模擬授業で振り返る自分の授業
とあるところで書いた自分の原稿。
記録のために掲載。
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夏休みや冬休みといった長期休業中は教師にとっては研修のチャンスである。この夏、いくつかの研修会にお招きを受けて講座を受け持たせていただいた。このような依頼の場合、私は模擬授業を講座のプログラムの中にお願いすることが多い。
模擬授業とは、受講する先生方を対象に、学校での教室での授業と同じように資料を提示したり、問いかけをしたりすることである。子ども相手の本物の授業ではなく、大人相手ということで模擬授業と呼ばれている。子ども相手ではないので、1時間丸ごと行うわけではなく、20分や30分と短めの時間設定でもできる点がよさである。
この模擬授業の効果は大きい。受講する先生方からは、「教師の指導する言葉から学ぶことが多い」ということをよく聞く。たとえば社会科で「自動車工場の写真」を見せる時に、最初に何と問いかけるのかという例を示すことにより、授業づくりのヒントを学ぶ。
また、「授業を受ける子どもの立場になる」という経験も模擬授業ではできる。これは貴重である。たとえば、教師の問いかけに「この答えは自信がないな…」という場合もある。不安な気持ちをもっている時に指名されたら教師といえども緊張をするものだ。そういう経験は、日常での授業で不安そうにしている子どもへの配慮につながる。
私も模擬授業をしながら、「このように問いかけをすると子どもたちは考えやすいです」「答える時に不安でしたね。子どもたちも同じですよ」といった声がけをしていく。それによって、参加者の先生方も自分の授業を振り返ることになる。
それは私も同じで、講座行う模擬授業は自分の授業観の反映である。効果がある分、自己研鑽を積まなければと感じている。
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