「道」の文化
一昨日に続いて「道」について書いた原稿です。
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1 書写と書道
国語で「書写」の時間があります。硬筆・毛筆の書写が得意な人もいれば、苦手な人もいますね。
その書写と関係のある言葉に「書道」があります。「書写」が「文字を正しく整えて書き写すこと」であるのに対し、「書道」は「文字の美しさを表す文化」です。
このように、「~道(どう)」という名前がつく日本の文化は他にもたくさんあります。「茶道」はお茶をたて振る舞うものです。「華道」は草花を器に挿して表現したり鑑賞したりするものです。「香道(こうどう)」と言って、香りを楽しむ作法もあります。
2 「道」の特徴
「道」は、人として修行を目的として行う専門分野を示す言葉として使われます。
何事でも習い始めて努力を重ねれば、その分野での技を磨くことができます。それには終わりがありません。修行をして技が高まり、同時に人格の向上につながること、それが「道」の特徴です。
たとえば華道では、ただ美しく挿すだけでは十分ではありません。その草花の生命の大切さを感じる心を育てることが華道です。そのために、師から弟子に厳しく教えます。それが稽古です。花を生ける技術だけではなく、その考え方や人としての生き方まで及びます。
これは華道だけではありません。他の芸道についても同じです。
3 書道のすばらしさ
皆さんは毛筆の書写を学習していますが、ふだんの生活で筆を使うことはほとんどありませんね。鉛筆やボールペンが中心ですね。しかも、毛筆で字を書くことは難しいと思っている人も多いですね。墨や硯なども簡単に持ち運びができません。
ただ、鉛筆やボールペンは限られた太さでしか書くことができないのに対して、毛筆は細い線から太い線まで一本の筆で表現できます。さらに「濃い淡い」といったものもできます。
また、日本に残っている書道作品は、昔から日本で作られていた和紙に書かれており、保存性は優れたものです。千年以上の前の書も残っているほどです。
書写では、それらの文化の一部を学んでいることになるのです。
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