大切な教育文化が昔の教科書にあった
とある事情でこのごろ礼儀作法に関わる本を何冊か集中的に読んでいる。最近読んだのは「行儀作法の教科書」(横山験也著 岩波ジュニア新書)である。
横山氏は今は「教育文化研究家」である。この職業名は魅力的。元は小学校の教師で、もう20年前ぐらいになるが、東京で開催された野口芳宏氏の一日講演会に参加した時にご丁寧に席に案内してくださったことを覚えている。(著名な方に親切にされたことは、ずっと覚えているものである。)
この本で礼儀そのものについて確認したり、新たに得た知識はもちろんあるのだが、それ以上に感銘を受けたことがあった。それは明治から昭和の戦前にかけての多くの教科書に礼儀作法についてきちんと教えるページがあったということである。たとえば、礼のしかた、和食でのマナー、姿勢について等々である。この本には、その教科書の内容もページ丸ごと紹介されている。このように教えられていたら、日常生活の振る舞いは躾としてその字の通り美しく身についたであろう。私自身は小学校でも中学校でも作法についての授業を受けた記憶はない。
横山氏が戦前までの教科書を収集して、このような仕事をされた。まさに「教育文化研究家」である。「ジュニア新書」の名の通り、小学校高学年から高校生ぐらいまで教室に1冊、置いておきたい本である。
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Comments
横山先生、コメントありがとうございます。
著者の方からのコメントということで恐縮します。本当に後世に伝えたい本だと思っています。
Posted by: サトマサ | 2011.01.22 14:18
佐藤先生 私の本を読んでくださり,ありがとうございます。感謝しています。
Posted by: 横山験也 | 2011.01.22 00:16