「学校珍百景「学校あるある」を問い直す」
久しぶりに読書での紹介本。
本自体は読んでいるが、このごろブログに書くのは控えていた。
今回は学校を見る視点、指導を考える視点として「学校珍百景「学校あるある」を問い直す」(塩崎義明編著・学事出版)の紹介である。
まずは目次一覧。確かに「あるある」である。読みながら思わずクスッと笑ってしまう。それは自分もついつい言ってしまったり、経験したりというものがあるからだ。「おしゃべりをしている人が3人いました」という「脅し」などは、私もかつては使っていたし、先日偶然にもその現場を見てしまった。
むろん楽しむばかりだけではなく、一つ一つの項目について解釈がある。それが実に的を射ており鋭い。いわば私たちが何とも思っていなくなってしまったこと(かつてはそうではなかったのであるが…)への意義申し立てと言えると思う。
本書の「はじめに」の中に塩崎先生は「本書の三つの意味」を書いている。その中の一つが次の文章。
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子どもたちとの見せかけの「信頼関係」の上にあぐらをかいて、実は子どもたちが私たち教師に合わせてくれていることに気づかず、思いあがった指導をしている、私も含めた日本の教師に自戒の思いを込めたということ。
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恥ずかしながら、かつての自分に思い当たる節がこの本を読んでいてあった。とある学校にいた時に「6年生なのだから、子どもたちを使って準備しよう」「子どもたちを使って雪かきしよう」ということを何度か言ったことがあった。最近のことではない。もう子どもたちは30歳を過ぎている。そういうことを周囲も平気で言う学校だったから自分も染まっていたのであった。
反省する次第である。
もちろん、当時だけではなく、今も自分が思いあがっていないか留意していく必要がある。そんなことを考えさせられる本である。
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