ひな祭りで女の子の成長と幸せを願う
明日のももの節句にちなんだお話です。
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1 なぜ人形を飾るのか
三月三日。ももの節句です。
ひな人形を飾るお家もあることでしょう。どうして、ももの節句の時にひな人形を飾るようになったのでしょうか。
昔の中国には、三月の初めに川に入って、身のけがれを清めるというならわしがありました。それが日本にも伝わってきましたが、やがて紙でできた人形に自分のけがれを移して、川や海に流すようになりました。「流しびな」という行事です。
それが時代が変わるにつれ、「流しびな」と「人形あそび」が結び付いて、今のように人形や道具を飾って、女の子の成長と幸せを願う日になったのです。
2 早くしまわないと・・・
ひな人形を飾ったことがある人はに、「おびなとめびな、どちらが右、左?」と迷いませんでしたか。おびなは向かって左、めびなは向かって右に並べます。ただし、関西では逆になっています。
もともと川や海に流してしまう人形ですから、ひな祭りが終わっても飾っていると、厄を祓(はら)ったことになりません。そこで、「しまい遅れると、お嫁に行くのが遅くなる」といういい伝えができました。これは「片付けができない娘さんはお嫁には行けないよ」という気持ちも込められているという説もあります。
3 色には意味がある
ひな祭りで出てくるものにひしもち、ひなあられ、白酒があります。
ひしもちは白、緑、赤の三色が多いです。白はとける雪と清らかさを、緑は草がめばえることを、赤はももの花を表していると言われます。ひなあられも似た色で作られています。これらのお菓子を食べることで、自然のエネルギーをもらい、健康の育つと言われています。白酒は飾られるもので、ももの紅色と白酒の白色で「紅白」となり、めでたいとされているものです。それぞれの色にこめたれた意味があるのです。
もともと「ももの節句」ですから、「もも」にも大きな意味があります。ももの花は、「悪魔を祓う」と言われている木です。鬼退治に行くのが桃太郎というのも関係がありそうです。
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