授業開き「地球の歴史」で社会科好きに
寄稿したエッセーです。
4月。教師と子どもたちが出会い,新学年での授業が始まる月である。
1年間の授業の中でも最初の1時間目は特別である。
授業開きで「この教科はおもしろい!」というように興味をもたせたいと教師は考える。子どもたちも新学年で学習意欲も高いから,なおさらである。
6年生の担任の時,社会科の授業開きで「地球の歴史」という授業を行った。
「地球の歴史は46億年と言われています」と話して,廊下に46mの巻尺を置く。教室5つ分の長さだ。
「このうち人類の歴史はどこからスタートしているでしょうか」と子どもたちに聞き,予想した場所に立たせる。子どもたちは真ん中や「もう少しあとかな」と残り5~10mのところ等に予想して立つ。
「答えはここです」と言って、スタートから歩き始める。途中で止まり、「ここでようやくアメーバのような生き物が誕生しました(10m)」というよう説明を何カ所か加える。子どもたちが立っている位置を過ぎるたびに「えっ、そんなに最近なの!」という声が出てくる。
人類誕生の答えはゴール寸前のわずか4~5cmである。46mの長さからするとほんのわずかだ。予想よりはるかに短い答えに「エー!」という答えが自然に出てくる。
子どもたちは改めて地球の歴史の長さに驚いていた。
「6年生になって初めての社会はとても楽しかった。地球の歴史に比べたら,人類の歴史は本当に短い!これからの学習が楽しみ。」といった感想が続々と出てきた。
「授業開きに歴史に興味をもってほしい」と行ったこの授業は,子どもたちの印象に強く残ったようだった。その後の学習に興味をもって取り組んだのは言うまでもない。
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