学級通信「ガリバー」
村田栄一氏が亡くなられた。
若い世代にはなじみが薄いであろう。私が学生時代に大いに影響を受けた著者のお一人である。
きっかけは先輩のアパートの本棚に本があったことだ。その先輩の本棚にはぎっしりと教育書、一般教養書が詰まっていた。明らかに他の先輩方の部屋とは違っていた。尊敬できる先輩そのものだった。今も新潟で教師をしているはずである。
その部屋で見た「学級通信「ガリバー」」という本。村田氏の1年担任時の学級通信をそのまま本にしたものだ。当時のものは70年代前半の本なのですでに廃版になっているが、改めて新しい本として発刊されている。こちら。
ガリ版(これ自体が30代以下はわからない?)で心を込められた文字に、児童一人一人が生き生きと描写された学級通信だった。1年生の児童の様子にどんどん引き込まれ、ほとんど写真などはないのだが、学級の様子がイメージとして伝わってくる通信だった。きっと多くのファンがいた学級通信だったに違いない。そうでなければ復刻されない。
「教師になったら学級通信をどんどん発行しよう」・・・学生の自分がそう決意するような本であった。
その結果、私自身どんどん学級通信を発行するようになり、学級通信のハウツー本まで発刊した。この本との出会いがなければ変わっていたであろう。価値ある出会いは人だけではなく、本にもあるのだ。
ちなみに、この「ガリバー」にちなんで、2回の1年担任時はいずれも学級通信名を「ガリバー」とさせていただいた。ともに20代の頃だ。背のやや大きい私と1年生の子たち。「まさに先生にとってはガリバーの世界ですね」と保護者から言われた。通信を発行するたびに村田氏を意識していた。
私が大学時代にすでに教師を辞めていたので、お会いする機会がなかったことが無念である。
ご冥福をお祈りいたします。
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Comments
久保田さん、コメントありがとうございます。すでに購入し、読んでいたのですね。再読すると見えてくるものがあると思います。熱い実践を感じることができることでしょう。
Posted by: サトマサ | 2012.01.26 19:20
茨城の久保田(27歳)です。
『学級通信ガリバー』、机上に置いたままなかなかじっくり読む機会がありませんでした。
これを機に再読してみたいと思います。
ありがとうございました。
Posted by: 久保田亘 | 2012.01.26 18:08