このごろの本から
■「笑顔と対話があふれる校内研修」(石川晋・大野陸仁著 学事出版)
校内研修には誰しも参加しているであろうが、その改善となると学校全体のことなので簡単にはいかないことが多い。
その中で、校内研修の改善に具体的に取り組める本である。今年度研修担当になった先生方はもちろん、ヒントに使いたいという方にはまさにオススメである。
特に共感したところ。
○校内研修づくりの基本発想
「基本設計は学校長の学校運営方針を踏まえて一人で作る」「全ての活動は校内研修の時間内で完結する」といった基本的な原則が10項目並ぶ。これらが職場で共通理解されていれば、それだけで向かうべき方向がしっかりと定まるであろう。
○具体的な工夫が提案
「授業づくりに時間をかけないしくみをつくる」「通信を発行する」といったすぐに取り組める具体案や事例が書かれている。研究担当なら取り組みたい内容が多く書かれている。もちろん全てはできないが、自校に合わせて選ぶことができるだろう。
○1年間を見通した研修計画
今は各学校とも1年間の見通しを立てて動き始めていることであろう。その点ではまさにタイムリー。
○ノートとリスト
この本の工夫として、随時下段に6行ほどの書き込めるノートが設けられている。さらには参考文献も本文中だけではなく、末尾にも多く記されている。これも嬉しい。
自分も校内研修には、かなり力を入れて取り組んできた。その取り組んだものを体系的にまとめることはしていなかった。労力を必要をするからだ。それをこのようにまとめたことに敬意を表する。
■「歴史を楽しむ年表」(有田和正著 さくら社)
有田先生の新著。
見開きで左側に年表があり、右側にエピソードが書かれている。「楽しく読むことができる教養書」である。
エピソードには自分の知らない内容も数多く、「へー」の連続だった。「おとうさん・おかあさん」の始まりなどは意外と最近だった(明治30年代)。そういえば、時代劇には出てこない。
それにしても最後の参考文献には圧倒される。有田先生の追究意欲にまた学ばせていただいた。
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