そろばんのよさいろいろ
先日職場で教具としてのそろばんのことが話題になった。それに関わって文章を書いたことを思い出した。以下に記す。
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1 そろばんの歴史
「そろばんの日」というのがあります。八月八日です。「八・八」はそろばんの珠をはじく音である「ぱちぱち」に通じるということで記念日になりました。
そろばんは、もともとは外国で生まれたものですが、日本には五百年ほど前に中国から入ってきたと言われています。日本の最古のそろばんは今から四百年前のもので、現在も残されています。
江戸時代になると商人や武士の間でも広がり、商人の多い地区では寺子屋でそろばんを教えていたほどでした。昭和に入ってからも銀行や事務の仕事で計算機として重要な役割を果たしてきました。
もっとも今は、計算機と言えば皆さんは電卓を思い浮かべる人も多いでしょう。ボタンを押せばあっという間に足し算やかけ算等をする電卓は確かに便利です。
2 そろばんのよさ
単に計算だけなら、そろばんは電卓にはかなわないかもしれません。
ところがそろばんには計算だけではないよさがあります。
たとえば日本人は簡単な計算は暗算でできます。これは外国に行った時に驚かれることです。その計算力の向上のためにそろばんが今まで役立ってきました。
また、「集中力を養うことができる」「情報を速く処理できる」「指先や脳を鍛えるために効果がある」と言う人もいます。
たしかにこれらの力はコンピュータ社会となった現代でもいろいろなことに役立ちます。
3 日本で改良されたそろばん
ところで日本のそろばんは、日本人が使いやすいように今まで改良を重ねてきました。
たとえば、中国から入ってきた時点で珠は丸いものでした。それを今使われているようなひし形に変えました。また、五珠が二つだったのを一つに、一珠が五つだったのを四つにしています。また、大きさも持ち運びに便利なように小さくしています。
また、伝統工芸品としてそろばん作りが有名な地域があります。兵庫県の播州(ばんしゅう)そろばんや島根県の雲州(うんしゅう)そろばんなどです。最近では海外にそろばんが輸出されているほどです。
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