雪を楽しむ・雪を生かす
先週、越後湯沢駅から見た雪の多さに改めて驚いた。雪があるが故の大変さと共に、雪と付き合ってきた雪国の人々。そのことについて子ども向けに書いた文章を紹介します。(再掲)
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1 冬といえば「雪」
冬になると雪のニュースが流れます。
「初雪で雪だるまを作った」「スキー場は大賑わい」といったニュースなら楽しいのですが、雪のために苦労している地域もあります。大雪で列車が走らなくなった、雪かきが大変、吹雪で交通事故が起きた、雪崩で人が巻き込まれた・・・どちらかといえば雪の被害を受けているニュースの方が多いかもしれません。
皆さんも「雪で滑って転んだ」「寒い思いをして大変だった」という経験がある人もいるかもしれませんね。時にはけがにもつながりますから、十分に注意しなければいけません。
2 雪を楽しむ
そのような雪ですが、日本人は昔から雪と上手に付き合ってきました。
たとえば「かまくら」です。秋田県や新潟県といった雪の多い地方で、雪で大きな家を作ります。その中で水神様をまつったり、子どもたちが餅を食べたり歌ったりする行事です。何とも雪国らしい行事です。
また、雪合戦は皆さんも知っていますね。この雪合戦は単なる遊びではなく、今は雪合戦大会があります。大会で使われる雪玉を作る道具もあって、本格的なものなのです。何と外国の大会まであり、そこではそのまま「ユキガッセン」という名前が使われています。
かまくらも雪合戦も雪にちなんだ日本の文化です。
3 雪をエネルギーとして使う
また、雪はさまざまな研究の対象でもありました。
たとえば、今から七十年以上前に北海道の中谷宇吉郎(なかうきちろう)教授が、人工の雪の結晶を作りました。これは世界で初めてのことでした。
また、今は雪をエネルギーとして開発する研究が進められています。冬に大量の積もる雪を夏場の冷房のエネルギーにしようとする研究です。もともと日本では「雪室(ゆきむろ)」といって、冬にできた雪を小屋の中に閉じ込めておいて、夏に利用している地域がありました。それと似た考えで、冬に積もった雪を大きな貯蔵庫の中に貯めておきます。それを夏になって、冷気や冷水にして冷房にするものです。夏のクーラーがわりになるだけではなく、野菜などを冷やしておいて、新鮮さを保つことができます。
このように雪を生かす研究も今は進められているのです。
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