建国記念の日に古代を知る
1 再び祝日になった日
二月十一日の建国記念の日は、「建国をしのび、国を愛する心を養う」祝日とされています。「建国記念日」と言う人もいますが、正しくは「建国記念の日」です。
この日は、明治時代から昭和二十三年まで、「紀元節」という祝日になっていました。「日本書記」という歴史の本の中に、初代の神武天皇が天皇になった日とされています。
一度祝日としては廃止になったのですが、その十八年後に今度は「建国記念の日」として、また祝日になった日なのです。
ただ、日本が実際にいつごろできたのか大昔のことだけに史料も少なく、この祝日を作るには賛成・反対の意見があり、時間がかかりました。
2 日本の建国史
資料が少ないながらも、今までのいろいろな研究によって、日本がいつごろ建国されたのかはおおよそ明らかになってきました。
弥生時代の中ごろ、神武天皇によって基礎が築かれましたと言われています。そして、古墳時代までに、今の九州から関東に至る主なところが、大和朝廷によって統一されました。この統一の中心になったのは歴代の天皇や皇族たちです。
「古墳時代」という名称の通り、このころ力のある人たちの大きな墓(古墳)がさかんに作られました。仁徳天皇の墓とされている大仙(だいせん)古墳は特に有名です。
3 外国の建国記念日
日本では今までないことですが、外国では一つの国が分かれたり、いくつかの国が一つになったりすることがあります。また、苦労して新しく国を作るという例もあります。
だから、世界地図上での国名もどんどん変わってきています。ここ百年で、百を超す新しい国ができたと言われています。
それぞれの国では、その新しい国になった日を「独立記念日」として、大切な祝日とされています。たとえば、アメリカ合衆国はイギリスから独立した七月四日を独立記念日にしています。
その点で、日本のように長い年月、国が変わらないのは、世界でも珍しいといえます。
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