのようになってしまった・・・。若気の至りといえばその通り。羽目をはずす程度はいいだろうが、飲まれてはいけない。若き日の失敗である。

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2009.11.02

東北青年塾

 次回東北青年塾の案内です。
 ご都合のつく方、ぜひご参加ください。Webはこちらです。

 第14回を迎える今回は、メイン講師に「諸富祥彦先生(明治大学教授)」をお迎えし「教師のメンタルヘルス」をテーマとした半日間を過ごす予定です。
 諸富祥彦先生は「現場教師の作戦参謀」として、抽象的ではない実際に役立つアドバイスを先生方に与え続けています。
 「悩める教師を支える会代表」としてご活躍もなされ、著書に『自分を好きになる子を育てる先生』『こころを育てる授業ベスト17(小学校)』『ベスト22(中学校)』(図書文化)、『友だち100人できません』(アスペクト)、『どんな時も、人生には意味がある。』(PHP文庫)ほか多数あります。
 『教師の悩みとメンタルヘルス』(図書文化)という今回のテーマに近いタイトルの著書も出版されています。この本は「教師であるあなたが、心の健康と誇りを保ちつつ、この先も元気を出して、教師を続けていけるようにサポートすること」をねらいとして、企画されたものと言います。
 今回の東北青年塾では、文章では把握できないより具体的なお話をお聞きしたり、参加された方々同志の情報交換をしたりできるように企画いたしました。ぜひ、おいでください。

■ 主 催  東北青年塾
■ 日 程  2009年12月19日(土) 13:20~17:00
■ 場 所  エル・ソーラ仙台研修室2(仙台アエル28階)
■ 参加費  2500円
■ 内 容
13時   ~13時15分    受付
13時20分~13時30分    開会行事

~第1部~

13時30分~13時35分    第1部の内容説明、諸富先生ご紹介
13時35分~15時05分    諸富先生ご講演「教師のメンタルヘルス」
15時05分~15時15分    質疑応答

~休憩(諸富先生の書籍販売)~

~第2部~

15時35分~15時45分    第2部の内容説明 
15時45分~16時05分    グループ討議
16時05分~16時50分    諸富先生から
16時50分~17時       閉会行事 

17時30分~          懇親会

■ 定 員  30名
■ 締 切  12月11日(金)(または、定員に達し次第)
■ 申込方法 以下の必要事項をご記入の上、メールにてお申し込みください。
      iabetaka@yahoo.co.jp(東北青年塾代表:阿部隆幸)
      参加費、懇親会費は当日受付でお支払いください。
 1 名前
 2 勤務先
 3 メールアドレス
 4 懇親会参加の有無

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2009.11.01

図書館と過去の情報がつながる

学校図書館に関わる調べごとをしていたら、ウィキペディアでの「学級文庫」という項目に辿り着いた。
「たいしたことがないだろう」と読み進めていたら、そんなことはなかった。「学級図書の利点」などは、現場にいる者としては「その通り」と思うものばかりだ。次に引用しよう。

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■学級図書の利点
・短い休み時間、雨の日の休み時間、また図工の授業中などに皆より作業が先に終わった手持ち無沙汰の子供など、いつでも気軽に本を手に取ることができる。
・とくに小学校低学年は学級担任が図書室へ引率・監督しなくとも、教室の監視下で本を読ませることができる。
・学級文庫は通常、図書室のような個人に対する貸し出し返却処理を行わない。そのため読もうと思えばすぐに読み始められ、おもしろくなければすぐに変えられる。とくに本が薄くて読み切る時間が早い、集中力が低く飽きっぽい小学生に適している。
・各学年の学力に応じた内容(漢字の使用頻度・難易度やページ数)の本を揃えて学力レベルに応じられる。
・「朝の読書」の時間(始業までの10分間読書)に読む本を持って来なかった場合も、代わりに読む本がある。
・常に教室にあるため、面白い本や奇妙な本は口コミで広がって学級における一種の「ベストセラー」現象が起こり、本を手に取る子供が増える。
・学級図書が「サンプル」として機能し、シリーズの続きや同じ作者の作品が読みたくなって図書室へ向かう子供もいる。
・常に目にしているため、学級文庫にある本の題名や著者名を自然に覚える。
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利点だけではなく、欠点、工夫内容もその通りだと思う。ちなみに本校の学級文庫は、町立図書館から月に一回巡回図書館号がバスで来る。各学級30冊の本を入れ替える。教師で借りる人もいるから、大人の読書促進にも役立っている。
さて、私が最も注目したのは、「北米における学級図書」という部分である。日本と北米の学級図書の主な相違点として「読書レベルシステムの導入」「出版業者との提携」「リラックスした読書環境 」が書かれていた。
自分がアメリカ研修に行った時のことがパーッと思い出されてきた。
週に1時間「ライブラリー」という時間があり、図書館情報学らしきものを学んでいた。学級にはカーペットコーナーがあり、子どもたちはリラックスして読み聞かせを聞いていた。もう16年も前のことだったが、この情報と当時の光景が結びついた。
きっとある程度問題意識をもっていれば、当時の学びも違っていただろうが、当時は「珍しいものを見ることができた」という程度だった。でも、それが逆に意識を少しは高めて、今の興味に結びついているのなら、それはそれで見たことの価値は十分にあったのだろうと感じた。今後も注目していきたい分野である。

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