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2014.08.29

時には自著のことを

何冊か本を出させていただいている。
このブログの左側に紹介しているものだ。
この中で「授業に関わるものでの代表作は?」と聞かれたら、間違いなく「スペシャリスト直伝!社会科授業成功の極意」と答えるであろう。
社会科についての自分の実践をまとめたものである。
自分が社会の講師役をする時に、担当の多くの方が話題にしてくださる。
そして自分も、講師役の時に何度も読み直す。自分の実践の事典(かなり薄いのであるが…)のようなものである。

この本を発刊してから間もなく3年になる。
執筆時は軽米の小学校に勤務していた時だった。
3月上旬に8割ぐらいまで書き終え、残り2割を3月末まで書ければ…と思っていた。
その時に起きた「3・11」。
余りのショック、そして「原稿を書いていていいのだろうか…」という後ろめたさがあり、全く書くことができなくなったしまった。
その時に経緯はあとがきに次のように書かせていただいた。(部分掲載)

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 この本を執筆している今年の3月11日に、東日本大震災が起きました。私が住んでいる岩手でも津波による多数の犠牲者が出ました。私自身もかつて勤務した学校や学区の変わり果てた姿に大きな衝撃を受けました。地域教材を開発し、充実した社会科教育実践を行った数年間が消えてしまうような思いでした。

 しかし、新しい社会の復興に向けて、今人々は動き始めています。自分にできることは教育を通じて未来の社会を担う人材を育成することです。特にも社会科は直接未来の社会創りに直結する教科です。その社会科授業で復興を支援できればと考えています。

 初任校時代から多くの先輩方から社会科教育を学んできた私でしたが、いつしか後輩たちの方が身に回りには多くなりました。先達から学んだバトンをきちんと引き継ぎ、これからの世代の先生方に渡していきたいと思っています。この本はそのバトンのようなものです。多くの方々に手にとっていだだければ幸いです。
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震災後1ケ月ぐらいして、立ちあがる人々にこちらが勇気をいただき、何とか執筆活動を再開して6月にゴールしたものである。
そういう意味でも自分にとっては忘れられない1冊となっている。

あれから3年。
この本の誕生日である9月2日の頃になるとあの時の思いが蘇る。

※3年経てもまだ明治図書のランキングに反映されている。有難いことである。

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