自分を知る
とある天才数学者が小学生時代のころ、その才能に驚いた教師が「自分にはこの子は天才過ぎて、能力をさらに伸ばすことができない」と上級の教師のいる学校に転学を勧めたという話を聞いたことがあった。そこで才能はさらに開花し、天才数学者の道を歩くことになる。
この話を聞いて、この小学校教師の賢明さを感じた。自分の実力を知り、できないことをわきまえて、その子にとって最善の道を示す。
これは、今の自分の仕事にも通じると思っている。副校長職についているといっても、何でもできるわけではない。修繕は専門業者さんがベストであるし、パソコンスキルも人並み以下である。サポートを求められれば、努力はするが自分に解決が無理とわかれば早めに別の処置をとる。それが依頼者にとっても学校にとってもいいはずである。
かつてとある仕事をフォローしていて、その「自分の仕事を知る」ことの重要性を感じたことがあった。割り当てで重要な仕事がその人に行った。時々チェックをすれば、「〇日から始めます」と遅れ気味だった。締切数日前に必死に取り組み始めたようだったが、時間も実力も不足し、結局周囲でカバーしなければいけなかった。
「早めの取り組み状況の報告」や「自分を知った上での報告(〇〇はできるが、〇〇はサポートをお願いしたい)」が必要だったのである。特にチームとして動いている時には必要なことだ。
もっともこれは仕事にたいして弱気になることではない。特にも若いうちは「依頼された仕事は断らない」という姿勢が大事だ。その中での仕事のありようについて述べたものである。
Comments
かつのりさん、コメントありがとうございました。
ヒーリング効果とは大変ありがたい言葉です。かつのりさんのブログからも、日々様々なことと格闘(とも違う?)されている様子がわかり、「自分もしっかりしなければ」と励まされます。それにしても、思い出した2つの言葉、有難いですね。「今の上司」さんのような存在を自分も目指したいです。
Posted by: サトマサ | 2010.04.13 05:02
サトマサ先生の文章にはヒーリング効果があるような気がします。疲れたときに拝読いたしますと,心身の健康が回復するような気がします。
さて,今回の記事から,2つの言葉を思い出しました。
一つ目が,かつての上司から教わった言葉。
「最低の教師は,自分以下の人間を育てる。
ふつうの教師は,自分並みの人間を育てる。
最高の教師は,自分以上の人間を育てる。」
こういうものです。転学を勧めた先生の話とは少々ずれますが,できないことが山ほどある自分としては,子どもに「どうぞどうぞ!私のことなんか,どんどん追い越して立派になってください。それが私の喜び。」などと開き直る時に便利です。
もう1つが,今の上司から言われていること。
「いそがしくてできなかったら,悩まないで何でも回してくれ。」
ということです。みんな手一杯になっているのがわかるから,その分を自分が引き受けると言ってくださるのです。そのためにも「早めの相談」が大事ですね。
Posted by: かつのり | 2010.04.12 23:18